交通事故でむち打ち損傷を負った場合の慰謝料表は?
交通事故
交通事故の損害賠償請求において、
請求費目のひとつに傷害慰謝料(入通院慰謝料ともいいます)というものがあります。
これは、治療期間や入通院日数に応じてその金額が算定されるものとなります。
交通事故で、任意保険会社が損害賠償金の算定を行う場合には、
任意保険会社内部で定められた慰謝料表があり、それに基づき算定がなされます。
一方、被害者側に弁護士が入る場合は、
損害賠償額算定基準である「赤い本」における慰謝料表を基準に算定されることとなります(この基準を赤本基準や弁護士基準といいます)。
なお、任意保険会社基準は赤本基準(弁護士基準)よりも低額となっています。
赤本には、別表Ⅰ・別表Ⅱと呼ばれる2つの慰謝料表があります。
下表をご覧ください(横軸は入院期間、縦軸は通院期間、金額単位は万円。)。
傷害慰謝料を算定するにあたり、原則としては入通院期間を基礎として別表Ⅰを使用するとされています。
ただし、「むち打ち症で他覚所見がない場合等」は入通院期間を基礎として別表Ⅱを使用することとされています。
ここでいう「むち打ち症で他覚所見がない場合等」とは、損害賠償請求実務上においては次のように解釈されています。
(i) むち打ち症で他覚所見がなく、後遺障害等級について非該当である場合
(ii) 軽い打撲である場合
(iii) 軽い挫創である場合
そのため、むち打ち症で他覚所見がない場合でも、
第14級9号などの等級認定がなされているケースにおいては原則どおり別表Ⅰを用いて傷害慰謝料を算定します。
では、別表Ⅰと別表Ⅱでどのくらい傷害慰謝料の金額が変わってくるでしょうか。
例として、交通事故でむち打ち損傷を負い、6か月通院したケースを考えてみましょう。
14級9号が認定がされ、別表Ⅰで算定する場合は、縦軸が通院6か月・横軸が入院なしのところを見るので、116万円となります。
他方、等級非該当で別表Ⅱで算定する場合は、同様に表を見ると89万円となります。
つまり、等級認定の有無によって、傷害慰謝料は27万円も異なってくるのです。
加えて、14級9号が認定された場合には、後遺症慰謝料として110万円も請求できるようになるので、
等級の有無による慰謝料の金額差は137万円とより大きなものとなります。
むち打ち損傷において等級が認定されるかどうかは、
損害賠償請求額の面でも大きな分水嶺となるわけですね。
弁護士を入れたほうがよいかどうかは、
等級が認定される可能性や、弁護士費用特約の加入の有無などによっても大きく異なるところがあります。
被害者の方で、弁護士を入れたほうがよいのかお悩みの方は、
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