神経症状
バレリュー症候群|後遺障害専門の弁護士法人小杉法律事務所

本稿では、交通事故とバレリュー症候群の関係について解説しております。
バレリュー症候群とは何か?
⑴バレリュー症候群の定義
バレリュー症候群は、主に頚部を損傷した際に発症する複合的症状です。「後頚部交感神経症候群」とも呼ばれることもあります。バレリュー症候群は、頚部の交感神経に異常が生じることで、自律神経に影響を及ぼします。症状は非常に多岐にわたり、特に受傷後数週間ほど経過してから症状が現れるケースが散見されます。
⑵交通事故が引き起こす主な症状
バレリュー症候群による主な症状としては、頭痛、めまい、耳鳴り、眼精疲労、倦怠感、動悸、微熱感といった症状がよくみられます。これらの症状は不定的なものであり、長期間持続して慢性化することもあります。そのため、日常生活に支障をきたすほど深刻な影響を及ぼすことも少なくありません。
⑶発症の仕組みと原因
バレリュー症候群は主に、後頚部交感神経が刺激されることによって引き起こされるものとされています。そのため、交通事故による頚部の損傷によってバレリュー症候群が発症するケースもみられます。すなわち、むち打ち損傷や頚椎捻挫をきっかけに頚部の交感神経が圧迫・刺激されることにより、自律神経の機能に異常を引き起こすのです。また、事故の衝撃による微細な神経損傷や血流障害が加わることで、症状が複合的に進行することもあります。そして、約6ヶ月ほど治療を行っても改善が見られず後遺症として残ってしまった場合には、後遺障害として認定される可能性があります。詳しくは後述します。
⑷バレリュー症候群の診断と検査
これはバレリュー症候群に限った話ではありませんが、医師の診察を受ける際に、交通事故からの経過や自覚症状について正確に医師に伝えることが重要となります。診断では、レントゲン、CT、MRIなどの画像検査が使用されることが多いですが、バレリュー症候群は他覚的な異常所見が乏しいことも少なくありません。そのため、自覚症状の正確な記録が診断の鍵となります。また、交感神経の過剰活性を確認するために神経系の機能検査が行われることもあります。これらの情報を基に医師が判断し、適切な治療方針へと導かれます。
バレリュー症候群の後遺障害認定に向けたポイント
⑴そもそも後遺障害等級とは何か?
交通事故による怪我や症状について、治療を続けても完治せず、何らかの後遺症が残ってしまった場合、自賠責に後遺障害の保険金請求を行うことにより、その後遺症の程度に応じて「後遺障害等級」が認定されることがあります。等級認定にあたっては、自動車損害賠償保障法(自賠法)に基づき定められた基準に基づき調査判断がなされます。バレリュー症候群のようにむち打ちと関連が深い症状でも、後遺障害等級の認定を受けることにより、適切な損害賠償金を得ることができるようになります。
⑵バレリュー症候群の認定基準
バレリュー症候群が後遺障害として認定される可能性がある等級は、第12級13号と第14級9号の二つがあります。
前者は「局部に頑固な神経症状を残すもの」として認められる場合に認定されるものであり、具体的には、画像所見と神経学的所見といった他覚的所見により、医学的に症状の残存が立証できることが求められます。後者は「局部に神経症状を残すもの」に該当する場合に認定される等級で、その認定にあたっては事故態様、治療状況、症状経過などから将来的に回復困難な神経症状が残存したことを説明できることが求められます。
交通事故後に首の損傷から発生し、自律神経に深く関与する症状です。後遺障害として認定されるためには、一定の基準を満たす必要があります。その主な基準は、症状が長期間にわたり持続し、日常生活や仕事に支障をきたしていることです。例えば、頭痛やめまい、耳鳴りといった症状が慢性的に残り、通常の治療を行っても明らかな改善が見られない場合には、後遺障害として認定される可能性があります。また、認定には医師の診断書や詳細な症状の記録が重要です。
⑶等級認定で注意すべき点
治療中の段階から自賠責への後遺障害等級申請を視野に入れる場合、まずは正確に症状を記録することが重要となります。前述のとおり、バレリュー症候群では客観的所見が乏しいことが多く、頭痛やめまいなどの自覚症状が中心となるため、治療の段階からこれらの症状をきちんと主治医に伝えておくことが肝要です。これにより、カルテなどの医療記録に症状経過や治療内容等がしっかりと記載されることとなり、これは症状の継続性や一貫性などを示す証拠として有用なものとなります。また、交通事故後はなるべく早めに病院を受診しておくこと、そして週2~3回程度の定期的な通院を継続的に行い治療をしっかり行っていくことも認定を受けるためのポイントとなるでしょう。
おわりに

本稿では、交通事故とバレリュー症候群について解説いたしました。
繰り返しにはなりますが、むち打ち損傷等によるバレリュー症候群は、客観的な異常所見が乏しいことも少なくなく、被害者の自覚症状の愁訴がポイントとなるものであるため、後遺障害等級の認定にあたっては一筋縄では行かないところがあるのは事実です。
そのため、しっかりと等級を獲得し、適切な賠償を受けるためには、後遺障害に関する経験や専門的知識が不可欠であると言えるでしょう。
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