後遺障害等級の解説

後遺障害等級一般論 骨折 上肢 下肢 神経症状

剥離骨折(弁護士法人小杉法律事務所監修)

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こちらでは、剥離骨折について整理しています。

骨折とは

(標準整形外科学第15版(医学書院)、743頁)

骨が何らかの原因によって、その解剖学的な連続性を絶たれた状態を骨折といいます。

骨折を起こすには、骨が全身的あるいは局所的疾患のために病的に弱体化していることを除けば、十分に強い外力が作用することが必要です。

剥離骨折(はくり骨折)/裂離骨折(れつり骨折)

裂離骨折(れつりこっせつ)ともよばれます。

骨折について外力の作用方向から分類した際、屈曲骨折や圧迫骨折等様々ありますが、剥離骨折(裂離骨折)はその一分類です。

→骨折の分類についてはこちらの記事で詳細を記載しています。子2

骨折の原因

(標準整形外科学第15版(医学書院)、504、746頁)(今日の整形外科治療指針第8版(医学書院)、865頁)

裂離骨折は、筋肉の瞬間的な収縮によって生じます。

大腿四頭筋の収縮による下腿腸骨棘骨折や脛骨粗面骨折上腕三頭筋の収縮による肘頭骨折などが含まれます。

捻挫時などに腱や靱帯によって足指に裂離骨折を生じる場合や、手指にマレットフィンガー(槌指)を受傷した際にも発生しえます。

マレットフィンガー(槌指)についてはこちらの記事で整理しています。

骨折後の症状

受傷部位に疼痛や腫脹等が生じえます。

必要な画像検査

診察・後遺障害診断

X線検査のほか、剥離骨折による骨片が小さな場合等はCT撮影等も主治医の先生と相談しましょう。

治療指針

(標準整形外科学第15版(医学書院)、504頁)

こちら、手指のマレットフィンガー(槌指)による裂離骨折の場合についての記載になります。

骨折の転位が少なければ保存療法を行いますが、骨片の転位が大きい場合や掌側脱臼例については手術療法を行います。

剥離骨折後の後遺症

自賠責保険に関する法令である自動車損害賠償保障法施行令の別表に示される後遺障害として、以下のものが認定される可能性があります。

こちらの記事では、手指や足指に裂離骨折が起きた場合を想定して整理します。

→手指、足指の機能障害の認定区分等(「用を廃したもの」とは何かなど)はこちらの記事で整理しています。親

神経症状

骨折部位に疼痛等が残存した場合です。

別表第二第12級13号  局部に頑固な神経症状を残すもの
別表第二第14級9号  局部に神経症状を残すもの

機能障害(手指)

骨折部位に関連した手指関節に可動域制限が残存した場合です。

別表第二第4級6号 両手の手指の全部の用を廃したもの
別表第二第7級7号 1手の5の手指又はおや指を含み4の手指の用を廃したもの
別表第二第8級4号 1手のおや指を含み3の手指の用を廃したもの又はおや指以外の4の手指の用を廃したもの
別表第二第9級13号 1手のおや指を含み2の手指の用を廃したもの又はおや指以外の3の手指の用を廃したもの
別表第二第10級7号 1手のおや指又はおや指以外の2の手指の用を廃したもの
別表第二第12級10号 1手のひとさし指、なか指又はくすり指の用を廃したもの
別表第二第13級6号 1手のこ指の用を廃したもの
別表第二第14級7号 1手のおや指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなったもの

機能障害(足指)

骨折部位に関連した足指関節に可動域制限が残存した場合です。

別表第二第7級11号 両足の足指の全部の用を廃したもの
別表第二第9級15号 1足の足指の全部の用を廃したもの
別表第二第11級9号 1足の第1の足指を含み2以上の足指の用を廃したもの
別表第二第12級12号 1足の第1の足指又は他の4の足指の用を廃したもの
別表第二第13級10号 1足の第2の足指の用を廃したもの、第2の足指を含み2の足指の用を廃したもの又は第3の足指以下の3の足指の用を廃したもの
別表第二第14級8号 1足の第3の足指以下の1又は2の足指の用を廃したもの

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交通事故等で剥離骨折を受傷した場合、加害者に対しての損害賠償請求を適切に行うために、骨折の受傷態様や残存した後遺障害についての立証資料を適切に収集する必要があります。弁護士法人小杉法律事務所の所属弁護士に是非ご相談ください。

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この記事の監修者弁護士

小杉 晴洋 弁護士
小杉 晴洋

被害者側の損害賠償請求分野に特化。
死亡事故(刑事裁判の被害者参加含む。)や後遺障害等級の獲得を得意とする。
交通事故・学校事故・労災・介護事故などの損害賠償請求解決件数約1500件。

経歴
弁護士法人小杉法律事務所代表弁護士。
横浜市出身。明治大学法学部卒。中央大学法科大学院法務博士修了。

所属
横浜弁護士会(現「神奈川県弁護士会」)損害賠償研究会、福岡県弁護士会交通事故被害者サポート委員会に所属後、第一東京弁護士会に登録換え。