後遺障害等級の解説

脊髄損傷

下半身不随の原因|後遺障害専門の弁護士法人小杉法律事務所

こちらのページでは、下半身不随の原因について解説しております。

下半身不随とは?

下半身不随は、下半身の麻痺によって、自分の意思のとおりに下半身を動かすことができない状態をいいます。特に下肢の不自由を指すことが多いでしょう。

では、その麻痺を引き起こす原因は何か。交通事故の場合、脊髄損傷が原因の一つとして考えられます。

脊髄損傷と下半身不随の関係は?

そもそも脊髄損傷とは何か

脊髄は、脳と並ぶ中枢神経の一つであり、脳と身体各部との連動において非常に重要や役割を担っています。右上図のspinal cordと添え書きされている部分が脊髄であり、背骨に守られるようなかたちで存在しています。

脊髄損傷は、文字どおり、そんな重要な役割を担う脊髄を損傷してしまうことをいいます。交通事故などの外傷によって負傷することがあり、損傷した脊髄の位置や損傷の程度によっては、重篤な症状や後遺症を残す可能性があります。

なぜ下半身不随になるのか?その原因は?

脊髄損傷によって下半身不随が引き起こされる原因は、端的に言えば「運動神経の伝達経路に支障が生じてしまうから」です。

たとえば、正座している状態から足を伸ばそうとした時を考えます。この時、脳から、「足を伸ばす」という運動神経の信号が発出されます。発出されたこの信号は、脊髄を通過し、やがて足の運動を司る神経に到達します。これにより、足の筋肉の制御を行い、「足を伸ばす」という運動をなすこととなります。このように、脊髄は運動神経の神経伝達経路という役割を担っており、これは上半身や胴体などの動きにおいても同じです。

しかし、脊髄損傷を負うことによって、この神経伝達経路に支障が生じてしまいます。脊髄損傷による脊髄内での出血や、脊髄の断裂によって、運動神経の信号が正常に身体各部まで届かなくなってしまいます(これを運動神経麻痺といいます)。こうして運動神経麻痺が生じることにより、人間は、自分の思いのとおりに身体を動かせなくなる(=不随)のです。すなわち、下半身でこの運動神経麻痺が起きた場合に、下半身不随が起こるといえるでしょう。

なお、運動神経麻痺は、麻痺の程度の重さによって完全麻痺と不全麻痺に分けられますが、「不随=自分の意思のとおりに動かせなくなる」という意味合いであることから、完全麻痺によって全く体を動かすことができなくなった場合だけでなく、不全麻痺によって制限はあれど一定程度体が動く場合も不随に含まれると考えることができるでしょう。

脊髄損傷を負うと必ず下半身不随になる?

脊髄損傷のイメージとしては、「命に関わる大怪我」「寝たきりになったり自分で歩いたりできなくなりそう」というのが大きいのではないでしょうか。脊髄損傷において下半身不随の症状が比較的多くみられる理由としては、下半身の運動神経を司っている脊髄が腰髄になるからです。脊髄は、脳から連続的に連なって存在する大きな神経の束であり、その位置(高位)に応じて、首のあたりに位置する頚髄、胸のあたりに位置する胸髄、背中から腰のあたりに位置する腰髄に大きく分けられます。そして、脊髄損傷を負うと、脳からの運動神経の信号が損傷高位より先に届きにくく(あるいは全く届かなく)なります。たとえば、頚髄を損傷した場合は、頚髄より下部にある胸髄や腰髄への信号伝達が制限されてしまいますし、胸髄を損傷した場合はそれより下部にある腰髄への信号伝達が制限されてしまうことになります。そして、腰髄損傷の場合にも、その高位によっては下半身への信号伝達に支障が生じる可能性があります。このように、腰髄への神経伝達が制限されてしまうパターンが非常に多いため、脊髄損傷で下半身不随が症状としてみられることも多くなります。

交通事故で下半身不随の後遺症が残ったときは

交通事故で脊髄損傷を負い、下半身不随の後遺症が残ってしまった場合、自賠責に後遺障害等級認定の請求をすることができることがあります。

下半身不随が残った場合に認定される可能性がある等級については、こちらのページにて解説しております。

下半身不随の障害等級|後遺障害専門の弁護士法人小杉法律事務所

おわりに

こちらのページでは、下半身不随が起こってしまう原因について解説いたしました。

交通事故で脊髄損傷を負傷したり、下半身不随の後遺症が残ってしまったなどでお悩みの方は、ぜひ一度、小杉法律事務所にご相談ください。

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また、脊髄損傷の症状や治療・リハビリ、損害賠償請求とのかかわり等、脊髄損傷に関する詳しいことは以下のページで解説しておりますので、こちらも合わせてご覧ください。

●脊髄損傷全般の解説や、その他脊髄損傷に関する記事についてはこちらから。

この記事の監修者弁護士

小杉 晴洋 弁護士
小杉 晴洋

被害者側の損害賠償請求分野に特化。
死亡事故(刑事裁判の被害者参加含む。)や後遺障害等級の獲得を得意とする。
交通事故・学校事故・労災・介護事故などの損害賠償請求解決件数約1500件。

経歴
弁護士法人小杉法律事務所代表弁護士。
横浜市出身。明治大学法学部卒。中央大学法科大学院法務博士修了。

所属
横浜弁護士会(現「神奈川県弁護士会」)損害賠償研究会、福岡県弁護士会交通事故被害者サポート委員会に所属後、第一東京弁護士会に登録換え。日本弁護士連合会業務改革委員会監事、(公財)日弁連交通事故相談センター研究研修委員会青本編集部会。