後遺障害診断書修正により等級変更【学校事故被害専門の弁護士解説】
学校事故被害者Eさん 10代・女性・中学生・鹿児島県
学校事故 後遺症・後遺障害
鹿児島県の中学生Eさんは、体育の授業中、バスケットボールが頭に当たり、首を痛めてしまいます。
治療を続けますが、首の痛みが後遺症として残ってしまいました。
ところが、スポーツ振興センターは後遺障害等級認定をしてくれません。
この事例で、学校事故被害専門の弁護士がどのように解決したのかを説明していきます。
小杉法律事務所では、学校事故での怪我が後遺障害等級何級になるのかについて無料査定を行っています。気になる方は、\後遺障害等級無料査定/のページをご覧ください。
この事例の後遺障害等級認定のポイント
- 後遺障害診断書の修正
- 弁護士名義の意見書を添えた不服審査請求
学校事故の内容(鹿児島県)
鹿児島県内の中学生のEさんは、体育の授業中、体育館の端で同級生と準備運動をしていたところ、他の生徒が投げたバスケットボールが頭部に当たり、首の痛みなどの傷害を負ってしまいました。
授業中の事故であるため、スポーツ振興センターより治療費を払ってもらえますが、Eさんの首の痛みは、リハビリによっても完治せずに残ってしまいました。
この首の痛みについて、スポーツ振興センターに後遺障害等級の申請をしてみましたが、神経症状の後遺症とは評価できないとして後遺障害等級非該当の判断をされてしまいます。
Eさんの親御さんは、この判断が正しいのかどうか分からず、弁護士に法律相談してみることにしました。
ところが、鹿児島県内では取り扱ってくれる弁護士が見つかりません。
そこで、福岡県まで視野を広げ、学校事故の無料相談をしてくれる弁護士を探しました。
弁護士小杉晴洋による無料法律相談と依頼(電話相談)
Eさんの後遺症と後遺障害診断書内容の整合性
Eさんの親御さんに後遺障害診断書を送ってもらい、それをチェックしました。
そのうえで、Eさんの後遺症の内容をお伺いして、この後遺障害診断書で良いのかを検討していきます。
そうしたところ、Eさんは首の痛みを常に感じているにもかかわらず、たまに首の痛みがあるかのような記載になっていました。
スポーツ振興センターの認定理由を見ても、この点が影響して、非該当判断になっている印象を受けました。
そこで、Eさんの親御さんには、後遺障害診断書の修正が必要である旨を説明しました。
電話相談による依頼(全国対応)
Eさんは鹿児島県にお住まいであったため、福岡県まで来所するのは困難とのことでした。
小杉法律事務所では、電話相談やオンラインでの相談により、全国の被害者の方の法律相談を取り扱っています。
Eさんとの法律相談は電話にて行い、ご依頼の手続は郵送で行うことになりました。
スポーツ振興センターへの不服審査請求
不服審査請求の期限(60日)
学校事故の後遺障害等級認定はスポーツ振興センターが行います。
このスポーツ振興センターの後遺障害等級認定に不服がある場合は、「不服審査請求」という手続をとることができますが、これには期限があります。
具体的には、当初の障害等級認定の事実を知った日の翌日から起算して60日以内に不服審査請求をしなければならないことになっているのです(給付決定に関する不服審査請求規程第3条1項)。
Eさんは、スポーツ振興センターより非該当の判断を受けてすぐに法律相談をしにきてくれたので、まだ間に合う状況にありましたが、それでも後遺障害診断書の修正など不服審査請求にあたり準備が必要な状況にありましたので、急ぐ必要がありました。
医師面談ではなく医療照会
後遺障害診断書の作成は主治医による専権事項ですので、安易に弁護士が訂正を依頼していいものではありません。
小杉法律事務所では、原則として、医師面談を行って、主治医の見解を十分にお伺いしたうえで、後遺障害診断書の修正を依頼するようにしています。
しかしながら、不服審査請求の期限が迫っており、鹿児島県内の整形外科に医師面談に行くスケジュールがとりづらい状況にありました。
また、Eさんの事例で後遺障害診断書の修正を依頼するパートは、医学的な所見部分ではなく、Eさんの訴える症状についてですので、医師面談を実施して主治医の医学的見解をお伺いするということの必要性が低い事例と言えました。
そこで、まずは医師面談ではなく、医療照会のお手紙による後遺障害診断書の修正をお願いするという方針をとることにしました。
後遺障害診断書の修正
文面では意図が伝わりづらいことも多く、医療照会による後遺障害診断書の修正は失敗するおそれもありました。
その場合は、不服審査請求の期限が迫っていることとの関係で、ひとまず不服審査請求はしておき、後日、修正された後遺障害診断書を追完するという方針で考えていました。
ところが、鹿児島県内の整形外科医の先生より、症状に関することであれば修正可能とおっしゃっていただき、無事に後遺障害診断書の修正に応じていただけることになりました。
弁護士名義の意見書の添付
Eさんの後遺症はいわゆるむち打ち症でした。
10代のむち打ち症というのは完治することがほとんどであり、後遺障害等級認定を受けられないことが多いため、後遺障害診断書を修正していただいただけでは不安が残りました。
そこで、受傷機転・Eさんの治療状況や症状推移・Eさんの後遺症を裏付ける神経学的所見などについて弁護士小杉晴洋名義の意見書を作成し、これを添付してスポーツ振興センターへ不服審査請求を行いました。
後遺障害等級第14級の9認定(損害賠償金82万円獲得)
以上の後遺障害診断書の修正や弁護士名義の意見書の提出によって、スポーツ振興センターの非該当判断は覆され、無事、「局部に神経症状を残すもの」として後遺障害等級第14級の9の認定を受けることができました。
そして、体育の授業中の学校事故の場合、スポーツ振興センターより損害賠償金(障害見舞金)は満額支払われますので、82万円を獲得することができました。
依頼者の声
娘の学校事故は大きな事故ではないのですが、痛い思いをしているにもかかわらず、後遺症ではないと判断されたことが納得いきませんでした。
鹿児島県内には、学校事故を専門的に取り扱っている弁護士さんがあまり多くなく、弁護士を探すのに苦労しましたが、福岡の小杉先生が電話相談に応じてくれてよかったです。
弁護士小杉晴洋のコメント:スポーツ振興センターへの後遺障害等級の申請は学校事故被害者側専門の弁護士に任せましょう
交通事故の後遺症については自賠責保険が、労災事故の後遺症については労働基準監督署・労働局が認定判断をしますが、学校事故についてはスポーツ振興センターが後遺障害等級の認定判断をします。
自賠責保険や労働基準監督署・労働局には、後遺障害等級専門の部門があったり、顧問医による医学的判断がなされますが、スポーツ振興センターの後遺障害等級の認定は、これらと比べると専門性が劣り、後遺障害等級の要件を理解していないのではないかと思われる認定理由が出されることもあります。
ですので、スポーツ振興センターに対する後遺障害等級の申請は、学校事故被害者側専門の弁護士に行ってもらうのが良いでしょう。
具体的には、弁護士名義の意見書を付けて、どのような後遺障害等級になぜ該当するのかを丁寧に説明して、スポーツ振興センターで判断する職員の方向けにプレゼンをしていくのが有益です。
学校事故により後遺症が残ってしまったお子様をお持ちの親御さんは、まずは学校事故被害者側専門の弁護士に相談されることをおすすめします。
無料で法律相談を行っていますので、お気軽にお問い合わせください。