死亡事故コラム

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相続人の順位とは?誰が相続人になるのかについて弁護士が解説

2026.09.04

相続

交通事故のように突然のことで被害者の方が亡くなってしまった場合、遺言書などがないことがほとんどです。

この場合、遺産分割協議などがなければ、法律で定められた相続人が、法律で定められた相続分に従い相続することになります。

これを「法定相続人」といい、配偶者以外の相続人には民法上の順位が定められています

 

「自分にも相続権があるのか」「疎遠だった親族にも相続権が生じるのか」など、順位のルールがわからず不安に感じる方も多いのではないでしょうか。

このページでは、交通死亡事故被害を専門としている弁護士が、

  • 法定相続人の順位の基本ルール
  • 代襲相続の考え方
  • 法定相続分の割合

等について解説します。

 

交通事故に強い弁護士法人小杉法律事務所では、交通死亡事故被害を専門としている弁護士による無料相談を実施しております。

交通事故被害で大切な方を亡くされ、相続についてご不安をお抱えの方は、ぜひ一度弁護士法人小杉法律事務所にお問い合わせください。

 

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法定相続人とは

法定相続人とは、民法の規定によって相続人となる資格を持つ人のことをいいます。

被相続人が遺言書を残していなかった場合(交通事故のような突然の事故で命を落とす場合はこの場合がほとんどです)、

損害賠償請求権をはじめとする遺産は原則としてこの法定相続人の間で、法律で定められた割合(法定相続分)に基づいて分けられることになります。

 

なお、被相続人が有効な遺言書を残していた場合は、遺言の内容が法定相続分よりも優先されます。

そのため、以下で説明する順位のルールが問題になるのは、基本的に遺言書がない場合(または遺言で触れられていない財産がある場合)です。

 

相続順位の基本ルール

法定相続人には、大きく分けて「配偶者」と「血族相続人」があります。

 

配偶者は、常に相続人になります。

血族相続人には、子・直系尊属(父母や祖父母)・兄弟姉妹があり、以下のとおり順位が定められています。

 

第1順位 子(子が亡くなっている場合は孫などが代襲相続)
第2順位 直系尊属(父母、父母がいなければ祖父母)
第3順位 兄弟姉妹(兄弟姉妹が亡くなっている場合は甥・姪が代襲相続)

 

順位のポイントは、先順位の相続人が1人でもいる場合、後順位の人は相続人にならないという点です。

たとえば、被相続人に子がいる場合、その親(第2順位)や兄弟姉妹(第3順位)は、子がいる限り相続人にはなりません。

 

常に相続人になる「配偶者」

被相続人に法律上の配偶者がいる場合、配偶者は常に相続人となり、血族相続人の順位に関わらず遺産を相続します。

ただし、これは法律上の婚姻関係にある配偶者に限られ、内縁関係(事実婚)のパートナーには、原則として法定相続分は認められません。

 

配偶者は、血族相続人の順位(第1順位〜第3順位)に応じて、次のように相続人と共同で相続することになります。

 

民法890条

被相続人の配偶者は、常に相続人となる。この場合において、第八百八十七条又は前条の規定により相続人となるべき者があるときは、その者と同順位とする。

 

第1順位:子(代襲相続を含む)

被相続人に子がいる場合、子が第1順位の相続人となります。

実子か養子か、婚姻関係にある夫婦の子か(嫡出子)そうでないか(非嫡出子)による区別はなく、いずれも相続人となります。

 

子がすでに亡くなっている場合は、その子(被相続人から見て孫)が代わりに相続人となります。

これを「代襲相続」といいます。孫も亡くなっている場合は、さらにその子(ひ孫)が相続する「再代襲相続」も認められており、直系の子孫が続く限り代襲は続きます。

 

代襲相続の相続分は、元々相続人となっていた人が受けるべきであったものと同じになりますが、

代襲相続人が複数いる場合には、その間で改めて相続分が分割されます。

 

民法887条

1 被相続人の子は、相続人となる。
2 被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、又は第八百九十一条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる。ただし、被相続人の直系卑属でない者は、この限りでない。
3 前項の規定は、代襲者が、相続の開始以前に死亡し、又は第八百九十一条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その代襲相続権を失った場合について準用する。

 

民法901条

1 第八百八十七条第二項又は第三項の規定により相続人となる直系卑属の相続分は、その直系尊属が受けるべきであったものと同じとする。ただし、直系卑属が数人あるときは、その各自の直系尊属が受けるべきであった部分について、前条の規定に従ってその相続分を定める。
2 前項の規定は、第八百八十九条第二項の規定により兄弟姉妹の子が相続人となる場合について準用する。

 

第2順位:直系尊属

被相続人に子や孫(代襲相続人)が1人もいない場合、次に相続人となるのは直系尊属、つまり父母です。

父母がすでに他界している場合は、祖父母が相続人となります。

 

父母と祖父母のように親等の異なる人がいる場合は、被相続人により近い世代(親等の近い者)が優先されます。

 

民法889条

1 次に掲げる者は、第八百八十七条の規定により相続人となるべき者がない場合には、次に掲げる順序の順位に従って相続人となる。
一 被相続人の直系尊属。ただし、親等の異なる者の間では、その近い者を先にする。
二 被相続人の兄弟姉妹

 

第3順位:兄弟姉妹(代襲相続の制限)

第1順位(子・代襲相続人)も第2順位(直系尊属)もいない場合、被相続人の兄弟姉妹が相続人となります。

兄弟姉妹についても代襲相続は認められており、兄弟姉妹がすでに亡くなっている場合は、その子(被相続人から見て甥・姪)が代わりに相続人となります。

 

ただし、兄弟姉妹の代襲相続は一代限りとされており、子(第1順位)の場合と異なり、甥・姪の子への再代襲相続は認められていない点に注意が必要です。

 

民法889条

1 次に掲げる者は、第八百八十七条の規定により相続人となるべき者がない場合には、次に掲げる順序の順位に従って相続人となる。
一 被相続人の直系尊属。ただし、親等の異なる者の間では、その近い者を先にする。
二 被相続人の兄弟姉妹

 

法定相続分の割合

法定相続分とは、法定相続人が取得できる遺産の割合の目安として、民法で定められた割合です。

実際の遺産分割は相続人全員の協議によって自由に決めることができますが、協議がまとまらない場合の目安として重要な意味を持ちます。

 

配偶者と子 配偶者:2分の1 子:2分の1(子が複数の場合は人数で均分)
配偶者と直系尊属(父母、祖父母) 配偶者:3分の2 直系尊属:3分の1(直系尊属が複数の場合は人数で均分)
配偶者と兄弟姉妹 配偶者:4分の3 兄弟姉妹(兄弟姉妹が複数の場合は人数で均分)
配偶者のみ すべて
血縁相続人のみ すべて(人数で均分)

 

なお、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹(異父・異母兄弟)の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の2分の1となります。

 

民法900条

同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、次の各号の定めるところによる。
一 子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各二分の一とする。
二 配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は、三分の二とし、直系尊属の相続分は、三分の一とする。
三 配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、四分の三とし、兄弟姉妹の相続分は、四分の一とする。
四 子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。

 

相続人が誰もいない場合

配偶者も血族相続人(子・直系尊属・兄弟姉妹)もいない場合、

あるいは相続人全員が相続放棄をした場合には、「相続人不存在」の状態となります(相続人の不存在 民法951条~民法959条

 

この場合、家庭裁判所が選任する相続財産清算人によって手続きが進められ、被相続人と特別な縁故があった人(内縁の配偶者など)への財産分与が認められることもありますが、

最終的に残った財産は国庫に帰属することになります。

 

 

相続順位を確認する際の注意点

相続順位を確認する際には、次のような点に注意が必要です。

  • 戸籍謄本の収集:被相続人の出生から死亡までの戸籍をすべて取得し、認知した子や離婚歴、養子縁組の有無などを正確に確認する必要があります
  • 異父・異母兄弟姉妹の存在:把握していなかった兄弟姉妹が戸籍調査で判明することもあります
  • 相続放棄をした人の扱い:相続放棄をした人は、その相続に関しては初めから相続人でなかったものとして扱われるため、次順位の人が相続人となる場合があります
  • 遺言書との関係:有効な遺言書がある場合は、遺言の内容が優先されるため、法定相続分どおりに分けられるとは限りません

 

法定相続人の範囲や順位を誤って遺産分割を進めてしまうと、後から新たな相続人の存在が判明し、協議のやり直しが必要になることもあります。

 

また、交通事故被害に遭った場合、保険会社から被害者の出生から死亡までの戸籍の取得を求められることになります。

法定相続人が特定できてからでないと、損害賠償請求権の行使が難しくなりますので、請求にあたっては、書類の取り付けは必要です。

 

弁護士に相談することで、この戸籍の取得も代行してもらうことができますし、そのまま保険会社との交渉も代行してもらうことができます。

各法定相続人間で話を合わせながら交渉を進めていくよりも、弁護士に一任して弁護士基準での損害賠償金を獲得してもらった後に、

それぞれ相続分を分け合うという方がスムーズにいくこともあるでしょう。

 

交通事故に強い弁護士法人小杉法律事務所では、交通死亡事故被害を専門としている弁護士によるサポートを行っております。

交通事故被害で大切な方を亡くされた方は、傷心の中で損害賠償請求・相続などさまざまな法的手続について行わなければなりません。

その中で、専門家のサポートは大きな支えになります。

 

交通事故被害で大切な方を亡くされた方は、ぜひ一度弁護士法人小杉法律事務所にお問い合わせください。

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相続人の順位に関するよくある質問

離婚した前妻(前夫)との間の子にも相続権はありますか?

はい、あります。

離婚によって配偶者としての相続権は失われますが、親子関係そのものは離婚によって影響を受けないため、

前妻(前夫)との間の子は第1順位の相続人として、現在の家庭の子と同じ立場で相続権を持ちます。

 

内縁関係のパートナーには相続権がありますか?

法律上の婚姻関係にない内縁のパートナーには、法定相続分は認められません。

内縁のパートナーに財産を残したい場合は、生前に遺言書を作成しておくなどの対策が必要です。

ただし、相続人が誰もいない場合には、特別縁故者として財産分与を受けられる可能性があります。

 

なお、交通死亡事故で死亡慰謝料を請求する場合には、内縁配偶者の方にも近親者慰謝料や扶養利益の喪失に対する請求権が認められる場合があります。

 

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この記事の監修者弁護士

小杉 晴洋 弁護士
小杉 晴洋

被害者側の損害賠償請求分野に特化。
死亡事故(刑事裁判の被害者参加含む。)や後遺障害等級の獲得を得意とする。
交通事故・学校事故・労災・介護事故などの損害賠償請求解決件数約1500件。

経歴
弁護士法人小杉法律事務所代表弁護士。
横浜市出身。明治大学法学部卒。中央大学法科大学院法務博士修了。

所属
横浜弁護士会(現「神奈川県弁護士会」)損害賠償研究会、福岡県弁護士会交通事故被害者サポート委員会に所属後、第一東京弁護士会に登録換え。日本弁護士連合会業務改革委員会監事、(公財)日弁連交通事故相談センター研究研修委員会青本編集部会。