後遺障害等級の解説

骨折 下肢 神経症状

舟状骨骨折(足)(弁護士法人小杉法律事務所監修)

本記事では、足部にある足根骨の1つ、舟状骨(しゅうじょうこつ)の骨折について整理しています。

舟状骨とは

足根骨を構成する一つで、遠位では内側・中間・外側楔状骨、遠位では距骨と接しています。

距骨との間にショパール関節があり、内側縦アーチを構成する骨の一つです。

その他足部の構造等についてはこちらの記事をご確認ください。

足の骨折の種類についてはこちらの記事をご覧ください。

舟状骨骨折

足部にかかるさまざまな外力により、舟状骨に骨折をきたすことがあり、時に隣接する立方骨の骨折も合併します。

新鮮舟状骨骨折は、背側剥離・結束部・体幹骨折の3つに分類できます。

また、舟状骨骨折に合併して足首の二分靱帯損傷を伴うこともあります。

立方骨骨折について整理した記事はこちらです。

足首の二分靱帯損傷について整理した記事はこちらです。

舟状骨骨折の治療

足部X線背底像、側面像、両斜位像を撮影します。3D-CTやMRIが有用で、空間的な転位の程度や方向・骨片の大きさや位置などが把握しやすいと言われています。

新鮮例で転位がないかわずかなものは保存療法の適用となり、3~5週程度の外固定と免荷でほとんどが治癒します。

舟状骨結節部骨折ではさらに1~2週長めの外固定が望ましいですが、螺子(らし:ねじ、くぎ)やKirschner鋼線固定により外固定期間を大幅に短縮できます。転位のある症例では、活動性の低い高齢者の一部を例外として手術療法を選択します。

(今日の整形外科治療指針第8版(医学書院)、862~863頁)

舟状骨骨折後の後遺障害

自賠責保険に関する法令である自動車損害賠償保障法施行令の別表に示される後遺障害として、以下のようなものが予想されます。

神経症状

骨折した箇所に痛みやしびれ等が残存した場合に認定される可能性があります。

特に、舟状骨の骨折がショパール関節に影響を及ぼす態様の場合や、内側縦アーチの崩れや歪みを発生させている場合、痛みが残存する可能性が高まります。

別表第二第12級13号 局部に頑固な神経症状を残すもの
別表第二第14級9号 局部に神経症状を残すもの

弁護士に相談を

交通事故や労災事故等の外傷で舟状骨に骨折を受傷した場合、損害賠償請求を加害者側に対し適切に行うために、骨折の態様や残存した後遺障害についての立証資料を適切に収集していく必要があります。弁護士法人小杉法律事務所の所属弁護士による無料相談を是非ご活用ください。

この記事の監修者弁護士

小杉 晴洋 弁護士
小杉 晴洋

被害者側の損害賠償請求分野に特化。
死亡事故(刑事裁判の被害者参加含む。)や後遺障害等級の獲得を得意とする。
交通事故・学校事故・労災・介護事故などの損害賠償請求解決件数約1500件。

経歴
弁護士法人小杉法律事務所代表弁護士。
横浜市出身。明治大学法学部卒。中央大学法科大学院法務博士修了。

所属
横浜弁護士会(現「神奈川県弁護士会」)損害賠償研究会、福岡県弁護士会交通事故被害者サポート委員会に所属後、第一東京弁護士会に登録換え。