後遺障害等級の解説

骨折 下肢

足の指の骨折は全治何週間なのか|医師監修記事・後遺障害専門の弁護士法人小杉法律事務所

足部、足趾骨格

本稿では、足の指の骨折は全治何週間なのか、また後遺症が残ってしまった場合の後遺障害等級について解説しております。

なお、本記事は損害賠償請求を専門に取り扱う弁護士小杉による執筆記事となりますが、医学的事項を含むため、医学博士早稲田医師(日本精神神経学会専門医・指導医、日本臨床神経生理学会専門医、日本医師会認定産業医)に記事監修をしてもらっています。

足の指の骨折の基礎知識

⑴骨折の種類と原因

骨折は、骨に過剰な力が加わることで骨構造が損傷した状態を指します。その種類には、大きな外力が加わることで起こる外傷性骨折と、繰り返しの負荷により起こる疲労骨折があります。足の指の骨折の場合、交通事故やスポーツ中の衝撃、段差や階段からの転落といった外傷を原因として生じることが多いです。

⑵骨折の初期症状と見分け方

足の指の骨折の初期症状としては、骨折部の腫れや激しい痛みが挙げられます。歩行時に痛みがしたり、指を軽く触れるだけで激痛が走ることもあります。特に痛みが強いと、足が動かせないこともあります。このほか、内出血による紫色の変色、指や関節が不自然に曲がる形の異常などの症状も見られます。

⑶足の指の骨折の治療

治療には、テーピングで指を固定するバディテーピングが主に用いられます。バディテーピングは、軽度の骨折や足の指の骨折治療でよく用いられる方法であり、骨折した指とその隣の指をテープでつないで固定し、安定させるものです。これにより骨を安定させ、癒合を進めるとともに炎症を抑える効果が期待できます。全治までは、軽度の骨折であれば3~4週間程度の固定を要し、その後1~2週間程度で痛みが緩和し日常生活での通常の動作まで回復するとされています。

また、適切に治療しない場合、後遺症や再骨折のリスクが高まります。腫れが治まらず痛みが続く場合は速やかに医療機関を受診することをおすすめいたします。

足の指の骨折の後遺障害等級

交通事故で足の指の骨折を負傷し、前述のような治療やリハビリが行われ、何事もなく完治し後遺症が残らないことが当然一番ではあります。しかし、場合によっては痛みや足指の可動域制限といった後遺症が残存してしまうこともあります。この時、自賠責に後遺障害等級の認定申請を行うことができることがあります。

足の指の骨折で残存する可能性がある後遺症は、足の指の可動域制限や、疼痛・しびれ等の神経症状が主に挙げられます。それぞれ認定される可能性がある等級についてみていきましょう。

⑴足指の可動域制限

骨折した足の指について可動域制限が残存してしまった場合、足指の機能障害の後遺障害等級が認定されます。

後遺障害等級表上では、「足指の用を廃したもの」として定められていますが、これは具体的には以下のa~cのいずれかに当てはまるものをいいます。

a 第1趾の末節骨の長さの1/2以上を失ったもの

b 第1趾以外の足指を中節骨もしくは基節骨を切断したもの又は遠位指節間関節(DIP)もしくは近位指節間関節(PIP)において離断したもの

c 中足指節関節(MP)又は近位指節間関節(PIP 第1趾にあっては指節間関節(IP))の可動域が健側の可動域角度の1/2以下に制限されるもの

 

なお、可動域角度による判定について、原則的には他動値によって判断が行われます。

また、cの要件を見ていただけると分かりますが、MTP関節やPIP関節(母趾においてはIP関節)に可動域制限が残っていることが要件とされている一方、DIP関節の可動域制限は等級認定の要件には含まれていません。そのため、例えば第3趾の骨折によってDIP関節にのみ可動域制限が残存したようなケースは、後遺障害等級認定の評価上、第3趾には機能障害が残存しているとは判断されないこととなるので注意が必要です。

足指の機能障害として定められている等級は6つあります。

①第7級11号

両足の足指の全部の用を廃したもの」に該当する場合に認定されます。

両足のすべての足指について、前述のa~cのいずれかの後遺症が残存していることが認められた場合に認定されます。

なお、可動域制限の判断について、通常は健側(怪我してない側)と患側(怪我している側)の可動域数値に基づいて行われますが、両足の足指を負傷している場合、健側が存在しないことになります。このような時には、予め定められている参考可動域角度との比較によって判定が行われることとなります。

②第9級15号

1足の足指の全部の用を廃したもの」に該当する場合に認定されます。

たとえば、片方の足の第1趾について末節骨の長さの2分の1以上を失い、第2趾及び第3趾について中節骨を切断し、第4趾及び第5趾について可動域角度が健側の2分の1以下になったようなケースが考えられます。

③第11級9号

1足の第1の足指を含み2以上の足指の用を廃したもの」に該当する場合に認定されます。

たとえば、第1趾及び第3趾について可動域角度が健側の2分の1以下になったようなケースが考えられます。

④第12級12号

1足の第1の足指又は他の4の足指の用を廃したもの」に該当する場合に認定されます。

⑤第13級10号

1足の第2の足指の用を廃したもの」、「1足の第2の足指を含み2の足指の用を廃したもの」又は「1足の第3の足指以下の3の足指の用を廃したもの」に該当する場合に認定されます。

⑥第14級8号

1足の第3の足指以下の1又は2の足指の用を廃したもの」に該当する場合に認定されます。

たとえば、第3趾及び第5趾について可動域角度が健側の2分の1以下になったようなケースが考えられます。

⑵足指の神経症状

①第12級13号

局部に頑固な神経症状を残すもの」に該当する場合に認定されます。

足指の疼痛やしびれ等の神経症状の残存について、画像所見や神経学的所見などの他覚的所見によって医学的に立証できることが要件となります。

②第14級9号

「局部に神経症状を残すもの」に該当する場合に認定されます。

画像所見や神経学的所見などによって他覚的に症状の残存を立証することはできないものの、事故態様や治療状況、症状経過などによって症状の残存につき説明可能である場合に認定されます。骨折の場合、通院頻度を増やしたからといって骨折の回復が早まるわけではありませんので、むち打ち損傷等と比較すると通院日数の多寡はあまり意識しなくてもよいかと思います。なにより、完治して後遺症が残らないことが一番ですから、疼痛やしびれなどの神経症状がある場合にはきちんと主治医に伝え、適切な治療を行っていくことをが重要でしょう。

おわりに

本稿では、足の指の骨折は全治何週間なのか、そしてもしも後遺障害が残存してしまった場合の後遺障害等級について解説いたしました。

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交通事故で足の指の骨折を負傷し、後遺障害や損害賠償請求のこと等でお悩みの方は、ぜひ一度、弁護士法人小杉法律事務所の無料相談をお受けください。

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この記事の監修者弁護士

小杉 晴洋 弁護士
小杉 晴洋

被害者側の損害賠償請求分野に特化。
死亡事故(刑事裁判の被害者参加含む。)や後遺障害等級の獲得を得意とする。
交通事故・学校事故・労災・介護事故などの損害賠償請求解決件数約1500件。

経歴
弁護士法人小杉法律事務所代表弁護士。
横浜市出身。明治大学法学部卒。中央大学法科大学院法務博士修了。

所属
横浜弁護士会(現「神奈川県弁護士会」)損害賠償研究会、福岡県弁護士会交通事故被害者サポート委員会に所属後、第一東京弁護士会に登録換え。日本弁護士連合会業務改革委員会監事、(公財)日弁連交通事故相談センター研究研修委員会青本編集部会。