1級 3級 7級 学生 弁護士変更 歩行者vs四輪車・バイク 示談 醜状 頭・脳 高次脳機能障害
小学生の交通事故で、高次脳機能障害3級と醜状障害7級の併合1級が認定され、2億円以上を獲得して示談解決した事例
交通事故被害者Dさん(10代、小学生)

今回ご紹介するのは、交通事故被害者Dさん(10代、小学生)の解決事例です。
Dさんは徒歩で車にひかれ、高次脳機能障害を負ってしまいました。
ご依頼を受けた弁護士の前田和基は、
後遺障害等級併合1級を獲得、
合計2億円以上を獲得して示談解決しました。
弁護士はどのように本事案を解決したのでしょうか?
交通事故被害者専門弁護士が解説します。
重度後遺障害が残るようなケースでは、適切な後遺障害等級が獲得できるかはもちろん、
経験や知識に基づいた請求を行うかどうかで受け取れる損害賠償金が大きく変わります。
弁護士法人小杉法律事務所では、
交通事故被害を専門とする弁護士が適正な損害賠償額の獲得に向けて共に戦います。
お子様が大きなお怪我をされ、ご不安をお抱えのお父様・お母様は、ぜひ一度弁護士法人小杉法律事務所にお問い合わせください。
交通事故被害者側専門弁護士のサポート内容についてはこちらのページから。
事故とご依頼前の状況について

事故について
Dさんは、道路に停車中の車の後方から道を横断しようとして、対向車線を走行してきた車にひかれるという事故に遭いました。
左足の大腿骨と頭部が車の下敷きとなり、すぐに救急搬送され、急性硬膜下血腫と左大腿骨骨折の怪我で、開頭手術となります。
2か月間入院し、その後も通院を続けていましたが、高次脳機能障害、足の疼痛、醜状障害などが残りました。
Dさんの症状
外傷によるもの
・左大腿骨骨折による痛み・可動域制限。
・痛みにより5分以上の立位や、30分以上の座位が困難。
・開頭手術の影響による頭部のへこみ、左足の傷跡(醜状障害)。
・今後成長していくにつれ、左右の足の長さが変わってくるリスクがある(下肢短縮)。
高次脳機能障害によるもの
・感情・意思をつかさどる前頭葉と、視覚をつかさどる後頭葉の挫傷。
・物忘れがあり、指示を覚えていられない。集中力や理解力が低下し、物事を順番にこなせない。自発性やIQの低下。
・日常的なことがわからなくなり、食事や着替え等にも家族の手伝いを要する。
・支援学級に移動。 文章を考えることが困難。学校の準備ができない。
・同じ話を繰り返す、会話が理解できない等、コミュニケーション能力が低下。
・性格が内向的に変わり、感情のコントロールが困難になった。
・著しく疲れやすくなり、少しの外出等でぐったりしてしまう。
診断
・重傷頭部外傷・気脳症・左前頭葉脳挫傷・右後頭葉脳挫傷・皮下水腫
・急性硬膜下血腫・急性硬膜外血種・蝶形骨洞内血種・帽状腱膜下血種・後頭蓋窩硬膜下血腫
・左ラムダ縫合離開骨折・左後頭乳突縫合離開骨折・右椎体骨骨折・左大腿骨遠位端骨折など
相談のきっかけ・弁護士変更
Dさんのご両親様は、当初は弊所とは別の大手法律事務所に依頼をしていました。
高次脳機能障害の治療は長期間となるため、醜状障害の後遺症申請だけ先にを行う予定でした。
しかし、当該法律事務所では、醜状障害の診断書作成については弁護士側で特に対応できることはないとの方針で、手続きに必要な書類も自分達で用意する必要がありました。
また、後遺障害等級の見立ても9級以下との考えで、ご両親様と見解が異なりました。
そのため不安になったご両親様は、交通事故の被害者専門である弊所にお問い合わせくださいました。
法律相談・等級の見立て

法律相談では、まず醜状障害の等級申請や判例についてご説明させていただきました。
Dさんの傷の状態からすると、醜状障害では少なくとも9級は獲得できるのではないかとの見立てでした。
また弊所では、後遺障害等級の申請にあたって、医師宛の書面の作成や、提出する書面の内容の精査などを行っており、醜状障害についても同様に対応させていただくことになります。
また、高次脳機能障害の等級の大まかな分類としては、
1級は、寝たきり等の全面的に介護が必要な場合、
2級は、常に他者の監視や介護がないと生命の危機があるような場合、
3級は、上記まではないものの就労が困難な場合、というイメージになります。
Dさんの症状を考えると2級以上の認定は困難ですので、高次脳機能障害で目標とする等級は3級になるというのが弁護士の見解でした。
以上のように、醜状障害の等級獲得においても弁護士がサポートすること、
高次脳機能障害の等級の方針がご両親様の意向と合っていたことが決め手となり、
弁護士を変更して弊所にご依頼いただけることになりました。
醜状障害の等級獲得
高次脳機能障害では、治療が長期間となるだけでなく、後遺障害等級の審査も通常よりも長く、結果が出るまで約半年ほどかかります。
そのため、少しでも早く補償が受けられるように、すでに症状固定となっており審査期間も通常2か月程度である醜状障害だけ、先に後遺障害の申請を行うことになりました。
そこで、ご依頼前に作成された後遺障害診断書を確認したところ、醜状障害以外の症状も記載されており、治療途中の高次脳機能障害も審査されてしまう内容になっていました。
そのため、高次脳機能障害については治療中であり別途申請を行うこと、今回は醜状障害のみの申請であることを申し添えた上で申請を行いました。
また、醜状障害では後遺障害の審査において、実際の傷の状態や大きさを確認するために自賠責との面談が行われます。
今回は弁護士付き添いの上で面談を実施しました。
その結果、頭部の手術痕や陥没に後遺障害等級7級12号が認定され、自賠責より約1000万円が支払われました。
醜状障害で認められる等級は、7級・9級・12級のいずれかですので、最も高い等級が獲得できたことになります。
高次脳機能障害の等級獲得

症状固定時期について
小児の高次脳機能障害では、成長が阻害されることで障害の程度が大きくなる可能性があり、5年や10年といった長期にわたり経過観察が必要です。
しかし、完全に治療が終了するまで後遺障害等級申請や賠償請求ができないとなれば、いつまでも補償が受けられず不都合です。
そのため、ある程度で区切りをつけて症状固定とし、後遺障害等級の申請に進むことになります。
症状固定の時期は、医師が治療状況をみて判断します。
高次脳機能障害の症状経過は個人差も大きいため一概には言えませんが、1年半程度で症状固定とするケースが多く、長いケースでは3年程度かかる場合もあります。
Dさんの場合、ご依頼の時点で事故から1年強が経過しており、ご両親様も先に進みたいという意向でした。
そこで、弁護士が書面を作成し、事故後1年半の時点で症状固定にできないかを医師にご相談したところ、方針に同意いただき、1年半で症状固定になりました。
必要書類の収集・作成
後遺障害診断書の作成
後遺障害診断書の作成時には、主治医との打ち合わせを行うため、弁護士が通院に同席しました。
そこでDさんの症状について医学的な見解をお伺いしたうえで、等級獲得のために診断書に記載いただきたい内容についてご説明させていただきました。
さらに、後遺障害診断書の完成後には再度医師面談を行い、診断書の詳細な内容や、その他追加で記載できる事情がないか等について協議させていただきました。
その結果、記載されていなかった症状について追記いただくなど、内容をご修正いただき、過不足のない後遺障害診断書をご作成いただけました。
その他の資料
高次脳機能障害の後遺障害等級申請では、Dさんの日常生活の様子や変化を記載する「日常生活報告書」という書類を提出します。
Dさんの場合、ご両親様が毎日Dさんの経過や様子を記録していたため、その記録を元に弁護士と保護者様で協議を繰り返し、日常生活報告書を作成しました。
また、小児高次脳の場合、家での様子だけでなく、事故前後の学校での様子の変化も重要な判断要素となります
そのため、Dさんの学校生活の変化をお伺いすべく、弁護士が学校にお伺いし、教員から直接お話をお伺いする機会を設けていただきました。
そこでお伺いした内容を元に、学校生活や学習状況の変化、教員や友人とのコミュニケーションでの変化等について記載した教員の陳述書を作成しました。
後遺障害等級の認定
こうして作成された後遺障害診断書や日常生活報告書、陳述書をもとに後遺症の申請を行いました。
その結果、高次脳機能障害で後遺障害等級第3級3号が認定され、
すでに認定されていた醜状障害7級と総合した結果、併合1級との判断でした。
これにより、自賠責保険金約2000万円が追加で支払われました。
前述のとおり、Dさんの症状を考えると2級以上の認定は困難でしたので、3級は認められうる中で最も高い等級でした。
示談交渉

裁判を行うかの検討
ご両親様は適切な補償を強く望まれており、裁判を行いたいというご意向でした。
裁判になれば、後遺障害等級も裁判所が一から判断しなおすことになります。
裁判所は自賠責よりも高次脳機能障害に関する等級の判断が厳しく、判例の傾向を見ても自賠責よりも低い等級をつけている例が少なくありません。
そのため、裁判を行うとなると、等級が変わらなければ示談よりもが高い賠償金が望める一方で、
等級が下がってしまうと、賠償額も下がるリスクがあります。
そこでまずは示談交渉を行い、保険会社の提示金額により裁判を行うか検討することになりました。
弁護士の交渉により1億7500万円で示談
今回のケースで裁判を行った場合に期待できる金額は1億4000万円ほどでしたので、保険会社の提示が1億を超えれば示談、下回るようなら裁判という方針になりました。
高次脳機能障害の請求項目や慰謝料についてはこちらのページをご確認ください。
交渉においては、裁判になった場合に提出する訴状を先に作成し、それを相手方に見せて、裁判基準に準じた金額の提示を求め、示談が困難な場合には裁判も辞さないという姿勢で交渉を行いました。
その結果、当初の保険会社の提示金額は約6500万円だったところ、交渉で金額が大幅に上がり、
裁判で見込まれる金額よりもさらに高い1億7500万円の回答が得られましたので、示談となりました。
したがって、先に獲得した自賠責保険金を合わせると合計獲得金額は2億円以上となりました。
ご依頼者様の声

弁護士事務所の選定にあたり、私たちは適切な後遺症等級の獲得を最優先事項といたしました。
同様の症状、資料情報であるにもかかわらず、弁護士による等級の見立ては大きく異なりました。
当初依頼していた弁護士は、本人および私たちへの面談を一切行わず、書面のみでの判断に終始しました。
一方、小杉事務所では、私たちと本人の面談に加え、
クラス担任および教頭先生、主治医との面談も実施していただき、
きめ細やかな対応により、より適切な障害等級の見立てが可能となりました。
弁護士や事務所によって、なぜこれほどまでに差が生じるのでしょうか。
弁護士の介入により賠償額が多少高額になることは当然としても、その対応によっては全く異なる結果となり得ます。
その点、弁護士法人小杉事務所は私たちの期待を大きく上回り、その選択は間違いないと断言できます。
おそらく、代表弁護士の方針が反映されているのでしょう。
この度は長きにわたり誠にありがとうございました。
弁護士前田和基のコメント

今回の事故により、Dさんはこの先も継続して治療が必要になり、将来にも非常に大きな影響が出てしまいました。
その分の適切な後遺障害等級が認められ、賠償も想定より高い金額を獲得することができて本当に何よりです。
手続きにあたっては、ご本人様やご家族様だけでなく、主治医や学校の先生にも快くご協力いただきました。
皆様のお力添えでこのような結果が獲得できたのだと思います。誠にありがとうございました。
弊所は交通事故の被害者専門の法律事務所として、様々な交通事故案件や後遺症案件を取り扱っております。
後遺障害の認定でお悩みの場合には、ぜひ一度弊所の無料相談をご利用ください。
ご相談者様の事案に合わせて、交通事故の被害者専門の弁護士が、疑問やご不安にお答えいたします。
交通事故被害者側専門弁護士への無料相談はこちらのページから。
弁護士