圧迫骨折・体幹骨骨折 神経症状
胸骨の骨折|医師監修記事・後遺障害専門の弁護士法人小杉法律事務所

こちらの記事では、胸骨の骨折について整理しています。
なお、本記事は損害賠償請求を専門に取り扱う弁護士小杉による執筆記事となりますが、医学的事項を含むため、医学博士早稲田医師(日本精神神経学会専門医・指導医、日本臨床神経生理学会専門医、日本医師会認定産業医)に記事のご監修をいただいております。
胸骨とは

上図は、胸部の骨の状態を前面から見たものになります。
胸骨とは、人体の胸部前面にある骨のことで、上部から順に胸骨柄(きょうこつへい)、胸骨体(きょうこつたい)、剣状突起という3つの部位から構成されます。
また、胸骨柄と胸骨体のつなぎ目部分はやや前方に突出しており、これを胸骨角といいます。
胸骨は肋軟骨(ろくなんこつ)を介して肋骨(第1~第7肋骨)と直接つながって、肋骨は身体の後面で胸椎の椎体とつながっています。
そして、胸骨、肋軟骨、肋骨、胸椎を合わせて胸郭(きょうかく)と呼びます。
胸骨骨折の原因
胸骨骨折は、外力が前胸部正中に作用したときに発生することが多いです。外傷によるものでは直達外力と介達外力に分けられます。
※直達外力:受傷部位に直接的に働く外力
※介達外力:受傷部位から離れた部位に働く外力、間接的に働く外力
直達外力では交通事故でのハンドルやシートベルトによる打撲などにより生じます。
介達外力では、胸部に屈曲・圧縮の力が加わった際に第1・第2肋骨を通じて胸骨柄が後方に引かれ、力学的に脆弱な胸骨角付近に骨折を生じることがあります。
また、肋骨、肩甲骨、鎖骨、胸椎の骨折と合併していることが多いと言われます。
(標準整形外科学(第15版)(医学書院)、815頁)(今日の整形外科治療指針(第8版)(医学書院)、660頁)
胸骨骨折の症状
(標準整形外科学(第15版)(医学書院)、815頁)
主な症状としては、前胸部に疼痛が生じます。この疼痛は、深呼吸や咳をしたり、体を動かしたときに増強することもあります。
この他、胸部に圧痛や腫脹が生じることもあります。
また、折れた骨の骨片についてずれが生じてしまった(転位といいます。)場合や、骨折部位が陥没した場合、骨片による突出が生じた場合には、前胸部に階段状変形がみられることもあります。
胸骨骨折の検査について
(標準整形外科学(第15版)(医学書院)、815頁)

単純X線検査では20°斜位像・側面像の2方向を撮影します。
受傷機転や外力の大きさから、脊椎や肋骨など他の部位の骨折や胸腹部の臓器損傷の合併が疑われる場合には、立体的に骨の状況を撮影・確認することができるCT画像検査も有用とされています。
胸骨骨折の治療方針
(標準整形外科学(第15版)(医学書院)、555頁)
バストバンド固定などの保存療法で骨癒合が得られますが、遷延癒合例や胸椎骨折を伴った不安定性骨折では、金属プレートを用いた整復固定手術を行うこともあります。
胸骨骨折の後遺症で認定されうる後遺障害等級

自賠責保険に関する法令である自動車損害賠償保障法施行令の別表に示される後遺障害としては、以下のようなものが想定できます。
⑴体幹骨の変形障害
| 別表第二第12級5号 | 鎖骨、胸骨、肋骨、肩甲骨又は骨盤骨に著しい変形を残すもの |
「著しい変形」とは、裸体となったときに変形や欠損が明らかにわかる程度のものであることが求められます。そのため、レントゲン写真によってはじめて見出される程度のものは該当しません(この点については、採骨による変形の場合も同様です)。
後遺障害申請時には変形や欠損が外観上判別しやすい写真を撮影し、添付するのが有用です。
⑵神経症状
受傷部位に疼痛等の症状が残存した場合に認定される可能性があります。
| 別表第二第12級13号 | 局部に頑固な神経症状を残すもの |
| 別表第二第14級9号 | 局部に神経症状を残すもの |
痛みが残存していることについて、画像所見等の他覚的所見によって客観的に立証できる場合には第12級13号が、他覚的所見による客観的立証はできないものの、症状経過や治療状況等を総合的に考慮すると将来的に痛みが残存することが説明可能である場合には第14級9号が認定されます。
おわりに

本記事では、胸骨骨折はどのような傷病か、また胸骨骨折の症状と自賠責の後遺障害等級の関係について解説いたしました。
弁護士法人小杉法律事務所では、被害者専門・後遺障害専門の弁護士が無料で法律相談を行っております。
交通事故で胸骨骨折を負傷してお悩みの方、また後遺障害や損害賠償請求についてお悩みの方は、
ぜひ一度、弁護士法人小杉法律事務所の無料相談をお受けください。
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