慰謝料
ひき逃げされた場合の慰謝料はどうなる?弁護士解説
2024.12.26
このページでは、交通事故被害者側の損害賠償請求を専門とする弁護士が、
- ひき逃げとは?
- ひき逃げで慰謝料請求するための条件
- ひき逃げで慰謝料請求する場合の相場と注意点
等について解説します。
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ひき逃げとは?
交通事故を発生させてしまった場合、運転手は直ちに負傷者を救護し、かつ警察に事故発生を報告する義務があります。(道路交通法第72条)。
交通事故を発生させたにもかかわらずこの義務を履行しない場合をひき逃げといいます。
ひき逃げは、
- 10年以下の懲役
- 100万円以下の罰金
といった刑事罰が科せられるだけでなく、
民事の損害賠償責任も当然発生します。
被害者側としては、受けた損害について適切な賠償を得られるように請求を進めていくことが必要になります。
ひき逃げで慰謝料請求するための条件
そもそも慰謝料を含む損害賠償の請求をすることができるのは民法上に規定があるからです。
民法709条「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。」
民法710条「他人の身体、自由若しくは名誉を侵害した場合又は他人の財産権を侵害した場合のいずれであるかを問わず、前条の規定により損害賠償の責任を負う者は、財産以外の損害に対しても、その賠償をしなければならない。」
この民法709条と710条の規定により、被害者は受けた損害の賠償を請求することができるわけですが、
相手方とできるのは「損害賠償の責任を負う者」です。
したがって、そもそもひき逃げの加害者を特定できなければ請求はできません。
ひき逃げをされた場合には、すぐさま警察に連絡し、すこしでも加害者を発見できる可能性を上げるとともに、
交通事故被害を受けたという事実を交通事故証明書という形で残してもらうことが重要です。
また、加害車両の写真や事故直後の現場の様子などを撮影出来るとよいでしょうし、目撃者がいれば連絡先を聞いておくことも良いでしょう。
近くの防犯カメラ映像を調べたりすることも有用です。
いずれにせよ先ほど述べたように加害者の特定が慰謝料請求の第一歩となりますから、
ひき逃げ加害者の特定を進める必要があります。
加害者の特定が難しい場合には?
加害者の特定が難しい場合には、一切補償を受けることができないのか、というとそうではありません。
こういったひき逃げ被害者の保障のために、政府保障事業とよばれる保障があります(国土交通省ホームページより)。
この政府保障事業により、ひき逃げ被害者は自賠責保険基準と同限度まで補償を受けることができます。
ただし、自賠責保険基準と同じということは損害賠償基準としては最低限度のものとなり、
受けた損害を十分に填補できるわけではありません。
まずは加害者の特定に向けて尽力するべきでしょう。
また、被害者自身が人身傷害保険などの保険に加入していたような場合には、自身の保険から一定程度の保険金を受け取ることができます。
この保険金の請求の際には交通事故証明書の提出などが必要となりますし、どのような場合でも警察に速やかに事故報告をすることは重要です。
ひき逃げで慰謝料請求する場合の相場と注意点
ひき逃げで慰謝料の請求をする場合、原則としては一般的な交通事故の場合に用いられる相場と変わりません。
交通事故被害を受けた場合に請求できるのは
- 入通院慰謝料
- 後遺症慰謝料
- 死亡慰謝料
の3つです。
入通院慰謝料の相場
入通院慰謝料は、事故後の治療のための入通院の期間によって決まります。
後遺症慰謝料の相場
治療をある程度続けたが、これ以上治療を続けても良くならないという状態になることがあります。
この時点を「症状固定」と言い、この時点で残っている症状を「後遺症」と呼び、後遺症の残存が認められると後遺症慰謝料を請求することができます。
後遺症慰謝料は、認定される後遺障害等級に応じて金額が決定されます。
死亡慰謝料の相場
死亡慰謝料は被害者の属性によって決まります。
- 被害者が一家の支柱の場合:2800万円
- 被害者が母親、配偶者の場合:2500万円
- 被害者がその他(独身の男女、子供、幼児等)の場合:2000万円~2500万円
という相場があります。
被害者が死亡した場合、本人固有の慰謝料とは別に、近親者は自身固有の慰謝料を請求することができます。
慰謝料の増額
基本的には先ほど見たような3つの慰謝料のそれぞれの相場に基づいて計算がされますが、
ひき逃げの場合には、加害者は救護義務違反や報告義務違反を犯しています。
これは加害者の故意もしくは重過失と評価することができ、3つの慰謝料を相場から増額させる要素になります。
例えば大阪地方裁判所平成19年4月10日判決(自保ジャーナル1718号21頁)では、
加害者が救護も警察への連絡もせず事故現場から立ち去り、事故発覚を恐れて運行記録チャートを破棄したこと等を考慮し、合計2800万円の慰謝料が認められています。
このように、ひき逃げをされた場合には、しっかりと慰謝料の増額を求めていくことが重要です。
ひき逃げされた場合の慰謝料請求は弁護士に相談しましょう
ひき逃げをされた場合には、まずは加害者の特定をすることが必要です。
加害者の特定ができた場合には、しっかりと慰謝料請求をしていくことが重要です。
慰謝料の請求に当たっては、専門の弁護士に相談することで適切な基準での交渉を行うことができます。
弁護士法人小杉法律事務所では、交通事故被害者側損害賠償請求専門弁護士による初回無料の法律相談を実施しておりますので、
ひき逃げ被害に遭い、慰謝料の請求についてお困りの方は、ぜひ一度弁護士法人小杉法律事務所にお問い合わせください。