示談 弁護士費用特約 追突 四輪車vs四輪車 腰・胸 首 むち打ち・捻挫等 会社員 慰謝料 14級
【頚椎捻挫・腰椎捻挫】むち打ちの後遺障害等級併合14級で裁判基準の2倍となる労働能力喪失期間10年が認められた事例
Uさん 40代・男性・会社員
【頚椎捻挫・腰椎捻挫】むち打ちの後遺障害等級併合14級で裁判基準の2倍となる労働能力喪失期間10年が認められた事例
解決事例のポイント
後遺障害等級併合14級であることを根拠として、裁判基準の2倍となる労働能力喪失期間10年を認めさせて示談解決
後遺障害等級併合14級の獲得
Uさんは40代会社員の男性です。
赤信号停止中に、前方不注視の後続車両に追突されてむち打ちとなってしまいます(頚椎捻挫・腰椎捻挫)。
Uさんは、はじめて交通事故に遭ったためどうしたらよいのかわからず、弁護士費用特約に加入していたこともあり、交通事故の処理は弁護士に任せることにしました。
Uさんはリハビリを続けましたが、首や腰の痛みが治らなかったことから、後遺障害等級の申請をすることにして、刑事記録や物損資料に基づく事故態様の立証、医学的証拠に基づく症状残存やその裏付けの説明、症状の推移に不自然が無いことの立証などを行い、後遺障害等級併合14級を獲得しました。
示談交渉
後遺障害等級を獲得できると、仕事を休んでいたことによる損害である休業損害や、交通事故によって通院を余儀なくされたことによる精神的苦痛の通院慰謝料のほかに、将来も仕事がしづらくなることの損害である逸失利益と、後遺症が残ってしまったことによる精神的苦痛の後遺症慰謝料を請求することができるようになります。
後遺症慰謝料(後遺障害慰謝料)
後遺症慰謝料というのは、後遺障害等級別に基準の金額が決まっていて、後遺障害等級14級の場合だと、自賠責基準で32万円、裁判基準で110万円とされています。
保険会社というのは営利企業ですから、なるべく慰謝料額は安くしたいと考えていて、自賠責保険基準と同額かそれより少し高い金額での示談を迫ってきます。
他方で、弁護士というのは、裁判を代理して行う権限がありますので、弁護士が介入すると、裁判基準での後遺症慰謝料額の交渉をすることができます。
しかしながら、弁護士が介入したとしても、裁判基準満額の後遺症慰謝料がすぐに支払われるわけではなく、示談交渉の段階では、「まだ裁判をしているわけではないのだから、裁判基準満額を支払うわけにはいかない」と保険会社の担当者に言われてしまい、裁判基準の8割などの金額を提案されることが多いです。
Uさんのケースも同様、はじめは裁判基準の8割となる、後遺症慰謝料88万円の提案を受けました。
しかしながら、Uさんは頚椎捻挫のみならず腰椎捻挫の障害も負っていたことをあり、一切の減額には応じないとして示談交渉を継続したところ、示談で裁判基準満額の110万円の後遺症慰謝料を支払ってもらえることになりました。
後遺症逸失利益(後遺障害逸失利益)
逸失利益というのは、原則として、交通事故の前年の年収に労働能力喪失率と労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数を乗じて計算されます。
この労働能力喪失率というのは、後遺障害等級ごとに%が分かれていて、後遺障害等級14級の場合は5%とされています。
ここは、弁護士の介入の有無にかかわらず認められることが多いです。
次に労働能力喪失期間というのは、むち打ち症の場合だと、裁判でも5年に制限されることが多く、示談交渉の場合だと3年などと言われることも多くあります。
しかしながら、Uさんのケースでは、首と腰の双方に後遺障害等級が付いているので、この点を裁判例に基づいて強調することによって、裁判基準の倍となる10年を認めさせることができました。
弁護士小杉晴洋のコメント:被害者側専門の弁護士の介入によって、裁判基準以上の損害賠償額となることがあります
Uさんは、2つの部位で後遺障害等級14級を獲得していますので、通常の後遺障害等級14級のケースよりも賠償額が高額とならなければいけません。
そこで、この点を強調して、具体的に立証することで、示談交渉であるにもかかわらず、後遺症慰謝料を裁判基準満額を認めさせ、逸失利益を裁判基準の2倍の水準で認めさせることができました。
損害賠償額の算定は後遺障害等級によって自動的に定まるものではなく、工夫次第で、裁判基準と呼ばれる金額から更に高額な損害賠償水準まで押し上げることができます。
これは被害者側専門の弁護士でなければ困難なことですので、人身事故被害に遭われた方は、被害者側専門の弁護士に法律相談をされることをおすすめします。
なお、後遺障害等級併合14級の問題点について講演をおこなっておりますので、併合14級の詳細についてはこちらのページをご覧ください。