上肢
腕の切断(事故)(弁護士法人小杉法律事務所監修)

本記事では、交通事故等で腕を切断した場合の後遺障害等級等について整理しています。
腕の切断とは
「腕」と表記した場合にどこまでをその範囲に含めるかは人それぞれですが、肩から指先までのすべて含めて「腕」と表現した場合、自賠責保険の認定基準上、上肢については肩関節~手首関節と手指に分類されることになります。
本記事では上肢(肩関節~手首関節)の切断について整理します。
→上肢の三大関節、手指の区別等についてはこちらの記事で整理しております。
交通事故等の外傷による受傷
切断の受傷は交通事故や労災事故によるものが多くあります。
カッターやナイフ等による断裁切断、切断部に挫滅を(外力による内部組織の破壊)伴う挫滅切断、ローラーやタイヤ等に挟まれその部位から抹消にかけて皮膚及び軟部組織が剥脱される引き抜き切断等があります。
腕の切断部位による区別
どの部位で切断したのかによって、認定されうる後遺障害等級が区別され、慰謝料等の請求金額も変動してきます。
大きくは、肘関節と手首関節を基準に、それより近位(体幹に近い)なのか遠位(体幹から遠い)なのかで区分されます。
認定されうる後遺障害
「上肢をひじ関節以上で失ったもの」とは、肩関節からひじ関節までの間で切断し失ったものをいい、肩関節またはひじ関節において離断したものも含まれます。両上肢をひじ関節以上で失ったものは組み合せ等級で別表第二第1級3号、1上肢をひじ関節以上で失ったものは別表第二第4級4号となっています。
「上肢を手関節以上で失ったもの」とは、ひじ関節を残し、手関節までの間で切断し失ったものをいいます。手関節において離断したものも含まれます。
両上肢を手関節以上で失ったものは組み合せ等級で別表第二第2級3号、1上肢を手関節以上で失ったものは別表第二第5級4号となっています。
| 別表第二第1級3号 | 両上肢をひじ関節以上で失ったもの |
| 別表第二第2級3号 | 両上肢を手関節以上で失ったもの |
| 別表第二第4級4号 | 1上肢をひじ関節以上で失ったもの |
| 別表第二第5級4号 | 1上肢を手関節以上で失ったもの |
損害賠償請求時のポイント

腕部を受傷して切断となってしまった場合に義手の作成が必要になった場合、作成費用はもちろん、耐用年数に応じて将来の買い替え等を考慮した金額を忘れずに請求する必要があります。一言で「義手」といっても区分は様々です。購入費用や買替費用等について争点になることも考えられますので、被害者の方にとっての必要性をしっかりと主張・立証していく必要があります。
機能による義手の分類
装飾用義手
外観上における欠損を補うために用いられます。
能動義手(体内力源義手)
肩の動きなどを動力源として、ハーネスとケーブルを介して継手や手先具を操作します。
作業用義手
農林漁業や機械工業などの作業ごとに特化した手先具が用いられます。
動力義手(体外力源義手)
電気、空圧、油圧などをエネルギー源として動力を生み出し、手指を操作します。
切断部位による義手の分類
肩関節離断→肩義手
装飾用義手が用いられることが多いです。
上腕切断→上腕義手
能動義手では、肩甲骨と上腕断端の動きをハーネスでとらえ、肘継手と手先具を操作します。
前腕切断→前腕義手
能動義手では、上肢帯の動きをハーネスでとらえ、手先具を操作します。
弁護士に相談を

交通事故や労災事故等の外傷で上肢を切断してしまうことがあり得ます。慰謝料等の損害賠償請求を加害者側に対し適切に行うために、受傷の態様を把握し、残存した後遺障害についての立証資料を適切に収集していく必要があります。弁護士法人小杉法律事務所の所属弁護士による無料相談を是非ご活用ください。
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