後遺障害等級の解説

後遺障害等級一般論

自賠責の後遺障害第8級の金額と認定のポイントは?|後遺障害専門の弁護士法人小杉法律事務所

こちらのページでは、自賠責の後遺障害等級表で定められている後遺障害等級のうち、第8級に定められているものについて解説しております。

自賠責の後遺障害等級第8級の等級一覧と金額

自動車損害賠償保障法施行令における後遺障害等級表別表第二には、以下の1~10号の後遺障害等級が定められています。

なお保険金額について、単独認定・併合認定問わず、最終等級が第8級の時に支払われる保険金額は819万円です。

⑴別表第二第8級1号 1眼の視力障害

1眼が失明し、又は1眼の視力が0.02以下になったもの」に該当する場合に認定されます。なお、ここでいう「視力」とは矯正視力をいい、測定方法については原則として万国式試視力表(ランドルト環を用いたもの)によるものとされています。

⑵別表第二第8級2号 脊柱の運動障害または荷重機能障害

脊柱に運動障害を残すもの」に該当する場合に認定されます。

次のいずれかを原因として、頚部または胸腰部の可動域が参考可動域角度の1/2以下に制限された場合には、脊柱の運動障害として認定されます。

a 頚椎または胸腰椎に圧迫骨折等を残しており、そのことがエックス線写真等により確認できるもの

b 頚椎または胸腰椎に脊椎固定術が行われたもの

c 項背腰部軟部組織に明らかな気質的変化が認められるもの

また、荷重機能の障害について、その原因が明らかに認められる場合であり、そのために頚部又は胸腰部のいずれかの保持に困難があり、常に硬性補装具を要するものも、別表第二第8級2号が認定されます。加えて、頭蓋・上位頚椎間に著しい異常可動性が生じた場合も、別表第二第8級2号として取り扱われます。

⑶別表第二第8級3号 手指の欠損障害

一手の親指を含み2の手指を失ったもの又は親指以外の3の手指を失ったもの」に該当する場合に認定されます。

なお、「手指を失ったもの」とは、親指については指節間関節(IP)以上で、その他の指では近位指節間関節(PIP)以上で指を失ったものをいいます。

⑷別表第二第8級4号 手指の機能障害

一手の親指を含み3の手指の用を廃したもの又は親指以外の4の手指の用を廃したもの」に該当する場合に認定されます。

「手指の用を廃したもの」とは、具体的には以下のものをいいます。

a 手指の末節骨の長さの1/2以上を失ったもの

b 中手指節関節(MCP)もしくは近位指節間関節(PIP 親指にあっては指節間関節(IP))の可動域が健側の可動域角度の1/2以下に制限されているもの(親指については橈側外転又は掌側外転のいずれかが健側の1/2以下に制限されているものも含む)

c 手指の末節の指腹部及び側部の深部感覚及び表在感覚が完全に脱失したもの

⑸別表第二第8級5号 下肢の短縮障害

一下肢を5㎝以上短縮したもの」に該当する場合に認定されます。

下肢の短縮については、下肢長(上前腸骨棘と下腿内果下端の間の長さ)を測定し、健側と比較してどのくらい短縮したかを算出します。エックス線写真のフィルムを貼り合わせる方法や、ロールレントゲンで撮影し1枚のフィルムに収める方法があります。

また、短縮とは異なりますが、小児の骨折などでは、骨折を契機として逆に成長が促進され、骨折した側が健側と比較して長くなってしまう過成長の障害が生じることがあります。過成長についても、短縮の場合に準じ、健側の長さと比較しその程度に応じて相当等級が認定されます。

⑹別表第二第8級6号 上肢の機能障害

一上肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの」に該当する場合に認定されます。

「1関節の用を廃したもの」とは、具体的には次のようなものが該当します。

a 関節が強直したもの(肩関節については、肩甲上腕関節が癒合し骨性強直していることがエックス線写真により確認できるものを含む)

b 関節の完全弛緩性麻痺又はこれに近い状態にあるもの

なお「これに近い状態」とは、他動では可動するものの、自動運動では関節の可動域が健側の可動域角度の10%程度以下になったものをいいます。

c 人工関節・人工骨頭を挿入置換した関節のうち、その可動域が健側の可動域角度の1/2以下に制限されているもの

⑺別表第二第8級7号 下肢の機能障害

一下肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの」に該当する場合に認定されます。

「1関節の用を廃したもの」とは、具体的には以下のものをいいます。

a 関節が強直したもの

b 関節の完全弛緩性麻痺又はこれに近い状態にあるもの

なお「これに近い状態」とは、他動では可動するものの、自動運動では関節の可動域が健側の可動域角度の10%程度以下になったものをいいます。

c 人工関節・人工骨頭を挿入置換した関節のうち、その可動域が健側の可動域角度の1/2以下に制限されているもの

また、上記のほか、動揺関節が残存する場合もこの等級が認められることがあります。動揺関節の障害を残し、常に硬性補装具を必要とするものは、「用を廃したもの」として取り扱われます。

⑻別表第二第8級8号 上肢の変形障害

一上肢に偽関節を残すもの」に該当する場合に認定されます。

具体的には、次のいずれかに該当するものをいいます。

a 上腕骨の骨幹部等に癒合不全を残すもの(ただし常に硬性補装具を必要とはしないもの)

b 橈骨及び尺骨の両方の骨幹部等に癒合不全を残すもの(ただし常に硬性補装具を必要とはしないもの)

c 橈骨又は尺骨のいずれか一方の骨幹部等に癒合不全を残すもので、時々硬性補装具を必要とするもの

⑼別表第二第8級9号 下肢の変形障害

一下肢に偽関節を残すもの」に該当する場合に認定されます。

具体的には、次のいずれかに該当するものをいいます。

a 大腿骨の骨幹部等に癒合不全を残すもの(ただし常に硬性補装具を必要とはしないもの)

b 脛骨及び腓骨の両方の骨幹部等に癒合不全を残すもの(ただし常に硬性補装具を必要とはしないもの)

c 脛骨の骨幹部等に癒合不全を残すもの(ただし常に硬性補装具を必要とはしないもの)

⑽別表第二第8級10号 足趾の欠損障害

一足の足指の全部を失ったもの」に該当する場合に認定されます。

具体的には、中足指節関節(MTP)以上を失ったものをいいます。ただし、基節骨の一部を残したとしても、足指を付け根から失った場合には、「足指を失ったもの」として取り扱われます。

⑾相当等級として第8級相当と認められるもの

自賠責は、以下の後遺障害について、政令別表第二備考6を適用し、別表第二第8級相当として取り扱っています。

a 脊柱に中程度の変形を残すもの

この記事の監修者弁護士

小杉 晴洋 弁護士
小杉 晴洋

被害者側の損害賠償請求分野に特化。
死亡事故(刑事裁判の被害者参加含む。)や後遺障害等級の獲得を得意とする。
交通事故・学校事故・労災・介護事故などの損害賠償請求解決件数約1500件。

経歴
弁護士法人小杉法律事務所代表弁護士。
横浜市出身。明治大学法学部卒。中央大学法科大学院法務博士修了。

所属
横浜弁護士会(現「神奈川県弁護士会」)損害賠償研究会、福岡県弁護士会交通事故被害者サポート委員会に所属後、第一東京弁護士会に登録換え。日本弁護士連合会業務改革委員会監事、(公財)日弁連交通事故相談センター研究研修委員会青本編集部会。