靭帯損傷/断裂 下肢 神経症状
半月板損傷を早く治す方法(弁護士法人小杉法律事務所監修)
本記事では半月板損傷に対する治療等について整理しています。
受傷した半月板損傷を早く治す方法についての参考にしていただければ幸いです。
→半月板の位置や構造、半月板損傷全般についてのご説明はこちらの記事をご覧ください。
半月板損傷とは
膝関節の半月板は繊維軟骨よりなり、内側および外側脛骨関節面の辺縁部を覆っています。
辺縁は楔上に厚くなっていて関節接触面の安定性を増大させ、荷重を分散・吸収する機能をもちます。
内側半月板(MM)の方が外側半月板(LM)より前後径が大きいです。
半月板損傷の原因
半月板はさまざまな原因で発症しますが、大きく単独で損傷する場合と靱帯損傷に合併して二次的に損傷する場合に分類できます。
→半月板の単独損傷、靱帯損傷合併例の詳細はこちらの記事をご覧ください。
→膝部の靱帯損傷について、詳細はこちらの記事をご覧ください。
→前十字靭帯損傷についての詳細はこちらの記事で整理しています。
半月板損傷の症状
半月板の損傷側に一致した疼痛、腫脹、および可動域制限が認められます。
疼痛は階段昇降やしゃがみ込み動作などのときに生じることが典型的で、時にひっかかり感を訴えることがあります。
バケツ柄状断裂が関節に嵌頓(かんとん)(はまり込んで元に戻らなくなる)した場合、膝関節が伸展不能になる(ロッキング)こともあります。
半月板損傷の治療
今日の整形外科治療方針第8版(医学書院)、801~802頁)
半月板損傷に対する治療目的は、症状(疼痛、水腫、可動域制限、膝周囲筋の筋力低下など)の緩和と半月板機能の改善です。どのような治療を行うかは、症状だけではなく、患者のニーズや医師の考え方により異なりますが、原則として前十字靭帯(ACL)損傷合併の有無、半月板縫合可能の有無、活動レベルを考慮して治療法を決定します。
単独例(半月板損傷単独で損傷した場合)
単独例では、MRI冠状断・矢状断で半月板外周辺縁1/3の縦断裂もしくは斜断裂、かつ半月板実質部の変性所見が少なければ縫合術の良い適用になります。症状の緩和も機能も温存可能な縫合術を可能な限り早期に施行します。MRI検査で縫合術の適用にならないと判断した単独例では、原則的には保存療法を第1選択としますが、症状が改善しない場合はは鏡視下に切除します。
前十字靭帯(ACL損傷)に合併した半月板損傷
ACL損傷に合併した半月板損傷は不安定性により二次的に生じること、将来ACL不全を放置すると関節症性変化が進行することを考慮し、原則的にACL再建+半月板切除を行います。
半月板損傷の手術
(今日の整形外科治療方針第8版(医学書院)、802頁)
手術療法には切除術と縫合術があります。縫合術は症状と半月板機能をもとに改善することが可能ですが、切除術は症状を緩和できても半月板機能は犠牲にせざるを得ない点を十分理解したうえで施行します。切除するか縫合するかは最終的には関節鏡で決定しますが、術前MRIである程度縫合可能かどうかを予測しておく必要があります。
半月板切除術
損傷部位を中心にできるだけ切除範囲を少なくし、かつバランスの良い安定した外周辺部を可及的に大きく残存させるように、関節鏡視下に鉗子(かんし)類や焼灼デバイスを用いて切除します。術後早期から歩行可能になり、可動域も術後それほど問題になりませんが、切除により半月板機能が劣化しているということを十分患者に説明しておく必要があると言われます。
半月板縫合術
血行野の1cm以上の不安定な縦断裂や斜断裂はよい適用です。術後はある程度の固定や免荷などが必要ですが、縫合部が治癒すれば症状も機能も改善されると言われています。
弁護士法人小杉法律事務所の法律相談を是非ご活用ください。
交通事故や労災事故等の外傷で半月板損傷を受傷した場合、損害賠償請求を加害者側に対し適切に行うために、損傷態様を把握し、残存した後遺障害についての立証資料を適切に収集していく必要があります。弁護士法人小杉法律事務所の所属弁護士による無料相談を是非ご活用ください。