入通院慰謝料の計算方法徹底ガイド!正しい金額を知ろう
2025.01.20
損害賠償請求
このページでは、被害者側損害賠償請求を専門とする弁護士が、
- そもそも通院慰謝料とは?
- 入通院慰謝料計算の3つの基準
- 入通院慰謝料の計算方法
- 適切な入通院慰謝料を獲得するためのポイント
について解説します。
弁護士法人小杉法律事務所では、被害者側損害賠償請求専門弁護士による初回無料の法律相談を実施しております。
入通院慰謝料について疑問をお抱えの方は、ぜひ一度弁護士法人小杉法律事務所にお問い合わせください。
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入通院慰謝料とは?
通院慰謝料とは、交通事故などで負った怪我の治療のために通院することによって生じる精神的苦痛や時間的労力に対する賠償金を指します。
損害賠償項目の一つとして、被害者が受けた不便やストレスを緩和するために支払われるものです。
この慰謝料は、事故後の生活におけるさまざまな不便や治療への負担を軽減することを目的としています。
1. 入通院慰謝料
事故の怪我に対する治療のために入院や通院を行った場合に支払われる慰謝料です。
これは、治療期間中に生じる精神的苦痛や通院のために割いた時間への補填としての役割があります。
2. 後遺障害慰謝料
治療が終了しても後遺障害が残った場合に支払われる慰謝料です。
後遺障害が残ることにより、経済的な損失だけでなく、生活の質の低下や精神的苦痛が生じるため、それに対する補填として支払われます。
基準としては後遺障害14級に支払われる110万円から後遺障害1級に支払われる2,800万円までがあります。
3. 死亡慰謝料
交通事故によって被害者が死亡した場合に、遺族に支払われる慰謝料です。この慰謝料は、被害者本人だけでなく遺族が被る精神的苦痛や喪失感を少しでも癒すためのものとされています。
相場は2,000万円〜2,800万円程度です。
それぞれの慰謝料の種類によって、その目的や計算の基準は異なりますので、正しい情報を持ち、適切な金額を請求することが重要です。
ここではこのうち入通院慰謝料について解説します。
入通院慰謝料の算定基準
自賠責保険基準
自賠責保険基準とは、交通事故の被害者が最低限受け取ることができる慰謝料の基準です。
自賠責保険は全ての車両に対して強制的に加入が義務付けられている保険であり、その基準額は国が定めています(自動車損害賠償責任保険の保険金等及び自動車損害賠償責任共済の共済金等の支払基準)。
通常、通院1日あたり4300円が基準となり、被害者の傷害の態様、実治療日数その他を勘案して、治療期間の範囲内で、日数を定めることになっています。
任意保険基準
任意保険基準は、加害者が加入している保険会社が独自に設定する慰謝料の基準です。
具体的な基準額や計算方法は公開されていませんが、自賠責保険基準よりも高額になることが多いです。
しかし、保険会社側はできるだけ支払額を抑えようとするため、提示される慰謝料が被害者の期待にそぐわない場合がほとんどです。その際は、保険会社との交渉が必要となります。
弁護士基準
弁護士基準とは、交通事故の損害賠償請求において弁護士が介入する際に用いられる基準です。
この基準は裁判所の判例や法的な基準(『民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準上巻(基準編)』(公益財団法人日弁連交通事故相談センター東京支部編))に基づいており、
自賠責保険基準や任意保険基準よりも高額になることが多いです。
弁護士が介入することで、保険会社からの最初の提示額よりも大幅に増額されることが多く、適切な慰謝料を受け取ることができます。
入通院慰謝料の計算方法
日額の決定方法
通院慰謝料を計算する際によく出てくる要素が「日額」です。
日額とは、交通事故による精神的苦痛や通院のためにかかる時間に対する慰謝料を1日あたりいくらにするかを決めるものです。
自賠責保険基準では、1日あたりの通院慰謝料は4300円とされており、この基準に基づいて計算されます。
一方、弁護士基準では1日あたりいくらという考え方はせず、通院期間に基づいて計算することが原則です。
この表(『民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準上巻(基準編)』の入通院慰謝料別表Ⅰ)のように、入院・通院の期間によって入通院慰謝料を算定します。
なお、むち打ち症で他覚所見の無い場合・軽い打撲・軽い挫創等には別表Ⅱを用いることがあります。
通院日数と治療期間の違い
通院慰謝料の計算において重要なのが、「通院日数」と「治療期間」の違いです。
通院日数は実際に病院に通院した日数であり、治療期間は最初の通院から最後の通院までの全期間を指します。
自賠責基準や任意保険基準では、日額○○円×実通院日数という計算をされることが多いですが、裁判基準の場合は先ほども出たように通院期間に基づいて計算がされます。
ただし、通院が長期にわたる場合は、症状、治療内容、通院頻度をふまえ実通院日数の3.5倍程度を慰謝料算定のための通院期間の目安とすることがあります。
実際の計算例
実際の計算例を見てみましょう。例えば、交通事故で骨折し、12日間入院し、その後の6ヶ月間で48日通院した場合を考えます。
このケースで自賠責保険基準を用いると、入通院日数が60日、治療期間が180日となります。
自賠責保険基準では、被害者の傷害の態様、実治療日数その他を勘案して、治療期間の範囲内とするとされていますから、最も短い実通院日数で計算すると、4300円×60日=25万8000円という計算になります。
しかし、弁護士基準を適用すると、同じケースで約126万円もの慰謝料が認められる事例もあります。
このように、入通院慰謝料の額は計算方法や基準によって大きく異なりますので、弁護士に相談することをお勧めします。
慰謝料の相場と高額化のポイント
通院期間別の相場
通院期間が長くなるほど慰謝料は増額される傾向にありますが、そのためには適切な証拠とともに主張することが重要です。
これ以上治療しても効果がないと判断された状態(症状固定)以後の通院は、入通院慰謝料算定の通院期間に含めることができません。
適切な治療を受け続け、その記録をしっかりと保管することで、より正確な損害の補填が可能となります。
適切な入通院慰謝料を得るためのポイント
交通事故の被害にあった際、泣き寝入りしないための重要なポイントは、正確な記録と証拠の収集です。
治療に関する記録や医師の診断書、交通事故が発生した際の状況を証明できる証拠をしっかりと残しておくことが重要です。
これにより、入通院慰謝料を含む損害賠償の額を正当に請求するための強力な根拠となります。
また、保険会社から提示される算定基準や損害賠償額に対しても冷静に対応することが大切です。
自賠責保険や任意保険の基準だけでなく、弁護士基準についても理解しておくことで、適正な慰謝料の計算ができるようになります。
弁護士の活用方法
交通事故による慰謝料請求において、専門家である弁護士の活用は非常に有効です。
弁護士は、複雑な法的手続きや保険会社との交渉を代行します。これにより、適正な慰謝料額を受け取るためのサポートが得られます。
弁護士の助けを借りることで、泣き寝入りせずに適切な補償を得るための戦略を立てることができます。
弁護士は交通事故の損害賠償に関する専門知識と経験を持っており、通院慰謝料や後遺障害慰謝料の算定、交渉の際の戦術などを駆使して依頼者の利益を最大限に守ります。
また、弁護士基準による計算方法を用いることで、自賠責保険基準や任意保険基準よりも高額な慰謝料を得られる可能性が高まります。
まとめ:入通院慰謝料は弁護士に相談しましょう
この記事では、交通事故による通院慰謝料の計算方法について詳しく解説してきました。
通院慰謝料は、交通事故による精神的苦痛や通院のための時間に対する賠償金として非常に重要な役割を果たします。
計算にあたっては、自賠責保険基準、任意保険基準、弁護士基準の3つの基準があり、それぞれの基準に基づく金額の違い、弁護士基準が適切な基準であることを理解しておくことが肝要です。
弁護士法人小杉法律事務所では、被害者側損害賠償請求専門弁護士の介入により裁判基準額以上の入通院慰謝料を獲得した事例も複数ございます。
以下はその一例です。
- 【頚椎捻挫】【人身傷害保険】【告訴】頚椎捻挫で裁判基準の2倍の逸失利益が認められ、裁判基準からの慰謝料増額も認められた事例
- 【膝打撲】被害児童を怒鳴りつけた加害者に対して、通常の裁判基準慰謝料額よりも高額な慰謝料を認定させた事例
- 【右手首捻挫・むち打ち】【共同不法行為】2つの交通事故に遭い、かたや腰椎捻挫と頚椎捻挫、かたや腰椎捻挫と手首捻挫の後遺症を残した事案で、自賠責保険は共同不法行為の認定をしたが、裁判によりそれぞれの加害者から14級の賠償額を獲得した事例
このように、入通院慰謝料は被害者側損害賠償請求を専門とする弁護士に依頼することで、
大きく増額できることもありますので、入通院慰謝料についてお困りの方はぜひ一度お問い合わせされることをお勧めします。
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