後遺障害等級の解説

骨折 上肢 神経症状

前腕骨骨折について(弁護士法人小杉法律事務所監修)

前腕部の構造

↑のイラストは手のひらをこちらに向けた右上肢を正面から見た構図です。

前腕骨は橈骨(とうこつ)と尺骨(しゃっこつ)の2本の長管骨(ちょうかんこつ)で構成されます。

上肢の3大関節のうち、遠位では手関節、近位では肘関節に関連します。

上肢の3大関節の詳細はこちらの記事をご覧ください。

前腕骨を骨折した場合の症状や後遺障害等について

前腕部には橈骨と尺骨の2本の長管骨がありますので、前腕部の骨折としては、橈骨骨幹部骨折か尺骨骨幹部骨折、あるいはその両方が考えられます。

前腕への直達外力か、転倒などによって軸圧と捻転力が加わって生じます。直達外力によるものでは、橈骨と尺骨がほぼ同じ部位で横骨折を生じることが多く、捻転力によるものでは橈骨と尺骨が異なった部位で骨折し、斜骨折ないし螺旋骨折を生じることが多いと言われています。

橈骨、尺骨ともに骨折する場合は作用した外力が強く、骨片の転位があることが多いです。単純X線検査では、骨片の回旋を見るために肘・手関節を含め、正面像と側面像を撮影します。

前腕両骨骨折は基本的に不安定で、正確な解剖学的整復を得なければ前腕の回内・回外の機能障害を残すことになります。そのため、特に成人では原則的には手術療法が必要になります。しかし、安定した骨折や良好な整復位が得られれば保存療法も可能です。前腕骨骨幹部は、橈骨・尺骨ともに皮質が厚くて髄腔が狭く、特に遠位部においては筋肉の被覆が少なく血行が悪いため、遷延癒合や偽関節を形成しやすいといわれています。

橈骨骨幹部骨折の症状や後遺障害等級の詳細はこちらの記事をご覧ください。

尺骨骨幹部骨折の症状や後遺障害等級の詳細はこちらの記事をご覧ください。

手首または肘部の骨折について

橈骨と尺骨の遠位部(体から遠い位置)は手首関節になりますが、手首部分の骨折についてはこちらの記事をご覧ください。

また、橈骨と尺骨の近位部(体に近い位置)は肘関節になりますが、肘部分の骨折についてはこちらの記事をご覧ください。

弁護士に相談を

交通事故等の外傷で前腕骨に骨折を受傷した場合、損害賠償請求を加害者側に対し適切に行うために、前腕骨骨折の受傷態様や残存した後遺障害についての立証資料を適切に収集していく必要があります。弁護士法人小杉法律事務所の所属弁護士による無料相談を、是非ご活用ください。

この記事の監修者弁護士

小杉 晴洋 弁護士
小杉 晴洋

被害者側の損害賠償請求分野に特化。
死亡事故(刑事裁判の被害者参加含む。)や後遺障害等級の獲得を得意とする。
交通事故・学校事故・労災・介護事故などの損害賠償請求解決件数約1500件。

経歴
弁護士法人小杉法律事務所代表弁護士。
横浜市出身。明治大学法学部卒。中央大学法科大学院法務博士修了。

所属
横浜弁護士会(現「神奈川県弁護士会」)損害賠償研究会、福岡県弁護士会交通事故被害者サポート委員会に所属後、第一東京弁護士会に登録換え。