後遺障害等級の解説

後遺障害等級一般論

後遺障害等級の認定までの期間|後遺障害専門の弁護士法人小杉法律事務所

交通事故で後遺症が残った場合、自賠責に後遺障害等級の申請を行うことができる場合があります。

では、申請してから結果が分かるまでどのくらいの期間が要されるのでしょうか。本稿で解説いたします。

後遺障害の申請から結果が分かるまでの期間は…

まずは、自賠責請求の大まかな流れを示しておきます。

申請から調査結果が分かるまで、以下の①~⑥のような流れで進んでいきます。

 

①後遺障害診断書などの申請に必要な書類を整える

②交通事故の相手方が加入している自賠責保険の保険会社(以下では「自賠社」といいます。)宛に、「後遺障害部分の本請求」というかたちで書類を送付する

③自賠社から自賠責損害調査事務所に対して、後遺障害等級に関する調査依頼がなされる(書類などもこの時に自賠責損害調査事務所に送付される)

④自賠責損害調査事務所において、事故と後遺症の因果関係や後遺障害の内容などについて調査が行われる

⑤調査が終了し等級が確定したら自賠責損害調査事務所から自賠社に対して調査結果や等級について連絡がなされる

⑥自賠社から申請者に対して結果が通知される

 

さて、今回のテーマである「申請してから結果が分かるまでの期間」は、上のチャートでいうと②~⑥の所要期間ということになるかと思います。

この所要期間は、基本的には3か月が目安となると考えてよいでしょう。

ただしあくまでも「目安」です。

調査事務所での調査では、画像資料の確認であったり、ケースによっては医療機関への医療照会などが行われることもあります。すなわち調査事務所のみならず、医療機関の都合なども絡んでくるかたちになり、場合によってはもうしばらく期間を要することも往々にしてあります。そのため、調査結果が待ち遠しいこともあるかと思いますが、申請者や保険会社などから、調査を急ぐように催促することなどは残念ながらできません。

また、この目安にも例外があります。それは高次脳機能障害について自賠責に請求する場合です。高次脳機能障害の後遺障害等級調査は、自賠責損害調査事務所では判断が困難な事案として扱われるため、自賠責損害調査事務所の上部機関である地区本部や本部の審査会において緻密な審査が行われることとなります。この場合の結果が出るまでの目安は6か月~7か月であり、自賠責損害調査事務所での調査の所要期間の倍ほどの時間がかかると考えてよいでしょう。

異議申立から結果が分かるまでの期間は…

後遺障害等級が非該当であった場合や、後遺症に見合わない低い等級が認定されたと考えられるような場合など、自賠責により認定された後遺障害等級に不服があるときには、異議申立の手続きを行うことができます。異議申立は自賠責に後遺障害の再調査を申し立てる手続きであり、これをもって自賠責損害調査事務所では再度の調査・審査が行われます。その所要期間は、初回の自賠責への請求と同様に、基本的なケースでは3か月程度高次脳機能障害では6か月~7か月程度が見込まれます。

なお、異議申立では、申請者にてより高い等級に該当する理由を主張することとなり、その根拠となる資料を追加で資料を提出する必要があります。そのため、追加資料の取り付けや異議申立の主張書面の作成にも期間を要することとなりますので、この点も留意しておきましょう。また、自賠責保険の後遺障害等級の申請ができるのは症状固定日から3年以内ですので、この時効が迫っている場合には時効更新申請を行うことをおすすめします。

紛争処理申請から結果が分かるまでの期間は…

自賠責損害調査事務所の等級判断に疑義や不服があるときに、異議申立のほかにもうひとつ、紛争処理申請という手続きを行うこともできます。紛争処理申請は、自賠責損害調査事務所の最上部機関である一般財団法人自賠責保険・共済紛争処理機構に対して、自賠責損害調査事務所の判断が失当であることや、より高い等級に該当することを主張し、紛争処理委員会の判断を仰ぐ手続きです。

紛争処理申請を行った場合、紛争処理委員会でより厳密な審査がなされます。そのため、申請してから結果が出るまでの所要期間も、被害者請求や異議申立と比べて長くなり、おおむね6か月程度が目安となります。なお、高次脳機能障害などの重篤な後遺障害のケースでは更に時間がかかるケースもあります。

なお、紛争処理申請は、裁判外における自賠責保険の最終判断と位置付けられているため(紛争処理業務規程5条1 項(7))、同一の紛争で1回しか行うことができません。そのため紛争処理申請の結果に納得が行かない場合にもう一度紛争処理申請を行うことはできず、加害者や自賠責保険会社・共済組合を相手として裁判所に提訴し主張していくこととなります。

おわりに

本稿では、後遺障害の認定までの期間というテーマで、被害者請求・異議申立・紛争処理申請それぞれの所要期間の目安などを解説いたしました。

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自賠責保険からの依頼への対応などについても窓口となるなど、これまでの経験やノウハウに基づき、後遺障害等級獲得に向けてサポートしてまいります

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この記事の監修者弁護士

小杉 晴洋 弁護士
小杉 晴洋

被害者側の損害賠償請求分野に特化。
死亡事故(刑事裁判の被害者参加含む。)や後遺障害等級の獲得を得意とする。
交通事故・学校事故・労災・介護事故などの損害賠償請求解決件数約1500件。

経歴
弁護士法人小杉法律事務所代表弁護士。
横浜市出身。明治大学法学部卒。中央大学法科大学院法務博士修了。

所属
横浜弁護士会(現「神奈川県弁護士会」)損害賠償研究会、福岡県弁護士会交通事故被害者サポート委員会に所属後、第一東京弁護士会に登録換え。日本弁護士連合会業務改革委員会監事、(公財)日弁連交通事故相談センター研究研修委員会青本編集部会。