交通事故の解決実績

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事前認定12級⇒後遺症専門弁護士の異議申し立てで何級まで上がる?

Fさん 20代・男性・アルバイト

医師面談 後遺障害診断書修正 慰謝料 異議申し立て 等級変更 逸失利益 高次脳機能障害

後遺症専門弁護士小杉晴洋

バイクを運転中に交通事故に遭い、大怪我を負ってしまったFさん(20代・男性・アルバイト)。

懸命な治療を続け、事故から約1年後に後遺障害等級認定を受けたところ、12級という認定でした。

Fさんは、弁護士に無料相談で慰謝料がいくらとれるかを聞くつもりでした。

ご相談を受けた後遺症専門弁護士は、もちろん慰謝料を含めた損害賠償金がいくらになるかという見込みも伝えましたが、それだけでなく、不服申し立てにより後遺障害等級が上がる可能性が高いということを告げました。

Fさんも弁護士が告げた後遺障害等級が上がる可能性に納得し、弁護士は異議申し立てを行います。

その結果、後遺障害等級は何級まで上がったのか?最終的な示談金はいくらになったのか?後遺症専門弁護士が解説します。

 

小杉法律事務所では、交通事故被害の後遺症が残っている方の無料相談及び等級の無料査定を行っています。

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弁護士が介入する前の状況

交通事故の発生

Fさんは夜間にバイクで片側一車線の道路を走行中に、右折を試みた対向車と接触し、身体ごと吹き飛ばされてしまいました。

その際にFさんは地面に頭を打ってしまい、脳挫傷をはじめとした大怪我をしてしまいます。

 

懸命の治療・手術・症状固定

Fさんは大学病院へ搬送されて入院。手術は無事成功しましたが、入院期間は1か月に及びました。

Fさんはその後も通院を続け、症状固定(これ以上治療しても良くならない状態)を迎えた時、事故から約1年が経過していました。

 

事前認定(※)で後遺障害等級12級認定

事前認定とは、加害者側の保険会社が必要な書類を用意し、後遺障害等級の申請を自賠責損害調査事務所に提出する形式で行われる後遺障害等級認定方法のことです。

必要な書類を準備する手間が省けるというメリットはありますが、そのメリットと比較すると大きすぎるデメリットがあります。

それは、加害者側の保険会社に申請をいわば丸投げするわけですから、後遺障害等級等級の認定の流れがブラックボックスになってしまうことです。

自賠責損害調査事務所により等級が認定された場合、まず自賠責保険会社の方から自賠責保険金が支払われることになりますが、後遺障害等級の認定は損害賠償請求全体に効果を発揮します。

例えば、後遺障害等級12級が認定された場合、自賠責保険からは自賠責保険金として224万円が振り込まれることになります。

しかし、後遺障害等級12級が認定されるということは、自賠責保険から224万円が振り込まれることとイコールではありません。

被害者側からすれば、「自賠責保険から後遺障害等級12級が認定されていることは、客観的に見て私の身体に後遺障害等級12級相当の後遺障害が残っているという大きな証拠である。従って慰謝料や逸失利益についても、後遺障害等級を12級として計算すべきである」という主張ができるのです。

では、後遺障害等級12級を前提として計算された慰謝料や逸失利益は誰が払うのでしょうか?

当然加害者側の保険会社です。

つまり、後遺障害等級の認定が高くなればなるほど、加害者側の保険会社は支払う金額が多くなるわけです。

保険会社は営利企業ですから、被害者に支払う金額はすこしでも少なくしたいと考えています。そうすると、被害者に認定される後遺障害等級はできるだけ低く抑えたいと考えるのは当たり前です。

加害者側の保険会社に後遺障害等級認定を任せることがいかに危険か分かると思います。

ですので、小杉法律事務所では、ご依頼を受けた被害者の方の後遺障害等級認定の申請を行う際は、必ず当事務所で全ての資料を用意し、被害者側として請求するようにしています。

Fさんが後遺障害等級認定の申請をした時はまだ、弁護士に相談する前でしたので、Fさんは加害者側の保険会社に任せて事前認定をしてもらってしまいました。

また、実は先程出てきた症状固定も加害者側の保険会社から治療費の打ち切りを伝えられたことと、後遺障害申請の勧めをされたことで、行ったものです。

加害者側の保険会社が治療費を支払うのは、基本的には症状固定までです。症状固定以後も痛みが残ったりするような場合には、自費(健康保険等の利用は可)での通院が必要になります。

つまり症状固定の時期が早ければ早いほど、加害者側の保険会社は支払う治療費が少なくなるわけです。しかも、慰謝料の計算も症状固定までで行われますから、支払うべき慰謝料の額も少なくなります。

ですから、加害者側の保険会社としては出来るだけ早く治療費の対応を打ち切りたいという事になり、Fさんの場合は1年で治療費の対応を打ち切ることになりました。

この点も、弁護士が介入し、治療の継続性を示していれば治療費の対応を延長することができた可能性があります。

 

事前認定によりFさんに認定された後遺障害等級は12級でした。

 

弁護士が介入すると具体的に何をする?

①後遺障害診断書の修正

後遺障害診断書の修正についての特集はこちらのページをご覧ください

Fさんとの法律相談は、Fさんが弊所にお越し頂く形で行いました。

Fさんに持って来ていただいた資料を読んだり、Fさんから交通事故の状況や事故後の治療・症状などを聞いたりと会話をする中で、弁護士はある違和感を覚えます。

それは、Fさんに残存する後遺障害が、全く考慮されていないということでした。

もちろん、後遺障害診断書には、傷病名として「脳挫傷」が挙げられていますし、事前認定の結果を見ても、Fさんの「脳挫傷」について、「局部に頑固な神経症状を残すもの」として第12級13号の認定は受けていました。

ですが、Fさんの会話の様子を見ていると、明らかに12級13号以上が認定されるべき症状が残っていたのです。

Fさんとの会話は破綻しているという訳ではないですが、度々引っ掛かりがあったりして、どこかスムーズに行きませんでした。

それは、高次脳機能障害と呼ばれる後遺障害が残存している人に特有の引っ掛かり方で、弁護士は、Fさんに高次脳機能障害が残存しているのでは?と検討を始めます。

小杉法律事務所は高次脳機能障害の事例を数多く取り扱っており、高次脳機能障害の方とのコミュニケーションも多く行ってきていますので、弁護士は会話の中で高次脳機能障害のおおよその検討が付けられます。

Fさんは「脳挫傷」という、脳を損傷する怪我をしていますから、Fさんに高次脳機能障害が残存していることはもはや確定と言ってよいほどでした。

しかしながら、後遺障害診断書には、「脳挫傷」という記載があるだけで、高次脳機能障害に関しての記載は一切ありませんでした。

 

脳を損傷したことによる後遺障害に認定される等級は、以下の通りです。

別表第1 第1級1号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの

第2級1号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの

別表第2 第3級3号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの

第5級2号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの

第7級4号 神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの

第9級10号 神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの

第12級13号 局部に頑固な神経症状を残すもの

第14級9号 局部に神経症状を残すもの

脳を損傷したことで第12級13号が認められる要件は、画像所見+事故時意識障害があることです。

Fさんの脳挫傷に関して言うと、Fさんは交通事故時頭を打ち付けたことで意識障害を起こし、救急搬送されていました。また、Fさんの脳挫傷は画像(CTやMRI)で見て分かるものだったので、画像所見もクリアしています。

この時点で、たとえ症状固定時に無症状であっても、第12級13号が確定します。

つまりFさんに認定された後遺障害は、症状固定時に残存していた高次脳機能障害は一切評価の対象とならず、画像所見と事故時の意識障害だけで決定されたのと同じということです。

事実、後遺障害診断書には、高次脳機能障害に関する記載は一切ありませんでした。

自賠責損害調査事務所は、書面による審査ですから、後遺障害診断書に記載の無いことに関しては審査してくれません。

ですので、Fさんの高次脳機能障害を審査してもらうためには、後遺障害診断書の訂正が必須となります。

ですが、後遺障害診断書というのは治療を症状固定まで施してくださった医師が作成する、極めて医学的要素が強いものです。

いくら弁護士が、Fさんの様子を見て高次脳機能障害だと考えても、勝手に書き直すことは言語道断ですし、医師にも高次脳機能障害であることを納得していただけないと訂正はして貰えません。

そこで、弁護士は医師に納得していただけるための証拠として、日常生活状況報告書というものを取り付けることにしました。

高次脳機能障害についての詳細はこちらのページで解説しております。

 

②日常生活状況報告書の取り付け

日常生活状況報告書とは、被害者の交通事故以前と事故以後の日常生活の様子を比較し、どのように変化があったかを報告する書類になり、基本的には被害者の身近な方が書くことになります。

また、非同居人よりも同居人の方が、被害者の日常生活の様子をよく知っていますから、証拠としての価値が高くなります。

Fさんが身近な人として挙げたのは、現在は同居していないお母様と、現在同居中である彼女さんでした。

当然同居中である彼女さんの報告書の方が価値が高いですので、Fさんも同席の上、彼女さんにヒアリングを行い、日常生活状況報告書を書いていくことになりました。

日常生活状況報告書で重要になるのは、1.日常生活 2.問題行動 3.日常の活動および適応状況 の3つです。

5.就労・就学状況や、6.身の回りの動作能力等も確かに重要ではありますが、客観的視点から書くことになりますので、あまり工夫のしようがありません。

しかし、1・2・3の部分は記入者がどう思うかという、主観的視点で書くものが多いです。もちろん嘘はいけませんが、最初は思い出していなかったけれど、話しているうちにそういえば思い当たる節が…という事もありますので、丁寧なヒアリングを行うことで工夫できる部分でもあります。

自賠責損害調査事務所の内部には当然細かい等級の認定基準があるわけですが、それは一般に公開されているわけではありません。

ただし、小杉法律事務所は高次脳機能障害の事例を多数取り扱っておりますので、どういった記載があれば認定されるかという情報を把握しています。

ですので、Fさんの事例に関しても、より質の高い日常生活報告書を作成することができました。

具体的な症状としては、怒りをあらわにしたり、人の気持ちを考えずにキツイ言い方をしたり、暴力をふるったりするようになってしまったという変化がありました。

 

③被害者Fさん本人とお母様の陳述書も作成

Fさんの彼女さんはもちろん同居人であることから、報告書の証拠としての価値は高いものでしたが、入籍しているわけではなく、Fさんとの関係性が薄いと判断されかねませんでした。

そこで、お母様から陳述書を作成して頂くとともに、Fさん本人の陳述書も作成して頂きました。

お母様から陳述書を作成して頂いた狙いは、生まれたころからFさんを見続けているお母様だからこそ分かる変化を述べてもらうことで、更に客観性を増すことと、彼女さんに見せていない面についても変化を述べることで、より多角的にFさんの事故以前と以後の変化を証明することでした。

お母様と面談し、小さいころからコミュニケーションに問題は無かったのに、最近は自分の気持ちが説明出来なくなってしまっているということや、今まで暴言を吐いたりしなかった母親や兄弟に対しても暴言を吐いたり、暴力をふるったりするようになってしまっているという情報を聞き出すことができましたので、それをもとに陳述書を作成しました。

また、Fさん本人の陳述書を作成したのは、ご本人にしか分からない変化を示すためです。

高次脳機能障害の事例では、被害者本人の陳述書の提出は必須ではありません。重度の高次脳機能障害のようなケースでは、そもそも陳述書を作成できないという事もありますし、やはり客観性に疑いが残るためです。ですが、認定の一要素として考慮されるものではありますので、今回Fさんはご自身で交通事故以前と以後の変化を認識していることもあり、ご本人の陳述書を作成するために、面談をして頂きました。

その中で、「ちょっとしたことですぐに腹が立ち、我慢できなくなって暴言を吐いたり暴力をふるったりしてしまう。それを、友人や彼女からとがめられたこともある。」「物事を忘れやすくなったし、複数の事を同時に覚えることが難しくなった。」「仕事中に集中できなくて常にイライラしてしまい、物に当たってしまうようになった。」「イライラしてしまうので、好きで始めた仕事が出来なくなり、転職を余儀なくされた。」「転職した仕事でも、手順が覚えられず苦労している。」等のFさんにしか分からない事情を多数聞かせて頂き、陳述書を作成しました。

 

④高次脳機能障害だけでなく、頭部醜状障害も追記!

①~③で、Fさんの高次脳機能障害に関しての後遺障害診断書の訂正の準備は整いました。

後は、医師に、症状が残存していることを認めて頂き、ご納得の上訂正をして頂くだけです。

ですが、Fさんにはもう一つ、残存している後遺障害がありました。

それは、頭部に大きな凹みが残ってしまっているというものです。

醜状障害の認定においては、頭部は「外貌」という分類をされます。

「外貌」は、労災補償障害認定必携第17版184頁において「頭部、顔面部、頚部のごとく、上肢及び下肢以外の日常露出する部分をいう。」と定義されています。

自賠責保険の後遺障害等級認定の基準も、『労災補償障害認定必携』を参考にして決められています。

「外貌」の醜状障害の後遺障害等級は以下のとおりです。

第7級12号 外貌に著しい醜状を残すもの

第9級16号 外貌に相当程度の醜状を残すもの

第12級14号 外貌に醜状を残すもの

Fさんの頭部の凹みは、第7級12号が認定されるような醜状でしたが、後遺障害診断書には一切そのことが記載されておらず、自賠責損害調査事務所も後遺障害等級の検討さえしていませんでした。

そこで、高次脳機能障害に関してだけでなく、醜状障害についても、後遺障害診断書に追記して頂けるよう、医師にお願いしました。

医師との面談では、画像所見や神経心理学検査の結果と、日常生活報告書に記載されている内容(性格の変化)が整合しており、脳挫傷という起点も認められるため、高次脳機能障害が残存すると明記して頂くことができました。

また、頭部の凹みについても、醜状障害として追記して頂くことができました。

⑤異議申し立て+自賠責醜状面談に弁護士が立ち会い

後遺障害診断書の修正をして頂き、日常生活に関する資料(日常生活報告書・陳述書)も揃いました。

また、醜状の様子が分かるような写真も揃え、いよいよ異議申し立てを行います。

異議申し立ての際には、弁護士名義で、事前認定の結果のどこが不当であり、○○という証拠があるのでこの等級が認められるべきだ!という意見を述べることができます。

Fさんの事例では、「事前認定の結果は高次脳機能障害と醜状障害が残存しているにもかかわらず、その検討が一切なされていない点で不当である。医師に修正して頂いた後遺障害診断書や、日常生活に関する資料・醜状の様子が分かるような写真を見れば、高次脳機能障害や醜状障害は客観的に証明されている。高次脳機能障害については第7級4号が認定され、醜状障害については第7級12号が認定されるべきである」という意見を述べました。

また、後遺障害等級については、「併合」という考え方があり、簡単に言えば2つ以上の後遺障害が残存する場合には、より上位の等級で評価すべきという考え方です。

Fさんの事例では、こちらの意見通り第7級が2つ認められることになれば、「第8級以上の後遺障害等級が複数ある場合は、重い方の後遺障害等級が2つ繰り上げられる」というルールが適用されることになりますから、併合5級の認定がされるべき、ということになりますね。

基本的に、自賠責損害調査事務所における後遺障害等級の認定は書面審査です。

したがって、書類や画像を提出した時点で、後はどのような認定を出されるかを待つだけになります。

しかし、一つだけ例外があります。それは、醜状障害の認定の際には、自賠責損害調査事務所の職員が被害者と直接面談をし、醜状の大きさを測ることになっているのです。

当然、等級は醜状の大きさによって決定されますから、この直接面談で、仮に職員に小さく測定をされてしまうと、狙った等級が認定されないという事になります。

そのような事態を防ぐために、小杉法律事務所では、この自賠責損害調査事務所の職員と被害者との面談の際に弁護士が同席することを原則としています。

Fさんの事例でも、面談に同席し、醜状の大きさについて猛アピールを行いました。

 

後遺障害等級12級と5級の損害賠償金はこんなに違う

①後遺症慰謝料が1100万円以上違う

後遺障害等級12級の場合の裁判基準の後遺症慰謝料は、290万円です。

それが、後遺障害等級5級が認められると、裁判基準で1400万円になります。

後遺障害診断書の修正や、日常生活に関する資料の提出など、適切な認定の為に弁護士が介入すると、慰謝料だけで約1100万円もの差が出ることがあるということです。

しかも、裁判基準は弁護士が介入しなければ相手方保険会社は使ってくれず、相手方保険会社の任意の基準で支払うことになります。

ちなみに、後遺障害等級12級の自賠責基準≒任意保険基準は、93万円です。

 

②後遺症逸失利益が12倍以上違う

裁判基準の場合、逸失利益(将来働けなくなったことに対する損害)は、基礎年収×労働能力喪失率×労働能力喪失期間(に対応するライプニッツ係数)で計算されます。

後遺障害等級12級の場合、労働能力喪失率は、労働省労働基準局長通牒(昭32.7.2基発第551号)から14%、労働能力喪失期間は10年とされることが実務上多いです。

それが後遺障害等級5級の場合、労働能力喪失率は79%、労働能力喪失期間は症状固定の歳から67歳(就労可能年の終期)までとされます。

Fさんは20代でしたので、労働能力喪失期間は40年以上となります。

仮に、基礎年収を100万円とすると、

後遺障害等級12級→100万円×14%×7.7217(労働能力喪失期間10年に対応する令和2年4月の改正民法施行前のライプニッツ係数)=108万1038円

後遺障害等級5級→100万円×79%×17.1591(労働能力喪失期間40年に対応する令和2年4月の改正民法施行前のライプニッツ係数)=1355万5689円

およそ12倍です!

しかもFさんの事例では、逸失利益算定の際の基礎年収もUPさせることに成功しました。

逸失利益の基礎年収は、基本的には交通事故前年の収入をもとに算出します。Fさんは事故当時20代と若く、加えてアルバイトでしたので、大きな収入を得ているわけではありませんでした。

しかし、今後年を取っていって正社員として働くようになったり、もちろん昇給したりも考えると、労働能力喪失期間の終期である67歳までずっと同じ給料であるとは思えませんよね?

にもかかわらず、交通事故前年の収入をそのまま67歳までの逸失利益の算定の基礎とするのは現状に則していないように思います。

裁判所もこの考え方に肯定的で、『民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準』では、「若年労働者(事故時概ね30歳未満)の場合には、学生との均衡の点もあり全年齢平均の賃金センサスを用いるのを原則とする」との記載があります。

Fさんの事例もこの記載を使って主張し、相手方保険会社にFさんの基礎収入を、賃金センサスより約550万円と認定させることに成功しました。

約550万円×79%×17.1591≒7500万円の逸失利益を認めてもらうことができました。

 

弁護士が介入していなかった場合、後遺障害等級は12級13号のままですし、裁判基準での支払いもされません。

任意保険会社の基準は自賠責基準とほぼ同じですから、131万円でした。

弁護士の介入により、逸失利益だけで、約7200万円UPしたといえます。

 

示談交渉

弁護士の介入により、全ての損害費目について裁判基準での支払いを受けることができます。

もちろん過失分やこれまでに相手方保険会社が既に支払っていた治療費等は差し引かれますが、それでもFさんは最終的に、約7500万円(自賠責保険金1574万円を含む)を損害倍書金として獲得することができました。

 

依頼者の声

本当に加害者側の保険会社からもらった等級の認定が正しいのか分からず、とりあえず後遺症に強い弁護士を探していて、小杉弁護士に辿り着きましたが、まさかここまでとは思いませんでした。

特に、面談の際の話し方で高次脳機能障害だと見抜かれるのは非常に驚きました。

加害者側の保険会社から言われるがまま示談していたら、本来貰えるはずの適正な額のほとんどを貰えなかった可能性があると思うとぞっとします。

分からないことも親切にご説明頂きましたし、適切な賠償金を得られて、本当に小杉弁護士に頼んでよかったと思います。

 

弁護士小杉晴洋のコメント:後遺障害等級の認定は、被害者側専門弁護士に頼みましょう

後遺障害等級の認定は、自賠責損害調査事務所内での書面の審査が主を占めます。

提出する書類の質が、後遺障害等級の認定に直結しているといっても過言ではありません。

適切な後遺障害等級の認定/賠償金を得るためには、加害者側の保険会社の事前認定ではなく、被害者請求をすべきですし、被害者請求の際にも弁護士に見てもらうべきだと言えます。

特に、Fさんの事例のように一度後遺障害等級の認定が為されている場合、それ以上の等級を目指そうと異議申し立てをするには新しい証拠が必要となります。

この新しい証拠を入手する作業は、後遺障害等級の認定に精通した後遺症専門弁護士でなくては難しいものです。

小杉法律事務所は、このような異議申し立てで、一度目の等級の認定を覆した実績が多数ございます。

小杉法律事務所では、後遺障害等級の無料査定を行っておりますので、ぜひ一度ご相談ください。

 

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この記事の監修者弁護士

小杉 晴洋 弁護士
小杉 晴洋

被害者側の損害賠償請求分野に特化。
死亡事故(刑事裁判の被害者参加含む。)や後遺障害等級の獲得を得意とする。
交通事故・学校事故・労災・介護事故などの損害賠償請求解決件数約1500件。

経歴
弁護士法人小杉法律事務所代表弁護士。
横浜市出身。明治大学法学部卒。中央大学法科大学院法務博士修了。

所属
横浜弁護士会(現「神奈川県弁護士会」)損害賠償研究会、福岡県弁護士会交通事故被害者サポート委員会に所属後、第一東京弁護士会に登録換え。