後遺障害等級の解説

圧迫骨折・体幹骨骨折 神経症状

頚椎圧迫骨折(小杉法律事務所監修)

こちらの記事では、頚椎圧迫骨折について整理しています。

脊椎とは

脊椎(椎骨)とは、脊柱(背骨)を構成する要素です。

脊椎は部位によって、頚椎胸椎腰椎仙骨尾骨に分類されます。

頚椎とは

頚椎(Cervical spine)は脊椎の内、頚部にある7つの脊椎のことを言います。

位置が高いところから低いところにかけて、第1頚椎→第7頚椎という名前がつきますが、C1とかC7という略称で示すこともあります。

※C〇と表記した場合、それが必ず脊椎の番号を指すとは限りません。髄節や神経根のことを指すかもしれず、そのあたりは文脈からの判断になります。

髄節や神経根についてはこちらの記事で整理しております。

第1頚椎は環椎(かんつい)、第2頚椎は軸椎(じくつい)といい、併せて上位頚椎と呼ばれます。この二つの頚椎は、他の脊椎と比べて特殊な構造です。

第3~第7頚椎は中下位頚椎と呼ばれますが、脊椎としてスタンダードな構造をしています。

スタンダードな構造

前方に椎体(↑図の右上イラストでは「body」)、後方に椎弓があり、椎弓の左右からは1本ずつの横突起(transverse process)、椎弓の後方からは棘突起(spinous processes)が生えています。

椎体と椎弓との間には椎孔という穴があり、椎孔が連なった脊柱管の中を脊髄が走行しています。

環椎と軸椎

環椎には椎体と棘突起がありません。全体が環状構造になっています。

軸椎には上方にむけて歯突起が突出しているのが特徴です。

圧迫骨折とは

骨に上下からの圧迫力が加わり、骨折することを圧迫骨折と言います。

代表的な例は脊椎の椎体骨折で、頚椎の椎体の圧迫骨折もこれに含まれます。

椎体の前方のみが圧壊するケースをとって圧迫骨折、後方を含み全体的に圧壊するケースを破裂骨折と表現することがあります。

圧迫骨折の詳細についてはこちらの記事でも整理しております。

頚椎圧迫骨折の原因

頚椎の圧迫骨折を含む脊椎損傷の原因の多くは交通事故、労働災害、高所からの転落といった高エネルギー外傷です。

骨粗鬆症などにより、骨密度が低下した患者で起きる椎体骨折では転倒などの比較的軽微な外力により生じる場合や、明らかな受傷機転が不明な場合もあります。

頚椎圧迫骨折の症状

損傷した椎骨周囲の強い疼痛が生じ、体動困難になります。

治療方針について

高エネルギー外傷による脊椎損傷では、脊髄損傷治療に準じて、可及的早期に全身の固定を行います。

脊椎損傷の急性期では保存療法が第一選択になり、装具などによる固定や、アラインメント異常が認められた場合は整復を行います。

固定術や除圧術などの手術療法は、麻痺合併例や保存療法による改善が認められない場合に行います。

認定されうる後遺障害

変形障害、運動障害(荷重障害含む)で6級、8級、11級の認定可能性があります。

または、神経症状で12級か14級の認定可能性があります。

頚椎圧迫骨折で認定されうる後遺障害の詳細についてはこちらの記事をご確認ください。

弁護士に無料相談を

交通事故や労災事故等の外傷で頚椎に圧迫骨折を受傷してしまうことがあります。治療費や休業損害、慰謝料等の損害賠償請求を加害者側に対し適切に行うために、受傷の態様を把握し、残存した後遺障害についての立証資料を適切に収集していく必要があります。弁護士法人小杉法律事務所の所属弁護士による無料相談を是非ご活用ください。

この記事の監修者弁護士

小杉 晴洋 弁護士
小杉 晴洋

被害者側の損害賠償請求分野に特化。
死亡事故(刑事裁判の被害者参加含む。)や後遺障害等級の獲得を得意とする。
交通事故・学校事故・労災・介護事故などの損害賠償請求解決件数約1500件。

経歴
弁護士法人小杉法律事務所代表弁護士。
横浜市出身。明治大学法学部卒。中央大学法科大学院法務博士修了。

所属
横浜弁護士会(現「神奈川県弁護士会」)損害賠償研究会、福岡県弁護士会交通事故被害者サポート委員会に所属後、第一東京弁護士会に登録換え。