後遺障害等級の解説

後遺障害等級一般論 骨折 上肢 下肢 神経症状

中節骨骨折(弁護士法人小杉法律事務所監修)

この記事では、手指と足指を構成する中節骨の骨折について整理しています。

中節骨とは

手指と足指にある骨ですが、いずれも第2指から第5指までにしかありません。親指にはありません。

手指の中節骨

↑のイラストの通り、中節骨は「指骨」に含まれます。示指、中指、環指、小指に存在します。

遠位(体幹から遠い)では中手骨とDIP関節(遠位指節間関節)を、近位(体幹に近い)では基節骨とPIP関節(近位指節間関節)を構成します。

骨折の原因

局所を強打する、硬いものに挟まれるなどの直達外力や、スポーツ外傷(球技、スキー、スノーボードなど)での介達外力で発生します。

直達外力:受傷部位に直接的に働く外力

介達外力:受傷部位から離れた部位に働く外力、間接的に働く外力

症状

手指の痛み、腫脹および変形がみられます。

PIP関節脱臼骨折

PIP関節脱臼骨折は背側への脱臼が大半で、スポーツにより受傷することが多いです。

PIP関節が軽度屈曲位で、指尖部(しせんぶ:指先)から長軸方向(上下方向)に外力が加わると中節骨基部掌側に三角形の骨折が生じ、その骨折部は通常の位置にとどまり、基節骨が背側に脱臼することがあります。

PIP関節の腫脹、背側への突出、可動制限があればPIP関節脱臼を疑い、X線検査でほぼ確定診断できますが、その際正確な側面像が必要です。

関節の陥没や掌側骨片の粉砕を伴う場合はCTが有用です。

(今日の整形外科治療方針第8版(医学書院)。508頁)

認定されうる後遺障害等級

疼痛等の神経症状や関節の動きにくさで機能障害が認定されえます。

認定されうる後遺障害等級については「指の骨折」の記事で整理しています。

足指の中節骨

足指は手指との区別のために足趾(足趾)や趾(趾)ともよばれますが、母趾(第1趾)、第2趾、第3趾、第4趾、小趾(第5趾)の5本の趾節骨で構成されます。

第2趾、第3趾、第4趾、小趾(第5趾)には中節骨があり、遠位(体幹から遠い)では末節骨とDIP関節(遠位趾節間関節)を、近位(体幹に近い)では基節骨とPIP関節(近位趾節間関節)を構成します。

母趾(第1趾)には末節骨と基節骨の2つしかなく、中節骨はありません。

骨折の原因

重量物を足趾に落としたり、足趾を硬いものにぶつけたりして生じます。

症状

骨折部の腫脹、変形、疼痛が認められます。

中節骨の骨折を含む趾節骨骨折の症状等の詳細はこちらの記事で整理しています。

認定されうる後遺障害等級

骨折部位の痛み等で神経症状、関節の動きにくさで機能障害等の認定可能性があります。

認定されうる後遺障害等級等については足指の骨折の記事でまとめております。

弁護士に相談を

交通事故や労災事故、介護事故等で手指や足指(足趾)の中節骨に骨折を受傷した場合、慰謝料等の損害賠償請求を加害者側に対し適切に行うために、骨折の態様を把握し、残存した後遺障害についての立証資料を適切に収集していく必要があります。弁護士法人小杉法律事務所の所属弁護士による無料相談を是非ご活用ください。

この記事の監修者弁護士

小杉 晴洋 弁護士
小杉 晴洋

被害者側の損害賠償請求分野に特化。
死亡事故(刑事裁判の被害者参加含む。)や後遺障害等級の獲得を得意とする。
交通事故・学校事故・労災・介護事故などの損害賠償請求解決件数約1500件。

経歴
弁護士法人小杉法律事務所代表弁護士。
横浜市出身。明治大学法学部卒。中央大学法科大学院法務博士修了。

所属
横浜弁護士会(現「神奈川県弁護士会」)損害賠償研究会、福岡県弁護士会交通事故被害者サポート委員会に所属後、第一東京弁護士会に登録換え。