骨折 下肢 神経症状
足首の骨折(弁護士法人小杉法律事務所監修)
足首の構造
↑のイラストは右足を正面から眺めたものです。脛骨は体の内側の太い長管骨、腓骨は体の外側の細い長管骨です。
骨の構造
脛骨と腓骨の遠位脛腓関節でつながり、距骨との間で足関節を形成しています。
足関節は距骨滑車(距骨の上部)が足関節窩(脛骨腓骨の遠位部の隙間)の中に入り込んだ形態をしています。
内果(脛骨遠位部)と外果(腓骨遠位部)で支えられた関節で、両果の先端を通る機能軸を中心として底背屈方向の動きをつかさどります。
内果は脛骨遠位部の外側にありますが、脛骨遠位部の後側には後果という部分があります。
足関節は下肢の3大関節のひとつです。
軟部組織
内側には三角靱帯があり、外側には前距腓靭帯(ぜんきょひじんたい)、踵腓靭帯(しょうひじんたい)、後距腓靱帯(こうきょひじんたい)が足関節の安定に寄与しています。
足首には他にも前脛腓靱帯、後脛腓靱帯等の靱帯があります。
足首の骨折の原因
高所からの転落や交通事故等が原因になりえます。
骨折態様によっても違ってきますので、詳細は各種骨折についての記載ページをご覧いただければ幸いです。
足首を骨折したときの症状
骨折部位の痛みや動きにくさ、靱帯を損傷した場合は動揺関節等の症状が生じえます。
→足首を骨折した際の症状について、こちらでも記載しております。
足首の骨折についての診断・検査
画像検査や徒手検査があります。
骨折の有無はもちろんですが、靱帯等軟部組織の損傷も懸念されますので、主治医の先生と相談の上、必要な検査を実施していくことが必要です。
→足首骨折時の検査方法の詳細はこちらの記事をご確認ください。
X線
単純X線検査とストレス撮影があります。
超音波検査
特に足・足関節の領域では、皮膚が薄いために大変有用です。
CT検査
足は骨が複雑に組み合わさる構造をしているので、CT検査は有用です。
MRI検査
病変部における組織の変性、出血、浮腫、壊死といった質的な情報を得ることができます。
靱帯損傷や後脛骨筋損傷などの腱損傷の診断にも有用です。
徒手検査
足関節外側靱帯の不安定性に関しては、前距腓靭帯部を触知しながら内がえしならびに前方引き出しテストをかけて靱帯の緊張の程度を評価します。
足首の骨折についての治療法
骨折の種類や重症度によって異なります。
ギプス等で固定するのみの保存療法が選択されることもありますが、手術が必要になることもあります。
足首の骨折の治療法について、詳細は↓の「足首の骨折の種類」や同部リンク先をご確認いただければ幸いです。
足首の骨折の種類
果部骨折、足関節骨折(くるぶしの骨折)
足首の関節は、脛腓骨の遠位部と距骨の3つで構成されますが、脛骨遠位部には内果と後果、腓骨遠位部には外果があります。
これらの果部に発生した骨折を果部骨折といいます。3つある果部をすべて骨折した場合は三課骨折と呼ばれます。
→くるぶしの骨折について詳細はこちらの記事で整理しています。
脛骨天蓋骨折
脛骨遠位関節面の天井部分を天蓋と言い、これを含む下腿遠位荷重部の粉砕骨折(多数の骨片を有する骨折)を天蓋骨折と言います。
距骨骨折
高所からの転落、交通事故など大きな外力により起こります。頚部骨折が最多で、次いで体部、頭部骨折などが生じます。
足首を骨折した際の後遺症
自賠責保険で認定されうる後遺障害等級としては、神経障害(12級か14級)、機能障害(動揺関節含む)(8級、10級、12級)、変形障害12級が考えられます。
足首受傷時に靱帯を損傷した場合、動揺関節になっていないかどうかもチェックすべきです。
→足首を骨折した場合の後遺症や検査方法についてはこちらの記事をご確認ください。
弁護士に相談を
交通事故等の被害で足首に骨折を受傷した場合、損害賠償請求を加害者側に対し適切に行うためには、骨折態様を把握し、残存した後遺障害についての立証資料を適切に収集していく必要があります。弁護士法人小杉法律事務所の所属弁護士による無料相談を是非ご活用ください。