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【脛骨遠位端線損傷】自賠責非該当の判断に対し、ロールレントゲンの撮影をし、異議申立てにより短縮障害13級8号を獲得し、約700万円で示談解決した事例

Oさん 10代・女性・学生

【脛骨遠位端線損傷】自賠責非該当の判断に対し、ロールレントゲンの撮影をし、異議申立てにより短縮障害13級8号を獲得し、約700万円で示談解決した事例

解決事例のポイント

① 自賠責保険非該当の判断に対してロールレントゲンの撮影を提案し、その所見をもとに異議申立てを行って、短縮障害13級8号を獲得
② 小学生の被害者について、親御さんによる通院の付添いや通学の付添費を認めさせ、損害賠償金約700万円で示談解決

相談前

Oさんは小学校高学年の女の子です。

自転車に乗って道路を横断しようとしたところで、車にはねられてしまい、足を骨折してしまうという交通事故に遭ってしまいました。

整形外科にてリハビリを続け、なんとか脚の痛みは完治したものの、若干の違和感が残ってしまったことから、後遺障害等級の申請を行うことになりました。

加害者側の保険会社を通じて後遺障害等級の申請(事前認定)を行いましたが、自賠責保険は後遺障害等級非該当の判断をしました。

Oさんの親御さんは、後遺障害等級の認定がなされないことが正しいのかどうかわからず、ひとまず弁護士の無料法律相談に行ってみることにしました。

法律相談

法律相談では、後遺障害等級と等級別の損害賠償額について説明差し上げました。

後遺障害等級―脚の短縮障害-の説明

具体的には、まず、Oさんの脚に残る違和感については、後遺障害等級の認定がなされることは無い旨の説明をしました。

神経症状で後遺障害等級を獲得するには、常時疼痛を残していることが必要とされていますので、「違和感」という症状では、後遺障害等級の認定がなされることはありません。

ただし、違和感の原因によっては、神経症状以外の後遺障害等級該当の可能性が出てきます。

Oさんの場合であり得るのは、短縮障害です。

脚を骨折した場合、治癒力によって、骨折した箇所は元に戻ろうとします(「骨癒合」といいます。)。

Oさんのように若年者の場合は、治癒力も高いですから、骨癒合が上手く進むことも多いですが、脚の骨が折れている間も、骨の成長が続いていますので、骨がくっついたときに、左右の骨の長さが異なってしまうことがあるのです。

また、癒合がうまくいかなかったために左右の骨の長さが変わってしまうこともあります。

Oさんの訴える脚の違和感が短縮障害に起因するものである可能性があったため、この点について調査することにしました。

子どもの損害賠償請求についての説明

お子様が交通事故に遭われてしまった場合、損害賠償請求をするのは親権者である親御さんとなります。

大人と違い仕事をしていませんので、休業損害の請求をすることはほとんどないのですが(役者さんの場合やアルバイトをしている高校生の場合などは休業損害を請求できます。)、慰謝料については、大人と同様に請求をしていくことができます。

また、後遺症が残ってしまった場合は、将来就職をするなどして仕事をする際に、その後遺症が原因で仕事がしづらくなってしまったり、職業選択の幅が狭められてしまうことがあるため、子どもであっても逸失利益の請求をしていくことはできます。

そして、大人と異なる点としては、通院や通学の際の親御さんの付添費が損害賠償として認められることがあります。

いずれにしても、後遺障害等級が獲得できるか否かによって損害賠償額は大きく異なってきますので、まずは後遺障害等級獲得の可能性があるかどうかを探っていくという方針で行くことにしました。

なお、後遺障害等級非該当の場合の損害賠償額は100万円程度となることが予想され、他方で、短縮障害13級8号の認定を獲得した場合は約7倍となる700万円程度の損害賠償額となることが予想される事案でした。

医学的調査とロールレントゲンの撮影

整形外科病院からOさんのレントゲン画像を取り付け、長さを測定してみたところ、予想どおり、左右で1㎝程度の差が出ていることが判明しました。

ただし、このレントゲン撮影画像は、非該当判断を下した自賠責保険も見ているものですから、同じ画像を提出したとしても判断が変わらない可能性が高いです。

そこで、骨盤から足までを1つのレントゲン画像に映すロールレントゲン撮影により、短縮障害を明らかにした上で異議申立てを行う方針としました。

異議申立て:膝内側側副靭帯損傷による後遺障害等級12級13号獲得

Oさんに病院に行ってもらって、ロールレントゲンの撮影をしてもらい、これをもとに異議申立てを行ったところ、見立てどおり、後遺障害等級13級8号の短縮障害を獲得することができました。

約700万円での示談解決

以上の後遺障害等級13級8号をもとに示談交渉を行いました。

親御さんの病院への付添いや学校への付添いについて、裁判例を元に主張をし、親御さんの付添費用を認定させることに成功しました。

その他、慰謝料や逸失利益などの賠償も認められ、結果約700万円以上での示談解決となりました。

弁護士小杉晴洋のコメント:子どもの交通事故時間の解決を得意としています

子どもの事故については、発育過程における傷害であるため、大人とは異なる考察が必要です。

いまは大丈夫そうでも将来事故の影響が出ないかどうか、事故によるケガのために発育に問題は生じていないかなどの考察をする必要があり、医学的な観点はお医者さんの領域でありますが、その医学的な知見を損害賠償請求に落とし込むのは弁護士の領域となります。

当事務所では、子どもの交通事故被害案件や学校事故被害案件を多く扱っています。

お子様の事故被害の解決を得意としていますので、お子様が交通事故や学校事故に遭われてしまった方については、まずはご相談いただければと思います。

なお、学校事故に関してはこちらのページをご覧ください。

この記事の監修者弁護士

小杉 晴洋 弁護士
小杉 晴洋

被害者側の損害賠償請求分野に特化。
死亡事故(刑事裁判の被害者参加含む。)や後遺障害等級の獲得を得意とする。
交通事故・学校事故・労災・介護事故などの損害賠償請求解決件数約1500件。

経歴
弁護士法人小杉法律事務所代表弁護士。
横浜市出身。明治大学法学部卒。中央大学法科大学院法務博士修了。

所属
横浜弁護士会(現「神奈川県弁護士会」)損害賠償研究会、福岡県弁護士会交通事故被害者サポート委員会に所属後、第一東京弁護士会に登録換え。