後遺障害等級11級の徹底解説:慰謝料と逸失利益の計算方法
2024.07.23
損害賠償請求
このページでは、損害賠償請求専門弁護士が、
後遺障害等級11級の認定基準や、認定された場合の慰謝料・逸失利益の計算方法について解説します。
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後遺障害等級11級とは
後遺障害等級11級の定義
後遺障害等級11級とは、交通事故や労災などによって生じた後遺障害の深刻さを示す等級のひとつです。
この等級は、身体の特定部位における機能障害や外見的な損傷が、日常生活や労働において顕著な影響を与える程度を評価したものです。
具体的には、両眼の眼球やまぶたの機能障害、歯の補綴、聴力障害、脊柱の変形、手指や足指の損傷、そして胸腹部臓器の機能障害などが該当します。
被害者の方のお体に残ってしまった後遺症を、しっかりと適切な後遺障害等級として認定してもらうことが、適切な慰謝料や逸失利益の請求のはじめの一歩となります。
後遺障害等級11級の症状と認定基準
後遺障害等級11級の認定基準は非常に詳細で、事故や労災によって生じる具体的な症状に基づいています。具体的に見ていきましょう。
目の障害
が後遺障害等級11級に該当します。
耳の障害
が後遺障害等級11級に該当します。
歯牙障害
が後遺障害等級11級に該当します。
せき柱の障害
が後遺障害等級11級に該当します。
手指の障害
が後遺障害等級11級に該当します。
足指の障害
が後遺障害等級11級に該当します。
胸腹部臓器の障害
が後遺障害等級11級に該当します。
これらの 後遺障害等級11級が認定されることで、交通事故被害者は自賠責保険から自賠責保険金を、労災事故被害者は労災保険から障害(補償)給付をそれぞれ受け取ることができます。
慰謝料の計算方法
自賠責基準による慰謝料
自賠責基準による慰謝料は、交通事故における後遺障害11級が認定された場合、上限が331万円と定められています。
この基準は自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)が設定した金額で、後遺障害に対する基本的な補償金額となります。
被害者が負った後遺障害が11級に認定された場合、この金額をベースに慰謝料が計算されます。
労災保険基準による給付
労災保険による障害(補償)給付の金額は以下の通りです。
障害等級 | 障害(補償)年金又は一時金 | 障害特別年金又は一時金 | 障害特別支給金 |
第11級 | 給付基礎日額の223日分の一時金 | 給付基礎日額の223日分の一時金 | 29万円の一時金 |
なお、労災保険給付には慰謝料という概念がありませんので、給付はこの障害(補償)給付のみです。
弁護士基準による慰謝料
自賠責基準と比較して、弁護士基準による慰謝料はより高い金額となる可能性があります。
弁護士基準における後遺障害等級11級の後遺症慰謝料は420万円です。
逸失利益の計算方法
逸失利益の基本概念
逸失利益とは、事故によって失われた将来の収入を指します。
具体的には、交通事故などにより後遺障害が残った場合、その障害がなければ得られていたはずの収入のことです。
逸失利益は損害賠償金の多くを占めることが多いため、損害賠償請求時にはポイントを押さえておく必要があります。
労働能力喪失率と喪失期間
逸失利益を計算する際の重要な要素の一つが「労働能力喪失率」です。
後遺障害11級の場合、この労働能力喪失率は20%とされています。また、労働能力喪失期間とは、この損失が何年続くかを指します。
基本的には、この期間は症状固定日から労働可能年齢である67歳までの期間を指します。
基礎収入と逸失利益の計算式
逸失利益を計算するためには、まず「基礎収入」を特定する必要があります。基礎収入は基本的には事故前の収入を基にして算出します。
具体的な逸失利益の計算式は
- 基礎収入 × 労働能力喪失率 × 労働能力喪失期間(に対応するライプニッツ係数)
です。
例えば、基礎収入が500万円、労働能力喪失率が20%(後遺障害11級の場合)、そして労働能力喪失期間が10年であるとします。
この場合、逸失利益は以下のように算出されます。
- 500万円 × 0.2 × 8.5302(10年間に対応するライプニッツ係数) = 約853万0200円
計算自体は簡単ですが、
特に保険会社相手はプロですので、細かいところで金額を抑えようとしてきます。
適切な金額を受け取るために弁護士にご相談されることをお勧めします。
まとめ
後遺障害11級の認定を受けた場合、適切な慰謝料と逸失利益の金額を獲得するためには、その基準や計算方法を理解することが重要です。
自賠責基準では慰謝料の上限が331万円である一方、弁護士基準を用いることで420万円+逸失利益で数百万円〜2000万円の請求が可能です。
特に、逸失利益は大きな金額になりますから注意が必要です。
後遺障害11級の具体的な症状や認定基準についても十分理解し、自身のケースがどれに該当するのか確認することが大切です。
事故による損害賠償を最大限に得るためには、保険会社から提示される低額な示談金を鵜呑みにせず、専門の弁護士に相談して適切な金額を要求することをお勧めします。
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