骨折 下肢 神経症状
くるぶしの骨折(弁護士法人小杉法律事務所監修)
こちらの記事では足首の骨折のうち、くるぶしの骨折について整理しています。
くるぶしの骨折について(果部骨折、足関節骨折)
足首の関節は、脛・腓骨の遠位部と距骨の3つで構成されますが、脛骨遠位部には内果と後果、腓骨遠位部には外果があります。
※遠位部:体幹から遠い部分。脛骨腓骨だと足首に近い部分。
これらの果部に発生した骨折を果部骨折といいます。3つある果部をすべて骨折した場合は三課骨折と呼ばれます。
どのような場合に受傷するか
足部が固定された状態(体重を負荷した状態)で、足関節に内・外反やねじれなどの過大な外力が加わったときに生じます。
足関節には内側、外側ともに種々の靱帯が存在するため、骨折とともに靱帯が損傷されたり、靱帯に引かれて裂離骨折が生じたりします。
なお、果部骨折に合併して足首の遠位脛腓靱帯損傷や内側靱帯(三角靱帯)損傷が発生する場合があります。
→遠位脛腓靱帯損傷、内側靱帯損傷(三角靱帯損傷)についての詳細はこちらの記事をご覧ください。
症状
足関節部に強い疼痛があり、皮下出血、腫脹が急速に現れます。転位の少ない骨折では変形は不明瞭です。
診断・検査
(標準整形外科学第15版(医学書院)、840頁)
単純X線像では、内果・外果・後果の骨折の有無、脛腓靱帯結合部の拡大の有無をみます。距腿関節のアラインメントをみるために足部を20°内旋させた撮影方法が有用です。時に遠位脛腓靱帯付着部の裂離骨折がみられます。
CT検査は診断に役立ち、治療戦略を立てる上で非常に有用です。
治療
(標準整形外科学第15版(医学書院)、840頁)
距腿関節窩の転位が少ない骨折には保存療法を行います。
足関節中間位で下腿から足尖までギプス固定をします。約2週間後、腫脹が軽減したらPTB型のヒール付きギプスに変えて、松葉杖を用い荷重歩行を開始します。固定期間は6~8週間です。
転位のあるものは手術適用です。
足関節の解剖学的整復が重要です。内果はスクリューか引き寄せ鋼線締結法、外果はスクリューかプレートで固定することが多いです。遠位脛腓関節の離開に対しては、腓骨から脛骨にスクリュー刺入し固定します。このスクリューは6週間後、荷重訓練前に抜去します。
認定されうる後遺障害等級について
疼痛等の神経症状や可動域制限で機能障害等が認定される可能性があります。
→くるぶしの骨折後に認定されうる後遺障害等級についてはこちらの記事をご覧ください。
弁護士に相談を
交通事故や労災事故等のくるぶしに骨折を受傷した場合、損害賠償請求を加害者側に対し適切に行うために、損傷の部位や態様を把握し、残存した後遺障害についての立証資料を適切に収集していく必要があります。弁護士法人小杉法律事務所の所属弁護士による無料相談を是非ご活用ください。