「脊椎」と「脊髄」の違いは?【弁護士がお答え】
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「脊椎」と「脊髄」、
なんとなく聞いたことはあるものの、違いを聞かれるとわかりにくいこの二つの言葉。
読み方も、「脊椎」は「せきつい」で、「脊髄」は「せきずい」と似ていて、
やっぱり混同してしまいがちではないでしょうか。
これらの違いを端的に申しますと、
「脊椎」は骨で、「脊髄」は神経です。
まず、脊椎から説明していきます。
上の図は、脊椎と脊髄の位置関係を簡易的に示した図です。
脊椎と脊椎の間には椎間板があり、脊椎の後ろにある空洞の中を脊髄が通っています。
図を見て気付かれた方もいるかもしれませんが、
「脊椎」とはつまり背骨を構成する骨のことをいいます。
一般的に背骨を構成する脊椎の数は24個で、
うち7個が首の部分にある脊椎(一般的に頚椎と呼ばれます)、
うち12個が胸の部分にある脊椎(一般的に胸椎と呼ばれます)、
残りの5個が腰の部分にある脊椎(一般的に腰椎と呼ばれます)です。
脊椎が連なってできている背骨によって、脊髄を頑丈に保護するとともに、体幹支持機能も兼備しています。
一方、「脊髄」は、脳からの命令信号を体の各部分に送ったり、
身体の各部分からの信号を脳に送ったりする役割をもつ神経です。
運動機能、感覚機能(熱い・冷たい、痛い等)、交感神経、副交感神経の信号の通り道という非常に重要な役割を担っているため、脳と並んで中枢神経と呼ばれます。
また、図を見ると、脊髄の横から小さな根っこのようなものが生えだしていますが、
これが神経根であり、ここから体の各部位に細かな神経が走っていきます。
なお、神経根からのびている細かな神経を末梢(まっしょう)神経といいます。
以上より、まとめますと、
「脊椎」は背骨を構成する骨のことをいい、脊髄保護、体幹支持機能を担っています。
「脊髄」は脳からの命令信号や、体の各部分からの感覚信号の通り道であり、中枢神経として、人間の生命活動において非常に重要な役割を担っています。
そんな大事な部位である脊髄を損傷してしまうと、人間はどうなってしまうのでしょうか。