後遺障害等級の解説

骨折 下肢 神経症状

【大腿骨転子部骨折】手術件数東京1の専門医が詳細解説|後遺症専門の弁護士法人小杉法律事務所

診断書の「大腿骨転子部骨折」は、太ももの骨(大腿骨)の付け根の外側寄りが折れる骨折です。

手術のほとんどは髄内釘(ずいないてい)という金属の棒で骨を中から支える方法で、多くは翌日から立つ練習を始めます。

骨はついても、脚が短く、骨が内側に傾いたまま固まることがあり、その見分け方と残しておく記録まで順に見ていきましょう。

 

このページは、整形外科専門医・医学博士の江川誠一郎先生による

  • 大腿骨転子部とは?
  • 大腿骨転子部の骨折はどのような事故で起こり直後に何が起きるのか?
  • 手術はどう進みいつから立てるのか?
  • どんな後遺症が残るのか?

等についての解説を踏まえながら、

 

交通事故で大腿骨転子部を骨折した場合には、

  • 今からどのような証拠を残しておくべきか?
  • 大腿骨転子部骨折の後遺障害等級と賠償金の目安は?

等について、交通事故後遺症被害専門弁護士が解説します。

 

交通事故に強い弁護士法人小杉法律事務所では、交通事故後遺障害被害を専門としている弁護士による初回無料の法律相談を実施しております。

交通事故被害に遭い、大腿骨転子部骨折などのお怪我をされ、今後についてご不安をお抱えの方は、ぜひ一度弁護士法人小杉法律事務所へお問い合わせください。

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この記事の監修者医師
江川誠一郎
整形外科専門医・医学博士大腿骨骨折治療センター長
江川誠一郎

医学意見書 63件(2018年〜 2026年10月時点)
手術 通算5,891件(2026年10月時点)・骨折手術は現在も月45件。

経歴

2005年 東京医科大学医学部卒業。大学病院と関連病院で整形外科の研鑽を積み、2016年から都内の病院で骨折治療を専門に診療。2021年に大腿骨の骨折に特化した治療部門を立ち上げ、責任者を務める。

骨折の治療と、交通事故の医学意見書の両方に携わってきた立場から、読者の方が「自分の骨折」を理解し、必要な記録を残せるよう監修しました。

 

目次
  1. 大腿骨転子部骨折の治療のポイント(この記事で分かること)
  2. 大腿骨転子部骨折とは?股関節の骨折のうち、付け根の外側寄りが折れる骨折
    1. 転子部はどこ?頚部との違い
    2. 診断書で、骨折の場所と型を確かめる
  3. どんな事故で起こり、直後に何が起きる?腰の横を打つ力と、立てなくなる痛み
    1. どんな事故で折れ、直後にどうなる?
    2. X線・CT・MRIで何を調べる?
  4. 手術はどう進み、いつから立てる?-髄内釘で支え、翌日から立つ
    1. なぜ早い手術が勧められる?
    2. 髄内釘は骨をどう支える?
    3. いつから立てる?立つ練習の始め方と、退院・復職の時期
    4. 金属は抜く?手術の後に注意したい合併症
  5. 大腿骨転子部骨折の後遺症は?-脚の長さ・骨の傾き・歩き方を数字に
    1. 骨のつき方で残るもの―短縮・内反・痛み・股関節の硬さ
    2. 短縮・内反とは?-骨はついても、脚が短く、骨が内側に傾いたまま固まる
  6. 意見書を書いてきた医師から、5つのこと
    1. 1. 「骨はついている」の一言で終わらせない時期の違うX線を並べる
    2. 2. 歩けることと、元どおり歩けることは別痛む場所と歩き方を言葉に
    3. 3. 脚の長さの差は、左右同じ方法で測る「左右差なし」の一言に注意
    4. 4. 不安定型・転子下へ広がる型は、骨がつくまで長め遅れか、止まっているか
    5. 5. 通院は整形外科へ(接骨院・整骨院は勧めません)
  7. 監修医コラム|数字で見る大腿骨転子部骨折
  8. 後遺障害等級に備えるそろえておきたい検査と記録
  9. 大腿骨骨折後に認定されうる後遺障害等級と認定のポイント
    1. 神経症状についての後遺障害等級と認定のポイント
    2. 機能障害についての後遺障害等級と認定のポイント
    3. 変形障害についての後遺障害等級と認定のポイント
    4. 短縮障害についての後遺障害等級と認定のポイント
    5. 過成長についての後遺障害等級と認定のポイント
    6. 大腿骨骨折後の後遺障害等級にあたり重要になる検査
  10. 大腿骨骨折後に後遺障害等級が認定された場合の賠償金の目安
    1. 大腿骨骨折の後遺症逸失利益
    2. 大腿骨骨折の後遺症慰謝料
  11. 大腿骨転子部骨折についてのよくある質問
    1. 大腿骨転子部骨折は、どのくらいで歩けるようになりますか?
    2. 髄内釘(金属の棒)は抜きますか?
    3. 脚の長さが違う気がします。足を引きずるのはなぜですか?
    4. 不安定型と言われました。骨がつくまでどのくらいですか?
    5. 大腿骨転子部骨折の後遺症は、必ず残りますか?
    6. 転子間骨折・転子下骨折と書かれています。同じものですか?
  12. 大腿骨骨折の後遺障害でよくある質問
    1. 大腿骨骨折では、どんな後遺障害等級が認定されますか?
    2. 人工骨頭を入れた場合、後遺障害等級は認定されますか?
    3. 骨がくっついたのに痛みが残っています。認定されますか?
    4. 骨折の全治まで、どのくらいかかりますか?
    5. 手術で入れた金属(プレート・髄内釘)を抜く予定があります。症状固定はいつですか?
  13. 交通事故による大腿骨の骨折は弁護士に相談しましょう
  14. 大腿骨の骨折に関する弁護士法人小杉法律事務所の解決実績

大腿骨転子部骨折の治療のポイント(この記事で分かること)

  • 翌日から立つ練習: 手術のほとんどは髄内釘。多くは手術の翌日から、主治医が許可した範囲で体重をかけて立つ練習を始め、2〜3週で退院またはリハビリ病院へ転院
  • 髄内釘は抜かずに残すことが多い: 多くはチタン製で、体の中に残しても問題のない金属。高齢の方は原則として抜かない。強い違和感があれば、抜くかを主治医と相談
  • 後遺症で問題になりやすいこと: 骨はついても、脚が短く(短縮)、骨が内側に傾いたまま(内反)つくことがある。脚の長さの差と、体が左右に揺れる・足を引きずる歩き方につながる
  • 骨のつき方は型で変わる: 頚部に比べて骨への血流が保たれやすい部分。骨がつくのは3〜4か月ほどだが、不安定型(転子下へ広がる型を含む)は6か月前後かかり、ずれも進みやすい
  • 残しておく記録: 受傷時・手術直後・その後のX線を並べて比べる。左右の脚の長さと股関節の可動域を同じ方法で測る

 

大腿骨転子部骨折とは?股関節の骨折のうち、付け根の外側寄りが折れる骨折

大腿骨転子部骨折は、いわゆる「股関節の骨折」(大腿骨近位部骨折)の一つです。

大腿骨の付け根の骨折のうち、外側寄りで折れたものを指します。どのように折れたかで、骨のつき方も後遺症の残りやすさも変わります。

 

転子部はどこ?頚部との違い

大腿骨の付け根は、股関節に近い側から、次の順に続きます。

  • 骨頭(こっとう・股関節の球の部分)
  • 頚部(けいぶ・骨頭を支える首の部分)
  • 転子部(てんしぶ)
  • 転子下(てんしか)

転子部は、大転子(だいてんし・外側の大きな出っ張り)・小転子(しょうてんし・内側の小さな出っ張り)と、その間の部分を指します。

3D-CTで見た大腿骨の付け根。骨頭・頚部・大転子・小転子の位置関係
3D-CTで見た大腿骨の付け根。骨頭・頚部・大転子・小転子の位置関係

 

頚部と何が違うのか

股関節は、関節包(かんせつほう・関節を包む袋)に包まれています。

頚部は袋の中にあり、骨頭へ向かう血管が骨折で傷つきやすくなります。

そのため頚部骨折では、骨がつかない、骨頭が壊死するといった問題が起こりやすくなります。

 

 

転子部は袋の外にあり、頚部に比べて、まわりの筋肉や骨の中からの血流が保たれやすい部分です。

骨頭が壊死することは、まれです。ただし、骨がつくことと、元の位置でつくことは別の話です。

 

なぜ「ずれ」が問題になるのか

大転子にはお尻の横の筋肉(中殿筋などの外転筋)が、小転子には股関節を曲げる腸腰筋(ちょうようきん)が付いています。

骨片は、これらの筋肉に引っぱられます。また、体重をかけると、骨折部には内側に傾き、短くなる方向の力がかかります。

 

治療で「ずれを残さないこと」を目標にするのは、このためです。

 

明日からできること

診断書や画像の説明に「転子部」「転子間」「転子下」のどれが書かれているかを確かめてください。

 

監修医から一言

骨がついたかと、どの位置でついたか——

大腿骨転子部骨折で私がいちばん大事にしている見方です。骨はついても、脚が短く、骨が内側に傾いたまま固まることがあるからです。

 

診断書で、骨折の場所と型を確かめる

大腿骨の骨折を、折れた場所と型で整理しました。この記事で扱うのは太字の2行です。小転子より下で折れる転子下骨折(てんしかこっせつ)も、治療の考え方が近いため、不安定型に含めて扱います。

骨折の型 手術 残りやすい後遺症
頚部骨折(別記事) 骨接合・人工骨頭 骨頭壊死(骨接合後)・脱臼(人工骨頭後)
転子部骨折(安定型) 髄内釘 大転子の痛み・軽い短縮
転子部骨折(不安定型) 髄内釘(長い棒も) 短縮・内反・歩き方
骨幹部骨折(別記事) 髄内釘 短縮・ねじれ

 

診断書の名前

診断書では「転子間骨折」「大腿骨近位部骨折」と書かれることもあります。

転子間骨折は、この記事の転子部骨折とほぼ同じ骨折を指します。大腿骨近位部骨折は、頚部骨折と転子部骨折をまとめた呼び方です。

 

転子下骨折

転子下骨折は、転子部骨折と同じく髄内釘で治療します。

ただ、まわりの筋肉に強く引かれて骨片がずれやすく、骨がつくまでに時間がかかる場合もあります。

 

骨頭そのものの骨折はきわめてまれで、股関節が脱臼するような強い外力で起こります。

 

安定型と不安定型

転子部骨折は、「安定型」と「不安定型」に分けます。

分け方は、整復(ずれを元の位置に戻すこと)をしたときに、骨どうしで体重を支え合えるかどうかです。

 

ずれの大きさで分ける頚部骨折の「安定型」とは、意味が違います。鍵は2か所です。

  • 1つは、小転子を含む後ろ内側の骨片です。ここが大きく割れると、支え合いがききません。
  • もう1つは、大転子の外側にある骨の壁(外側壁・がいそくへき)です。ここまで割れていると骨片が外へずれやすく、固定を保ちにくくなります(髄内釘が選ばれる理由の一つです)。

骨折線が通常と逆向きに走る逆斜型(ぎゃくしゃがた)も、不安定型です。

 

診断書の記号

現在のAO/OTA分類では、次のように書かれます。

  • 31-A1(骨片の少ない単純な型で、外側の骨の壁が保たれている。おおむね安定型)
  • 31-A2(複数に割れた型で、外側の骨の壁の支えが不十分。不安定型)
  • 31-A3(逆斜型や、骨折線が横向きに走る型など。不安定型)

それより前の版で記載された診断書では、区分が少し異なります。

そのため、どの型かは主治医に確かめるのが確実です。Evans(エバンス)分類も、安定型・不安定型を分ける分類です。

 

よくあるすれ違い

「骨がつけば治る」と受け止めていると、不安定型で手術の後にずれが大きく進んでも、気づかれにくくなります。

反対に、ある程度の沈み込みは骨が安定する過程でも起こるため、画像の小さな変化だけで失敗と決めつけることもありません。

 

明日からできること

主治医に「安定型ですか、不安定型ですか」と一度聞いておきましょう。

 

受傷時の股関節X線(正面)の一例。矢印の部分が転子部骨折で、左右を比べると骨折側のずれと脚の向きの違いが分かる
受傷時の股関節X線(正面)の一例。矢印の部分が転子部骨折で、左右を比べると骨折側のずれと脚の向きの違いが分かる

股関節に近い、骨頭を支える首の部分で折れる骨折については、大腿骨頚部骨折の記事で解説しています。

 

どんな事故で起こり、直後に何が起きる?腰の横を打つ力と、立てなくなる痛み

大腿骨転子部骨折は、腰の横(大転子のあたり)を強く打って起こるのが典型です。

受傷の直後から、付け根の強い痛みで立てなくなります。どの場面でどう打ったかの記録が、後から事故との関係を説明する手がかりになります。

 

どんな事故で折れ、直後にどうなる?

大腿骨転子部骨折の大多数は、骨粗鬆症のある高齢の方が転んで起こります。

交通事故では、若い方でも強い外力で受傷し、転子下まで広がる型になる場合もあります。

 

事故の場面 付け根にかかる力 なりやすい型
バイク・自転車で転び、腰の横を打つ 大転子への衝撃 転子部骨折(不安定型も)
歩行者としてはねられ、倒れる 衝撃とねじれ 転子部・転子下へ広がる型
高齢の方が、車を避けようとして転ぶ 立った高さの転倒 転子部骨折

 

受傷直後は、付け根の強い痛みで立てなくなるのが典型で、脚が短く見える、つま先が外を向くといった変化がみられます。

足先が冷たい・色が悪い・しびれや痛みが急に強まるときは、ただちに医療スタッフへ(自宅なら救急を受診)

 

なぜ脚が短く見え、つま先が外を向くのか

骨折すると、太ももの筋肉に引かれて骨幹側が上へずれ、脚が短く見えます。

骨頭とのつながりが切れた脚は、重みで外へ倒れるため、つま先が外を向きます。

 

歩けた=骨折なし、ではない

ずれの小さい骨折では、痛みをこらえて歩ける方もいます。歩けたことは、骨折がないことの証明にはなりません。

 

よくあるすれ違い

受傷直後は「腰の打撲」として扱われ、数日後に痛みで歩けなくなって骨折が見つかる場合もあります。

その間の経過が記録に残っていないと、事故との関係を後から説明しにくくなります。

 

明日からできること

事故のときの次のことを、覚えているうちにメモしておきましょう。

  • どちら側を下にして倒れたか
  • 何に打ったか
  • すぐに立てたか

高齢のご家族の場合は、事故の前の次のことも書き留めておくと、治療とリハビリの目標を決める手がかりになります。

  • 杖を使っていたか
  • 一人で外出できていたか
  • どのくらいの距離を歩けていたか

 

X線・CT・MRIで何を調べる?

基本は股関節のX線(正面・側面)です。

骨片の割れ方を詳しく見たいときはCTを、

骨折線が写らないときはMRIを、必要に応じて追加します。

 

立てない・体重をかけられないときは無理に歩かず、受診先へ連絡してください。

 

X線で見ているところ

正面では、次のことを見ます。

  • 骨折線の向き
  • 大転子・小転子がどれだけ割れているか
  • 頚部と骨幹の角度(頚体角・けいたいかく)が保たれているか

側面では、前後方向のずれを確かめます。

 

CTで見ているところ

X線では、次の部分の割れ方が重なって見えにくい場合があります。

  • 大転子の後ろ側
  • 小転子を含む後ろ内側の骨片
  • 外側の骨の壁

CTはこれを立体的に写し、型と固定具を決める材料になります。

 

MRIが役立つとき

痛くて立てないのに、X線で骨折線がはっきりしない骨折(不顕性骨折・ふけんせいこっせつ)があります。

このような骨折は、MRIで確認できる場合があります。

 

よくあるすれ違い

初診で「異常なし」と言われた後、痛みが続いて再受診し、骨折が見つかる場合もあります。

 

明日からできること

歩けても付け根の痛みが続くときは、早めに再受診してください。

異常なしと言われても、痛くて体重をかけられない状態が続くなら、「MRIを考えてもらえますか」と相談します。

 

画像データは、受診先ごとに写し(CD-Rなど)をもらっておくと安心です。

 

手術はどう進み、いつから立てる?-髄内釘で支え、翌日から立つ

手術

大腿骨転子部骨折は、全身の状態が許せば手術で治療します。

手術のほとんどは、骨の中に金属の棒を通す髄内釘です。

 

寝たままの期間を短くし、早く立って歩く力を取り戻すことが目標です。

 

なぜ早い手術が勧められる?

転子部骨折の治療は、全身の状態が許せば手術(骨接合術)が原則です。

高齢の方では手術までの日数が経過に影響するため、早い手術が勧められています。

 

なぜ早いほうがよいのか

手術を待つ間は痛みで動けず、寝たままの状態が続きます。高齢の方では、その間に次のことが起こりやすくなります。

  • せん妄(一時的な意識の混乱)
  • 肺炎
  • 深部静脈血栓症(脚の深い静脈に血の塊ができる状態)
  • 筋力の低下

医学書や診療ガイドラインでも、早期の手術が望ましいとされています。

全身状態が許せば、受傷から48時間以内が一つの区切りです。

 

国内の大規模な調査は、回答した施設で把握された症例の集計です。

大腿骨の付け根の骨折全体で、入院から手術までの日数は平均4.0日、中央値2日でした(35歳以上で、骨折から入院まで20日以内の症例。くわしくは監修医コラム)。

 

よくあるすれ違い

交通事故では、頭や胸・お腹など他のけがの治療を優先して、手術が遅れる場合があります。

その理由は診療録に残りますので、受傷直後の症状の訴えがないと言われた場合には反論の材料になります。

 

明日からできること

手術日が決まったら、それまでの日数と理由(他のけがの治療、全身状態の調整など)を主治医に聞き、メモしておきましょう。

 

髄内釘は骨をどう支える?

転子部骨折の手術は、ずれを戻して(整復)金属で固定する骨接合術です。

現在は、そのほとんどが骨の中に金属の棒を通す髄内釘による固定です。棒を貫いて骨頭まで届く太いスクリューで、骨頭側を留めます。

 

髄内釘のしくみ

大転子の先から大腿骨の中心へ、金属の棒(ネイル)を通します。

 

その棒を貫いて骨頭まで届く太いスクリュー(ラグスクリュー。製品によっては刃の形をしたブレード)で、骨頭側を留めます。

診断書や手術記録には、製品名で「ガンマネイル」などと書かれていることもあります。

 

ショートとロング

棒の長さには、短いもの(ショートネイル)と、膝の近くまで届く長いもの(ロングネイル)があります。

原則として短い棒を使います。

 

骨折線が逆向きに走る逆斜型や、転子下へ広がる型では、長い棒を選びます。

 

手術の実際

大転子の上と太ももの外側に小さな切開を数か所置き、X線透視で骨折のずれを戻しながら、棒とスクリューを入れます。

骨折部を大きく開かないため出血は比較的少なく、手術時間も短めです(骨折の型や骨の状態で前後します)。

 

手術記録や退院時の説明書には、使った棒の長さや製品名が書かれています。確かめておくと、後の説明に役立ちます。

 

手術後のX線(正面)の一例。骨の中に通した金属の棒と、骨頭へ入れたスクリューで固定している
手術後のX線(正面)の一例。骨の中に通した金属の棒と、骨頭へ入れたスクリューで固定している
手術後のX線(側面)の一例。側面像で、金属の前後方向の位置を確かめる
手術後のX線(側面)の一例。側面像で、金属の前後方向の位置を確かめる

 

いつから立てる?立つ練習の始め方と、退院・復職の時期

髄内釘で固定すると、多くの場合、手術の翌日から、主治医が許可した範囲で痛みに合わせて体重をかけ、立つ練習を始めます。

型や骨の状態によっては、体重のかけ方を制限することもあります。

時期 体の状態 できること
手術の翌日から 痛みは強いが、金属と骨で体重を分け合う ベッドの横に立つ、歩行器で歩き始める
手術後2〜3週 歩行器や杖で歩ける距離が延びる 退院、またはリハビリ病院へ転院して歩く練習を続ける
3〜4か月(不安定型は6か月前後) 骨がついてくる時期 状態に応じて杖を減らし、復職を検討する
6か月〜1年 回復が横ばいに近づく 症状固定を検討

表の時期は骨折の型・年齢・骨の強さで前後し、体重のかけ方や復職・運転の再開は主治医の指示が優先です。

 

なぜ翌日から体重をかけられるのか

髄内釘は骨の中心にあり、骨折部を押しつけ合わせながら、骨と一緒に体重を受け止めます。

そのため、骨がつく前でも固定が保たれやすい構造です(不安定型では、この押しつけ合いの過程で少し短くなることがあります)。

 

寝たままの期間が長いほど、筋力が落ち、歩く力が戻りにくくなります。そのため、早く起き上がることが治療の中心です。

 

診療録の「早期離床」は、早く起き上がること(ベッドから起きる、車椅子に移るなどを含む)を指します。

「全荷重」は体重を全部かけてよいことを指し、別の言葉です。

 

早期離床と言われても、全体重をかけてよいとは限りません。許可される荷重の範囲は、主治医に確認してください。

 

回復の流れ

平行棒、歩行器、杖へと進み、階段や屋外の歩行を練習します。

症状が落ち着けば、通院は月1回程度で経過をみることが多くなります(受診の間隔は状態に応じて主治医が決めます)。

 

受傷前と同じ歩く力まで戻らず、杖が必要になる方もいます。

 

よくあるすれ違い

「翌日から体重をかけてよい」と聞くと軽いけがと受け取られがちですが、骨がつくまでには数か月かかります。

 

明日からできること

次のことを、時期ごとに書き留めておきましょう。

  • 歩ける距離
  • 杖の有無
  • 階段の様子

 

金属は抜く?手術の後に注意したい合併症

髄内釘の多くはチタン製で、体の中に残しても問題のない金属です。抜かずに残すことが多く、高齢の方では原則として抜きません。手術の後に起こりうる合併症は、次のとおりです。

  • カットアウト: 骨頭へ入れたスクリューが、骨頭から抜け出す状態。人工骨頭などへの再手術が必要になることがある
  • 短縮・内反: 骨折部が沈み込んで脚が短くなる、骨が内側に傾いてつく(内反変形)
  • 偽関節(骨がつかずに終わった状態): まれだが、転子下へ広がる型で起こることがある
  • その他: 大転子のあたりや棒の先端のあたり(太ももの中ほど)の痛み、まれにその付近での骨折、感染、深部静脈血栓症

 

金属を抜くか

抜くことは前提ではありません。

若い方で、強い違和感やご本人の希望があるときは、骨がついてから1〜2年ほどで、抜くかどうかを主治医と相談することもあります。

 

なお、交通事故後の後遺障害等級の認定においては、金属を抜くことは認定の必須要件とされているわけではありません。

 

カットアウトと短縮が起こる仕組み

ラグスクリューには、骨折部が押しつけ合って安定するよう、すべる仕組みがあります。

不安定型ではこのすべりが大きくなります(診療録では「テレスコーピング」と書かれます)。

 

その結果、脚が短くなったり、スクリューの外側の端が出っ張って太ももの外側が痛んだりします。

スクリューの先端が骨頭の中で動き、骨頭の上側の殻を突き破って関節のほうへ抜け出すことがあります(カットアウト)。

外側の端が出っ張るのとは別の状態で、再手術が必要になることがあります。

 

起こりやすいのは、骨がもろい場合や、骨頭側が内側に傾いた位置で固定された場合です。

 

よくあるすれ違い

「金属を抜くまでは治療が終わらない」と考えて、症状固定の見通しが立たなくなる場合があります。

 

感染と血栓

傷が赤く腫れる、熱を持つ、膿が出るといった変化があれば、次の予約を待たずに受診してください。

ふくらはぎが急に腫れる、張って痛むといった変化があれば、その日のうちに受診先へ連絡してください。

 

急な息苦しさや胸の痛みは、血の塊が肺へ流れた(肺塞栓症)おそれがあるため、ただちに救急を受診してください。

強い息苦しさや意識がおかしいときは救急車を呼び、自分で運転しないでください。

 

明日からできること

付け根の痛みが急に強くなったら、次の予約を待たずに受診してください。抜く予定の有無は、症状固定の時期とあわせて主治医に確かめておきましょう。

 

大腿骨転子部骨折の後遺症は?-脚の長さ・骨の傾き・歩き方を数字に

大腿骨転子部骨折は、骨がついても、ずれが残ることのある骨折です。

後遺症として問題になりやすいのは、脚が短く、骨が内側に傾いたまま固まることと、それによる痛みと歩き方の変化です。

 

どれも、本人が気づいて伝え、測ってもらって初めて数字になります。

 

骨のつき方で残るもの―短縮・内反・痛み・股関節の硬さ

大腿骨転子部骨折の後遺症は、次の3つに分けて考えると整理できます。

  • ずれたままのつき方: 脚が短くなる(短縮)、骨が内側に傾く(内反)、ねじれる
  • 痛み: 大転子のあたりの痛み、太ももの外側の痛み
  • 動きと歩く力: 股関節が硬い、足を引きずる、長く歩けない

 

ほかに関係すること

後遺症には、ずれのほかに、筋力の低下、関節の硬さ、金属による刺激なども関係します。

高齢の方では、受傷前より歩く力が落ちることも少なくありません。どれが主な原因かは、診察と画像を合わせて確かめます。

 

ねじれたままつく

骨がねじれた向きでつくこともあります。

つま先の向きや、股関節を内側・外側へねじる動きに左右差がある場合は、診察で原因を調べます。

 

X線では分かりにくく、必要に応じて左右を比べるCTで確かめます。

 

痛みの場所で見当をつける

大転子のあたりの痛みは、お尻の横の筋肉の付け根や、スクリューの外側の端の出っ張りで起こることがあります。

付け根の前側の痛みは、股関節そのものの問題のこともあります。痛む場所を指で示して伝えると、原因を確かめる手がかりになります。

 

明日からできること

次のことを、日付を入れて記録しておきましょう。

  • 痛む場所(大転子のあたりか、付け根の前側か)
  • 続けて歩ける距離
  • 杖の有無

 

短縮・内反とは?-骨はついても、脚が短く、骨が内側に傾いたまま固まる

大腿骨転子部骨折では、骨はついても、骨折部が沈み込んで脚が短くなる「短縮」や、骨頭側が内側に傾く「内反」が残ることがあります。

すると、けがをした側の脚が短くなり、お尻の横の筋肉が働きにくくなります。

 

脚の長さの差と、体が左右に揺れる・足を引きずる歩き方につながります。

 

なぜずれたままつくのか

骨頭へ入れたスクリューには、骨折部が押しつけ合って安定するよう、すべる仕組みがあります。

不安定型では骨どうしの支えが少なく、体重をかける中で骨折部が沈み込み、すべりが大きくなります。

 

骨どうしが接して安定する過程では、ある程度の沈み込みは起こりうるもので、画像の変化だけで治療の失敗とは判断しません。

ただ、沈み込みが大きいと、骨がつくまでの数か月の間に脚が短くなり、骨頭側が内側に傾いたまま固まることがあります。

 

立つ・歩くときに何が起こるか

片足で立つと、お尻の横の筋肉(中殿筋などの外転筋)が骨盤を水平に保ちます。

脚が短くなり、骨が内側に傾くと、この筋肉の張りが弱まり、反対側の骨盤が下がります。

体が左右に揺れる歩き方(診療録では「トレンデレンブルグ歩行」)になり、長く歩くと腰や膝が痛む方もいます。

 

よくあるすれ違い

骨がついていれば「治った」と言われがちで、1枚のX線ではいつ沈み込んだかが分かりません。

本人も「年のせい」「筋力が落ちたせい」と考え、診察で伝えないまま時間がたつことがあります。

 

明日からできること

脚の長さが違う感覚や、片方のズボンの裾だけ擦れる、靴の中敷きで高さを合わせているといった変化を、日付を入れてメモしてください。

見た目だけでは、骨の短縮か姿勢の影響かを区別できません。

そのメモを見せて、「脚の長さを左右で測り、手術直後のX線と並べてもらえますか」と主治医に相談しましょう。

 

意見書を書いてきた医師から、5つのこと

交通事故の医学意見書を書くなかで、大腿骨の付け根の骨折について繰り返し問われてきた論点を、5つにまとめます。

治療中の方とご家族に、知っておいていただきたい医学的なポイントです。

 

まず、治療や手続きの途中で言われがちな言葉を、医学の側でどう確かめるかと一緒に並べます。

どれも誤りではなく、「それだけでは分からないことがある」という意味です。右端は、くわしく書いた項目です(数字はこの下の5つのこと)。

言われがちな言葉 医学の側で確かめること そろえておく資料 くわしくは
「X線で骨はついている」 短縮・内反が進んでいないか 時期の違うX線 1
「歩けているので問題ない」 歩き方と痛む場所 歩ける距離・杖の記録 2
「脚の長さは左右差なし」 左右を同じ方法で測ったか 測った日・方法・値 3
「骨がつくのが遅いだけ」 遅れか、止まっているか 経過のX線(必要ならCT) 4
「施設で診てもらっている」 整形外科医の診察と画像 整形外科の受診記録 5

 

1. 「骨はついている」の一言で終わらせない時期の違うX線を並べる

意見書のために、受傷時・手術直後・症状固定前のX線を同じ向きで並べ直すことがあります。

すると、手術直後はそろっていた骨折部が数か月で沈み込み、スクリューの外側の端が太ももの外へ出てきているのが分かる、ということがあります。

骨がついたかどうかと、どの位置でついたかは別の評価です。不安定型では、体重をかける中で骨折部が少しずつ沈み込むことがあるからです。

 

1枚の画像だけでは、いまの状態は分かっても、変化の経過までは分かりません。

転院で古い画像が手元に残っていないこともありますが、過去の画像がそろわなくても、現在の状態は診察と画像で評価できます。

 

受診先ごとに画像の写し(CD-Rなど)をもらい、受傷時のものから順に保管してください。

転院するときは、紹介状と一緒に画像も引き継がれているかを確かめます。

同じ向きで撮った画像を時期ごとに比べてもらうよう、主治医に相談しましょう。

 

2. 歩けることと、元どおり歩けることは別痛む場所と歩き方を言葉に

意見書の資料を読むと、診療録に「歩行安定」とだけ書かれ、杖の有無や途中で休む回数の記載がない例があります。

 

歩き方は診察室の短い距離では目立たず、ご本人が伝えないと気づかれにくいものです。

「跛行(はこう・足を引きずる歩き方)あり」「杖で来院」の一行が、後で症状の経過を説明する材料になります。

 

大転子のあたりの痛みや足を引きずる歩き方は、「年のせい」とは限りません。

大転子が上へずれたり、骨が内側に傾いたりしたまま骨がつくと、お尻の横の筋肉が働きにくくなり、医学的に説明できることがあります。

金属の刺激など、別の原因のこともあります。

 

続けて歩ける距離、途中で休む回数、杖の有無、階段の上り下りを、日付を入れて書き留めてください。

痛む場所は指で示し、「どの場面で痛むか」と一緒に受診時に伝えましょう。

 

3. 脚の長さの差は、左右同じ方法で測る「左右差なし」の一言に注意

意見書の資料を読むと、脚の長さが「左右差なし」とだけ書かれ、測った方法も数値も残っていないことがあります。

ご本人は差を感じていても、片側だけ測られる、時期ごとに測り方が違うといった理由で、差が記録に残らないこともあります。

 

骨盤の傾きや膝の曲がりで、見た目の脚の長さは簡単に変わります。

そのため脚の長さは、骨盤の前の出っ張り(上前腸骨棘・じょうぜんちょうこつきょく)から内くるぶし(内果)の下の端までを、左右とも同じ方法で測ります。

差がはっきりしないときは、脚全体を写すX線で測ることもあります。

 

測ってもらうときは「けがをしていない側も同じ方法で測ってください」と頼み、日付と値、測った方法を控えておきましょう。

靴の中敷きで高さを調整している場合は、それも伝えます。

 

4. 不安定型・転子下へ広がる型は、骨がつくまで長め遅れか、止まっているか

不安定型や転子下へ広がる型では、骨がつくまでに6か月前後かかることがあります。

骨片が多く、骨どうしが支え合う面が少ないうえ、転子下は体重による強い力が集中する部分だからです。

 

意見書では、経過のX線を時期順に並べ、骨がつく変化が続いていたのか、止まっていたのかを確かめます。

 

経過がゆっくりなこと自体は、異常とは限りません。

一方で、骨のつき具合を見極める前に治療が終わってしまうことも、逆に遅れを過度に心配することもあります。

骨がつかないまま止まった状態(偽関節)との見分けは、時期をおいたX線や、必要に応じてCTで行います。

 

受診のたびに「骨のつき具合はどの段階ですか」と聞いてください。

体重をかけたときの痛みが増えてきたときは、次の予約を待たずに伝えましょう。

 

5. 通院は整形外科へ(接骨院・整骨院は勧めません)

症状が事故の後から続いていることを示す、いちばん確かな材料は、診察のたびにカルテに残る症状・所見・画像です。

症状が続く間は、病院の整形外科か整形外科のクリニックで、医師の診察を定期的に受け続けることが大切です。

接骨院・整骨院への通院は、監修医に限らず多くの整形外科医が勧めていません。症状が落ち着けば、月1回程度で経過をみることが多くなります。

 

意見書の資料では、リハビリ病院や介護施設に移った後、整形外科の受診が数か月途切れている例があります。

その間に医師の診察や画像の評価が行われなければ、骨のつき具合や脚の長さを確かめた記録が不足し、「医師の診察記録がない期間」が問題になりえます。

 

通院先は、整形外科のある病院・クリニック(リハビリを行うクリニックを含む)にしてください。

主治医が決めた間隔で整形外科を受診し、転院や退院の後も受診を途切れさせないようにしましょう。

 

監修医コラム|数字で見る大腿骨転子部骨折

国内の大規模な調査では、回答した施設で把握された大腿骨の付け根の骨折として、12万2,940例が確定されました。

そのうち転子部骨折は5万8,445例、頚部骨折は6万4,213例でした。年齢のピークは頚部骨折・転子部骨折ともに85〜89歳で、高齢になるほど転子部骨折の割合が増えます。

 

大腿骨の付け根の骨折全体では、受傷原因の84.2%が立った高さからの転倒で、転落・交通事故は5.0%でした。

入院から手術までは、平均4.0日(中央値2日)でした。手術を受けた転子部骨折の98.1%は、骨を金属で固定する骨接合術でした。現在は、そのほとんどが髄内釘です。

集計の対象は35歳以上です。入院から手術までの日数は、骨折から入院までが20日以内の症例で計算されています。

 

これらは回答率70.3%の調査で把握された症例の数字で、全国の発生数ではありません。

それでも、「転んだだけで折れる」「ほとんどが骨を金属で固定する手術になる」という、この骨折の特徴がよく表れています。

 

交通事故による骨折は少数です。ただ、強い外力で不安定な型になることもあり、ずれが残らないかを丁寧に追う必要があります。

 

後遺障害等級に備えるそろえておきたい検査と記録

症状固定が近づいたら、残っている症状を医学的に示せる検査と記録がそろっているかを、主治医と確かめておくことが大切です。

検査・記録 何が分かるか そろえるときのポイント
X線(正面・側面) 骨のつき具合、短縮、骨の傾き(頚体角)、金属の位置 受傷時・手術直後・その後の各時点を、同じ向きで比べる
CT 骨のつき具合、大転子・小転子の位置、ねじれ 必要なとき(X線で分かりにくいとき)に相談
脚の長さの測定 左右の差 上前腸骨棘から内果の下の端まで。必要なら脚全体のX線
股関節の可動域 曲げ伸ばし、脚を開く・閉じる、ねじる動き けがをしていない側も同じ日に同じ姿勢で測る
歩き方と生活の支障の記録 歩ける距離、杖、階段、仕事への影響 日付を入れて書き留め、診察で伝える

 

いつ受けておくか

X線は通院のたびに撮ることが多いのですが、可動域と脚の長さは、測られないまま症状固定を迎える場合があります。

骨がついた時期と症状固定の前には、測ってもらうよう相談してください。

すべての検査を受ける必要はなく、どれが必要かは症状と画像の所見で主治医が判断します。

 

記録の残し方

検査の日付・種類・説明された結果を手帳やスマートフォンに書き留め、画像の写しは受傷時のものから順に保管します。

 

症状固定前の最終確認

残っている症状と受けた検査をメモにまとめ、次の受診で主治医に見せて、追加の評価が必要かを相談します。

後遺障害診断書をお願いするときにも、同じメモが役立ちます。

 

なお、弁護士法人小杉法律事務所では、後遺障害診断書の作成に当たって、

被害者からお伺いした症状などを踏まえて、主治医宛に実施していただきたい検査や記載に当たってのポイントなどをまとめたお手紙をお送りしております。

 

ご自身で主治医に上手く伝えられるか不安を感じている場合には、弁護士に相談しましょう。

 

これらの医学的な記録が、次の章で弁護士が解説する後遺障害等級の判断の土台になります。

記録がそろってきたら、それを等級の申請にどう生かすかを弁護士に相談するのが次の一歩です。

 

大腿骨骨折後に認定されうる後遺障害等級と認定のポイント

後遺障害等級

交通事故による傷害により後遺症が残ってしまった場合には、自動車損害賠償保障法施行令に定めのある後遺障害等級のどれに当てはまるかということで、

後遺障害等級の認定がされます。

 

大腿骨骨折後に問題になることが多いのは以下の5つです。

 

  • 神経症状:骨折部の痛みやしびれが残る
  • 機能障害:股関節や膝関節の可動域角度が狭くなる
  • 変形障害:骨が完全に癒合しなかったり、曲がって癒合したりする
  • 短縮障害:脚が短くなる
  • 過成長:(被害者が小児の場合)過剰に骨が伸びる

 

順に見ていきましょう。

 

神経症状についての後遺障害等級と認定のポイント

骨折部位に痛み等が残存する場合に認定可能性があります。

別表第二第12級13号 局部に頑固な神経症状を残すもの
別表第二第14級9号 局部に神経症状を残すもの

 

12級と14級の分かれ目は、痛みの原因を、レントゲン・CT・MRIなどの画像所見や神経学的検査等で医学的に証明できるかにあります。

 

例えば、

  • 骨がきれいにつながっていない
  • 変形して癒合している
  • 関節面に不整がある

といった所見が確認できれば、12級13号が認められる可能性があります。

 

仮に画像や神経学的所見で痛みの原因を証明できなくても、治療経過や事故状況から痛みが医学的に説明できれば14級9号の可能性があります。

 

なお、自賠責保険における後遺障害等級の認定にあたっては、痛みは「常時あること」が重視されるとされており、

動かしたときや体重をかけたときだけ生じる痛みは、認定されにくい傾向があります。

 

後遺障害診断書に自覚症状を記載してもらう際は「○○するときに痛む」といった記載よりも、「右膝痛」や「左股関節痛」などと簡潔に書いてもらった方が良いです。

 

監修医の補足

痛む場面・頻度・持続時間は、実際の状態のまま主治医へ伝えてください。後遺障害診断書についても、記載が実際の症状と食い違っていないか確認しましょう。

 

機能障害についての後遺障害等級と認定のポイント

大腿骨は近位で股関節、遠位で膝関節を構成しているため、

骨折が股関節または膝関節の可動域制限につながっている場合に、認定の可能性があります。

 

可動域は、原則として健側(けがをしていない側)と比べた割合で評価されます。

 

また、人工関節・人工骨頭が挿入置換された場合には別の認定基準が準備されています。

別表第二第8級7号 1下肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの

→以下の2つのうちいずれか。

・関節が強直したもの、関節の完全弛緩性麻痺またはこれに近い状態にあるもの

・人工関節・人工骨頭を挿入置換した関節のうち、その可動域が健側の可動域角度の1/2以下に制限されているもの

別表第二第10級11号 1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの

→以下の2つのうちいずれか

・患側の関節可動域が健側の1/2以下に制限されたもの

・人工関節・人工骨頭を挿入置換した関節のうち、その可動域が健側の可動域角度の1/2以下には制限されていないもの

別表第二第12級7号 1下肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの

→患側の関節可動域が健側の3/4以下に制限されたもの

 

機能障害の認定では、可動域制限があるだけでなく、その原因となる骨や関節の器質的な変化(骨癒合不全、関節面の変形、人工関節など)が確認できるかが重要になります。

 

人工骨頭・人工関節を入れた場合にはそれ自体で後遺障害等級10級11号の対象となり、そこから可動域制限の程度によって後遺障害等級8級7号の認定可能性が出てきます。

 

監修医の補足

大腿骨転子部骨折では、ずれたままのつき方や関節の硬さで、股関節の動きに左右差が出ることがあります。

骨の変形や関節の硬さによる可動域の制限と、筋力の低下による動かしにくさは、分けて評価します。

左右の股関節を同じ日に同じ姿勢で測り、自分で動かした値か、医師が動かした値かも記録してもらいましょう。

 

変形障害についての後遺障害等級と認定のポイント

別表第二第7級10号 1下肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの

→大腿骨の骨幹部等にゆ合不全を残し、常に硬性補装具を必要とするもの

別表第二第8級9号 1下肢に偽関節を残すもの

→大腿骨の骨幹部等にゆ合不全を残すものの、「常に硬性補装具を必要とするもの」以外のもの

別表第二第12級8号 長管骨に変形を残すもの

→以下の5つのうちのいずれかに該当する場合。

・大腿骨に変形を残すものであって、その程度が外部から見てわかる程度以上のもの(具体的には、15度以上屈曲して不正ゆ合したもの)

・大腿骨の骨端部にゆ合不全を残すもの

・大腿骨の骨端部のほとんどを欠損したもの

・大腿骨(骨端部を除く)の直径が2/3以下に減少したもの

・大腿骨が外旋45度以上または内旋30度以上「回旋変形ゆ合」しているもの

 

第12級8号の「回旋変形ゆ合」していることについては、

エックス線写真等により明らかに大腿骨の回旋変形ゆ合が認められることを前提として、

外旋変形ゆ合にあっては股関節の内旋が0度を超えて可動できないこと、内旋変形ゆ合にあっては、股関節の外旋が15度を超えて可動できないことを確認することによって判定します。

 

監修医の補足

大腿骨転子部骨折で問題になりやすいのは、骨頭側が内側に傾いたつき方(内反)と、骨折部の沈み込みによる短縮です。

骨がつかない状態(偽関節)はまれですが、転子下へ広がる型で起こることがあります。

骨のつき方は正面・側面のX線で見て、分かりにくいときやねじれを詳しく見るときはCTで確かめます。

 

短縮障害についての後遺障害等級と認定のポイント

別表第二第8級5号 1下肢を5センチメートル以上短縮したもの
別表第二第10級8号 1下肢を3センチメートル以上短縮したもの
別表第二第13級8号 1下肢を1センチメートル以上短縮したもの

 

下肢の短縮については、上前腸骨棘と下腿内果下端の間の長さを測定し、健側と比較して、短縮した長さを算出します。

 

この他に、下肢長の測定を行う方法としては、エックス線写真を使用する方法があります。

これには、通常のフィルムを貼り合わせる方法と、必要な長さに応じて調節し下肢全体を1枚のフィルムに収めることのできるロールフィルムを使用する方法があります。

下肢長に疑問があるときは、このような画像検査資料を取り付けることにより適切な認定を行う必要があります。

 

監修医の補足

転子部骨折では、手術の後に骨折部が沈み込んで脚が短くなることがあります。

左右の測定値に加えて、受傷時・手術直後・その後のX線を並べると、短縮がいつ、どの程度生じたかを医学的に示しやすくなります。

 

過成長についての後遺障害等級と認定のポイント

短縮障害とは異なりますが、小児の骨折などでは、

骨折を契機として逆に成長が促進され、骨折した側が健側と比較して長くなってしまう、いわゆる過成長とよばれる障害が起こることがあります。

 

過成長については、短縮の場合に準じ、健側と比較した長さの程度によってそれぞれ、

  • 別表第二第8級相当
  • 別表第二第10級相当
  • 別表第二第13級相当

とされます。

 

ただし、成長期であることから、認定時期については注意が必要です。

 

また、例えば変形障害を残すとともに短縮障害を残してしまったようなケースでは、より上位の等級が採用されたり、

そのほかの後遺障害等級と併合して最終的な等級が定められたりと、後遺障害等級の認定については細かい実務上の運用があります。

 

ご自身の後遺障害等級が何級になるかについて疑問をお抱えの方は、専門弁護士に相談しましょう。

 

 

大腿骨骨折後の後遺障害等級にあたり重要になる検査

X線(レントゲン) 必須。骨癒合の状態、変形、偽関節の有無を確認
CT 骨癒合不全や関節面の変形など、X線で判断しにくい所見の確認。必要に応じて主治医に実施を相談
MRI 骨頭壊死の疑いがある場合など〔要確認〕
関節可動域の測定 股関節・膝関節について、健側と患側を測定・比較
下肢長(脚長差)の測定 短縮障害・過成長の懸念があるとき

 

X線は必須です。

それ以外にも、大腿骨骨折後の後遺障害等級の認定にあたっては、基本的には画像上で痛みや関節の動かしにくさ、変形などの原因が確認できるかが最重要になります。

 

主治医と相談しながら、原因を確認できる画像の撮影を行うことは重要です。

 

監修医の補足

転子部骨折では骨頭壊死はまれで、後遺症の評価にMRIが一律に必要なわけではありません。

必要かどうかは、症状とほかの画像所見から主治医が判断します。受傷直後にX線で写らない骨折(不顕性骨折)を調べるMRIとは、検査の目的が異なります。

 

弁護士法人小杉法律事務所では、後遺障害診断書の作成に当たり、被害者の方の自覚症状や日常生活における支障などをお伺いしながら、

主治医宛てに「後遺障害診断書に記載していただきたい内容や実施していただきたい検査」等についてまとめたお手紙をお送りしています。

 

適切な後遺障害等級の認定を得るために、ポイントを押さえた後遺障害診断書を作成することは極めて重要です。

 

 

大腿骨骨折後に後遺障害等級が認定された場合の賠償金の目安

大腿骨骨折の骨折後に後遺障害等級が認定された場合には、認定された後遺障害等級に応じて、

  • 後遺症逸失利益
  • 後遺症慰謝料

が請求可能になります。

 

それぞれについて解説します。

 

大腿骨骨折の後遺症逸失利益

そもそも後遺症逸失利益とは、後遺症が残ってしまったことによって、働きにくくなってしまい、

将来得られるはずであった収入が得られなくなるという損害をいいます。

 

 

逸失利益の計算式は、

逸失利益=基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間(に対応するライプニッツ係数)

ですが、

この計算式の中の労働能力喪失率が認定される後遺障害等級と連動します。

 

実務では基本的には、労働能力喪失率表(国土交通省ホームページより)に従い、認定される後遺障害等級に応じて定められている労働能力喪失率を採用しています。

 

例を挙げてみてみましょう。

事故前の年収が500万円の40歳の方が交通事故に遭い、右の大腿骨を骨折してしまったとします。

 

懸命な治療・リハビリを続けたものの、股関節の可動域が左と比較して2分の1に制限されてしまいました。

認定される後遺障害等級は後遺障害等級第10級11号であり、労働能力喪失率は27%です。

 

そうすると、この方の逸失利益の金額は、

500万円×27%×18.3270(67歳までの27年間に対応するライプニッツ係数)=2474万1450円

が一つの目安となります。

 

仮に、認定された後遺障害等級が一つ下の後遺障害等級第12級8号であった場合はどうでしょうか。

後遺障害等級第12級8号の労働能力喪失率は14%ですから、この方の逸失利益の金額は、

500万円×14%×18.3270(67歳までの27年間に対応するライプニッツ係数)=1282万8900円

が一つの目安となります。

 

この場合、認定された後遺障害等級が1つ違うだけで、逸失利益の金額に1000万円以上の差が生じています。

適切な後遺障害等級の認定を得ることの重要性がお分かりいただけると思います。

 

大腿骨骨折の後遺症慰謝料

後遺症慰謝料は、その名のとおり後遺症が残ってしまったという精神的苦痛に対して支払われる慰謝料です。

 

 

後遺症慰謝料も、原則として認定される後遺障害等級に応じて金額が決まります。

 

裁判基準(弁護士基準)の後遺症慰謝料の目安は以下のとおりです。

 

第1級 2800万円
第2級 2370万円
第3級 1990万円
第4級 1670万円
第5級 1400万円
第6級 1180万円
第7級 1000万円
第8級 830万円
第9級 690万円
第10級 550万円
第11級 420万円
第12級 290万円
第13級 180万円
第14級 110万円

 

先ほどと同じように第8級と第12級を比べてみると、500万円以上の差があります。

後遺症慰謝料についても、適切な後遺障害等級の認定が得られるかどうかは大きな差になります。

 

 

大腿骨転子部骨折についてのよくある質問

大腿骨転子部骨折は、どのくらいで歩けるようになりますか?

多くの場合、手術の翌日から、主治医が許可した範囲で体重をかけて立つ練習を始めます。

2〜3週で歩行器や杖で歩けるようになって退院、またはリハビリ病院へ転院します。

 

骨がつくのは3〜4か月ほどで、不安定型や転子下へ広がる型では6か月前後かかることがあります(いずれも骨折の型・年齢・骨の強さで前後します)。

 

次にすることとして、主治医に以下の3つを確かめておきましょう。

  • 体重をかけてよい範囲
  • 杖を減らしてよい時期
  • 仕事に戻れる時期

 

髄内釘(金属の棒)は抜きますか?

抜くことが前提ではありません。髄内釘の多くはチタン製で、体の中に残しても問題のない金属です。

抜かずに残すことが多く、高齢の方では原則として抜きません。

 

若い方で強い違和感があるときは、骨がついた後に抜くかどうかを相談することもあります。

抜くかどうかの判断と理由を主治医に確かめ、カルテに残してもらいましょう。症状固定との順番は、主治医と相談して決めます。

 

後遺障害等級の認定においては、髄内釘を抜くことは必須の要件ではありません。

 

脚の長さが違う気がします。足を引きずるのはなぜですか?

骨折部が沈み込んで脚が短くなった場合や、骨が内側に傾いてお尻の横の筋肉が働きにくくなった場合に起こります。

筋力低下や痛みなどでも歩き方は変わるため、診察で原因を確かめます。

 

左右の脚の長さを同じ方法で測ってもらい、X線で手術直後との違いを確かめてもらいましょう。

 

不安定型と言われました。骨がつくまでどのくらいですか?

不安定型や転子下へ広がる型では、骨がつくまで6か月前後かかることがあります(骨折の型・年齢・骨の強さで前後します)。

安定型より遅いこと自体は、異常とは限りません。

 

次にすることとして、受診のたびに骨のつき具合を確かめてください。

体重をかけたときの痛みが増えてきたときは、次の予約を待たずに主治医に伝えましょう。

 

大腿骨転子部骨折の後遺症は、必ず残りますか?

必ず残るわけではありません。よい位置で骨がつけば、受傷前に近い生活に戻れる方も少なくありません。

一方で、脚の短縮や骨の内側への傾き(内反)が残った場合は、痛みや足を引きずる歩き方が後遺症として残ることがあります。

高齢の方では、受傷前より歩く力が落ちることもあります。

 

脚の長さ・痛む場所・歩ける距離の変化を書き留め、左右の測定と、時期の違うX線の比較を主治医に相談してください。

 

転子間骨折・転子下骨折と書かれています。同じものですか?

転子間骨折は、この記事の転子部骨折とほぼ同じ骨折を指します。

転子下骨折は小転子より下で折れる骨折で、別の骨折ですが、髄内釘で治療する考え方が近いため、この記事では転子部骨折に含めて扱っています。

 

大腿骨骨折の後遺障害でよくある質問

大腿骨骨折では、どんな後遺障害等級が認定されますか?

骨折した部位と残った症状によって異なります。

痛みなら12級13号・14級9号、股関節や膝の可動域制限なら8級7号や12級7号、

偽関節が残ってしまうようなケースでは、第7級10号などもあり得ます。

大腿骨が変形してしまった場合や、下肢長が短縮(過成長)してしまった場合にも後遺障害等級が用意されています。

 

人工骨頭を入れた場合、後遺障害等級は認定されますか?

交通事故による大腿骨の骨折によって、人工関節・人工骨頭を入れることとなった場合には、その時点で第10級11号の認定の対象となります。

そのうえで、可動域が健側の1/2以下に制限されていれば8級7号に該当するとされています。

 

監修医の補足

大腿骨転子部骨折の最初の手術は、ほとんどが髄内釘で、通常は人工骨頭を用いません。

スクリューが骨頭から抜け出す(カットアウト)などで再手術となり、人工骨頭や人工股関節に入れ替えた場合に関係する質問です。

 

骨がくっついたのに痛みが残っています。認定されますか?

痛みが残る場合は、12級13号または14級9号の可能性があります。

ただし、画像で原因が医学的に確認できるか、治療経過から痛みが説明できるか等がポイントになります。

 

骨折の全治まで、どのくらいかかりますか?

部位や治療方法によって異なります。

一般的な目安として、頚部・転子部骨折で約3〜6か月、骨幹部骨折で約6か月、顆部骨折で約6〜8か月とされていますが、個人差があります。

 

監修医の補足

骨がつくまでの期間、歩けるようになるまでの期間、症状固定の時期は、それぞれ別に判断します。

大腿骨転子部骨折では、安定型か不安定型かで骨がつくまでの期間が変わり、ずれが残っていないかは手術後の画像で確かめます。

 

手術で入れた金属(プレート・髄内釘)を抜く予定があります。症状固定はいつですか?

抜釘(金属の除去)を予定している場合、症状固定の時期の判断が変わることがあります。時期は主治医と相談しましょう。

 

なお、プレートや髄内釘を抜くことは、症状固定の要件とはされていません。

体内に留置したまま後遺障害等級の申請をすることも可能です。

 

プレートや髄内釘を抜くことで治療期間が長くなり、入通院慰謝料が長く認められる可能性がある一方、

それらを抜いたことで症状が改善し、後遺症が認められず慰謝料や逸失利益が請求できない可能性もあります。

 

逆に、プレートや髄内釘を抜かずに症状固定をして、その後に抜こうとすると治療費が払ってもらえないなどのリスクもあります。

主治医や弁護士と相談しながら進めることが重要です。

 

監修医の補足

大腿骨転子部骨折の髄内釘の多くはチタン製で、体の中に残しても問題のない金属です。

抜かずに残すことが多く、高齢の方では原則として抜きません。抜くかどうかの判断と、その理由を主治医に確かめ、カルテに残してもらいましょう。

 

大腿骨の骨折による後遺障害慰謝料はいくらくらいですか?

認定される後遺障害等級によって異なりますが、弁護士基準の場合には、

第1級 2800万円
第2級 2370万円
第3級 1990万円
第4級 1670万円
第5級 1400万円
第6級 1180万円
第7級 1000万円
第8級 830万円
第9級 690万円
第10級 550万円
第11級 420万円
第12級 290万円
第13級 180万円
第14級 110万円

が目安となります。

 

交通事故による大腿骨の骨折は弁護士に相談しましょう

弁護士に相談を

交通事故により大腿骨を骨折した場合、適切な賠償金を獲得するためには、適切な後遺障害等級の認定を得ることが大前提です。

そのためには、骨折の態様や残ってしまった症状などを裏付ける立証資料を適切に集めていく必要があります。

 

この立証資料の収集は、ご本人のみで行うのはなかなか難しい作業であり、後遺症を専門としている弁護士に相談することがお勧めです。

 

交通事故に強い弁護士法人小杉法律事務所では、交通事故後遺症被害専門の弁護士による初回無料の法律相談を実施しております。

交通事故被害に遭い、大腿骨を骨折してしまい、ご自身の後遺障害等級などについて疑問をお抱えの方は、ぜひ一度弁護士法人小杉法律事務所にお問い合わせください。

 

交通事故後遺症被害専門弁護士との初回無料の法律相談はこちらのページから。

 

大腿骨の骨折に関する弁護士法人小杉法律事務所の解決実績

 

参考文献: 日本整形外科学会・日本骨折治療学会『大腿骨頚部/転子部骨折診療ガイドライン 2021(改訂第3版)』南江堂/日本整形外科学会 骨粗鬆症委員会『大腿骨近位部骨折の治療状況調査(2023年発生分)』

この記事の監修者医師
江川誠一郎 整形外科専門医・医学博士
大腿骨骨折治療センター長
江川誠一郎
医学意見書 63件(2018年〜 2026年10月時点) 手術 通算5,891件(2026年10月時点)・骨折手術は現在も月45件。

経歴

2005年 東京医科大学医学部卒業。大学病院と関連病院で整形外科の研鑽を積み、2016年から都内の病院で骨折治療を専門に診療。2021年に大腿骨の骨折に特化した治療部門を立ち上げ、責任者を務める。 骨折の治療と、交通事故の医学意見書の両方に携わってきた立場から、読者の方が「自分の骨折」を理解し、必要な記録を残せるよう監修しました。
この記事の監修者弁護士
小杉 晴洋 弁護士
小杉 晴洋

被害者側の損害賠償請求分野に特化。
死亡事故(刑事裁判の被害者参加含む。)や後遺障害等級の獲得を得意とする。
交通事故・学校事故・労災・介護事故などの損害賠償請求解決件数約1500件。

経歴
弁護士法人小杉法律事務所代表弁護士。
横浜市出身。明治大学法学部卒。中央大学法科大学院法務博士修了。

所属
横浜弁護士会(現「神奈川県弁護士会」)損害賠償研究会、福岡県弁護士会交通事故被害者サポート委員会に所属後、第一東京弁護士会に登録換え。日本弁護士連合会業務改革委員会監事、(公財)日弁連交通事故相談センター研究研修委員会青本編集部会。