後遺障害等級の解説

骨折 上肢 神経症状

手首を骨折した場合に発生する症状について(弁護士法人小杉法律事務所監修)

手首の骨折について、手首の構造や骨折の種類等はこちらの記事で記載しておりますが、本記事では手首を骨折した場合に発生する症状について記載します。

手首を骨折した場合に認定されうる後遺障害についてはこちらの記事をご覧ください。

橈骨遠位端骨折

古典的には、受傷部位や骨片の転位方向からコレス骨折とスミス骨折とに大別されてきましたが、近年では治療法の選択に直結するAO分類を使用することが多くなっています。橈骨遠位端骨折の分類についてはこちらの記事をご覧ください。

手関節部の腫脹、圧痛、変形、皮下出血など一般的な骨折の症状が見られます。遠位骨片の背側転位を伴う骨折(コレス骨折など)では手関節を側面から観察するとフォークをうつぶせに置いたような変形を示す(siiver folk deformity)と言われています。骨片の転位や主張から正中神経障害を合併することがあり、注意が必要です。

骨片の存在は単純X線像(正・側面2方向撮影)から診断できますが、関節内骨折の有無を正確に把握したい場合、CT検査が必要になると言われています。

舟状骨骨折

手関節の運動時痛、いわゆる嗅ぎタバコ窩に圧痛腫脹を認めることが多いです。

単純X線画像では通常の正・側面2方向では骨折線がわからないことがあり、斜位(回内)像と手関節正面最大尺屈位像を追加して評価します。単純X線検査で診断がつかない場合、CTやMRIで診断されることもあります。

舟状骨骨折の詳細についてはこちらの記事をご覧ください。

有鉤骨鉤骨折

有鉤骨鉤部の圧痛が生じます。

単純X線検査で診断できないことが多く、有鉤骨鉤に圧痛を認めた場合、CTやMRIの検査が有用だと言われています。

弁護士に法律相談を

交通事故や労災事故、介護事故等の外傷で手首に骨折を受傷した場合、損害賠償請求を加害者側に対し適切に行うために、骨折の受傷態様や残存した後遺障害についての立証資料を適切に収集していく必要があります。弁護士法人小杉法律事務所の所属弁護士による無料相談を、是非ご活用ください。

この記事の監修者弁護士

小杉 晴洋 弁護士
小杉 晴洋

被害者側の損害賠償請求分野に特化。
死亡事故(刑事裁判の被害者参加含む。)や後遺障害等級の獲得を得意とする。
交通事故・学校事故・労災・介護事故などの損害賠償請求解決件数約1500件。

経歴
弁護士法人小杉法律事務所代表弁護士。
横浜市出身。明治大学法学部卒。中央大学法科大学院法務博士修了。

所属
横浜弁護士会(現「神奈川県弁護士会」)損害賠償研究会、福岡県弁護士会交通事故被害者サポート委員会に所属後、第一東京弁護士会に登録換え。