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相続税とは?計算方法や税率、申告期限までにやるべきことを解説

2026.09.04

相続

交通事故などで身内の方が突然亡くなり相続が発生すると、

  • 「相続税はいくらかかるのか」
  • 「そもそも申告が必要なのか」

といった不安を抱く方は少なくありません。

 

相続税は、遺産の総額が一定額(基礎控除額)を超える場合にのみ課される税金であり、

また、被害者が事故により死亡してしまったことによって払われる損害賠償金は、相続税の対象とはなりません。

 

とはいえ、損害賠償金以外に相続するような財産については、申告や納税には期限があり、期限を過ぎるとペナルティが科される可能性もあります。

このページでは、相続税の基本的な仕組みから計算方法、申告期限、利用できる控除・特例までを、交通死亡事故被害を専門としている弁護士が解説します。

 

交通事故に強い弁護士法人小杉法律事務所では、交通死亡事故被害を専門としている弁護士による無料相談を実施しております。

交通事故で大切な方を亡くされ、相続をはじめお困りごとをお抱えの方は、ぜひ一度弁護士法人小杉法律事務所にお問い合わせください。

 

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相続税とは

相続税とは、亡くなった人(被相続人)から財産を相続・遺贈により取得した場合に、その取得した財産に対して課される税金です。

相続税は遺産のすべてに課されるわけではなく、基礎控除額を超えた部分にのみ課税されます。

 

基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

 

遺産の総額がこの基礎控除額以下であれば、相続税はかからず、原則として申告も不要です。

令和6年分相続税の申告事績の概要(令和7年12月国税庁発表)によれば、令和6年に相続税の課税対象となったのは全体の10.4%であり、

ほとんどのケースでは相続税がかかっていないことが分かります。

 

なお、法定相続人の数を数える際には、相続放棄をした人も含めてカウントする点、養子については実子の有無に応じて算入できる人数に制限がある点に注意が必要です。

 

相続税がかかる財産・かからない財産

相続税の課税対象となる主な財産は、次のとおりです。

 

相続財産

  • 預貯金
  • 不動産
  • 有価証券
  • 現金
  • 貴金属
  • 事業用財産

など、被相続人が死亡時に有していた財産(債務がある場合は差し引きます)は相続税の課税対象です。

みなし相続財産

  • 死亡保険金
  • 死亡退職金

など、被相続人の死亡をきっかけに相続人が受け取る財産(民法上の相続財産ではないものの、税法上は相続税の対象となります)も相続税の対象となります。

 

なお、死亡保険金については、契約者が誰なのか、受取人が誰に設定されているかで課税される税の種類が変わります。

 

主なパターンは以下のとおりです。

 

① 相続税の対象となるケース

  • 契約者=被保険者(=故人)、
  • 受取人=遺族(配偶者・子等)

の場合。 最も一般的な契約形態です。

死亡保険金は「みなし相続財産」として相続税の課税対象となります。

ただし、「500万円 × 法定相続人の数」の非課税枠があるため、枠内であれば課税されません。

 

② 所得税(一時所得)の対象となるケース

  • 契約者=受取人(生存中の配偶者等)
  • 被保険者=故人の場合。

保険料を自分で支払い、自分が保険金を受け取る形となるため、

保険金から支払保険料を差し引いた利益部分が一時所得として所得税・住民税の課税対象となります。

 

③ 贈与税の対象となるケース

契約者・被保険者・受取人がすべて異なる場合(例:契約者=父、被保険者=母、受取人=子)。

受取人が保険料を負担していないにもかかわらず保険金を受け取ることになるため、贈与税の課税対象となります。

 

いずれの場合も、非課税枠や各種控除の適用により実際に納税が生じないケースも多くあります。

税務上の取り扱いについては、税理士や税務署に確認することをお勧めします。

 

相続開始前一定期間内の生前贈与財産

相続開始前に行われた贈与のうち、一定期間内のものは相続財産に加算されます。

相続開始日が令和8年12月31日まで 相続開始前3年以内の贈与が相続財産に加算
相続開始日が令和9年1月1日~令和12年12月31日 令和6年1月1日から死亡の日までの間の贈与が相続財産に加算
令和13年1月1日から 相続開始前7年以内の贈与が相続財産に加算

 

というように、税制改正によって生前贈与財産が相続財産に加算される期間が伸長する予定です。

贈与税の対象になったかどうかにかかわらず、加算されます。

国税庁ホームページ「贈与財産の加算と税額控除(暦年課税)」参照)

 

相続税がかからない財産

一方で、次のような財産には非課税枠が設けられています。

  • 死亡保険金:500万円 × 法定相続人の数
  • 死亡退職金:500万円 × 法定相続人の数
  • 墓地・仏壇など日常礼拝の対象となるもの

 

また、冒頭申し上げたように、

交通事故など不法行為により被害者の方が命を落とされ、それに基づき請求して支払われた損害賠償金に関しては、相続税の対象とはなりません。

 

相続税の計算方法

相続税額は、大まかに次のような流れで計算します。

  • 課税価格の合計額を算出:相続財産・みなし相続財産・生前贈与加算額の合計から、債務や葬儀費用を差し引く
  • 基礎控除額を差し引き、課税遺産総額を算出
  • 課税遺産総額を法定相続分どおりに取得したものと仮定し、各取得金額に税率を適用して相続税の総額を計算
  • 相続税の総額を、実際の遺産分割割合に応じて各相続人に按分
  • 配偶者の税額軽減など、各種控除を適用して各相続人の納付税額を確定

相続税の税率は、取得金額が大きくなるほど税率が上がる「超過累進税率」が採用されています(法定相続分に応じた取得金額ベースでの目安)(国税庁ホームページ「相続税の税率」参照)

法定相続分に応ずる取得金額:1,000万円以下 税率10%  控除額なし
法定相続分に応ずる取得金額:1,000万円超から3,000万円以下 税率15%  控除額50万円
法定相続分に応ずる取得金額:3,000万円超から5,000万円以下 税率20%  控除額200万円
法定相続分に応ずる取得金額:5,000万円超から1億円以下 税率30%  控除額700万円
法定相続分に応ずる取得金額:1億円超から2億円以下 税率40%  控除額1,700万円
法定相続分に応ずる取得金額:2億円超から3億円以下 税率45%  控除額2,700万円
法定相続分に応ずる取得金額:3億円超から6億円以下 税率50%  控除額4,200万円
法定相続分に応ずる取得金額:6億円超 税率55%  控除額7,200万円

 

相続税の申告・納付期限

刑事訴訟法

相続税の申告と納付には期限があり、相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内に、被相続人の死亡時の住所地を管轄する税務署へ申告・納付を行う必要があります。

 

10か月というと余裕があるように感じられますが、遺産の調査・評価、遺産分割協議、必要書類の収集などを行う必要があるため、

実際にはあまり時間的な余裕はありません。

 

特に不動産が多い場合や、相続人間で遺産分割協議がまとまらない場合には、申告期限までに手続きを終えるのが難しくなることもあります。

 

なお、後述する配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例など、多くの控除・特例は「申告期限までに遺産分割が完了していること」が適用要件となっているため、

期限内に分割協議をまとめることが税負担の観点からも重要です。

 

相続税の主な控除・特例

相続税には、税負担を軽減するための控除・特例が複数用意されています。代表的なものは以下のとおりです。

  • 配偶者の税額軽減:配偶者が取得した財産のうち、1億6,000万円または配偶者の法定相続分相当額のいずれか高い金額までは相続税がかからない制度
  • 小規模宅地等の特例:被相続人が住んでいた自宅の土地や事業用の土地について、一定の要件を満たす場合に評価額を最大80%減額できる制度
  • 未成年者控除・障害者控除:相続人が未成年者や障害者である場合に、年数に応じて税額から一定額を控除できる制度
  • 相次相続控除:短期間のうちに相続が続けて発生した場合に、二重課税の負担を軽減する制度

これらの特例は、要件を満たさなければ適用を受けられないものや、適用を受けることで相続税額がゼロになる場合でも申告自体は必要になるものがあります。

適用の可否や有利な選択については、専門家に確認することをおすすめします。

 

相続税を軽減するための生前対策

将来の相続税負担を軽減するためには、生前からの対策が有効です。代表的な方法には以下のようなものがあります。

暦年贈与の活用:年間110万円までの贈与には贈与税がかからない仕組みを利用し、計画的に財産を移転する
生命保険の非課税枠の活用:死亡保険金の非課税枠(500万円×法定相続人の数)を活用する
不動産の有効活用:賃貸物件の建築などにより相続税評価額を引き下げる
遺言書の作成:遺産分割をめぐる争いを防ぎ、各種特例の適用をスムーズにする

ただし、生前贈与については相続開始前一定期間内の贈与が相続財産に加算される制度があるため、

対策を検討する際は税理士など専門家と相談しながら進めることが望ましいでしょう。

 

相続税の申告を怠った場合のペナルティ

相続税の申告・納付を期限内に行わなかった場合、次のようなペナルティが科される可能性があります。

  • 無申告加算税:期限内に申告しなかった場合に課される
  • 延滞税:納付が遅れた期間に応じて課される利息に相当する税金
  • 過少申告加算税:申告した税額が本来よりも少なかった場合に課される
  • 重加算税:財産を隠蔽するなど悪質なケースで課される、特に重い加算税

「相続税がかかるとは知らなかった」という場合でも、これらのペナルティの対象となる可能性があるため、相続が発生したら早めに遺産の総額を把握し、申告の要否を確認することが重要です。

 

相続税でお悩みの場合は専門家への相談を

相続税の計算や申告手続きは税理士の専門分野ですが、遺産分割の内容や進め方によって適用できる特例や税額が変わってくるため、

遺産分割協議がまとまらない場合や、他の相続人との間でトラブルが生じている場合には、弁護士への相談もあわせて検討する必要があります。

 

弁護士と税理士が連携することで、遺産分割の方針を決めながら、税負担を最小限に抑える形での解決を目指すことができます。

相続税の申告期限(10か月)を意識しながら、早期に専門家へ相談することをおすすめします。

 

また、交通事故に強い弁護士法人小杉法律事務所では交通事故被害でお亡くなりなった方の損害賠償請求についても専門的に取り扱っております。

交通事故被害で大切な方を亡くされ、お困りごとをお抱えの方は、ぜひ一度弁護士法人小杉法律事務所にお問い合わせください。

 

交通死亡事故被害専門弁護士へのお問い合わせはこちらのページから。

 

よくある質問

相続税がかかるかどうかは、どうすればわかりますか?

遺産の総額(プラスの財産からマイナスの財産である債務等を差し引いた金額)を算出し、基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)と比較することで、おおまかな目安がわかります。

不動産や非上場株式など評価が難しい財産が含まれる場合は、税理士に評価を依頼することをおすすめします。

 

遺産分割協議がまとまらないまま申告期限が来てしまう場合はどうすればよいですか?

申告期限までに遺産分割が完了していない場合でも、いったん法定相続分で取得したものと仮定して申告・納税を行い(未分割申告)、

後日、分割が確定した時点で修正申告や更正の請求を行うことができます(国税庁ホームページ「相続財産が分割されていないときの申告」参照)。

 

ただし、この場合は配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例が原則として使えなくなるため、早期に遺産分割協議をまとめることが望ましいです。

分割協議が難航している場合は、弁護士への相談をおすすめします。

 

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この記事の監修者弁護士

小杉 晴洋 弁護士
小杉 晴洋

被害者側の損害賠償請求分野に特化。
死亡事故(刑事裁判の被害者参加含む。)や後遺障害等級の獲得を得意とする。
交通事故・学校事故・労災・介護事故などの損害賠償請求解決件数約1500件。

経歴
弁護士法人小杉法律事務所代表弁護士。
横浜市出身。明治大学法学部卒。中央大学法科大学院法務博士修了。

所属
横浜弁護士会(現「神奈川県弁護士会」)損害賠償研究会、福岡県弁護士会交通事故被害者サポート委員会に所属後、第一東京弁護士会に登録換え。日本弁護士連合会業務改革委員会監事、(公財)日弁連交通事故相談センター研究研修委員会青本編集部会。