交通事故コラム

過失割合

交通事故の過失割合が納得いかない!弁護士に頼むべきケースとそのメリットとは?

2024.12.22

過失割合

このページでは、交通事故被害者側の損害賠償請求を専門とする弁護士が、

  • 交通事故における過失割合とは?
  • 過失割合に納得がいかないケースとその理由
  • 弁護士に相談すべきケースとは?
  • 弁護士に依頼した場合のメリット
  • 過失割合に関する問題を防ぐためのポイント

等について解説します。

 

弁護士法人小杉法律事務所では、交通事故被害者側損害賠償請求専門弁護士による過失割合解決サポートを行っております。

交通事故被害に遭い、過失割合に納得がいかない方はぜひ一度弁護士法人小杉法律事務所にお問い合わせください。

 

交通事故被害者側損害賠償請求専門弁護士による過失割合解決サポートの詳細についてはこちらのページから。

 

交通事故における過失割合とは?その基本的な仕組み

過失割合の定義と重要性

民法では「被害者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の額を定めることができる。」と規定されています(民法第722条2項)。

これを「過失相殺」といい、過失相殺によって定められた被害者及び加害者の過失の割合を「過失割合」といいます。

 

実務上はどのような使い方をされているかというと、交通事故の当事者がどれだけの責任を負うべきかを示す割合として使われています。

 

たとえば、過失割合が「8:2」の場合、一方当事者が80%、もう一方の当事者が20%の責任を負うということになります。

この過失が20%で小さい方の当事者を便宜上「被害者」と呼び、過失が80%で大きい方の当事者を便宜上「加害者」と呼びます。

 

被害者が今回受けた損害の大きさを金銭で評価すると1000万円と評価できる場合、

被害者はこの全額について加害者から賠償を受けられるかというとそうではなく、自身の過失分の20%を差し引いた800万円を受け取ることになります。

 

 

このように、過失割合は事故当事者の損害賠償額を決定する際に重要な基準となり、事故による金銭的負担がどちらの側にどれだけかかるかを直接的に左右します。

そのため、過失割合について正確かつ公平に決定することが大きな意味を持ちます。

 

過失割合を誰が決めるのか

過失割合は、最終的には当事者同士の話し合いで決定されます。

 

ただし、実際のところ多くの場合、保険会社がまず提示する形になります。

保険会社は、東京地裁民事交通訴訟研究会編別冊判例タイムズ38号「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」(全訂5版)という文献を基に、

今回の事故が全【338】の類型のどれに当てはまるかという点を判断し、過失割合を提示してきます。

 

しかし、この提示が必ずしも公平であるとは限らず、提示された過失割合に納得いかない場合も多々あります。

 

なお、警察は事故の処理や事故証明書の発行、実況見分などを行い、これらの証拠は非常に有用にはなりますが、

警察が民事損害賠償請求における過失割合等を決定するわけではありません。

 

 

過失割合が賠償額に与える影響

先ほども見たように、過失割合が損害賠償額に与える影響は非常に大きいです。

被害者であっても一定の過失が認められる場合、受け取る賠償額はその割合に応じて減額されます。

 

このため、一見小さな違いに見える過失割合の修正が、最終的な賠償額に大きな差を生むことさえあります。

特に高額な損害賠償を伴うケースでは、過失割合について適切な判断が求められます。

 

過失割合に納得がいかないケースとその理由

保険会社から提示された割合に納得できない場合

交通事故の発生後、加害者側の保険会社から提示される過失割合に納得がいかないケースは少なくありません。

先ほどもみたように、保険会社は基本的に過去の判例に基づく『別冊判例タイムズ38号』を用いて過失割合の検討をします。

 

ですから、「これが適切な過失割合ですよ」という雰囲気で交渉の締結を勧めてきますが、

実際には保険会社は自社の利益追求のために、本来被害者側に有利に過失割合を修正できる要素を明かさない場合もあります。

 

このような場合には、提示内容の根拠を確認し、納得できるまで交渉を続けることが重要です。

 

 

目撃者や証拠が少ないときの問題点

交通事故の現場において、目撃者がいない、または証拠となる映像や写真が不十分な場合、過失割合の算定が曖昧になりがちです。

このような状況では、一方的に相手側の主張や保険会社の提示に従わざるを得ない状況に陥ることがあります。

 

事故後に自身でも速やかに現場の状況を記録しておくことが肝心ですが、

事故直後で気が動転している場合であっても、落ち着いて警察の見分でも冷静に自分の意見を主張することが必要です。

 

駐車場や私有地での事故における特有の問題

駐車場や私有地で発生した交通事故では、公道とは異なるルールや事情が影響するため、過失割合の判断が難しくなることがあります。

駐車場内での事故においては、優先道路が曖昧だったり、駐車スペースからの車両の進入に関する過失がどちらにあるのかで争いが生じやすいです。

 

また、私有地の場合、具体的な交通標識やルールがないケースもあり、事故状況の解釈が保険会社間で異なることがあります。

 

このように特有の問題が発生しやすい場所での事故では、状況を可能な限り詳しく記録し、過失割合について適切な交渉を行うことが必要不可欠です。

 

弁護士に相談すべきケースとは?

示談交渉が相手方保険会社と進まない場合

交通事故による損害賠償請求では、相手方の保険会社との示談交渉がスムーズに進まないことがあります。

 

これは保険会社が被害者側の無知に付け込んで自社の利益を確保するために、妥協を迫られることが少なくないからです。

こうした場合、弁護士に相談することで交渉を有利に進めることが可能です。交通事故の過失割合について専門知識を持つ弁護士が介入すれば、適正な賠償額や条件を引き出せる可能性が高まります。

 

保険会社の過失割合が不当だと感じる場合

保険会社が提示した過失割合に納得できない場合は、弁護士への相談を検討すべきです。

過失割合は損害賠償金額に直結するため、不当な割合を受け入れると大きな経済的損失を被る可能性があります。

 

特に交通事故の状況が複雑であったり、駐車場や私有地での事故など曖昧な部分が生じるケースでは、専門的な知識が求められます。

弁護士は事故証拠や過去の判例を基に、保険会社の主張に対し法的根拠を持って修正を主張することが可能です。

 

裁判や調停の可能性がある場合

示談交渉が決裂し、裁判や調停が必要になる場合は、弁護士の助けが欠かせません。

裁判官や調停委員とのやりとりには法律に関する専門的な知識が必要であり、これは一般の被害者には困難を伴います。

 

また、交通事故の裁判では過失割合の取り扱いが非常に重要となります。弁護士が代理人として関与すれば、法的に適切な主張を展開し、裁判や調停を有利に進めることができます。

 

損害賠償額が大きくなる可能性のあるケース

事故による損害が大きく、請求額が高額になる場合には、弁護士に依頼することで正当な賠償を得られる可能性が高まります。

例えば、被害者が亡くなった場合や重大な後遺症が残る場合では、多額の賠償額が支払われるべきケースが多いです。

 

このような場合、過失割合が10%変わるだけで受け取る金額が数百万規模で変動する場合もあり、プロのサポートが重要です。

弁護士は被害者の実態に即した賠償を獲得するために尽力します。

 

弁護士に依頼することで得られる具体的なメリット

専門的な知識で有利な交渉を期待できる

交通事故の過失割合に納得いかない場合、弁護士に依頼することで専門的な知識を活かした有利な交渉が期待できます。

保険会社は事故処理や損害賠償に精通したプロフェッショナルであり、提示される過失割合が被害者にとって不利になるケースも少なくありません。

 

弁護士は過去の判例や法律の知識を活用し、被害者に有利な解釈を基に交渉を進めることができます。

具体的な事故の状況に応じて保険会社の提示内容に応じた反論材料を提出することで、納得のいく過失割合に近づける可能性があります。

 

法的根拠を基にした過失割合の修正が可能

弁護士に依頼することで、法的根拠に基づいて過失割合を見直すことができます。

交通事故における過失割合は、多くの場合、過去の判例や基準に基づいて保険会社が提示しますが、必ずしも正確に被害者の事情が反映されるわけではありません。

 

事故の状況を客観的に証明する証拠や目撃者の証言をもとに、弁護士が適切な主張をすることで、過失割合の修正が可能になるケースもあります。

過失割合が修正されることで、賠償額が大きく変わることもあるため、弁護士のサポートは大きな助けになるでしょう。

 

トラブルに対して精神的負担を軽減できる

交通事故の示談交渉や過失割合に関する争いは、被害者にとって大きな精神的負担となる場合があります。

 

特に保険会社との交渉は、専門的な知識や経験が求められるため、個人で対応するのは難しいこともあります。

 

弁護士に依頼することで、これらの対応を一任できるだけでなく、自分自身が交渉に追われるストレスを軽減することが可能です。

また、専門家の視点からアドバイスを受けられるため、不安を解消しながら納得のいく解決を目指すことができます。

 

弁護士費用特約を活用すれば費用負担を抑えられる

弁護士への依頼は費用面が心配されることもありますが、最近では自動車保険などに付帯されている弁護士費用特約を利用することで、被害者の金銭的負担を軽減することができます。

この特約を活用すれば、弁護士費用を保険会社が負担するため、費用面での心配をせずに専門家のサポートを受けることが可能です。

 

特に、損害額や賠償金が大きくなる案件では、弁護士費用特約を活用しない手はありません。

交通事故に備えて、日常的に弁護士特約を付けておくことの重要性も改めて考える必要があります。

 

過失割合に関する問題を防ぐためのポイント:弁護士に相談しましょう

事故現場での証拠収集を徹底する

交通事故が発生した際、過失割合を巡るトラブルを防ぐためには、事故現場での証拠収集を徹底することが非常に重要です。

証拠が不足していると、保険会社や相手方の主張に納得できない状況になりやすいです。

 

そのため、まずは事故直後に現場の状況をスマートフォンで写真や動画に収めることをおすすめします。

車両の損傷箇所や事故現場の見取り図、信号の状況、周囲の標識などを記録することで、客観的な証拠として活用できます。

 

また、事故を目撃した人がいる場合は、連絡先を聞いておくことも重要です。証拠が多いほど、自身の主張を裏付ける材料として有利に働きます。

 

専門弁護士に相談する

ここまで見てきたように、過失割合の交渉は損害賠償金額全体に影響を与える部分であり、適切な過失割合での解決が必須です。

交通事故で被害を受けた直後から、アドバイス等なしに証拠収集をしたり、交渉したりといったことは負担が大きいですし困難です。

 

専門弁護士に相談しサポートを受けることで、証拠に基づいた的確な交渉を進めてもらうことができます。

 

当事務所でも、弁護士にご相談いただいたことで過失割合を被害者に有利に修正した事例が数多くございます。

交通事故被害に遭い、過失割合に納得がいかない被害者の方は、ぜひ一度弁護士法人小杉法律事務所にお問い合わせください。

 

交通事故被害者側損害賠償請求専門弁護士による初回無料の法律相談の流れについてはこちら。

 

弁護士法人小杉法律事務所にご依頼いただいたことにより過失割合を有利に修正して解決した事例の一部をご紹介します。

 

交通事故の過失割合全般についての詳細な解説はこちらから。

この記事の監修者弁護士

小杉 晴洋 弁護士
小杉 晴洋

被害者側の損害賠償請求分野に特化。
死亡事故(刑事裁判の被害者参加含む。)や後遺障害等級の獲得を得意とする。
交通事故・学校事故・労災・介護事故などの損害賠償請求解決件数約1500件。

経歴
弁護士法人小杉法律事務所代表弁護士。
横浜市出身。明治大学法学部卒。中央大学法科大学院法務博士修了。

所属
横浜弁護士会(現「神奈川県弁護士会」)損害賠償研究会、福岡県弁護士会交通事故被害者サポート委員会に所属後、第一東京弁護士会に登録換え。日本弁護士連合会業務改革委員会監事、(公財)日弁連交通事故相談センター研究研修委員会青本編集部会。