後遺障害等級の解説

骨折 下肢 神経症状

足首の骨折の後遺症(弁護士法人小杉法律事務所監修)

足首の構造

↑のイラストは右足を正面から眺めたものです。

骨の構造

脛骨腓骨の遠位脛腓関節でつながり、距骨との間で足関節を形成しています。

足関節は距骨滑車(距骨の上部)が足関節窩(脛骨腓骨の遠位部の隙間)の中に入り込んだ形態をしています。

軟部組織

内側には三角靱帯があり、外側には前距腓靭帯(ぜんきょひじんたい)、踵腓靭帯(しょうひじんたい)、後距腓靱帯(こうきょひじんたい)が足関節の安定に寄与しています。

足首には他にも前脛腓靱帯、後脛腓靱帯等の靱帯があります。

足首の骨折の詳細についてはこちらの記事をご覧ください。

足首の骨折の種類

主な骨折は以下の通りです。

果部骨折、足関節骨折(くるぶしの骨折)

足首の関節は、脛腓骨の遠位部と距骨の3つで構成されますが、脛骨遠位部には内果と後果、腓骨遠位部には外果があります。

これらの果部に発生した骨折を果部骨折といいます。3つある果部をすべて骨折した場合は三課骨折と呼ばれます。

くるぶしの骨折についての詳細はこちらの記事でご確認ください。

膝蓋天蓋骨折

脛骨遠位関節面の天井部分を天蓋と言い、これを含む下腿遠位荷重部の粉砕骨折(多数の骨片を有する骨折)を天蓋骨折と言います。

脛骨天蓋骨折の詳細はこちらの記事をご確認ください。

距骨骨折

高所からの転落、交通事故など大きな外力により起こります。頚部骨折が最多で、次いで体部、頭部骨折などが生じます。

距骨骨折の詳細についてはこちらの記事をご覧ください。

足首の骨折で生じうる症状

足首の痛みや可動域制限等が生じます。靱帯を損傷した場合、動揺関節になる恐れもあります。

足首の骨折に対する治療

骨折の種類や重症度によって異なります。

ギプス等で固定するのみの保存療法が選択されることもありますが、手術が必要になることもあります。

足首の骨折の治療法について、よろしければこちらの記事もご確認ください。

足首骨折による後遺症で得る可能性がある後遺障害認定

後遺障害等級

自賠責保険に関する法令である自動車損害賠償保障法施行令の別表に示される後遺障害として、以下のようなものが予想されます。

神経症状

受傷部位に痛み等が残存する場合に認定可能性があります。

別表第二第12級13号 局部に頑固な神経症状を残すもの
別表第二第14級9号 局部に神経症状を残すもの

機能障害

骨折の影響で足首関節の可動域に制限が出た場合、8級、10級、12級の等級が認定される可能性があります。

靱帯損傷が生じて動揺関節になった場合、8級、10級、12級での認定可能性があります。

別表第二第8級7号  1下肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの

→以下の2つのうちいずれか。

・関節が強直したもの、関節の完全弛緩性麻痺またはこれに近い状態にあるもの

・常に硬性補装具を必要とするもの(動揺関節の場合)

別表第二第10級11号 1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの

→以下の2つのうちいずれか

・患側の関節可動域が健側の1/2以下に制限されたもの

・時々硬性補装具を必要とするもの(動揺関節の場合)

別表第二第12級7号 1下肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの

→以下の2つのうちいずれか

・患側の関節可動域が健側の3/4以下に制限されたもの

・重激な労働などの際以外には硬性補装具を必要としないもの(動揺関節の場合)

変形障害

別表第二第12級8号 長管骨に変形を残すもの

→脛骨の骨端部にゆ合不全を残すもの

検査

診察・後遺障害診断

(標準整形外科学第15版(医学書院)、716~717頁)

足首を骨折した場合、骨折を確認するための検査が必要になるのは当然ですが、靱帯等軟部組織を損傷する可能性もありますので、主治医の先生と必要な検査方法についてはよく相談なさってください。

X線検査

単純X線検査

急性足部外傷では、足正面、斜位像、足関節では正・側面像を撮影します。

ストレス撮影

足関節においては、内がえしストレス撮影と前方引き出しストレス撮影を行います。二次損傷防止の観点から、急性期に用いることは少ないです。

超音波検査

特に足・足関節の領域では、皮膚が薄いために大変有用です。腱障害や靱帯損傷などの軟部組織病変はもとより、剥離骨折などX線では評価しにくい病変に対しても有用です。

CT検査

足は骨が複雑に組み合わさる構造をしているので、CT検査は有用です。特に関節内や関節近傍の骨性病変の描出に優れます。関節内骨折の転位の程度や、踵骨前方突起骨折、外側突起骨折、距骨滑車骨軟骨損傷、リスフラン靱帯損傷時の剥離骨折など、小さな骨片を有する骨折の評価に有用です。

MRI検査

病変部における組織の変性、出血、浮腫、壊死といった質的な情報を得ることができます。

靱帯損傷や後脛骨筋損傷などの腱損傷の診断にも有用です。一般に靱帯や腱実質部は、T1・T2強調像ともに低信号として表現されます。断裂の場合、それらの連続性の途絶像がみられ、断裂周辺部ではT2強調像で浮腫や出血による高信号像がみられます。

関節不安定性を確認する徒手検査

足関節外側靱帯の不安定性に関しては、前距腓靭帯部を触知しながら内がえしならびに前方引き出しテストをかけて靱帯の緊張の程度を評価します。

交通事故等の被害に遭った時に受け取るべき慰謝料等損害賠償金や検査方法等について弁護士に相談を

交通事故等でケガをして足首に骨折を受傷した場合、損害賠償請求を加害者側に対し適切に行うために、骨折態様を把握し、残存した後遺障害についての立証資料を適切に収集していく必要があります。弁護士法人小杉法律事務所の所属弁護士による無料相談を是非ご活用ください。

この記事の監修者弁護士

小杉 晴洋 弁護士
小杉 晴洋

被害者側の損害賠償請求分野に特化。
死亡事故(刑事裁判の被害者参加含む。)や後遺障害等級の獲得を得意とする。
交通事故・学校事故・労災・介護事故などの損害賠償請求解決件数約1500件。

経歴
弁護士法人小杉法律事務所代表弁護士。
横浜市出身。明治大学法学部卒。中央大学法科大学院法務博士修了。

所属
横浜弁護士会(現「神奈川県弁護士会」)損害賠償研究会、福岡県弁護士会交通事故被害者サポート委員会に所属後、第一東京弁護士会に登録換え。日本弁護士連合会業務改革委員会監事、(公財)日弁連交通事故相談センター研究研修委員会青本編集部会。