交通事故コラム

物損 過失割合

当て逃げされた場合の過失割合はどうなる?被害者専門弁護士が解説

2024.12.25

物損 過失割合

交通事故態様

このページでは、交通事故被害者側損害賠償請求専門弁護士が、

  • 過失割合とは?
  • 類型別の当て逃げされた場合の過失割合
  • 被害者が取るべき対策
  • 被害者が受け取れる賠償金

等について解説します。

 

弁護士法人小杉法律事務所では、交通事故被害者側の損害賠償請求を専門とする弁護士による過失割合の解決サポートを実施しております。

交通事故被害に遭い、過失割合でお困りの方はぜひ一度弁護士法人小杉法律事務所にお問い合わせください。

 

交通事故被害者側損害賠償請求専門弁護士による過失割合解決サポートの詳細についてはこちらから。

 

当て逃げ事故における過失割合の基本

過失割合とは何か?

民法では「被害者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の額を定めることができる。」と規定されています(民法第722条2項)。

これを「過失相殺」といい、過失相殺によって定められた被害者及び加害者の過失の割合を「過失割合」といいます。

 

交通事故が発生した際に出てくる「過失割合」は、被害者と加害者双方がどの程度、事故の原因に責任を負うべきかを数値化したものといえます。

当て逃げの場合でも、被害者が自ら過失割合について確認し、主張する必要があることが多いです。

 

なぜ当て逃げでも過失割合が重要か?

当て逃げ事故では加害者が現場を立ち去った場合、被害者は事故に関する証拠や目撃情報をもとに交渉を進める必要があります。

過失割合が被害者に不利に設定された場合、損害額の一部を自腹で補填しなければならないため、非常に重要な要素です。

 

当て逃げと通常の交通事故の違い

通常の交通事故では、加害者と被害者が双方その場に留まり、報告を受けた警察による捜査が行われるため詳細な事故状況を確認できます。

 

しかし、当て逃げの場合、加害者がその場を立ち去るため、事故の詳細や証拠を明らかにするのが難しくなります。

この違いにより、被害者側は警察や保険会社へ迅速に対応し、証拠収集を強化しなければなりません。

 

また、加害者が特定できない場合は、損害賠償請求が難航するケースもあります。

 

過失割合を決定する要因とは?

過失割合を決定する際には、さまざまな要因を考慮します。

具体的には、事故現場の状況(交差点・駐車場内など)、車両の動き(停車中・走行中)、当事者の運転状況(速度・注意義務)などが挙げられます。

 

当て逃げの場合もこうした要素に基づいて過失割合が判断されますが、加害者不明の場合や証拠が不十分な場合、被害者側が不利な状況に陥るリスクがあります。

したがって、可能な限り詳細な証拠を集めることが重要です。

 

類型別の当て逃げされた場合の過失割合

停車中に当て逃げされた場合の過失割合

停車中に当て逃げされた場合、基本的には「被害者に過失がない」と判断されるため、過失割合は典型的に10:0となります。

 

特に駐車スペース内で正しく停車していた場合、被害者が事故を招く行為をしていないと考えられるからです。

こうした場合、被害者は速やかに警察や保険会社に連絡し、適切な補償を受けられるための手続きを進める必要があります。

 

駐車場での当て逃げが対象となる状況

駐車場での当て逃げは非常に発生しやすく、例えば、縦列駐車の際や車庫入れ中に隣の車に接触した場合によく見られます。

このような状況では、加害者が立ち去った場合でも被害者側に過失が認められるケースはほとんどありません。

 

ただし、防犯カメラの映像や目撃者の証言など証拠を集めることが重要です。

保険会社が加害者を特定するためにも、警察への被害届の提出が大切です。

 

双方走行中の場合の注意点

当て逃げが起こるのは停車中だけでなく、双方が走行中の場合もあります。

この場合、事故の状況次第で過失割合が変動することがあります。

 

例えば、被害者側が適切な車間距離を取っていなかったり、急な車線変更をした場合には、少なからず被害者側にも過失が認められることがあります。

一方、加害者が一方的に進行を妨げたり追突して逃げた場合には、加害者側の責任が重くなります。

 

また、このような場合、加害者の特定が難しくなるため、事故当時の状況を詳細に記録しておくことがポイントです。

 

 

加害者が判明しない場合の対応

当て逃げ事故では、加害者がその場から逃走した場合、加害者不明のままになることもあります。

こうした場合でも、被害者は諦めず、警察に被害届を提出することが必要です。

警察の捜査に加え、防犯カメラの映像や目撃者の証言を活用することで加害者を特定できる可能性があります。

 

また、自動車保険の車両保険に加入していれば、自身の保険を用いて修理費を補償してもらうことが可能です。

保険会社に相談し、適切な対応を取るようにしましょう。

 

被害者側の注意点と適切な対応策

現場で取るべき行動と証拠収集

当て逃げ事故に遭遇した際、まず冷静に現場の状況を把握し、可能な限り多くの証拠を収集することが重要です。

加害者の車両の特徴やナンバープレート、防犯カメラや目撃者の証言などを確認しましょう。

 

これらの証拠は、後の警察の捜査や保険会社との交渉において、有力な材料となります。

また、事故の詳細を記録するために、車両の損傷箇所や現場の景観を写真や動画で残すこともおすすめです。

 

警察や保険会社への連絡の重要性

当て逃げ事故が発生したら、必ず警察に連絡して交通事故証明書を取得することが重要です。

警察に通報することで、事故の記録が正式に残り、保険金請求や示談交渉でトラブルを防ぐことができます。

 

その後、保険会社にも連絡して適切な対応を相談しましょう。特に、加害者が不明の場合でも車両保険を活用すれば修理費用をカバーできる場合があります。

警察や保険会社への迅速な連絡は、被害者が不利な状況に陥るのを防ぐための基本的なステップです。

 

過失割合の主張におけるポイント

当て逃げ事故では通常、加害者が全ての過失を負うと考えられるケースが多いですが、状況によっては過失割合が争点となることもあります。

そのため、被害者は自分の責任がないことを明確に主張できるよう、証拠をもとにした具体的な説明が求められます。

 

また、保険会社との交渉においては、過失割合の提示内容をしっかりと確認し、不当な過失割合の認定がなされないよう注意しましょう。

この際、交通事故に詳しい弁護士のサポートを依頼することも有効です。

 

泣き寝入りを防ぐためのコツ

当て逃げ事故では、加害者が特定できないと泣き寝入りになりやすいケースがあります。

 

しかし、被害者が積極的に行動することで、そのような事態を防ぐことが可能です。

まず、現場で得られる限りの証拠を収集し、その情報を警察や保険会社に共有してください。

 

また、事故発生状況に基づいて適切な補償を受けるため、弁護士を活用することも重要です。

弁護士を通じて示談交渉を行うことで、公平な賠償額を請求できるケースも多いため、必要に応じて専門家の力を借りることを検討しましょう。

 

弁護士費用特約の活用法

ところで、当て逃げによる物損事故の場合、慰謝料などを請求することが難しいことや、

原状回復が原則であることなどから、弁護士のサポートを受けたとしても、弁護士費用分損をしてしまうリスクもあります。

 

しかし、弁護士費用特約を活用することで、弁護士を依頼する際の経済的負担を大幅に軽減することができます。

この特約を利用すれば、保険会社が弁護士費用を負担してくれるため、被害者にとって実質的な負担なしで専門家の力を借りることが可能です。

 

特約は多くの自動車保険に付帯しており、物損事故にも適用されるケースがほとんどです。

当て逃げ事故の場合、過失割合や示談交渉が複雑になりがちなため、この特約を活用して早期解決を目指すことをお勧めします。

保険契約内容を確認し、不明な点があれば保険会社に相談するとよいでしょう。

 

弁護士法人小杉法律事務所では、交通事故被害者側の損害賠償請求を専門とする弁護士による過失割合の解決サポートを行っております。

当て逃げ被害に遭いお困りの方は、ぜひ一度弁護士法人小杉法律事務所にお問い合わせください。

 

交通事故被害者側の損害賠償請求を専門とする弁護士との初回無料の法律相談の流れについてはこちら。

この記事の監修者弁護士

小杉 晴洋 弁護士
小杉 晴洋

被害者側の損害賠償請求分野に特化。
死亡事故(刑事裁判の被害者参加含む。)や後遺障害等級の獲得を得意とする。
交通事故・学校事故・労災・介護事故などの損害賠償請求解決件数約1500件。

経歴
弁護士法人小杉法律事務所代表弁護士。
横浜市出身。明治大学法学部卒。中央大学法科大学院法務博士修了。

所属
横浜弁護士会(現「神奈川県弁護士会」)損害賠償研究会、福岡県弁護士会交通事故被害者サポート委員会に所属後、第一東京弁護士会に登録換え。日本弁護士連合会業務改革委員会監事、(公財)日弁連交通事故相談センター研究研修委員会青本編集部会。