NEWS & COLUMN

お知らせ&コラム

弊所前田和基弁護士が被害者参加代理人弁護士として参加した刑事裁判で被告人に実刑判決が言い渡されました。

2024.09.12

活動内容・実績

刑事裁判 被害者参加
読売新聞の当該記事

読売新聞の当該記事

令和6年8月30日に大津地方裁判所にて行われた刑事裁判に、

被害者参加人代理人弁護士として弊所前田和基弁護士が出廷しました。

 

本件裁判は、令和6年3月11日に発生した交通事故について、過失運転致傷罪に問われている北脇優大被告人に対する刑事裁判でした。

北脇被告人は事故時、右手に携帯電話を持ち、

通話をしながら左手だけでハンドルを操作してダンプカーを運転しながら漫然と滋賀県野洲市の交差点に赤信号のまま進入し、

青信号で横断歩道を渡っていた当時8歳の児童に衝突し、意識が回復する見込みがなく、生涯介護を必要とすると医師に判断されるほどの重い障害を負わせました。

 

弊所前田和基弁護士はこの児童のご両親からご依頼を受け、被害者参加代理人弁護士として出廷し、

ご家族の心情意見陳述のサポートや、証人尋問、被告人質問や論告意見などを行いました。

被害者参加制度の概要はこちらから。)

 

そして令和6年8月30日の裁判で、被告人に対し、

  • 不注意の程度は著しい
  • 何の落ち度もない当時8歳の被害者に生じた結果は、死亡に匹敵するほど重大
  • 被害者の父母らの精神的衝撃や苦痛も甚大

などの要素を踏まえ、禁固2年4月の判決が言い渡されました。

 

過失運転の場合は被害者の方が亡くなってしまった場合でも執行猶予になることが多いため、

実刑判決が下されたことには大きな意味があります。

交通事故加害者の刑期等についての解説はこちらから。)

 

弁護士法人小杉法律事務所は被害者側の損害賠償請求専門とする法律事務所として、

被害者参加制度の利用をはじめとした被害者の方に寄り添ったサポートを積極的に行ってまいります。

 

前田和基弁護士のコメント

今回の判決は社会的に意義のある判決だったと考えています。

現行法では、運転中にスマートフォンを使用するいわゆる「ながら運転」は、多くの死傷者を出している危険で悪質な運転方法であるにもかかわらず、

危険運転致死傷罪の構成要件に該当せず、過失犯となるため、司法や検察も厳罰を科すのに慎重な姿勢を見せることが多いです。

今回も危険運転致傷罪の構成要件に該当せず、過失運転致傷罪での起訴となりました。

しかし、被告人の危険な運転態様(20分以上の通話、赤信号看過、片手運転等)、

被害者の受けた被害の大きさ(頭部への重症外傷により脳の大部分を摘出、家族の精神的苦痛の大きさ)を司法がきちんと受け止めてくれた結果が、

今回の実刑判決であると感じています。

今後同じような被害を生まないよう、ながら運転の抑止力が働くような判決になってほしいと考えています。

 

 

野洲市の小学生をダンプカーではね重体の事故 被告に実刑判決

通話しながら運転、小学生はねる 被告に禁錮2年4月 大津地裁判決

この記事の監修者弁護士

小杉 晴洋 弁護士
小杉 晴洋

被害者側の損害賠償請求分野に特化。
死亡事故(刑事裁判の被害者参加含む。)や後遺障害等級の獲得を得意とする。
交通事故・学校事故・労災・介護事故などの損害賠償請求解決件数約1500件。

経歴
弁護士法人小杉法律事務所代表弁護士。
横浜市出身。明治大学法学部卒。中央大学法科大学院法務博士修了。

所属
横浜弁護士会(現「神奈川県弁護士会」)損害賠償研究会、福岡県弁護士会交通事故被害者サポート委員会に所属後、第一東京弁護士会に登録換え。

弁護士小杉晴洋の詳しい経歴等はこちら

CONTACT

事故のご相談、採用・取材についてなど、
お問い合わせはこちらから。

お電話でのお問い合わせ

受付時間:平日土曜9:00-17:30

 

メールでのお問い合わせ

メールフォームへ
トップへ戻る