後遺障害等級の解説

耳介の欠損障害

1 後遺障害等級表

第12級4号 1耳の耳かく(耳介)の大部分を欠損したもの

※耳介とは、耳かくともいい、頭部の両側にあって外耳孔を囲んでいる貝殻状の突起のことをいい、音を集める働きがある。

 

2 後遺障害等級認定の要件

(1)「耳介の大部分の欠損」とは、耳介の軟骨部の2分の1以上を欠損したものをいう。

(2)耳介の大部分を欠損したものについては、耳介の欠損障害としてとらえた場合の等級と外貌の醜状障害としてとらえた等級のうち、いずれか上位の等級に認定することになる。

(3)耳介軟骨部の2分の1以上には達しない欠損であっても、これが「外貌の単なる醜状」の程度に該当する場合は、第12級の14に認定することになる。

 

3 後遺障害等級認定の注意点

(1)障害等級表では、耳介の欠損障害について、1耳のみの等級を定めているので、両耳の耳介を欠損した場合には、1耳ごとに等級を定め、これを併合して認定することになる。

なお、耳介の欠損を醜状障害としてとらえる場合は、上記の取り扱いは行わない。

(2)耳介の欠損障害と聴力障害が存する場合は、それぞれの該当する等級を併合して認定することとなる。

この記事の監修者弁護士

小杉 晴洋 弁護士
小杉 晴洋

被害者側の損害賠償請求分野に特化。
死亡事故(刑事裁判の被害者参加含む。)や後遺障害等級の獲得を得意とする。
交通事故・学校事故・労災・介護事故などの損害賠償請求解決件数約1500件。

経歴
弁護士法人小杉法律事務所代表弁護士。
横浜市出身。明治大学法学部卒。中央大学法科大学院法務博士修了。

所属
横浜弁護士会(現「神奈川県弁護士会」)損害賠償研究会、福岡県弁護士会交通事故被害者サポート委員会に所属後、第一東京弁護士会に登録換え。