自転車事故
自転車事故で弁護士に相談する意味・メリットは?費用相場についても解説
2025.01.12

このページでは、交通事故被害者側の損害賠償請求を専門とする弁護士が、
- 自転車事故で弁護士に相談するメリット
- 弁護士に相談すべきケース
- 弁護士費用の相場と弁護士費用特約の活用
- 弁護士に相談する前の対応・注意点
- 自転車事故に強い弁護士の選び方
等について解説します。
交通事故に強い弁護士法人小杉法律事務所では、交通事故被害者側の損害賠償請求を専門とする弁護士による自転車事故解決サポートを行っております。
自転車事故被害に遭われた方やご家族の方は、ぜひ一度弁護士法人小杉法律事務所にお問い合わせください。
交通事故被害者側損害賠償請求専門弁護士による自転車事故解決サポートの詳細についてはこちら。
自転車事故で弁護士に相談するメリット

慰謝料の増額を目指して交渉できる
自転車事故で弁護士に依頼する最大のメリットの一つが、慰謝料をはじめとする損害賠償額の増額が期待できることです。
交通事故の慰謝料には
- 自賠責基準
- 任意保険基準
- 弁護士基準(裁判基準)
の3種類があります。
簡単にまとめたのが以下の表です。
| 自賠責基準 | 損害保険料率算出機構が定める基準 最低限度額 |
| 任意保険基準 | 任意保険会社が独自に定める基準 自賠責基準と同じかやや高い |
| 弁護士基準(裁判基準) | 裁判所・弁護士が用いる最も公正な基準
最も高く、被害者にとって最も適切 |
このように、弁護士基準(裁判基準)での請求をすることで、慰謝料額が最も高額になります。
保険会社が提示してくる金額は任意保険基準に基づくものであり、弁護士基準と比べると大幅に低い水準であることがほとんどです。
弁護士に依頼することで、この弁護士基準に基づいた請求が可能になります。
たとえばむちうちで3か月通院した場合の入通院慰謝料は、自賠責基準では10万3200円程度(日額4300円×実通院日数12日×2の想定)にとどまりますが、
弁護士基準では約53万円と5倍近くになります。
弁護士費用を差し引いても手元に残る金額が増えるケースは多く、依頼することで損をしないことがほとんどです。
保険会社との示談交渉を一任できる
双方が自転車の場合や、こちらが歩行者、加害者が自転車のような場合だと、加害者が保険に加入しておらず、
加害者と直接やり取りをしなければならないケースも少なくありません。
事故の当事者同士の話し合いはどうしても感情的にならざるを得ないところもありますし、
話し合いが泥沼化する可能性があります。
また、加害者側が保険に加入していたというような場合であっても、
プロの保険会社担当者を相手にし続けるのは、被害者にとっては精神的な負担が大きいものです。
弁護士に依頼することで、示談交渉のすべてを任せることができます。
加害者本人との交渉において建設的な話し合いが進むことに対する期待はもちろん、
被害者は精神的な負担から一部解放され、治療と生活の回復に専念できます。
後遺障害等級の認定が受けやすくなる
特に後遺障害等級認定のサポートは重要です。
交通事故により後遺症が残ってしまった場合、後遺症慰謝料と後遺症逸失利益の請求が可能になります。
この後遺症慰謝料と後遺症逸失利益は、賠償金全体の中でも大きな割合を占める重要な費目になりますが、
この後遺症慰謝料と後遺症逸失利益の金額は、「認定される後遺障害等級」に応じて決定されます。
つまり、適切な後遺障害等級の認定を得られるかどうかが、適切な賠償金を得られるかどうかに大きな影響を与えるということです。
この点、相手方が自動車の場合は自賠責損害調査事務所という第三者機関により後遺障害等級の該当性の審査を受けることができます。
しかしながら相手方が自転車の場合は自賠責損害調査事務所のような第三者機関が存在せず、後遺障害等級の該当性について大いに争いになることがあります。
大前提として、相手方保険会社に文句を言わせないような後遺障害診断書を作成するために、
専門家の視点から診断書作成に当たってのアドバイスや追記の必要性についての見解を受けることはもちろん重要です。
また実際に争いになった場合の異議申立てや裁判での後遺障害等級の認定を得るためにも、後遺障害を専門としている弁護士への相談は極めて重要と言えます。
適正な損害賠償額を算定しやすくなる
自転車事故では、
慰謝料以外にも以下のような損害を請求することが可能です。
積極損害
積極損害とは、事故によって実際に出費が生じた財産的損害です。
- 治療費:病院での診察・手術・入院などに要した費用
- 通院交通費:通院のために要したバス・タクシー代など
- 入院雑費:入院中の日用品費など(1日あたり1,500円が目安)
- 付添看護費:入院中に付添が必要な場合の費用
- 将来の治療費:症状固定後も継続して必要な治療費
- 後遺障害に伴う将来の介護費:重度後遺障害によって必要になる介護費用
消極損害
消極損害とは、事故がなければ将来得られたはずなのに得られなくなった収入や利益です。
しかし、専門知識がなければ請求できる費目の漏れが生じたり、適切な金額で請求できなかったりするリスクがあります。
弁護士に依頼することで、発生したすべての損害を弁護士基準に基づいて漏れなく算定し、適正な賠償額を請求することが可能になります。
訴訟になった場合にも対応を任せられる
自転車事故では、
- 加害者本人が示談交渉に応じない
- 加害者に保険加入がなく、賠償能力がない
- 納得がいく後遺障害等級の認定が得られない
といった理由から、訴訟を提起せざるを得ないケースもあります。
弁護士に依頼することで、示談交渉が決裂した場合でもそのまま訴訟対応を任せることができ、
裁判所への提出書類や証拠収集なども一貫してサポートを受けられます。
訴訟となると加害者側も弁護士に依頼してくることがほとんどであり、
被害者ご本人での対応では難しいことが多いため、弁護士への相談をお勧めします。
自転車事故で弁護士に相談すべきケース

加害者側が自賠責保険のみに加入している場合
ご自身が自転車に乗っているときに、自動車やバイクとの交通事故被害に遭ってしまった場合に、
加害者側が任意保険未加入であり、自賠責保険にしか加入していないことがあります。
うえでみたように、自賠責保険金の支払時に用いられる自賠責基準(自動車損害賠償責任保険の保険金等及び自動車損害賠償責任共済の共済金等の支払基準)は、
必要最低限度の補償にすぎず、被害者側として適切な賠償をしてもらうためには、加害者本人への直接請求が必要となります。
このような場合には、
- 事故当事者同士での交渉は難航する可能性が高い
- 加害者本人とのやり取りは精神的な負担が大きい
ですから、弁護士に相談すべきケースといえるでしょう。
保険会社から治療費の打ち切りを打診されている場合
相手方が自動車やバイクであるときはほとんど、自転車である場合でも、任意保険に加入していることはままあります。
交通事故後、この任意保険会社が治療費の対応をしてくれることがありますが、
まだ身体に痛みがあり、医師が継続の治療の必要性を認めているにもかかわらず、治療費の支払いを打ち切ると宣告してくることがあります。
損害賠償請求上、交通事故により発生した損害としての治療費は、「必要かつ相当な実費全額」とされます(『民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準上巻(基準編)』(公益財団法人日弁連交通事故相談センター東京支部編)。
この「必要性」や「相当性」はどのように判断されるかというと、
| 主治医が必要かつ相当と認めているかどうか |
により判断されます。
つまり、保険会社独自の判断ではなく、症状経過や治療状況を最も把握している主治医の判断が尊重されるべきなのです。
このような場合には、任意保険会社の判断は不当であり、主治医の意見を踏まえれば治療費の支払いは延長されるべきであるという交渉が必要となりますが、
この交渉にあたっては、ポイントを抑えた主治医の意見を聞き取り、その意見を踏まえた的確な主張が求められますから、弁護士に依頼することがお勧めです。
なお、賠償金の支払は最終の事件解決時に一括で行うのが原則とされているため、任意保険会社による治療費の対応はあくまでサービス的な立ち位置ですから、
どれだけ治療の必要性の立証を行ったとしても、最終的に任意保険会社が無理と言えば無理なものではあります。
ただし、保険会社が治療費対応を打ち切ったから泣く泣く治療を止める、という判断をしてしまうと、
治療期間と連動して金額が決定される入通院慰謝料が低額になってしまったり、後遺障害等級の認定可能性が著しく低下したりといった不都合が生じ得ます。
場合によっては健康保険などを利用した自費での通院の継続が必要となりますが、この判断は、
- 医学的に治療が必要と判断されるかという医師の視点
- 損害賠償請求実務上被害者にとって有益になるかという弁護士の視点
の両方が必要となるため、双方に相談しながら決定することが重要になります。
- 関連記事:治療中の方や治療費打ち切りを言われた方へ
保険会社が提示した慰謝料額に納得できない場合
保険会社から示談案が提示されても、その金額が適正かどうかを被害者自身が判断するのは難しいことがほとんどです。
保険会社の提示額は任意保険基準に基づくものであり、弁護士基準と比べると大幅に低いことが多いです。
提示された示談案に署名・押印をする前に必ず弁護士に相談しましょう。
一度示談が成立すると追加請求は原則としてできなくなります。
過失割合について争いが生じている場合
過失割合とは、事故の責任を当事者間でどの程度分け合うのかを示す割合のことです。
| 民法第722条2項 被害者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の額を定めることができる。 |
これを「過失相殺」といい、過失相殺によって定められた被害者及び加害者の過失の割合を「過失割合」といいます。
今回の交通事故で被害者に発生したすべての損害が合計で1000万円であるとき、
被害者の過失が0である(加害者の過失が100である)ときに被害者が受け取れる金額は、1000万円ですが、
被害者の過失が10である(加害者の過失が90である)ときに被害者が受け取れる金額は、1000万円×(100%-自己過失分10%)=900万円となり、
過失割合が10%違うだけで100万円の差が生じます。
このように、過失割合がいくらになるかということは、実際のところ被害者が受け取れる金額がいくらになるかということを考えるうえでは極めて重要なわけですが、
特に自転車同士の事故では、ドライブレコーダーがついていないこと、自動車ほど詳細な修理見積が発行されないこと等から、証拠が少ないことがあります。
弁護士に依頼することで、警察の捜査記録・目撃者証言・現場写真などを活用した有効な過失割合の主張が可能になります。
示談交渉が長期化している場合
症状固定後に保険会社との交渉が始まってから何か月も経つのに示談がまとまらないというケースもあります。
こうした状況では、被害者が精神的・経済的に消耗し、不当に低い条件で示談を受け入れてしまうリスクが高まります。
弁護士に依頼することで、保険会社を納得させるだけの証拠を収集し、的確な主張が可能になることもありますし、
保険会社側としても、裁判の可能性が脳裏に生じるため、示談解決に向けて少し前進することがあります。
重いけがや後遺症が残る場合
骨折・脊椎損傷・頭部外傷・高次脳機能障害などの重度の後遺症が残る重いけがを負った場合には、
大前提として、残ってしまった後遺症に則した適切な後遺障害等級の認定を得ることは極めて重要です。
そのうえで、
- 後遺症慰謝料
- 逸失利益
- 介護費用
などをはじめ賠償金が高額になりやすいです。
このようなケースですと、まず加害者側に任意保険会社がついていない場合には強制執行なども視野に入れた対応が必要となりますし、
任意保険会社がついている場合であっても、保険会社内部での決済がおりず、裁判への移行をせざるを得ないこともあります。
このようなケースこそ弁護士のサポートが不可欠です。
後遺障害等級の認定から示談交渉・訴訟まで、一貫したサポートを受けることで適切な賠償金の獲得を目指すことができます。
弁護士費用特約に加入している場合
加入している保険に弁護士費用特約が付帯されている場合、弁護士費用(多くは300万円まで)が保険でカバーされるため、実質的に自己負担なしで弁護士に依頼することができます。
このような場合には、費用の心配なく弁護士に依頼することが可能です。
自転車事故でも条件によっては弁護士費用特約が利用できますので、後述する「弁護士費用特約が活用できるケース」をご確認ください。
自転車事故での弁護士費用の相場

弁護士費用は事務所によって異なりますが、主な費用の種類と一般的な相場は以下のとおりです。
| 相談料 | 交通事故の場合は、日弁連リーガル・アクセス・センター(LAC)基準を採用している事務所が多く、
30分ごとに5000円~1万円程度が相場 一方で初回相談の相談料については無料としている事務所も数多くある。 |
| 着手金 | 相場としては0円~50万円ほどに設定されることが多い |
| 報酬金 | 獲得金額の10%~20%が報酬になるという設定をしている事務所が多い |
| タイムチャージ | 1時間当たり2万円が相場 |
弁護士法人小杉法律事務所では、相談料0円・着手金0円・報酬は賠償金からいただく成功報酬制を採用しておりますので、実質の被害者の方の負担は0円となります(事案の内容などによって、事前にご説明を差し上げたうえで着手金をいただくケースもございますので、予めご了承ください。)。
なお、費用倒れのリスクが考えられる場合には初回無料相談の際にその旨をお伝えした上で、それでもご依頼をご希望かどうかを確認させていただいております。
自転車事故で弁護士費用特約が活用できるケース

弁護士費用特約(弁護士費用補償特約)が付帯されている保険に加入している場合、
弁護士費用(多くは300万円まで)が保険でカバーされます。
自転車事故で弁護士費用特約が活用できる主なケースは以下のとおりです。
- 相手方が自動車・バイクの場合
- 相手方が自転車だが、自分が日常生活型の弁護士費用特約を付帯していた場合
- 同居の家族に日常生活型の弁護士費用特約が付帯されている保険に加入がある場合
弁護士費用特約を利用しても、原則として翌年の保険等級には影響しませんので、使い得です。
特約が付帯されているかどうか、また今回の自転車事故でも利用可能かどうかは保険会社に直接確認することをお勧めします。
自転車事故で弁護士費用特約が活用できないケース

弁護士費用特約があっても、以下のようなケースでは利用できない場合があります。
- 10対0で自分が加害者になってしまっている
- 付帯されている弁護士費用特約が自動車事故限定
- ご自身の重大な過失などによって事故が発生している
利用可能かどうかの判断が難しい場合も、保険会社に確認するのが確実です。
自転車事故で弁護士に相談する前に対応すべきこと

警察への通報
自転車事故に遭った場合には、救急搬送されるような通報が不可能な場合を除き、まずは警察に連絡をするようにしましょう。
道路交通法第72条1項により、自転車の運転手にも事故発生の報告義務があります。
| 道路交通法第72条1項「交通事故があつたときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員(以下この節において「運転者等」という。)は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。この場合において、当該車両等の運転者(運転者が死亡し、又は負傷したためやむを得ないときは、その他の乗務員。次項において同じ。)は、警察官が現場にいるときは当該警察官に、警察官が現場にいないときは直ちに最寄りの警察署(派出所又は駐在所を含む。同項において同じ。)の警察官に当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置(第七十五条の二十三第一項及び第三項において「交通事故発生日時等」という。)を報告しなければならない。」 |
警察に通報することにより、速やかに事故発生時の状況の見分が行われます。
自転車事故はドライブレコーダーなどが付いていないことが多いことなどから事故発生時の状況について争いになることが多いため、
警察の捜査記録は損害賠償請求を進めていくうえで非常に有用になります。
また、警察に通報することで、交通事故証明書を取得することができるようになります。
交通事故証明書は示談交渉や損害賠償請求の際に、まさに事故発生を証明する証拠となります。
警察に通報して適切な記録を残すことは、被害者・加害者双方にとって公平な判断材料を確保する第一歩です。
加害者に聞いておくべき情報
被害者が加害者から聞いておくべき情報は、連絡先や付帯保険などになります。
特に、氏名、住所、電話番号、賠償責任保険の有無などを正確に聞いておくべきです。
加害者側が自動車であればかなりの確率で自賠責保険や任意保険に加入していると思われますが、
自転車VS自転車の事故のような場合には、加害者が賠償責任保険に加入していない可能性もあります。
損害賠償請求を進めていくためには加害者にその賠償をすることができる資力が存在していなければなりませんから、保険関係は重要です。
また、自転車事故の内容を記録するため、事故現場の写真や目撃者の連絡先が取得できれば非常に役立ちます。これらの情報は示談交渉や損害賠償請求を進める上で状況を裏付ける資料となります。
早急な受診と診断書の作成
自転車事故被害に遭った場合には速やかに整形外科を受診するようにしましょう。
事故直後はアドレナリンが出ていたために何ともないと思っていても、数日後に症状が出てくるということも考えられます。
事故発生から初診までの日にちが空いてしまうと、相手方から「本当にその事故で負った怪我なのか?」という主張をされかねません。
お身体のためにも、損害賠償請求のためにも、事故被害に遭ったらすぐに病院を受診しましょう。
また、受診時には診断書を作成してもらうようにしましょう。
診断書は、損害賠償請求を進めていくうえで医師が怪我の内容を証明してくれたという証拠になります。
自転車事故で弁護士に相談する前の注意点

示談交渉の流れを把握しておく
自転車事故の示談交渉は、事故発生から入通院、そして症状固定を経た後で進められるのが一般的です。
示談交渉では、加害者と被害者が話し合い、賠償金やその他の条件について合意に至ることを目指します。
流れとしては、まず事故当事者間で連絡先や保険内容の確認を行い、その後、賠償内容や金額の提案と調整が行われます。
特に自転車事故の場合、加害者が無保険だったり、任意保険に示談代行サービスがついていないことが多いため、保険会社の仲介なしで直接やり取りするケースが増えます。
また、症状固定後には、治療や後遺障害の状況を考慮した慰謝料や損害賠償の額を具体的に協議する必要があります。
保険会社との交渉に注意する
保険会社と示談交渉を行う際は、いくつかの注意点があります。
まず第一に、保険会社は支払う保険金額が小さければ小さいほど自社の利益が大きくなるという立場にあるため、提示される賠償金が被害者側にとって適切なことはほとんどありません。
そのため、被害者側も請求内容の妥当性や、自身の損害額について正確な情報を基に対応することが重要です。
また、自転車事故の場合、加害者の保険が利用できない場合や、保険による補償が不十分な場合もあります。
加害者との直接のやり取りなどは、被害者側にとっては大きな負担となりますから、
弁護士に相談して示談交渉を代行してもらうのも一つの手です。
損害賠償請求のポイントを押さえる
先ほども見たように、自転車事故被害に遭った場合には、加害者が自動車やバイクであればともかく、自転車であることも考えられます。
加害者本人と直接やり取りをせざるを得ない場合はもちろん、保険会社と交渉する場合であっても、
被害者側としては自身に発生した損害をもれなく請求することが求められます。
治療費や通院交通費、入院雑費などの支出はもちろん、休業損害や逸失利益といった損失の請求、
入通院慰謝料や後遺症慰謝料など様々な費目について適切に請求を進めていく必要があります。
加害者側が自賠責保険に加入しているような場合には、自賠責保険に対して後遺障害等級認定の申請をすることで、
後遺症の残存を主張するための強力な証拠を得ることができますが、加害者側も自転車であるような場合にはこれが難しくなります。
逸失利益や後遺症慰謝料などを適切に獲得するためには、説得力をもって後遺症の残存を証明することが必要となりますから、
専門弁護士に相談することをお勧めします。
過失割合が示談交渉に与える影響を把握しておく
過失割合は、自転車事故における示談交渉の中で賠償金額を左右する非常に重要な要素です。
過失割合とは、事故当事者双方がどの程度の責任を負うかを示す割合を指します。
たとえば、今回の自転車事故により被害者に発生した損害が1000万円であった場合、
被害者の過失が10変わるだけで、加害者に請求できる金額が100万円も変わります。
このように、過失割合は適切な賠償金を獲得するためにはとても重要なわけですが、
適切な過失割合による交渉を行うためには、事故当時の状況に関する客観的な資料に基づいた有効な主張をしていく必要があります。
また、保険会社が提示する過失割合が実際の状況とかけ離れているケースもありますので、
不利な判断を受けないためには、警察(検察)の捜査記録を入手したり、早い段階で弁護士に相談し、専門家の助言を受けたりすることが有効です。
冷静かつ丁寧に対応する
自転車事故の示談交渉では、お互いの立場を尊重した話し合いが重要です。
被害者として請求したいことを明確に伝える一方で、感情的になりすぎないよう注意しましょう。
加害者側が自転車保険に加入していない場合、交渉が難航しやすいため、冷静かつ的確な対応を心がけることが必要です。
また、事故の記録や被害状況を具体的に説明することで、賠償の必要性を相手に理解してもらいやすくなります。
必要であれば弁護士を通じて専門的なサポートを受けることも考慮すると良いでしょう。
無理に交渉を進めない
自転車事故の示談交渉においては、トラブルを防ぐために適切な心構えが必要です。
まず、感情的な対応を避け、冷静に事実や損害を伝えることが大切です。
また、法的知識がないまま交渉を進めると、結果的に不利な条件で合意してしまう可能性があるため、必要に応じて弁護士などの専門家の力を借りることも検討しましょう。
自転車事故で弁護士を活用する重要性

慰謝料請求を弁護士に任せる理由
自転車事故における慰謝料は、被害者が受けた精神的損害に対して支払われる損害賠償の一部です。
慰謝料の計算にはいくつかの基準がありますが、最も高額かつ被害者にとって適切な基準は「弁護士基準」です。
弁護士基準とは、過去の裁判例に基づいた基準であり、保険会社が提示してくるような任意保険基準や自賠責保険基準よりも、被害者の損害をしっかりと考慮した金額が適用されます。
このため、自転車事故で適正な賠償を受けたい場合、弁護士に依頼し弁護士基準での計算を行ってもらうことが有効です。
また、後遺障害が残った場合や、長期の通院が必要な場合など、損害の内容が複雑になるほど、弁護士基準を適用した慰謝料請求が重要になります。
示談交渉で弁護士が果たす役割
自転車事故の示談交渉では、被害者が保険会社や相手方と直接やり取りを行うことが多くなります。
しかし、法律や交渉の知識がないまま対応すると、相手から不利な条件を押し付けられるリスクが高まるでしょう。
その点、弁護士に依頼することで、被害者の立場を最大限に守るための交渉が進められます。
弁護士は、まず被害者に代わり加害者や保険会社などとの示談交渉を担当します。
この際、法律知識や過去の判例を活用しながら、被害者が適正な損害賠償を受けられるように交渉してくれます。
例えば、「治療費」「休業損害」「慰謝料」「後遺障害に対する賠償」など、すべての損害項目について適正な請求を行います。
また、裁判が必要になった場合でも、訴訟手続きまで一貫してサポートを受けられます。
自転車事故に強い弁護士の選び方

いざ弁護士に相談するとなっても、「交通事故 弁護士」や「自転車事故 弁護士」などで検索すると多くの事務所が出てきます。
| 自分の受けた被害に最も親身になってくれる、強力な弁護士事務所はどこなのか? |
というのは、相性などもありますから、考え始めると非常に難しい問題です。
以下では一般的なポイントについて触れますが、
結局のところ無料相談を受けてみて、ご自身の直感で判断されるのが、最も良い解決に繋がる道ではないかと考えております。
交通事故・自転車事故の解決実績が豊富か確認する
弁護士を選ぶ際には、交通事故に関する解決実績が豊富かどうかを確認することが重要です。
ウェブサイトなどで過去の解決事例を確認し、自分のケースに近い案件での実績があるかどうかをチェックしましょう。
実績が豊富な弁護士は、保険会社の交渉術や後遺障害等級認定の傾向など、実務上の知識が蓄積されているため、より効果的な交渉・請求が期待できます。
解決実績をホームページで積極的に公開している事務所は透明性が高く、信頼性の目安にもなります。
特に自転車事故の場合は相手方が任意保険会社に加入していなかったり、自賠責保険が存在していなかったりと、
自転車事故特有の論点が複数存在する可能性があるため、そういった解決の経験があるかどうかは重要になります。
交通事故分野の経験が豊富か確認する
弁護士としての経験年数はもちろん、交通事故分野に特化して取り組んできた年数や実績を確認することも大切です。
交通事故の損害賠償は法律の中でも専門性が高い分野であり、一般的な民事案件を扱う弁護士と交通事故専門の弁護士とでは対応力に大きな差が出ることがあります。
解決件数などの数字は、それ自体で経験の豊富さを表すものになりますが、
定型的に基準に当てはめて処理をした件数が多いとしても、目の前のあなたの不安を解決する経験があるかどうかは測れないこともあります。
初回相談時に自分の不安な点に対して的確に回答をしてくれるかなどの観点から測ることも重要です。
交通事故・自転車事故に関する専門性が高いか確認する
交通事故に関する書籍・論文の執筆や、講演の実績、判例誌掲載などがある弁護士は、その分野における専門性が高いことの証左となります。
弁護士を選ぶ際の一つの指標としては有用でしょう。
料金体系は明確であるか確認する
先ほども述べたように、料金体系が不明瞭で、費用倒れのリスクがあるかもしれないという状態では、
弁護士に依頼したことによって紛争に巻き込まれているストレスから解放される、ということにはなり得ません。
- 費用倒れのリスクはないのか
- 料金体系はどうなっているのか
- こういう場合には料金が変わるのか
などはしっかりと確認しましょう。
こういった質問に対する回答をないがしろにする弁護士は、交通事故被害に遭った方の心情を理解していない弁護士ですから、
信用して進めるのは難しくなるかもしれません。
自転車事故に強い弁護士に関するよくある質問

自転車同士の事故で10対0になるのはどんな場合ですか?
自転車同士の事故で過失割合が10対0(一方当事者に全く過失がない)と認定されるケースは限られますが、
以下では『別冊判例タイムズ39号 民事交通事故訴訟における過失相殺率の認定基準 全訂6版』(菊池憲久・堂薗幹一郎・伊藤智和編)の基本過失割合として、0:100とされている事例をみてみます。
- 一方が青信号で交差点に進入し、もう一方が赤信号で交差点に進入したケース
- 一方が歩行者用信号機が青信号で横断歩道の横断を開始したときに、もう一方が赤信号で交差点に進入してきたケース
- 一方が青信号で交差点に進入したときに、もう一方が歩行者用信号機が赤信号で横断歩道の横断を開始してきたケース
- 先行していた自転車を追い抜こうとした車両が衝突してきたケース
- 停車中の自転車に衝突してきたケース
などがあります。
自転車同士でぶつかった場合は警察に届け出る必要はありますか?
はい、自転車同士の事故でも必ず警察に届け出る必要があります。
道路交通法第72条1項により、自転車の運転手にも事故発生の報告義務があります。
| 道路交通法第72条1項「交通事故があつたときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員(以下この節において「運転者等」という。)は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。この場合において、当該車両等の運転者(運転者が死亡し、又は負傷したためやむを得ないときは、その他の乗務員。次項において同じ。)は、警察官が現場にいるときは当該警察官に、警察官が現場にいないときは直ちに最寄りの警察署(派出所又は駐在所を含む。同項において同じ。)の警察官に当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置(第七十五条の二十三第一項及び第三項において「交通事故発生日時等」という。)を報告しなければならない。」 |
警察に通報することにより、速やかに事故発生時の状況の見分が行われます。
自転車事故はドライブレコーダーなどが付いていないことが多いことなどから事故発生時の状況について争いになることが多いため、
警察の捜査記録は損害賠償請求を進めていくうえで非常に有用になります。
自転車事故でいくら慰謝料が貰えますか?
自転車事故でもらえる慰謝料の金額は、怪我の程度・入通院期間・後遺障害の有無などによって大きく異なります。
また、算定基準(自賠責基準・任意保険基準・弁護士基準)によっても金額に大きな差があります。
3つ例をあげてみてみます。
むち打ちの場合
むち打ちは、事故から約6か月ほどの通院を必要とするケースが多いです。
交通事故によるむち打ちで認定される可能性がある後遺障害等級としては、
- 第12級13号「局部に頑固な神経症状を残すもの」
- 第14級9号「局部に神経症状を残すもの」
- (非該当)
となります。今回は、
- 通院期間6か月(実通院日数48日)
- 後遺障害等級第14級9号認定
の場合の慰謝料を計算してみましょう。
| 入通院慰謝料(傷害慰謝料) | 自賠責基準:41万2800円 | 弁護士基準:89万円 |
| 後遺障害慰謝料 | 自賠責基準:32万円 | 弁護士基準:110万円 |
| 合計 | 自賠責基準:73万2800円 | 弁護士基準:199万円 |
このケースだと、自賠責基準で73万2800円ほど、弁護士基準で199万円ほどが目安になります(差額125万7200円)。
骨折の場合
交通事故における骨折は、折れた骨やその部位などによって、必要な入通院期間や残存する後遺障害等級が大きく変わります。
今回は交通事故で脛骨高原骨折となったケース、
- 入院期間1か月、通院期間7か月(実入通院日数60日)
- 後遺障害等級第12級13号認定
の場合の慰謝料を計算してみましょう。
| 入通院慰謝料(傷害慰謝料) | 自賠責基準:51万6000円 | 弁護士基準:157万円 |
| 後遺障害慰謝料 | 自賠責基準:94万円 | 弁護士基準:224万円 |
| 合計 | 自賠責基準:145万6000円 | 弁護士基準:381万円 |
このケースだと、自賠責基準で145万6000円ほど、弁護士基準で381万円ほどが目安になります(差額235万4000円)。
高次脳機能障害の場合
交通事故被害に遭い、頭部を強く打つ等すると、脳機能に障害を残すことがあります。
高次脳機能障害と呼ばれるこの後遺障害は、重篤なものからご本人が無症状なものまで様々あります。
今回は交通事故で高次脳機能障害を遺してしまったケース、
- 入院期間12か月
- 後遺障害等級第1級1号
の場合の慰謝料を計算してみましょう。
| 入通院慰謝料(傷害慰謝料) | 自賠責基準:120万円 | 弁護士基準:321万円 |
| 後遺障害慰謝料 | 自賠責基準:1650万円 | 弁護士基準:2800万円 |
| 合計 | 自賠責基準:1770万円 | 弁護士基準:3121万円 |
このケースだと、自賠責基準で1770万円ほど、弁護士基準で3121万円ほどが目安になります(差額1351万円)。
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