交通事故コラム

過失割合

高速道路の合流で発生した事故の過失割合はどうなる?【弁護士解説】

2024.12.30

過失割合

このページでは、交通事故被害者側損害賠償請求専門弁護士が、

  • 高速道路の合流で発生した事故の過失割合はどうなる?

という疑問にお答えします。

 

高速道路の合流で発生した事故の過失割合はどうなる?

民法では「被害者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の額を定めることができる。」と規定されています(民法第722条2項)。

これを「過失相殺」といい、過失相殺によって定められた被害者及び加害者の過失の割合を「過失割合」といいます。

過失割合は、原則として、東京地裁民事交通訴訟研究会編別冊判例タイムズ38号「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」(全訂5版)という文献をもとに判断されます。

 

この一般的に『別冊判例タイムズ38号』と呼ばれる文献の中にも高速道路の合流で発生した事故の類型があります。

 

道路交通法75条の6第1項では

自動車(緊急自動車を除く。)は、本線車道に入ろうとする場合(本線車道から他の本線車道に入ろうとする場合にあつては、道路標識等により指定された本線車道に入ろうとする場合に限る。)において、当該本線車道を通行する自動車があるときは、当該自動車の進行妨害をしてはならない。ただし、当該交差点において、交通整理が行なわれているときは、この限りでない。

とされています。

 

したがって、基本的には合流車の方の過失割合が大きくなることになります。

 

パターン別に見ていきましょう。

 

四輪車対四輪車の場合

四輪車対四輪車の場合の基本過失割合は、本線車30:合流車70です。

 

ここから合流車側に不適切な合流(本線車よりも20㎞以上遅い速度で本線車道に入った場合等)の過失がある場合には、

更に合流車側に不利に10~20程度修正されることがあります。

 

逆に、本線車側に急加速をした、速度違反をしていたなどの事情がある場合には、

合流車側に有利に10~20程度(最大で40程度)修正されることがあります。

 

バイクが本線車道上を走行していたところに四輪車が合流してきて事故が発生した場合

この場合の基本過失割合はバイク20:四輪車80です。

その他の修正要素は四輪車対四輪車の場合と同様です。

 

四輪車が本線車道上を走行していたところにバイクが合流してきて事故が発生した場合

この場合の基本過失割合はバイク60:四輪車40です。

その他の修正要素は四輪車対四輪車の場合と同様です。

 

 

弁護士法人小杉法律事務所では、交通事故被害者側損害賠償請求専門弁護士による交通事故解決サポートを行っております。

交通事故被害に遭い、お困りの方は、ぜひ一度弁護士法人小杉法律事務所にお問い合わせください。

 

交通事故被害者側損害賠償請求専門弁護士による交通事故解決サポートの詳細についてはこちら。

 

この記事の監修者弁護士

小杉 晴洋 弁護士
小杉 晴洋

被害者側の損害賠償請求分野に特化。
死亡事故(刑事裁判の被害者参加含む。)や後遺障害等級の獲得を得意とする。
交通事故・学校事故・労災・介護事故などの損害賠償請求解決件数約1500件。

経歴
弁護士法人小杉法律事務所代表弁護士。
横浜市出身。明治大学法学部卒。中央大学法科大学院法務博士修了。

所属
横浜弁護士会(現「神奈川県弁護士会」)損害賠償研究会、福岡県弁護士会交通事故被害者サポート委員会に所属後、第一東京弁護士会に登録換え。日本弁護士連合会業務改革委員会監事、(公財)日弁連交通事故相談センター研究研修委員会青本編集部会。