交通事故コラム

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交通事故後の休業補償(休業損害)、いつもらえる?【弁護士解説】

2024.11.03

休業損害

このページでは、交通事故被害者側の損害賠償請求を専門とする弁護士が、

  • そもそも休業損害とは?
  • 休業損害がもらえる時期
  • 休業損害の請求手続き
  • 休業損害の計算方法

 

等について解説します。

 

弁護士法人小杉法律事務所では、交通事故被害者側の損害賠償請求を専門とする弁護士による、

賠償金無料査定サービスや、初回無料の法律相談を行っております。

 

交通事故被害に遭い、休業損害についてお困りの方は、ぜひ一度弁護士法人小杉法律事務所にお問い合わせください。

 

 

休業補償(休業損害)とは

休業補償(休業損害)の基本概念

休業損害とは、交通事故による怪我のために仕事を休むことで失った収入を補うための補償です。

この補償は、事故被害者が職場を離れた期間の経済的不利益を軽減する目的で行われます。

 

具体的には、加害者が加入する任意保険会社や自賠責保険に対して請求することが一般的です。

 

休業損害と休業補償の違い

狭義の休業補償とは、業務上災害や通勤労災に遭い、療養のために休業を要する場合に、労災保険から支払われる支給金です。

業務上災害に遭った場合の給付を休業補償給付、通勤事故に遭った場合の給付を休業給付と呼んでいます。

 

一方で休業損害は交通事故の際に加害者側の保険から支払われる失った収入の補償です。

 

被害者の方にとっては、

  • 事故に遭って怪我をして働くことができず、
  • 得られない収入に対する補償として支払われる

という点で共通していますから、特段違いについて気にされる必要はありません。

 

ここでも休業補償は休業損害の別の言い方であるということで、休業損害(休業補償)についての解説を進めていきます。

 

休業損害(休業補償)がもらえる時期

 原則として示談終結時

交通事故に遭った際に休業損害を請求できるのは、原則として示談が終結した時点です。

交通事故事案の賠償金の支払は、損害が確定し、お互いが賠償金額に納得した後に一時金として(全額まとめて)支払うことが原則です。

 

ですから、お互いが金額に納得してからでなければ休業損害(休業補償)についても基本的にはお支払がありません。

 

しかしそれでは、事故に遭って収入が減っている期間が長時間続くばかりか、

通院などで余計に支出が増えることも多い中で、被害者にとって苦しい生活が強いられることになります。

 

そういった事態を避けるために、「仮渡金」と「内払」という制度があります。

 

なお、示談交渉が決裂した場合は判決又は裁判上の和解などで損害額が確定した時点以降になります。

 

仮渡金

仮渡金とは、自動車損害賠償保障法第17条1項に定められている制度です。

自動車損害賠償保障法第17条1項保有者が、責任保険の契約に係る自動車の運行によつて他人の生命又は身体を害したときは、被害者は、政令で定めるところにより、保険会社に対し、政令で定める金額を第十六条第一項の規定による損害賠償額の支払のための仮渡金として支払うべきことを請求することができる。」

 

この仮渡金は、読んで字のとおりで、損害賠償金額が確定する前に仮に一定金額を受け取ることができる制度になります。

 

ただし、この仮渡金制度は実際のところあまり使われていません。

その理由として、

  • 迅速な支払を受けられる代わりに金額が20万円か40万円と低額
  • 相手方保険会社によるいわゆる治療費一括対応などが行われている場合には請求することができない

といった理由があります。

 

相手方保険会社による治療費一括対応が行われている中で仮渡金の請求をするとなると、

一旦治療費一括対応を中断し、その間の治療費については自身で支払いながら仮渡金の請求をし、

支払われたらまた治療費一括対応を依頼するという流れになります。

 

治療費を自身で負担しなければならなくなる時点で仮渡金の請求が必要な理由と矛盾しますから、実際のところはほとんど使われません。

 

内払

損害賠償請求実務上で、休業損害の支払に関して最も多く使われる制度はこの内払だと思われます。

 

この内払は、事故発生時からその内払を依頼した時点までの休業損害を概算で計算し、その金額を正式な示談終結の前に払ってもらうことができる制度です。

 

ここまで見てきたように、賠償金の支払いは示談終結時が原則ですから、この内払の対応についてはあくまで被害者側からのお願いベースになります。

生活に直結する部分ですから、被害者の方が支払ってもらって当然とおっしゃる気持ちは十二分に分かりますが、

お願いベースということを踏まえつつ冷静な請求が必要であり、これは弁護士に相談されることをお勧めします。

 

休業損害の請求手続き

必要書類の整備

交通事故による休業損害を請求するためには、いくつかの必要書類を整える必要があります。

まず、勤務先が作成する「休業損害証明書」が必要です。これによって、実際に休業した日数やそのための損害額を証明します。

 

また、給与所得者の場合、前年の源泉徴収票が必要となります。この書類は、過去の収入状況を確認する目的で使用されます。

一方、自営業者の場合は、確定申告書を提出する必要があります。これにより、前年の所得が証明され、正確な休業損害の金額が算出されます。

 

保険会社への提出スケジュール

必要書類を整えた後は、早めに加害者側の保険会社へ提出することが重要です。

休業補償がいつもらえるかという点も、この段階でスムーズな進行を左右します。

 

通常、書類を提出してから約1〜2週間で休業損害の支払いがなされますが、初回の請求の場合、審査に時間がかかることもあります。

定期的に休業損害証明書を提出すれば、以降は1週間から2週間ほどで振り込まれることが多いです。

 

保険会社によってスケジュールが異なるため、事前にヒアリングを行い、適切なタイミングでの請求を心掛けましょう。

 

休業損害の計算方法

給与所得者の計算方法

交通事故により仕事を休むことになった給与所得者が休業損害を請求する際の計算方法についてご説明します。

給与所得者の休業損害は、基本的に過去の収入を基に1日あたりの休業損害を算出します。

具体的には、直近の給与明細や源泉徴収票を参照し、事故前3か月間の総支給金額を、実稼働日数または総日数で割った金額を出します。

そして、この金額を事故により休業した日数と掛け合わせることで、休んだ期間の総額を算出します。

 

この事故前3か月間の総支給額や、事故により休業した日数は、会社に作成してもらう休業損害証明書により証明することになります。

 

自営業者の計算方法

自営業者が交通事故による休業損害を請求する際の計算方法は、給与所得者とは少し異なります。

 

自営業者の場合、確定申告書や青色申告決算書などの提出が求められ、それを基に1日あたりの収入を算出します。

 

ここでの収入は、事業の純利益を基準とし、事故前年の年間事業収入を365日で割ることで1日あたりの平均所得を求めます。

この平均所得と事故による休業日数を掛け合わせて、休業損害の総額を算出します。

 

また、固定費や事業遂行上必要な経費の負担が発生する場合は、これを計上することで損害額に反映することが可能です。

自営業者の方の休業損害は、明確な金額を提示することが難しいため、弁護士に相談されることをお勧めします。

 

まとめ

交通事故による休業損害の請求は、被害者にとって非常に重要なステップです。

事故による怪我で仕事を休まざるを得なくなった際、適切に請求を行うことで、生活維持に必要な金銭を確保することができます。

 

休業損害は、主に相手方側の任意保険会社に請求し、必要な書類を揃えて提出することで、原則として示談終結時に支払われます。

ただし、内払の請求に全く相手方が応じないというわけでもありませんから、資料を揃えて内払の請求をすることは重要です。

 

書類提出後、通常は1〜2週間で支払いが行われることが一般的ですが、

被害日数や損害の内容に基づき、正確な計算を行い、保険会社と円滑なコミュニケーションをとりながら進めることが重要ですから、

この点は弁護士に相談されることをお勧めします。

 

弁護士法人小杉法律事務所では、交通事故被害者側の損害賠償請求を専門とする弁護士が、

休業損害の交渉をはじめとした損害賠償請求をサポートいたします。

 

相手方に対する交渉についてお困りの方は、ぜひ一度弁護士法人小杉法律事務所にお問い合わせください。

 

損害賠償請求専門弁護士が初回無料の法律相談を行います。

 

交通事故被害者側損害賠償請求専門弁護士によるご相談の流れはこちら。

この記事の監修者弁護士

小杉 晴洋 弁護士
小杉 晴洋

被害者側の損害賠償請求分野に特化。
死亡事故(刑事裁判の被害者参加含む。)や後遺障害等級の獲得を得意とする。
交通事故・学校事故・労災・介護事故などの損害賠償請求解決件数約1500件。

経歴
弁護士法人小杉法律事務所代表弁護士。
横浜市出身。明治大学法学部卒。中央大学法科大学院法務博士修了。

所属
横浜弁護士会(現「神奈川県弁護士会」)損害賠償研究会、福岡県弁護士会交通事故被害者サポート委員会に所属後、第一東京弁護士会に登録換え。日本弁護士連合会業務改革委員会監事、(公財)日弁連交通事故相談センター研究研修委員会青本編集部会。