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よくある質問

慰謝料や損害賠償請求で獲得した示談金(賠償金)に税金はかかる?

交通事故

このページでは、慰謝料やその他損害賠償請求で獲得した賠償金(示談金)などに税金がかかるかについて簡単にまとめています。

 

一目でわかる賠償金(示談金)の費目と課税の関係

国税庁ホームページ「加害者から治療費、慰謝料及び損害賠償金などを受け取ったとき」より、賠償金(示談金)の費目と課税の関係について表にまとめたものがこちらです。

なお、以下はあくまで原則的な場合ですので、詳細については弁護士や税理士等にご相談ください。

治療費 原則非課税 医療費控除を受ける場合には注意(注1)
通院交通費 非課税 注意点なし
入院雑費 非課税 注意点なし
葬儀関係費・お見舞金など 原則非課税 香典等の金額に注意(注2)
休業損害 非課税 所得の填補でもOK
逸失利益 非課税 注意点なし
慰謝料 非課税 注意点なし
車両・携行品等の損害 原則非課税 実損のみ(注3)
積荷の損害 課税対象になる 注4

 

このように、生命・身体に受けた損害に対して支払われる慰謝料やその他賠償金(示談金)は原則として課税対象にならず、税金はかかりません。

所得税法9条「次に掲げる所得については、所得税を課さない。

第18項 保険業法(平成七年法律第百五号)第二条第四項(定義)に規定する損害保険会社又は同条第九項に規定する外国損害保険会社等の締結した保険契約に基づき支払を受ける保険金及び損害賠償金(これらに類するものを含む。)で、心身に加えられた損害又は突発的な事故により資産に加えられた損害に基因して取得するものその他の政令で定めるもの

 

注意点について

注1 医療費控除を受ける場合の治療費

相手方から受け取った治療費は、医療費の補填になりますから、

医療費控除の申請をする場合には差し引かれます。

 

しかし、その医療費を補てんし、なお余りがあっても他の医療費から差し引かれることはありません。

所得税法73条居住者が、各年において、自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族に係る医療費を支払つた場合において、その年中に支払つた当該医療費の金額(保険金、損害賠償金その他これらに類するものにより補てんされる部分の金額を除く。)の合計額がその居住者のその年分の総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額の合計額の百分の五に相当する金額(当該金額が十万円を超える場合には、十万円)を超えるときは、その超える部分の金額(当該金額が二百万円を超える場合には、二百万円)を、その居住者のその年分の総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額から控除する。
2 前項に規定する医療費とは、医師又は歯科医師による診療又は治療、治療又は療養に必要な医薬品の購入その他医療又はこれに関連する人的役務の提供の対価のうち通常必要であると認められるものとして政令で定めるものをいう。
3 第一項の規定による控除は、医療費控除という。

 

注2 お見舞金や香典の金額に注意

葬儀関係費は原則として非課税ですが、香典などについては、その金額が受け取る方の社会的地位、お渡しする方との関係等に照らし社会通念上相当と認められるもの以外の部分は課税対象になり得ます。

所得税基本通達9-23「葬祭料、香典又は災害等の見舞金で、その金額がその受贈者の社会的地位、贈与者との関係等に照らし社会通念上相当と認められるものについては、令第30条の規定により課税しないものとする。(平元直所3-14、直法6-9、直資3-8改正)

 

注3 実損を超える場合には課税

 

車両や携行品等に生じた損害は、実損を超える場合には課税対象になり得ます。

 

例えば車両の損害に対して支払われる損害賠償金は非課税ですが、

この車両についての資産損失の金額を計算するときには、損失額から損害賠償金を差し引いて計算することになります。

 

注4 積荷に対して支払われる損害賠償金は課税対象

積荷が破損・汚損したことに対して支払われる損害賠償金は、収入金額に代わる性質を持ちますから、これは課税対象です。

 

このように、場合によっては課税対象となるものもあるため、税理士や弁護士などに相談しながら進めましょう。

 

根拠条文等

所得税法51条居住者の営む不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき事業の用に供される固定資産その他これに準ずる資産で政令で定めるものについて、取りこわし、除却、滅失(当該資産の損壊による価値の減少を含む。)その他の事由により生じた損失の金額(保険金、損害賠償金その他これらに類するものにより補てんされる部分の金額及び資産の譲渡により又はこれに関連して生じたものを除く。)は、その者のその損失の生じた日の属する年分の不動産所得の金額、事業所得の金額又は山林所得の金額の計算上、必要経費に算入する。
2 居住者の営む不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき事業について、その事業の遂行上生じた売掛金、貸付金、前渡金その他これらに準ずる債権の貸倒れその他政令で定める事由により生じた損失の金額は、その者のその損失の生じた日の属する年分の不動産所得の金額、事業所得の金額又は山林所得の金額の計算上、必要経費に算入する。
3 災害又は盗難若しくは横領により居住者の有する山林について生じた損失の金額(保険金、損害賠償金その他これらに類するものにより補てんされる部分の金額を除く。)は、その者のその損失の生じた日の属する年分の事業所得の金額又は山林所得の金額の計算上、必要経費に算入する。
4 居住者の不動産所得若しくは雑所得を生ずべき業務の用に供され又はこれらの所得の基因となる資産(山林及び第六十二条第一項(生活に通常必要でない資産の災害による損失)に規定する資産を除く。)の損失の金額(保険金、損害賠償金その他これらに類するものにより補てんされる部分の金額、資産の譲渡により又はこれに関連して生じたもの及び第一項若しくは第二項又は第七十二条第一項(雑損控除)に規定するものを除く。)は、それぞれ、その者のその損失の生じた日の属する年分の不動産所得の金額又は雑所得の金額(この項の規定を適用しないで計算したこれらの所得の金額とする。)を限度として、当該年分の不動産所得の金額又は雑所得の金額の計算上、必要経費に算入する。
5 第一項及び前二項に規定する損失の金額の計算に関し必要な事項は、政令で定める。
所得税法施行令30条三十条 法第九条第一項第十八号(非課税所得)に規定する政令で定める保険金及び損害賠償金(これらに類するものを含む。)は、次に掲げるものその他これらに類するもの(これらのものの額のうちに同号の損害を受けた者の各種所得の金額の計算上必要経費に算入される金額を補塡するための金額が含まれている場合には、当該金額を控除した金額に相当する部分)とする。
一 損害保険契約(保険業法(平成七年法律第百五号)第二条第四項(定義)に規定する損害保険会社若しくは同条第九項に規定する外国損害保険会社等の締結した保険契約又は同条第十八項に規定する少額短期保険業者(以下この号において「少額短期保険業者」という。)の締結したこれに類する保険契約をいう。以下この条において同じ。)に基づく保険金、生命保険契約(同法第二条第三項に規定する生命保険会社若しくは同条第八項に規定する外国生命保険会社等の締結した保険契約又は少額短期保険業者の締結したこれに類する保険契約をいう。以下この号において同じ。)又は旧簡易生命保険契約(郵政民営化法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成十七年法律第百二号)第二条(法律の廃止)の規定による廃止前の簡易生命保険法(昭和二十四年法律第六十八号)第三条(政府保証)に規定する簡易生命保険契約をいう。)に基づく給付金及び損害保険契約又は生命保険契約に類する共済に係る契約に基づく共済金で、身体の傷害に基因して支払を受けるもの並びに心身に加えられた損害につき支払を受ける慰謝料その他の損害賠償金(その損害に基因して勤務又は業務に従事することができなかつたことによる給与又は収益の補償として受けるものを含む。)
二 損害保険契約に基づく保険金及び損害保険契約に類する共済に係る契約に基づく共済金(前号に該当するもの及び第百八十四条第四項(損害保険契約等に基づく年金に係る雑所得の金額の計算上控除する保険料等)に規定する満期返戻金等その他これに類するものを除く。)で資産の損害に基因して支払を受けるもの並びに不法行為その他突発的な事故により資産に加えられた損害につき支払を受ける損害賠償金(これらのうち第九十四条(事業所得の収入金額とされる保険金等)の規定に該当するものを除く。)
三 心身又は資産に加えられた損害につき支払を受ける相当の見舞金(第九十四条の規定に該当するものその他役務の対価たる性質を有するものを除く。)
所得税基本通達9-19「令第30条本文かっこ内に規定する「必要経費に算入される金額を補填するための金額」とは、例えば、心身又は資産の損害に基因して休業する場合にその休業期間中における使用人の給料、店舗の賃借料その他通常の維持管理に要する費用を補填するものとして計算された金額のようなものをいい、法第51条第1項又は第4項((資産損失の必要経費算入))の規定によりこれらの項に規定する損失の金額の計算上控除される保険金、損害賠償金その他これらに類するものは、これに含まれない。(平元直所3-14、直法6-9、直資3-8、平23課個2-33、課法9-9、課審4-46、令7課個2-10、課法12-5、課審5-10改正)

 

この記事の監修者弁護士

小杉 晴洋 弁護士
小杉 晴洋

被害者側の損害賠償請求分野に特化。
死亡事故(刑事裁判の被害者参加含む。)や後遺障害等級の獲得を得意とする。
交通事故・学校事故・労災・介護事故などの損害賠償請求解決件数約1500件。

経歴
弁護士法人小杉法律事務所代表弁護士。
横浜市出身。明治大学法学部卒。中央大学法科大学院法務博士修了。

所属
横浜弁護士会(現「神奈川県弁護士会」)損害賠償研究会、福岡県弁護士会交通事故被害者サポート委員会に所属後、第一東京弁護士会に登録換え。日本弁護士連合会業務改革委員会監事、(公財)日弁連交通事故相談センター研究研修委員会青本編集部会。

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