8級 学生 慰謝料 歩行者vs自転車 示談 腰・胸 骨折 高齢者
【自転車事故】傘さし無灯火の自転車と高齢歩行者の交通事故で、相手方の誠意ない対応に悩み弁護士に相談。第12胸椎圧迫骨折で後遺障害等級第8級が認められ、約890万円での示談解決。
交通事故被害者Nさん(80代、女性、福岡県在住)
今回ご紹介するのは、交通事故被害者Nさん(80代、女性、福岡県在住)の解決事例です。
高齢者であるNさんは歩行中に、傘をさし無灯火で自転車を運転していた未成年に衝突され、第12胸椎圧迫骨折の怪我を負い入院することになりました。
Nさんの怪我は大きかったにも関わらず、事故時に加害者はNさんを救護せず、事故後も謝罪などにくることもありませんでした。
さらに、加害者家族から心無い発言をされるなど、相手方の対応に誠意がなく、「被害者専門の弁護士に依頼して、きちんと解決したい」と考えたNさんとそのご家族様は、小杉法律事務所に相談することにしました。
ご依頼を受けた弁護士の小杉晴洋は、相手方と後遺症慰謝料などを交渉し、約890万円での解決をしました。
本記事では、どうやってこのような解決に至ったのか、自転車事故の特徴を踏まえて、後遺症に関することを中心に解説します。
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事故状況や怪我の状況について
本事例の事故状況は、雨の日の夜間に、Nさんが信号機のないT字路を徒歩で横断しようとしたところ、傘さし無灯火で右側通行をしていた自転車が右折してきて、Nさんと正面衝突したというものでした。
加害者は転倒したまま起き上がれないNさんを救護しなかったため、通行人の方々がNさんを救護し、救急車や警察を呼んでくださいました。
Nさんは救急車で運ばれ、第12胸椎圧迫骨折で手術が必要となり、約1ヶ月入院することとなりました。
事故以前は歩行に問題は無く、自転車にも乗れていたNさんでしたが、退院後はしゃがむことができず、コルセットや介護用ベッドが必要となり、杖をついての生活に変わってしまいました。
弁護士 小杉晴洋による無料法律相談
Nさんからのご相談を受けた弁護士の小杉晴洋は、今後の流れと後遺障害等級の見立てについてご案内しました。
また、Nさんの通院期間についてもアドバイスをさせていただきました。
Nさんの通院先の病院ではリハビリ対応をしていなかったため、退院後1ヶ月で治療を終了すると病院から言われており、Nさんもそのつもりでいらっしゃいました。
しかし、圧迫骨折という重い怪我を負っているにも関わらず1ヶ月で治療終了というのは、あまりにも早すぎると弁護士は考えました。
そこで弁護士は、通院期間が後遺障害等級の認定や慰謝料の金額にも影響してくることや、Nさんの症状に鑑み、引き続きご通院いただいた方が良い旨をご案内しました。
これを受けて、Nさんは転院してリハビリのための通院をすることにし、最終的には症状固定まで1年間通院されました。
このように、無料法律相談ではご相談者様のご事情やご意向を詳しくお聞きし、解決までの流れや等級の見立てに加えて、ご相談者様の状況にあったアドバイスもさせていただいております。
弁護士へのご依頼後の流れ
自転車事故の特徴、自動車事故との違い
自転車事故には、
①加害者が任意保険に加入しておらず、損害賠償金を支払ってもらえないことがある
②後遺障害等級の認定機関がない
③過失割合が問題となりやすい
といった特徴があります。
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この中でも今回問題となったのは、②後遺障害等級の認定機関がないことです。
通常、自動車事故によって後遺障害が残った場合には、自賠責が後遺障害等級の認定をし、 認定された後遺障害の等級に基づいて、後遺症慰謝料や逸失利益を計算することになります。
これに対し、自転車事故の場合には自賠責保険がありません。
つまり、自転車事故で後遺障害が残った際には、自動車事故のように後遺障害等級を公正に判断していただける機関がないということです。
そのため、被害者自身で、後遺障害が何級にあたるのか主張立証し、賠償額を交渉しなければならないのです。
(なお、ケースによっては加害者側の自転車保険などが後遺障害等級の認定をしてくれることもあります。)
本事案では相手方に代理人がつき、賠償金の交渉と併せて、後遺障害等級についても相手方と交渉することになりました。
なお、その他の特徴である①加害者の任意保険と③過失割合については、加害者が自転車保険に加入しており、加害者の過失が明らかに大きかったことで今回は問題となりませんでした。
後遺障害等級の見立て
脊椎の圧迫骨折において、認定される可能性がある後遺障害等級は以下の表の通りです。
後遺障害等級第6級5号 | 脊柱に著しい変形又は運動障害を残すもの |
後遺障害等級第6級相当 | 頚部および腰部の両方の保持に困難があり、常に硬性補装具を要するもの |
後遺障害等級第8級2号 | 脊柱に運動障害を残すもの |
後遺障害等級第8級相当 | 頚部または腰部のいずれかの保持に困難があり、常に硬性補装具を要するもの |
後遺障害等級第8級相当 | 脊柱に中程度の変形を残すもの |
後遺障害等級第11級7号 | 脊柱に変形を残すもの |
このうち今回該当する可能性があるのは、第11級と第8級でした。
まず、圧迫骨折は痛みなどの神経症状と異なり、客観的な証明が可能であるため、骨折がレントゲンなどで確認できる場合には、第11級7号を認めていただけることが多いです。
そのため今回においても、少なくとも第11級7号は認められる可能性が高いと考えられました。
では、これよりもひとつ上の等級である第8級はいかがでしょうか。
Nさんは、今回の事故により腰が曲がってしまっていました。
そこで検査をしてみると、椎体が潰れて椎体の前後の高さに差が出ていました。
その差は50%を超えていましたので、後弯があるものとして第8級相当の脊椎の変形障害があると考えられました。
さらに、可動域を計測したところ、第8級2号の脊椎の運動障害にあたる可動域制限が残っていることがわかりました。
以上のことから、弁護士小杉晴洋は、Nさんには第8級の後遺障害があると主張をすることにしました。
等級による請求額の差
後遺症慰謝料は等級によって請求の相場となる金額が決まっており、
第11級7号の場合は420万円、第8級の場合には、830万円を目安に請求することになります。
このように、後遺障害等級は1つ等級が上がるだけで保証に大きな差が生まれます。
しかし、何級の後遺障害が認められるかの判断には専門的な知識が必要です。
さらにその人の症状や持病、年齢や事故状況など、事案ごとに考慮しなければならない内容も変わってきます。
そのため、今回のように被害者自身で後遺障害等級を主張・立証しなければならない場合には、
後遺障害等級に詳しい交通事故被害者専門の弁護士に相談することをおすすめします。
後遺症慰謝料などを交渉し、約890万円での解決!
弁護士小杉晴洋は、第8級の後遺障害が残存していることを前提に賠償額を計算し、相手方に対して賠償額を提示しました。
前述したように、圧迫骨折はレントゲン等で客観的に証明可能なため、Nさんに第8級の後遺障害が残存していることは、相手方にもすぐに認めていただけました。
しかし相手方は、
「確かに第8級の後遺障害は残存しているが、そのうち腰椎の変形については、事故の前からあった既存障害であり、その分減額すべきだ」
と本件事故と後遺障害の因果関係を争ってきました。
高齢者や重労働に従事している若年者などの場合には、知らないうちに事故とは関係なく圧迫骨折が生じていることがあります。
そのため、圧迫骨折が今回の事故によって発生したのかという因果関係が問題となることがあるのです。
今回はカルテの取り付けなどを行っておりましたので、その内容などをもとに後遺症慰謝料と治療費を交渉しました。
相手方の最初の提示金額は約527万円でしたが、弁護士の交渉により、最終的には約890万円をお支払いいただけることになりました。
解決までにかかった時間は、事故から約2年、治療終了から約1年ほどでした。
依頼者のご家族様の声
母は高齢なので、今回の事故で動けなくなったり、生活に支障が残ったりしたらどうすればいいのか、事故直後はわからないことばかりでとても不安でした。
さらに、加害者は事故後に謝罪に来ることもなく、理不尽な発言をし、都合の悪いことは隠そうとするなど、誠意のない相手方とその家族に対し非常に腹立たしく悔しい思いでした。
そんな時に小杉先生にご相談し、事故の対応は全てお任せすることができたので、私たちは治療に専念することができました。おかげさまで、母も本当に元気になりました。
また賠償金も当初の見込みより高い金額での示談となり、心が晴れる思いです。
大変お世話になりました。本当に心から感謝しています。
弁護士小杉晴洋のコメント
自転車事故では、加害者が無保険であったり、歩行者にも過失が取られてしまったり、また本件のように後遺障害等級が問題となったりと、対応が難しいケースも多くあります。
また、交通事故では加害者や保険会社への対応に悩まれている方も多くいらっしゃいます。
お怪我の治療や、慣れない事故や保険の対応などで大変な中、関係者への対応も考えなければならないというのは、本当にご負担が大きいことと思います。
そういった場合には、ぜひ弁護士への無料相談をご利用ください。
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