慰謝料
交通事故の被害者必見!追突事故で獲得できる慰謝料の相場と請求のポイント
2025.03.24
このページでは、交通事故被害者側の損害賠償請求を専門とする弁護士が、
- 追突事故の慰謝料の種類
- 追突事故の慰謝料の相場
- 慰謝料請求の方法と流れ
などについて解説します。
弁護士法人小杉法律事務所では、交通事故被害者側の損害賠償請求を専門とする弁護士による賠償金無料査定サービスを行っております。
追突事故被害に遭い、ご自身が受け取れる慰謝料(賠償金)の金額について疑問をお抱えの方は、
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追突事故の慰謝料とは?基本的な種類と基準
追突事故において発生する慰謝料は、被害者が受けた精神的な苦痛に対する賠償金として位置づけられています。
慰謝料は、被害者が受けた被害の大きさなどによって、
- 入通院慰謝料
- 後遺症慰謝料
- 死亡慰謝料
の3つに分類されます。
そしてこの3つのそれぞれについて、さらに、
- 自賠責基準
- 任意保険基準
- 裁判基準(弁護士基準)
という3つの計算方法があります。
先に計算方法についてみていき、その後に各慰謝料の特徴についてみていきましょう。
自賠責基準:被害者保護を目的とした最低限度の基準
自賠責基準とは、自賠責保険により支払われる保険金の基準です。
自賠責保険は、自動車損害賠償保障法に基づき車両の運行供用者に対して加入が義務付けられている、強制加入保険です。
自動車損害賠償保障法第5条「自動車は、これについてこの法律で定める自動車損害賠償責任保険(以下「責任保険」という。)又は自動車損害賠償責任共済(以下「責任共済」という。)の契約が締結されているものでなければ、運行の用に供してはならない。」
なぜ強制加入になっているのか?それは同法の第1条(目的)を見ると分かります。
自動車損害賠償保障法第1条「この法律は、自動車の運行によつて人の生命又は身体が害された場合における損害賠償を保障する制度を確立するとともに、これを補完する措置を講ずることにより、被害者の保護を図り、あわせて自動車運送の健全な発達に資することを目的とする。」
これを見ていただけるとお分かりになるように、「被害者の保護を図り、あわせて自動車運送の健全な発達に資するため」です。
交通事故被害に遭った時に、加害者側が何らの保険にも加入していないという場合、被害者は泣き寝入りを余儀なくされる可能性があります。
それでは安心して道路を歩いたり、車を運転したりすることが難しくなります。
また、加害者の側からしても、一瞬の不注意で事故を起こしてしまった場合に、発生させてしまった損害賠償を全て自分のお金で支払うというのは難しいことが多く、
常にリスクを背負った状態での運転を余儀なくされるのは自動車運送の発達を阻害する可能性があります。
被害者としても、加害者としても、強制加入保険があるというのはある種の安心を与えてくれるものでもあります。
そのうえで、自賠責保険は被害者の保護を目的としているため、その他の保険と比較してもかなり被害者に有利な設計になっています。
一方で、限られた保険料の中で被害者に対して迅速かつ平等に保険金をお支払しなければならないため、
基準としては先ほどの3つの基準の中で最も低額であり、被害者にとって適切な賠償がされることはほとんどありません。
任意保険基準:自賠責基準に上乗せされる基準
先ほどみたように、自賠責基準は被害者にとって適切な賠償がされることはほとんどありません。
これは被害者にとって問題であるのは言うまでもないですが、同じく加害者にとっても問題です。
というのは、せっかく自賠責保険に加入して自費で賠償金を支払わなければならないリスクを回避できると思ったのに、
いざ事故を起こしてしまった時には自賠責基準では賄いきれず、結果として自費で賠償金の一部を支払わなければならないとすると、
リスクの回避にはなっていません。
ですから、車両(原付を含む)の約90%が任意保険に加入しています。
任意保険は、その名のとおり被保険者が任意で加入している保険になります。
任意保険基準の特徴は、計算方法が厳密に明記されていないことです。
任意保険会社の約款には、支払う保険金額の決定について「被保険者が損害賠償請求権者に対して負担する法律上の損害賠償責任の額」のようなあいまいな記載がされています。
交通事故の損害賠償額というのは、ベースとなる基準があったうえで、個々の事案に特有の事情を斟酌して決定されます。
あいまいな記載がされているからこそ、その方の固有の被害に対する最も適切な賠償金が支払われる余地が生まれます。
しかし、ほとんどの場合ではこのあいまいな記載は任意保険会社側の利に働くことになります。
なぜかという理由を考えるにあたり、任意保険会社の視点に立ってみましょう。
任意保険会社の利益を最も単純化して考えると、
保険契約者から受け取った保険料の合計-事故被害者等に支払った保険金の合計
ということになります。
ですから、事故被害者に支払う保険金はできるだけ少なくしたいわけです。
ただし、自賠責基準を下回ってしまうと任意保険に加入している意味がなくなってしまいますから、
自賠責基準と同じかそれより若干高い金額での示談締結ができれば、任意保険会社としては理想的です。
一方で被害者側として自賠責基準に近いということはそれだけ適切な金額から離れてしまいます。
任意保険基準で計算された金額が適切なものかどうかはしっかりと示談締結前に確認する必要があります。
裁判基準(弁護士基準):被害者側として最も適切な基準
では、被害者側として最も適切な基準はなんでしょうか?
それは、裁判基準(弁護士基準)と呼ばれる基準です。
裁判基準とは、過去の裁判例の蓄積を基に設けられた基準であり、
裁判所が損害賠償請求金額として認定した金額を基にしていることから、被害者側にとって最も適切な基準といえます。
弁護士に依頼した場合には、この裁判基準(弁護士基準)での慰謝料請求が可能となるため、
任意保険基準を大きく上回る金額での示談締結ができる可能性が大きく上がります。
追突事故で適切な慰謝料を獲得するためには弁護士の依頼を検討すべきです。
各慰謝料の意味と計算方法
入通院慰謝料とは?その計算方法をわかりやすく解説
入通院慰謝料とは、追突事故が原因で病院や整骨院などに通院した期間に発生する精神的苦痛を補償する慰謝料のことです。
自賠責基準や任意保険基準では、概ね実入院日数1日につき8600円、実通院日数1日につき4300円で計算がされることが多いです。
一方で弁護士基準では、基本的には実入通院日数よりも入通院期間の長さ(事故日~症状固定日or完治日)を基に計算がされます。
『民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準上巻(基準編)』(公益財団法人日弁連交通事故相談センター東京支部編)に記載のある入通院慰謝料計算表の別表Ⅰか別表Ⅱに当てはめて計算を行います。
別表ⅠとⅡの違いを単純にいうと、怪我の軽重です。
原則として別表Ⅰを用いることとされていますが、他覚所見の無いむち打ちや軽い挫創・挫傷等の場合は例外的に別表Ⅱを用いるとされています。
6か月の通院を行った場合には、
別表Ⅰでは116万円、別表Ⅱでは89万円が一つの目安となります。
入通院慰謝料の計算においては入通院の期間が前提となるため適切な治療を継続することが重要です。
後遺症慰謝料とは?等級ごとの具体的な金額例
後遺症慰謝料は、追突事故による後遺症が残った被害者に対して支払われる精神的苦痛の賠償金です。
追突事故被害に遭って怪我を負い、治療を続けていたものの、ある時期から治療を続けてもなかなかよくならないという状態に達することがあります。
このこれ以上治療を続けても良くならない状態に達することを症状固定と言い、この段階で身体や精神に残ってしまった症状を後遺症と言います。
交通事故で後遺症が残ってしまった場合には、残ってしまった後遺症を後遺障害等級に当てはめて判断することになります。
後遺障害等級には第1級から第14級まであり、等級が高いほど慰謝料額は増加し、たとえば1級では約2800万円、14級では約110万円が弁護士基準での相場となっています。
正しい後遺障害等級の認定を受けるためには、適切な治療を受けることなどももちろん大切ですが、後遺障害診断書の記載が何より重要になります。
症状としては残っているのに、それが後遺障害診断書に記載されていないために適切な後遺障害等級の認定を受けられないということは避けなければなりません。
後遺障害診断書の作成にあたっては、交通事故被害を専門とする弁護士のサポートを受けながら、主治医とコミュニケーションを取って進めていくことをお勧めします。
死亡慰謝料の概要と相場について
死亡慰謝料は、追突事故によって被害者が命を落とした場合、被害者本人が受けた苦痛やそのご遺族が受けた悲しみなどに対して支払われる慰謝料です。
自賠責基準の死亡慰謝料額は、
- 被害者本人の慰謝料が400万円
- 請求権者(被害者の父母、配偶者及び子)が1人いる場合には550万円
- 請求権者が2人いる場合には650万円
- 請求権者が3人いる場合には750万円
- 被害者に被扶養者がいるときはさらに200万円を加算する
という運用になっています。
一方で、裁判基準(弁護士基準)の慰謝料額は、
- 被害者が一家の支柱と評価される場合:2800万円
- 被害者が母親、配偶者と評価される場合:2500万円
- 被害者がその他(独身の男女、子供、幼児等)と評価される場合:2000万円~2500万円
が一つの目安となります。
これらの金額は近親者固有の慰謝料を含む総額となりますが、
具体的な斟酌事由により増減されるべきともされています。
死亡慰謝料の金額というのは、ある種被害者の方の命の価値的な側面を含むことも事実ですから、
その金額が不当に低く設定されることは絶対に避けなければなりません。
死亡慰謝料の計算にあたっては専門弁護士の意見を聞くことをお勧めします。
追突事故の被害者が受け取れる慰謝料の相場
軽傷の場合の慰謝料相場
追突事故の被害が軽傷で済んだ場合、請求できるのは入通院慰謝料のみということになります。
先ほども見たように、入通院慰謝料の金額は入通院期間に応じて決まります。
総通院期間が1か月の場合には19万円、2か月の場合には36万円が目安となり、半年の通院の場合には89万円が目安となります。
自賠責基準や任意保険基準はこれよりも低額な計算がされることがほとんどです。
むちうちや骨折などの症状別相場
むちうちは追突事故の最も一般的な症状になります。
追突事故の場合、被害者は予期しないタイミングで真後ろから強い衝撃を受けることになります。
不意打ち的に首が強い力で振られることにより、頚部の過屈曲・過伸展が起こることが多いのです。
追突事故でむち打ちになった場合、事故態様の大きさや治療経過などにもよりますが、基本的には
- 後遺障害等級第12級13号「局部に頑固な神経症状を残すもの」
- 後遺障害等級第14級9号「局部に神経症状を残すもの」
- 後遺障害等級非該当(完治)
の3つの可能性が考えられることになります。
後遺障害等級第12級13号の認定を受けるためには、持続的な痛みや痺れが残存することを証明できる他覚的所見(MRI画像所見や神経学的検査所見等)が必要となります。
後遺障害等級第12級13号の認定を受けた場合、入通院慰謝料は116万円、後遺症慰謝料は290万円が一つの目安となります。
後遺障害等級第14級9号の認定には、第12級13号ほどの証明は必要とされませんが、持続的な痛みや痺れが残存することを医学的に説明できるだけの証拠が必要となります。
後遺障害等級第14級9号の認定を受けた場合、入通院慰謝料は89万円、後遺症慰謝料は110万円が一つの目安となります。
残念ながら後遺障害等級の認定を得られなかった場合や、幸い完治した場合などは、後遺症慰謝料の請求を行うことができません。
入通院慰謝料としては先ほど見たように、入通院期間の長短に応じて19万円~89万円の間で決定されることが多いです。
骨折の場合、入通院期間にもよりますが、基本的には入通院慰謝料は116万円を超えることになります。
また、骨折の部位や程度によって認定される後遺障害等級が変わり、110万円や290万円、それ以上の金額が認められる可能性があります。
後遺障害等級別にみる慰謝料の目安
以下は後遺障害等級に応じた後遺症慰謝料金額の目安です。
- 後遺障害等級第1級:2800万円
- 後遺障害等級第2級:2370万円
- 後遺障害等級第3級:1990万円
- 後遺障害等級第4級:1670万円
- 後遺障害等級第5級:1400万円
- 後遺障害等級第6級:1180万円
- 後遺障害等級第7級:1000万円
- 後遺障害等級第8級:830万円
- 後遺障害等級第9級:690万円
- 後遺障害等級第10級:550万円
- 後遺障害等級第11級:420万円
- 後遺障害等級第12級:290万円
- 後遺障害等級第13級:180万円
- 後遺障害等級第14級:110万円
これを見ていただけるとお分かりいただけるように、認定される後遺障害等級は後遺症慰謝料の金額に極めて大きな影響を与えます。
適切な後遺障害等級の認定が、適切な賠償金の獲得の第一歩と言っても過言ではありません。
過失割合10:0の場合の示談金の特徴
追突事故は被害者側(先行車側)が道路交通法に違反するような急ブレーキをかけたような場合を除いて、基本的には被害者側(先行車側)の過失は0になります。
被害者の過失が0であるいわゆる「10:0事故」の場合、被害者は発生した損害の全額について加害者側からの賠償を受けられるということになります。
では被害者側は何もしなくても適切な賠償を受けられるかというと全くそういうわけではなく、
発生した損害の認定にあたっては被害者側から適切な主張を行う必要があるため、弁護士への依頼などが有効になります。
慰謝料の請求方法と流れ
治療開始から示談交渉までの具体的な流れ
追突事故の被害者が慰謝料を請求する際、一連の流れを正しく把握することが大切です。
まず、事故が発生したら必要な証拠を収集し、速やかに医療機関を受診して診断書を取得します。
事故日から初診日の間隔が空いてしまうと、加害者側から「本当に今回の事故によって負った怪我に対する治療なのか?」という点で疑念を持たれかねません。
速やかな受診は治療としても損害賠償請求としても重要になります。
治療を継続する中で症状固定を迎えた場合には、後遺障害診断書を作成して、
後遺障害等級の認定を目指しましょう。
治療期間中に、加害者側保険会社から治療費一括対応の打ち切りを言われることがあります。
この際、主治医が治療の必要性を認めている場合には、治療費対応の延長を交渉したり、場合によっては自費での通院を検討すべきです。
適切な後遺障害等級の認定を得られた場合には、示談交渉に進みます。
加害者側の提示が適切かどうかをしっかり確認し、場合によっては弁護士に依頼して交渉を代行してもらうことも検討しましょう。
保険会社とのやりとりで注意すべき点
保険会社とのやりとりでは、被害者が不利な立場になることがあります。
保険会社は支払う賠償金を抑えるため、自賠責基準や任意保険基準で慰謝料を算定する場合が一般的です。
これにより、被害者に適正な損害賠償が支払われないケースも少なくありません。
また、保険会社が治療期間の早期終了を求めてきたり、慰謝料が低額で提案されたりすることもあるため、慎重な対応が求められます。
弁護士に相談することで、保険会社との交渉を有利に進めるサポートを受けられます。
弁護士に依頼するメリットと費用
追突事故での慰謝料請求を進める際、弁護士へ依頼するメリットは非常に大きいといえます。
弁護士は交通事故に関する法律の専門家であり、保険会社との交渉を全面的に代行してくれるため、被害者の負担が軽減されます。
また、弁護士基準に基づいた慰謝料の請求が可能になり、受け取れる金額が増加する可能性があります。
弁護士費用が気になるところですが、弊所は初回相談料無料・着手金無料・報酬金は獲得した金額からのご清算という報酬体系を原則としておりますので、
安心してご依頼いただくことが可能です。
また、弁護士費用特約に加入しているような場合には、保険が代わりに弁護士費用の一部または全部を負担してくれるため、
費用負担に対する不安なく弁護士に依頼することができます
(弁護士費用特約が利用な場合には、保険会社の基準に則り、相談料や着手金をご請求させていただく場合がございます。)。
追突事故の慰謝料請求では、専門弁護士に依頼することにより、受け取れる慰謝料や賠償金額を大幅に増額することができる場合があります。
追突事故被害に遭い、お困りの方やそのご家族の方は、ぜひ一度弁護士法人小杉法律事務所にお問い合わせください。
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