交通事故の過失割合の交渉でもめる場合の対処法を教えてください。
交通事故
交通事故被害に遭った際、過失割合の交渉は大きくもめることがあります。
理由としては、
- お互いの主張が主観に基づいていて冷静な交渉ができない
- 過失割合の判断基準に関する知識がなく、落としどころが分からない
などが挙げられるでしょうか。
過失割合は、損害賠償請求においてはとても重要な要素です。
例えば発生した損害が全部で1000万円と評価される際に、加害者対被害者の過失割合が90:10の場合と、80:20の場合では、
受け取ることができる賠償金額が100万円も変わってきます(900万円→800万円)。
したがって、過失割合の交渉は妥協してはいけません。
適切な過失割合を勝ち取ることが、適切な賠償金額を勝ち取ることに密接に繋がっています。
しかし、お互いが妥協しないからこそ、結局のところ先ほどの理由のようにお互いがお互いの言い分を言い合って交渉がまとまらないところでもあります。
相手を納得させるためには、それ相応の根拠が必要となります。
相手を納得させるための根拠として用いられるのが
事故発生時の状況を示す証拠と、過去の判例に基づいた明確な基準です。
事故発生時の状況を示す証拠として最も有用なのはやはりドライブレコーダーです。
ただし、被害者側は歩行者や自転車であることもままありますから、常にドライブレコーダーがある状態で話をすることは難しいと思われます。
このような場合に有用になるのが警察の捜査記録です。
道路交通法第72条1項後段に規定があるように、交通事故当事者は警察に直ちに事故発生を報告する義務があります。
この報告を受けた警察は速やかに現場の調査を行います。
被害者が人身傷害を負っていると判断される場合は、検察に送致するためにより詳しく実況見分を行います。
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事故直後で気が動転していることも良くありますが、警察の聴取記録は事故発生直後の状況を示す重要な証拠となりますから、
自分の主張はしっかりと伝えましょう。
ここまで見てきたような記録を基に交渉をするわけですが、
その交渉も明確かつ平等な基準が必要です。
その基準として実務上広く用いられているのが、東京地裁民事交通訴訟研究会編別冊判例タイムズ38号「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」(全訂5版)です。
この文献は、過去の判例を基に裁判所が編纂した過失割合の認定基準であり、大きな通用力を持っています。
この基準を用いたうえで、被害者に有利な修正要素をしっかりと主張することが重要です。
証拠収集や基準に基づいた交渉は知識や冷静さが必要になります。
突然事故に遭い、治療を続けたりする中で相手方との交渉を進めていくことは非常にストレスです。
早くそのストレスから解放されたいがために納得がいかないまま過失割合の交渉を進めていくと、後悔を残す一因になります。
交通事故被害に遭い、過失割合の交渉でお困りの場合にはぜひ一度弁護士法人小杉法律事務所にお問い合わせください。
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