後遺障害等級の解説

骨折 下肢

足の小指の骨折|医師監修記事・後遺障害専門の弁護士法人小杉法律事務所

足部、足趾骨格

本稿では、交通事故による足の小指の骨折と後遺障害等級の関係について解説いたします。

なお、本記事は損害賠償請求を専門に取り扱う弁護士小杉による執筆記事となりますが、医学的事項を含むため、医学博士早稲田医師(日本精神神経学会専門医・指導医、日本臨床神経生理学会専門医、日本医師会認定産業医)に記事監修をしてもらっています。

また、以下の説明では、足趾の名称について二つの記載方法を用いております。対応関係を以下に示しておきます。

第1趾=母趾

第2趾=足の人差し指

第3趾=足の中指

第4趾=足の薬指

第5趾=足の小指

足の小指の骨の構成

上図のとおり、足趾は主に中足骨、基節骨、中節骨、末節骨から構成(母趾については基節骨と末節骨から構成)されています。そして、中足骨と基節骨との間の関節を中足指節間関節(MTP)、基節骨と中節骨との間の関節を近位指節間関節(PIP)、中節骨と末節骨との間の関節を遠位指節間関節(DIP)と呼びます(母趾については、基節骨と末節骨との間の関節を指節間関節(IP)と呼びます)。

足の小指の骨折による症状

交通事故などの高エネルギー外傷によって足の小指を骨折してしまうと、骨折箇所の疼痛・しびれといった神経症状や、ギプス等での固定による足の小指の拘縮及びこれによる足の小指の可動域制限が残存してしまうことがあります。

足の小指の骨折による後遺症の後遺障害等級

交通事故で足の小指の骨折を負い、治療の結果、症状を残存することになった場合、自賠責に後遺障害等級認定の請求を行うことができることがあります。

足の小指の骨折による後遺症で認定される可能性がある後遺障害等級は、次のとおりです。

⑴神経症状

骨折した箇所に疼痛やしびれなどの神経症状が残存した場合、第12級13号もしくは第14級9号が認定される可能性があります。

①第12級13号 局部に頑固な神経症状を残すもの

疼痛やしびれなどの後遺症の残存について、画像所見や神経学的所見などにより他覚的に立証できる場合に認定されます。これが認定されるためには、XPやMRI等の画像所見は必須のものとなり、画像によって足の小指の骨折が明らかに認められ、神経学的所見からも神経症状の残存が肯定されることが要求されます。

②第14級9号 局部に神経症状を残すもの

画像所見や神経学的所見などによって他覚的に症状の残存を立証することはできないものの、事故態様や治療状況、症状経過などによって症状の残存につき説明可能である場合に認定されます。むち打ち損傷や腰椎捻挫のケースでは、週2~3回程度の通院が望ましいものとされていますが、骨折の場合、通院頻度を増やしたからといって骨折の回復が早まるわけではありませんので、むち打ち損傷等と比較すると通院日数の多寡はあまり意識しなくてもよいかと思います。あくまで、疼痛やしびれなどの神経症状がある場合にはきちんと主治医に伝え、適切な治療を行っていくことを心掛けることが大切です。

⑵足趾の機能障害

足の小指の骨折によって、小指の関節に可動域制限が残存した場合、可動域制限の程度や他の足趾の可動域制限の有無などを踏まえて機能障害が認定されます。

足趾の機能障害は、可動域制限が残存している足趾の本数により等級が異なってきますので、小指の骨折単体での後遺障害等級だけでなく、小指に加え他の足趾にも骨折等により可動域制限が残存した場合に認定される可能性がある等級も合わせて解説します。

①第7級11号

両足の足指の全部の用を廃したもの」に該当する場合に認定されます。小指のみならず、両足のすべての指に可動域制限が残っていることが要件となります。

なお、「足指の用を廃したもの」とは、具体的にはa~cのいずれかのものをいいます。また、以下の等級すべてにおいて、廃用の具体的内容はこれと同一です。

a 第1趾の末節骨の長さの1/2以上を失ったもの

b 第1趾以外の足指を中節骨もしくは基節骨を切断したもの又は遠位指節間関節(DIP)もしくは近位指節間関節(PIP)において離断したもの

c 中足指節関節(MTP)又は近位指節間関節(PIP 第1趾にあっては指節間関節(IP))の可動域が健側の可動域角度の1/2以下に制限されるもの

注意点として、cの要件を見ていただけると分かりますが、MTP関節やPIP関節(母趾においてはIP関節)に可動域制限が残っていることが要件とされている一方、DIP関節の可動域制限は等級認定の要件には含まれていません。そのため、例えば小指の骨折によってDIP関節にのみ可動域制限が残存したようなケースは、後遺障害等級認定の評価上、小指には機能障害が残存しているとは判断されないこととなります。

②第9級15号

1足の足指の全部の用を廃したもの」に該当する場合に認定されます。片足の足趾すべてに可動域制限が残存していることが要件となります。

③第11級9号

1足の第1の足指を含み2以上の足指の用を廃したもの」に該当する場合に認定されます。小指に加え、少なくとも母趾にも可動域制限が残存していることが要件となります。

④12級12号

1足の第1の足指又は他の4の足指の用を廃したもの」に該当する場合に認定されます。小指骨折の場合、第2趾~第5趾すべてに可動域制限が残存していることが要件となります。

⑤第13級10号

1足の第2の足指の用を廃したもの」、「1足の第2の足指を含み2の足指の用を廃したもの」又は「1足の第3の足指以下の3の足指の用を廃したもの」のいずれかに該当する場合に認定されます。第2趾と第5趾に可動域制限が残存していたり、第3趾~第5趾に可動域制限が残存していることが要件となります。

⑥第14級8号

1足の第3の足指以下の1又は2の足指の用を廃したもの」に該当する場合に認定されます。小指のみに可動域制限が残存しているケースでは、この等級が認定されることとなります。

おわりに

本稿では、足の小指の骨折による後遺症と自賠責の後遺障害等級の関係について解説いたしました。

弁護士法人小杉法律事務所では、被害者専門・後遺障害専門の弁護士が無料で法律相談を行っております

交通事故で足の小指を骨折し、後遺障害や損害賠償請求等のことでお悩みの方は、ぜひ一度、弁護士法人小杉法律事務所の無料相談をお受けください。

後遺症被害者専門弁護士への無料相談はこちらのページから。

この記事の監修者弁護士

小杉 晴洋 弁護士
小杉 晴洋

被害者側の損害賠償請求分野に特化。
死亡事故(刑事裁判の被害者参加含む。)や後遺障害等級の獲得を得意とする。
交通事故・学校事故・労災・介護事故などの損害賠償請求解決件数約1500件。

経歴
弁護士法人小杉法律事務所代表弁護士。
横浜市出身。明治大学法学部卒。中央大学法科大学院法務博士修了。

所属
横浜弁護士会(現「神奈川県弁護士会」)損害賠償研究会、福岡県弁護士会交通事故被害者サポート委員会に所属後、第一東京弁護士会に登録換え。日本弁護士連合会業務改革委員会監事、(公財)日弁連交通事故相談センター研究研修委員会青本編集部会。