後遺障害
交通事故の後遺障害が認定されるまでの期間と知らないと損するポイント
2024.12.13
このページでは、交通事故被害者側の損害賠償請求を専門とする弁護士が、
- 後遺障害等級認定までの流れ
- 後遺障害等級認定にかかる期間
- 後遺障害認定を巡るトラブルと対処法
- 後遺障害認定で知っておくべきポイント
などについて解説します。
弁護士法人小杉法律事務所では、交通事故被害者側の損害賠償請求を専門とする弁護士による後遺障害等級の無料査定サービスを実施しております。
交通事故被害に遭い、ご自身に認定されうる後遺障害等級について疑問をお抱えの方は、
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後遺障害等級認定までの流れ
後遺障害等級認定とは?
後遺障害等級認定とは、交通事故で怪我をした後、治療を受けて症状固定に至ったあとも後遺症が残る場合に、それがどの程度の障害に該当するかを評価し、14段階の等級で区分する制度です。
この等級は損害賠償の算定基準となり、慰謝料や逸失利益の金額を大きく左右します。適切な認定を受けることが、事故後の補償をスムーズに進める鍵となります。
後遺障害診断書の重要性
後遺障害等級認定を受ける上で、後遺障害診断書は最も重要な書類です。
医師が作成するこの診断書には、後遺症の具体的な内容や症状固定のタイミングが記載されます。
自賠責損害調査事務所の後遺障害等級認定の判断は原則として書面審査であり、
後遺障害診断書の記載は極めて大きな影響を与えますから、適切な後遺障害診断書の作成はとても重要です。
後遺障害診断書の作成にあたっては、弁護士に相談し、ポイントを押さえた後遺障害診断書の作成をしていただくよう主治医に依頼する必要があります。
認定のための必要書類一覧
後遺障害等級認定を申請する際には、さまざまな必要書類を用意する必要があります。
主な書類としては、後遺障害診断書、交通事故証明書、経過診断書、診療報酬明細書、画像検査のデータ(MRIやCTなど)が挙げられます。
加えて、本人が作成する事故発生状況報告書や、本人の印鑑登録証明書の提出が必要となります。
正確かつ必要な情報が揃っていない場合、認定が遅れる可能性が高いため、事前にリストを作成し不備がないよう確認しましょう。
申請方法の種類:事前認定と被害者請求
後遺障害等級認定の申請方法には、大きく分けて「事前認定」と「被害者請求」の2種類があります。
事前認定は、相手方任意保険会社が書類の取り付けや申請を代行して手続きを進める方法です。
被害者が自身で書類の取り付けなどの手続を行う必要がない点はメリットですが、被害者側として不利になるような証拠も提出されたりするリスクがあります。
一方で被害者請求は、被害者自身が必要書類を揃え、直接損害保険料率算出機構へ申請する方法です。
被害者側が提出書類を取捨選択できるという点が大きなメリットですが、書類の取り付けなどの手間はかかります。
被害者請求を弁護士に依頼する場合には取り付けの手間もかからないため、おすすめです。
後遺障害等級認定にかかる期間
認定結果までの目安
後遺障害等級認定の結果が出るまでの期間は、通常1か月から2か月とされています。
損害保険料率算出機構が出している「2023年度_自動車保険の概況」によれば、後遺障害等級認定を求める請求の87.8%が60日以内に調査が終了しているとのことです。
ただし、書類の不備や医療照会の回答遅れなどが原因でさらに時間がかかる場合がありますし、
この調査期間はあくまで自賠責保険から損害調査事務所に書類が送られてから、損害調査事務所内での調査が終了するまでの期間です。
自賠責保険内部での書類の精査や、支払手続などを含めると、実際に被害者本人に結果が届くのは2~3か月を要することも多いです。
また、高次脳機能障害をはじめとする一部の事案では、調査記録が本部に送致されて調査が行われる場合があり、
多くの時間を要する場合があります。
特に高次脳機能障害の事案では半年から1年程度を要することもあります。
複雑なケースが長引く理由
認定が長引く原因として最も代表的なものは、事故の内容や後遺症の症状が複雑なケースです。
たとえば、骨折や神経障害が絡む複合的な後遺障害の場合、医学的な判断が難しく、損害保険料率算出機構が詳細な調査を必要とするため、認定までの期間が延びる傾向にあります。
また、複数の診療機関からの診断結果が必要な場合や、診断書と症状の一致性に疑問がある場合も時間がかかる要因となります。
認定を早めるためのポイント
後遺障害等級認定を早めるためには、書類の不備を徹底的に防ぐことが最も効果的です。
特に後遺障害診断書の内容が重要であり、医師に状況を正確に説明した上で、適切な診断書を作成してもらうことがポイントです。
そのほか提出書類に不備がないかを確認したうえで提出することが必要です。
弁護士のサポートのメリット
後遺障害等級認定において、弁護士のサポートを受けることは多くのメリットがあります。
弁護士は必要書類の確認や作成サポートを行うだけでなく、問題が発生した際には保険会社や認定機関とのやり取りを行います。
また、実際に後遺障害等級が認定された後に損害賠償請求を行う際にも適切な補償を得られるため、効率的な解決が可能です。
交通事故による後遺障害で不安が多い場合には、早めに弁護士に相談することをおすすめします。
後遺障害認定をめぐるトラブルと対処法
申請がなかなか進まない場合
交通事故の後遺障害認定申請が進まない理由としては、保険会社から審査機関への書類提出の遅れや、必要書類の不備、医師による診断書や医療照会の対応が遅れていることが挙げられます。
このような場合には、まず保険会社や提出先に状況を確認することが重要です。進行状況が把握できれば、必要に応じて問い合わせや追加対応を行うことができます。
等級認定結果を不服とする場合
後遺障害等級認定の結果に納得がいかない場合には、異議申立てを行うことができます。
異議申立てを行う際には、認定結果に影響を与える新しい証拠や医師の意見書を追加で提出することが重要です。
不服申立てが認められるケースでは、適切な補償を得られる可能性が高まりますが、申立ての手続には専門的な知識が必要な場合が多いため、弁護士のサポートを受けることが望ましいです。
当事務所でも弁護士の異議申立てにより適切な後遺障害等級の認定を得た事例が数多くございます。
以下はその一例です。
- 関連記事:むち打ちで異議申立により後遺障害等級併合14級を獲得、約190万円にて示談解決した事例
- 関連記事:異議申立てにより、関節拘縮による肩の可動域制限について後遺障害等級10級10号を獲得、約1500万円で示談解決
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- 関連記事:【むち打ち】自賠責保険非該当の判断に対し、自費通院の経過を丁寧に立証し、異議申立てにより14級9号を獲得した事例(375万円で示談解決)
- 関連記事:【肩関節捻挫】自賠責保険非該当の判断に対し、主治医の医療照会回答結果をもとに再異議申立てを行い、後遺障害等級14級9号を獲得した事例
保険会社との交渉の注意事項
交通事故の被害者にとって、保険会社との交渉は大きな負担と感じられることが多いです。
保険会社は交渉を通じて支払いを最小限にとどめようとする傾向があるため、提示される内容が必ずしも適切であるとは限りません。
保険会社との交渉時には資料や根拠を揃え、冷静に対応することが大切です。
また、自分1人では対応が難しい場合は、弁護士の助けを借りることで、損害賠償請求を進めやすくなるケースも多くあります。
弁護士基準(裁判基準)での慰謝料請求の方法
交通事故における慰謝料請求は、自賠責基準や任意保険基準よりも弁護士基準を適用することで、一般的に高額な補償を得られる可能性が高まります。
弁護士基準は過去の裁判例などをもとに計算されるため、より妥当な金額を請求することができます。
適切な慰謝料を受け取るためには、交通事故に詳しい弁護士へ相談し、後遺障害の程度や等級に応じた計算を行ってもらうことが推奨されます。
- 関連記事:交通事故被害者が知っておくべき自賠責保険の慰謝料の基準
- 関連記事:両方もらえる!?交通事故慰謝料の自賠責と任意保険を賢く活用する方法
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後遺障害認定で知っておくべきポイント
適切なタイミングで症状固定する重要性
交通事故によって負った怪我が治療を受けても完治しない場合、重要となるのが「症状固定」です。
症状固定とは、これ以上治療により改善が見込めない状態を指します。
このタイミングを適切に見極めることが、後遺障害等級認定の結果に大きな影響を与えます。
症状固定を早すぎる段階で行うと、後遺症や損害の実態を正確に評価できない場合があります。
一方で、治療を長引かせすぎると認定までの期間が延び、特に被害者にとっての経済的な負担が増大するリスクがあります。
したがって、医師と相談しながら適切なタイミングで症状固定を行うことが重要です。
相手方保険会社による治療費対応が打ち切られるような場合であっても、事情によっては後遺障害等級認定を得るためには通院を継続した方が良い場合もあるため、
弁護士に相談することをお勧めします。
適切な後遺障害診断書の取り付け方法
後遺障害の認定には医師の診断と協力が不可欠です。
特に診察時には、事故による症状や日常生活での支障を詳しく伝えることで、医師に正確な判断をしてもらうことが重要です。
その後、後遺障害診断書や意見書を作成してもらう際には、申請手続きの基準や書類の内容に沿うように依頼する必要があります。
医師が認定基準に不慣れな場合もあるため、弁護士や専門家を通じて適切なアドバイスを受け、書類に抜けや誤りがないよう準備することが、後遺障害認定成功への鍵となります。
交渉力を高めるための基礎知識
後遺障害の等級認定やその後の損害賠償請求を有利に進めるためには、交渉力を高めるための基礎知識が欠かせません。
具体的には、後遺障害の等級基準、自賠責保険や任意保険の仕組み、また慰謝料や損害賠償の計算方法などを理解しておくことが役立ちます。
知識があることで、不当な条件を提示された場合にも適切に対処でき、必要に応じて弁護士基準を用いた交渉ができるようになります。
被害者として冷静に交渉を進めるためには、専門的な知識を持つことがポイントです。
低い等級を防ぐ工夫と注意点
低い後遺障害等級が認定されることを防ぐためには、いくつかの工夫と注意が必要です。
まず、後遺障害診断書に自覚症状を端的かつ明確に記載してもらうことが必要です。
この時、例えば「上を見た時に首が痛い」「座り仕事が腰が痛くて辛い」などと言ってしまうと、
「じゃあ上をみなければ痛くないのか?」「じゃあ座り仕事以外では痛くないのか?」という疑念を生じさせてしまいますから、
この場合には単に「頚部痛」「腰部痛」と書いていただいた方が効果的ということもあり得ます。
また、自分の症状に正当に合った等級が認定されるよう、必要に応じて被害者請求を選択することも考慮してください。
さらに、認定結果が不服な場合は異議申立てを行うことが可能です。その際には、過去の認定事例や専門家のアドバイスを参考に新たな医療証拠を用意することが効果的です。
これらの工夫を取り入れることで、認定結果の精度を高めることができます。
まとめ:適切に後遺障害認定を受けるための要点
早期対応の重要性
交通事故後に後遺障害が疑われる場合、まずは迅速に治療や必要な診断を受けることが重要です。
事故日と初診日との間に時間が空いてしまうと、「本当にその事故による怪我なのか?」という点を突っ込まれかねません。
そのため、事故後はすぐに整形外科を受診し、医師と相談しながら、後遺症が残ると判断される場合には適切な後遺障害診断書の作成をすることが必要となります。
信頼できる専門家に相談しましょう
後遺障害等級認定においては、提出書類や申請方法が重要な役割を果たしますが、被害者自身で対応するのは困難な場合もあります。
専門の弁護士を活用することで、複雑な手続きや書類の準備において適切なアドバイスを受けられ、損害賠償請求に向けた準備もスムーズに進めることができます。
また、弁護士基準での慰謝料請求をすることで、認定後の賠償金をより適正に受け取る可能性も高まります。
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