圧迫骨折・体幹骨骨折 神経症状
肋軟骨骨折(弁護士法人小杉法律事務所監修)
こちらの記事では、胸郭の構成要素の一つである肋軟骨(ろくなんこつ)の骨折について整理しています。
肋軟骨とは
人体の胸部全体の骨格を胸郭(きょうかく)と言いますが、胸骨、肋軟骨(ろくなんこつ)、肋骨(ろっこつ)、胸椎で構成されています。
胸郭は胸部の胸腔に収められた内臓を保護する大きなカゴのような構造です。
肋骨は左右で1~12対ありますが、第1肋骨から第7肋骨には硝子軟骨からできている肋軟骨を介して前面の胸骨と直接つながっています。肋軟骨と胸骨の節度区部には肋骨切痕というくぼみがあります。
肋軟骨には柔軟性があり、前面からの衝撃を吸収する役割があります。
第1~第10肋骨には肋軟骨がありますが、第11~12肋骨にはありません。
肋軟骨と肋骨は、身体の左右両側から前面では胸骨、後面では胸椎をつなぐ仕組みになっています。
診断について
(今日の整形外科治療指針第8版(医学書院)、660~661頁)
肋軟骨骨折は単純X線写真上では確認できないことが多く、理学所見で診断すべきだと言われています。
衣服を脱いだ状態で触診し、圧痛点を確認します。骨折部に圧痛を認め、時に転位や軋轢音を触知することがあります。
認定されうる後遺障害
肋軟骨については、脊柱のうち「その他体幹骨」の肋骨に準じて変形障害の認定対象になります。
ですので、変形障害12級や神経症状(12級か14級)が認定される可能性があります。
→肋軟骨骨折で認定されうる後遺障害等級の詳細(何をもって「変形」ととらえるか等)はこちらの記事で整理しております。
弁護士に相談を
交通事故や労災事故等の外傷で肋軟骨に骨折を受傷してしまうことがあります。治療費や休業損害、慰謝料等の損害賠償請求を加害者側に対し適切に行うために、受傷の態様を把握し、残存した後遺障害についての立証資料を適切に収集していく必要があります。弁護士法人小杉法律事務所の所属弁護士による無料相談を是非ご活用ください。