後遺障害等級の解説

靭帯損傷/断裂 下肢 神経症状

半月板損傷の原因について(弁護士法人小杉法律事務所監修)

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この記事では、半月板損傷が生じる原因について主に整理しています。

半月板とは

膝関節

半月板は繊維軟骨よりなり、内側および外側脛骨関節面の辺縁部を覆っています。

辺縁は楔上に厚くなっていて関節接触面の安定性を増大させ、荷重を分散・吸収する機能をもちます。

半月板の構造等の詳細はこちらの記事で整理しています。

半月板損傷の原因

半月板は様々な原因で損傷しますが、大きく分ければ、半月板単独で損傷する場合靱帯損傷に合併して二次的に損傷する場合に分類できます。

単独損傷例

膝への外傷により生じるもの、形態異常を原因としているもの、加齢による変性に起因するものなどに分類できます。

靱帯損傷合併例

前十字靭帯(ACL)損傷が最も多く、内・外測半月板の中~後節部の縦/斜断裂が特徴的だと言われます。

膝部の靱帯損傷について、詳細はこちらの記事をご覧ください。

前十字靭帯損傷についての詳細はこちらの記事で整理しています。

半月板損傷の症状

半月板は膝関節の屈伸とともに前後に移動し、形態も変化しているため、損傷すると膝の屈伸運動やひねり動作に伴う痛み、ひっかかり感やロッキングといった特徴的な症状が出現します。

半月板損傷の診断

診察・後遺障害診断

(標準整形外科学第15版(医学書院)、683頁)

単純X線像では異常を認めないことが多いです。

MRIは半月板断裂の診断に有用で、正常ではT1強調像、T2強調像ともに低信号の領域として描出されます。半月板の中にT2強調像にて線状の高信号の病巣があり、関節面に達している場合は、半月板の断裂が強く疑われます。

その他、半月板損傷の検査方法の詳細についてはこちらの記事をご覧ください。

半月板損傷の治療

(今日の整形外科治療方針第8版(医学書院)、801~802頁)

半月板損傷に対する治療目的は、症状(疼痛、水腫、可動域制限、膝周囲筋の筋力低下など)の緩和と半月板機能の改善です。どのような治療を行うかは、症状だけではなく、患者のニーズや医師の考え方により異なりますが、原則として前十字靭帯(ACL)損傷合併の有無、半月板縫合可能の有無、活動レベルを考慮して治療法を決定します。

半月板損傷の治療法の詳細はこちらの記事をご覧ください。

半月板損傷の手術

(今日の整形外科治療方針第8版(医学書院)、802頁)

手術療法には切除術と縫合術があります。縫合術は症状と半月板機能をもとに改善することが可能ですが、切除術は症状を緩和できても半月板機能は犠牲にせざるを得ない点を十分理解したうえで施行します。切除するか縫合するかは最終的には関節鏡で決定しますが、術前MRIである程度縫合可能かどうかを予測しておく必要があります。

半月板損傷に対する手術の詳細はこちらの記事をご覧ください。

弁護士法人小杉法律事務所の弁護士に相談を

交通事故や労災事故等で膝部にケガをして半月板を損傷する可能性がありますが、損害賠償請求を加害者側に対し適切に行うためには、半月板損傷の態様を把握し、残存した後遺障害についての立証資料を適切に収集していく必要があります。弁護士法人小杉法律事務所の所属弁護士による無料相談を是非ご活用ください。

この記事の監修者弁護士

小杉 晴洋 弁護士
小杉 晴洋

被害者側の損害賠償請求分野に特化。
死亡事故(刑事裁判の被害者参加含む。)や後遺障害等級の獲得を得意とする。
交通事故・学校事故・労災・介護事故などの損害賠償請求解決件数約1500件。

経歴
弁護士法人小杉法律事務所代表弁護士。
横浜市出身。明治大学法学部卒。中央大学法科大学院法務博士修了。

所属
横浜弁護士会(現「神奈川県弁護士会」)損害賠償研究会、福岡県弁護士会交通事故被害者サポート委員会に所属後、第一東京弁護士会に登録換え。