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テレビ朝日「グッド!モーニング」にてモバイルバッテリーの発火に関してのコメントが紹介されました。

2025.09.30

活動内容・実績

令和7年9月28日㈰のテレビ朝日番組「グッド!モーニング」にて、弊所弁護士大澤健人のコメントが紹介されました。

 

同番組においては、モバイルバッテリーが発火の原因となって、

  • 火災が発生した場合
  • 物を壊されてしまった場合
  • お怪我をさせられてしまった場合

に、法的にどのような扱いがされるのかについてコメントを行っております。

 

以下、同番組内で紹介されたコメントをはじめ、放送内ではお伝えできなかった弁護士大澤健人の見解を掲載しておりますので、

ご一読ください。

 

弊所弁護士大澤健人の紹介ページはこちら。

 

モバイルバッテリーの発火に関する損害賠償請求の考え方

民法や民事訴訟法文献

損害賠償請求を想定した場合、様々な可能性が考えられます。

契約関係にある方に対しては、民法415条を根拠として、債務不履行に基づく損害賠償請求を行っていくことが考えられます。

 

契約関係にない方に対しては、民法709条を根拠として不法行為に基づく損害賠償請求を行っていくことが考えられます。

 

不法行為責任については、製造物責任法(いわゆるPL法)や失火責任法などの特別な法律が存在しております。

こうした法律は、特別法ということになりますので、民法709条の特則と位置付けられます。

 

債務不履行責任について

例えば、不動産を賃貸している方が、賃借人に火災を起こされてしまったという場合などが想定されます。

 

賃貸人は、賃借人に対し、賃貸借契約に基づく原状回復請求を行うことができます。

原状回復請求が行えない場合には、損害賠償請求が行えることになります。

 

この場合には、後述する失火責任法は、不法行為責任の特則である関係上、債務不履行責任においては適用されません。

 

不法行為に基づく損害賠償請求

不法行為に基づく損害賠償請求については、故意又は過失に基づく加害行為が必要となります。

 

故意とは、他人の物を棄損させる認識で発火をさせたような、わざと発火させた場合をいいます。

 

過失とは、ある行為を行ってしまった場合に、その行為によって発火が生じ、他人の物を棄損させ、

又は、他人に怪我を負わせてしまう危険性があることを予見可能であったにもかかわらず、

それを防ぐ行動をとらなかったという結果回避義務違反をいいます。

 

こうした、故意又は過失がある場合には、モバイルバッテリーの使用者に対して損害賠償請求を行っていくことが検討されます。

正しい使用方法を行っていなかったり、禁止されている方法で使用していたり、落下や経年劣化などで大きく変形や膨張しているにもかかわらず使用していたりするなどの過失行為が想定されます。

 

こうした行為があり、発火をさせてしまったという場合には、過失に基づく加害行為があるということができますので、損害賠償請求が可能な場合があります。

 

ただし、失火責任法という法律が存在しております。

この法律においては、失火者に対する損害賠償請求が、「重過失」があった場合に限定されております。

 

ここでいう重過失とは、当該行為を行た場合には火災が起きる可能性が高いことが明らかであり、ごく簡単な注意を尽くしていれば火災を防げたというような場合をいいます。

建物火災などについては、この失火責任法によって失火者の賠償責任が限定されているため、損害賠償請求が認められないケースが多く存在します。

 

したがって、どのような原因行為があったのかということが重要となってきます。

特に下記のPSEマークの付されている製品を通常の用法で使用していた場合には、重過失が認められる可能性は低くなると思われます。

 

PL法について

そこで、他にも賠償請求を行う相手を検討する必要が出てきます。

 

製造物責任法では、製造者や輸入業者が損害賠償責任を負うケースがあります。

  1. 物の製造についての欠陥
  2. 物の設計に関する欠陥
  3. 指示・警告に関する欠陥、

以上のいずれかの欠陥が存在する場合には、損害賠償請求が行える場合があります。

 

ここでいう欠陥というのは、当該製造物の特性、その通常予見される使用形態、その製造業者等が当該製造物を引き渡した時期その他の当該製造物に係る事情を考慮して、

当該製造物が通常有すべき安全性を欠いていることをいいます。

 

ここでもう一つ大事な事情として、PSEマークの有無を考える必要があります。

PSEマークというのは、国の安全基準を満たしている製品に対して付加されるものであります(一般財団法人日本品質保証機構「電気用品安全法(PSEマーク)(法律に基づく義務」参照)。

 

PSEマークがある製品に関しては、上記の欠陥がない可能性が高いため、製造業者や輸入業者に対して損害賠償請求を行うことが難しい可能性が高くなってしまいます。

 

また、仮にPSEマークがない製品であっても、PSEマークがないというだけで損害賠償請求が可能なわけではございません。

上記1~3の欠陥が証明できなければ、損害賠償請求ができない可能性があります。

こうした欠陥の証明は、専門的な知見が必要なことが多く、適切な調査を行っていただく必要があります。

 

*この点に関しては、先日の放送では、PSEマークがない場合には、損害賠償請求ができる可能性が高いと説明がありましたが、この点は誤りです。

取材の際には、上記のとおりの説明を行っておりましたので、この点、誤解のないように補足をさせていただきます。

 

モバイルバッテリーの発火原因の調査について

製品の事故があった場合には、消費者庁による消費者事故調査を行っていただくように申入れを行うことも重要です。

 

また、警察や消防にも適切な調査を行っていただくように申し入れることも重要です。

こうした機関により、速やかな調査をしていただくことが重要となります。

 

また、相手方の氏名、住所、電話番号などの情報を取得しておくことも非常に重要になります。

 

こうした機関が調査した結果は、弁護士法23条の2に基づく照会により取得できる場合もございます。

この照会結果を証拠として、損害賠償請求を行っていくことになると思われます。

 

ただし、こうした機関に調査の依頼をしても、スムーズに調査をしていただけない場合もございます。

 

そうした場合には、調査をしていただくように申入れを行うなどの活動もサポートさせていただけます。

どのように動くべきなのかなども含めご相談させていただくことができます。

 

モバイルバッテリーの発火により生じた人身損害について

以上のようなポイントを踏まえ、モバイルバッテリーによる発火でお怪我が発生してしまった場合に、請求できる人身損害について解説します。

 

積極損害

積極損害とは、お怪我を負ってしまったことで余計に支払わなければいけなくなった損害をいいます。

代表例は治療費、通院交通費入院雑費などです。

 

積極損害は、必要かつ相当な実費については基本的に請求が可能となります。

 

消極損害

消極損害は、本来得られるはずであったのに、お怪我を負ってしまったことで得られなくなった損害をいいます。

代表例は、休業損害逸失利益です。

 

このうち逸失利益とは、後遺症が残ってしまったことで将来にわたって働きにくさが残ってしまったことにより生じる損害をいいます。

モバイルバッテリーの発火でお怪我を負ってしまった場合には、例えば火傷をした部分に痛みが残ってしまったり、傷跡が残ってしまったりといった後遺症が考えられます。

 

関連記事:顔に傷が残ってしまった場合|医師監修記事・後遺障害専門の弁護士法人小杉法律事務所

 

逸失利益の請求にあたっては、モバイルバッテリーの発火により後遺症が残ってしまい、その後遺症によって働きにくさがあるということを主張しなければなりません。

 

慰謝料

モバイルバッテリーの発火によりお怪我を負ってしまった場合には、入通院慰謝料と(後遺症が残ってしまった場合には)後遺症慰謝料を請求することが可能となります。

 

先ほどの逸失利益についてもそうですが、人身損害について適切な賠償を得るためには、

後遺症が残ってしまったことを適切に主張する必要があります。

 

人身損害が生じた場合には、こういった被害を専門としている弁護士に依頼することで、受け取れる金額が大きく変わる可能性があります。

 

まとめ

以上のように、モバイルバッテリーが発火の原因となって損害が発生してしまった場合には、

法的にさまざまな問題が発生します。

 

受けた被害について適切な賠償を得るためには、専門の弁護士へのご相談をお勧めします。

この記事の監修者弁護士

小杉 晴洋 弁護士
小杉 晴洋

被害者側の損害賠償請求分野に特化。
死亡事故(刑事裁判の被害者参加含む。)や後遺障害等級の獲得を得意とする。
交通事故・学校事故・労災・介護事故などの損害賠償請求解決件数約1500件。

経歴
弁護士法人小杉法律事務所代表弁護士。
横浜市出身。明治大学法学部卒。中央大学法科大学院法務博士修了。

所属
横浜弁護士会(現「神奈川県弁護士会」)損害賠償研究会、福岡県弁護士会交通事故被害者サポート委員会に所属後、第一東京弁護士会に登録換え。日本弁護士連合会業務改革委員会監事、(公財)日弁連交通事故相談センター研究研修委員会青本編集部会。

弁護士小杉晴洋の詳しい経歴等はこちら

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