圧迫骨折・体幹骨骨折 神経症状
肋骨骨折の痛みピークについて(弁護士法人小杉法律事務所監修)
こちらの記事では、肋骨骨折による痛みのピークについて整理しています。
保存療法適用のケースでは、バストバンドで胸郭を固定すれば2~3週間で疼痛が軽快すると言われています。
肋骨骨折とは
(今日の整形外科治療指針第8版(医学書院)、660頁)
肋骨骨折は日常生活で遭遇する頻度の高い骨折の1つですが、その多くは数週間で治癒する骨折だと言われます。
血気胸、フレイルチェストなどの合併症にさえ注意すれば、予後の良好な疾患です。
交通事故や労災事故による骨折のほか、近年の高齢者人口の急激な増加に伴い、軽微な外傷による骨脆弱性骨折が増加しています。
骨折の原因
(標準整形外科学第15版(医学書院)、555頁)
転倒・転落、交通事故、コンタクトスポーツなどによる直達外力により発生する場合が多いです。
また、ゴルフ、水泳、野球などのスポーツや長引く咳などによる疲労骨折として生じる場合もあります。
骨折後の症状
(標準整形外科学第15版(医学書院)、814頁)
胸郭の痛み、特に呼吸時、体を動かしたときに増悪する痛みが特徴です。
治療指針
(今日の整形外科治療指針第8版(医学書院)、662頁)
基本的には保存的療法の適応になり、手術を要することは稀だと言われています。
高エネルギー外傷による多発外傷の場合は、臓器や血管損傷を念頭に置いた対応が必要になります。血気胸・フレイルチェストなどの特殊な病態の場合は、速やかに専門医への相談につなぎます。
痛みのピーク
(今日の整形外科治療指針第8版(医学書院)、662頁)
保存療法が適用される場合はバストバンドで胸郭を外固定し、吸気時の胸郭の広がりを抑えて疼痛を軽減させることができます。多くは2~3週で疼痛が軽快しバンドを外すことが可能だと言われています。
診断について
(標準整形外科学第15版(医学書院)、814頁)
胸郭の呼吸性の規則的な動き、左右差、奇異呼吸の有無を観察し、触診で皮下気腫、胸郭の動揺を、打診、聴診で気胸や血胸の有無を確かめます。
胸部単純X線像で肺野、心臓、大血管、縦郭陰影の異常の有無をみます。多発肋骨骨折などの重傷外傷やX線所見で異常を認めた場合はCT検査で精査します。
超音波検査も有用だと言われます。
認定されうる後遺障害
自賠責保険での後遺障害認定の区分では、体幹骨のうち「その他体幹骨」と分類され、変形障害12級として認定される可能性があります。
その他、骨折部位に疼痛等が残存した場合は、神経症状として12級か14級での認定可能性があります。
→肋骨骨折で認定されうる後遺障害の詳細はこちらの記事でご確認ください。子6
弁護士に相談を
交通事故や労災事故等の外傷で肋骨骨折を受傷してしまうことがあります。治療費や休業損害、慰謝料等の損害賠償請求を加害者側に対し適切に行うために、受傷の態様を把握し、残存した後遺障害についての立証資料を適切に収集していく必要があります。弁護士法人小杉法律事務所の所属弁護士による無料相談を是非ご活用ください。