自転車事故
自転車と車の事故で、自転車側が悪い場合はどうなる?車側が被害者で、修理代や代車代を請求した実際の事例も紹介
2026.09.03

車と自転車の事故では、基本的に車の方が過失が大きいとされる場合が多くなります。
それでは、自転車側が悪いとされるのはどのような場合なのでしょうか?
本稿では、自転車側の過失が大きく車側が被害者というケースについて、実際の事例なども踏まえて解説します。
なお、自転車側が被害者で、車に対して請求を行う場合については、以下のページで解説しております。
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自転車と車の事故で、自転車の方が過失が大きくなるケースとは?

自転車と車の事故では、自転車側は交通弱者として保護されるため、車側の過失割合が大きく設定される傾向があります。
そのため、自転車の方が悪いとされるのは、自転車側が赤信号である場合、車側が優先道路である場合、停止している車に衝突した場合など、自転車側に明らかな過失がある場合に限られます。
自転車vs車の事故の過失割合については、以下のページで事故状況ごとの解説をしておりますのでご参照ください。
自転車側が加害者、車が被害者の場合の請求の注意点

車側の被害は軽微とみなされ、損害が争われることがある
車と自転車の事故では、一般的に車が受ける衝撃はそこまで大きくありません。
そのため、事故の衝撃でむち打ち等を発症しても、「ケガをするほどの事故ではなかったので、治療費等を含む人損については一切賠償しない」といった主張をされる場合があります。
また物損も、事故態様によっては、車の傷が本当に今回の事故で着いた傷なのか、元々あった傷ではないのかと争われることもあります。
このように、事故と被害の因果関係の立証が必要になる場合があります。
自賠責のような後遺障害等級を認定する機関がない
後遺障害が残った場合、適切な後遺障害等級が認定されるか否かによって、賠償額は非常に大きく変わってきます。
そのため、交通事故では適切な後遺障害等級の認定をうけることが非常に重要です。
車同士の事故で後遺症が残ってしまった場合は、中立機関である自賠責が後遺障害等級の認定をしてくださいます。
しかし、自転車との事故では自賠責がありませんので、等級認定をしてくれる中立機関がありません。
このような場合の等級の決定方法は、状況により異なってきます。
別の機関に等級認定していただける場合
相手方が任意保険に加入している場合には、保険会社が等級認定をしてくれる場合もあります。
しかし、相手方保険会社の審査となりますと、中立性に疑問は残ります。
また、通勤中の事故などであれば、労災に等級申請をするという方法があります。
ただし、労災と自賠責では等級認定の方法や難易度が少し異なります。
提出された書類のみで審査を行う自賠責に対し、労災では原則被害者との面談や労災協力医による検査などを実施した上で審査が行われ、自賠責よりも労災の方が比較的等級が認められやすい傾向にあります。
任意保険会社は自賠責の判断に重きを置いているため、労災で認定された等級通りの賠償額では示談に応じてくれず、等級が争いになる場合もあります。
等級認定する機関が完全にない場合
相手方保険会社が等級認定を行っていない場合や、そもそも相手が任意保険に加入していない場合など、等級認定をする機関が存在しない場合もあります。
この場合は、被害者自身が後遺障害等級の何級にあたるかを判断して相手方に主張・立証し、等級と賠償金額の両方を相手方と交渉しなければなりません。
しかし、等級判断は医療と法律の専門的な知識が要されますので、こうなると個人で適切な賠償額を獲得するのはかなり難しくなってくるものと思われます。
自転車側が任意保険に加入しておらず、加害者との直接交渉になる場合がある
加害者が自動車であれば、自賠責保険から最低限の賠償が保証されており、多くの方は任意保険にも加入しています。
しかし、相手が自転車となると、自転車保険や個人賠償責任保険等の任意保険に一切加入していないことも、しばしばあります。
そうなると、加害者と直接、賠償額等の交渉をしなければなりません。
加害者との直接交渉となると、賠償額を受けて入れていただけず解決まで長引いたり、資力的な問題で十分な賠償が得られなかったりといった問題が生じることもありえます。
解決事例紹介:自転車側の全面的な過失で車に傷がつき、修理代を請求した事例

事故状況・相談に至った経緯
本件事故は、自宅の駐車場に停めていたEさんの車に、自転車が接触して傷をつけたというものです。
自宅の前は狭い道で、駐車禁止であったにもかかわらず、業者のトラックが路肩に停車しており、被害車両とトラックの間は人が一人通れるくらいしか空いていませんでした。
Eさんは、危ないのでトラックを移動させてほしいと業者に話しに行きましたが、移動もしてくれませんでした。
その後、トラックと被害車両の隙間を通ろうとした自転車が、車にハンドルをぶつけて傷をつけ、そのまま立ち去ってしまったのです。
事故の瞬間は、車のドライブレコーダーに完全に録画されていました。
Eさんの車は高級車でしたので、本件事故で100万円近くの修理代が発生することになってしまいました。
自転車側に対して請求を行おうにも、加害者はそのまま立ち去ってしまったため、身元がわかりませんでした。
警察に言っても、人損がないので捜査はしないと言われてしまい、加害者の身元は調べられませんでした。
また、本件事故は、駐車禁止の場所に業者がトラックを停めていたことが、そもそもの原因です。
そこで、Eさんは業者の方に修理代の支払いを求めましたが、「ぶつけたのは自転車なのだからそちらに請求するように」と言われ、業者にも支払いを拒否されてしまいました。
困ったEさんは、業者に対する修理代の請求を、弁護士に依頼することにしました。
トラック側は賠償を拒否したものの、自転車運転者の身元が判明

本件事故は、自転車とトラックの共同不法行為であり、トラックに対する賠償請求も可能だと弁護士は考えました。
そこで、ご依頼を受けた弁護士は、業者に対して内容証明郵便を送り、交渉を行うことにしました。
また、本件事故後も、Eさんの自宅前にはトラックの停車が多発していました。
そこで、再発防止のため、弁護士が警察や役所に働きかけたところ、警察のパトロール強化、本件道路が駐車禁止であることを周知する看板の設置等をしていただけることになりました。
その後、弁護士が業者との交渉を繰り返しましたが、
「車の傷が、この時の自転車によってついた傷なのかどうかが確認できない。
事故の瞬間の映像があるなら自転車の運転者の特定もできるのではないか、そちらに請求すべきだ。」
といって業者は一切の支払いを拒否しました。
そこで、裁判を行うべく、提訴準備を進めることになりました。
しかしこの頃に、偶然Eさんが自転車に乗っている加害者を見かけ、普段自転車が停まっている建物が発覚しました。
その情報を警察に伝えて捜査していただいたところ、加害者の身元が判明しました。
そこで、加害者に対しての交渉を行う方針に切り替えました。
加害者と交渉し、修理代全額と代車代で合計100万円以上を獲得して示談解決

加害者に対して賠償請求をしたところ、加害者に代理人がつきました。
その後、「確かに現場を通ったのは間違いないが、傷をつけた認識はなかった。事故態様を確認したい。」という連絡をいただきました。
そこで、ドライブレコーダー映像などをお見せしたところ、加害者は傷をつけたことを認め、賠償してくださることになりました。
幸い、加害者は個人賠償責任保険に加入していましたので、そこから賠償を受けられることになりました。
被害車両が高級車であり、修理代や代車代が高額であったため、その後金額の交渉をすることになりましたが、
最終的には、修理代全額に代車代を加えた100万円以上が支払われ、示談解決となりました。
自転車側の過失が大きい事故で、車の修理代等を請求する際のまとめ

上記の事例のように、自転車と車の事故では、車両の傷が比較的小さいこともあり、そういった場合には「もともとあった傷ではないか」「本当にこの事故によって生じた傷なのか」と争われたり、「傷に対して修理代が高いのではないか」と金額が問題になったりすることがあります。
また、加害者本人と何度も直接やり取りして、交渉をしなければならない場合もあります。
弁護士に依頼すれば、そのような交渉も含め、加害者や保険会社とのやり取り全般を専門家に任せることができますので、対応にお悩みの場合には、一度専門の弁護士にご相談されることをお勧めします。
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当該解決を行った弁護士前田和基の経歴やその他解決事例等についてはこちら。
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