後遺障害14級の主な症状と適正な慰謝料のもらい方を弁護士が解説!
2024.08.06
損害賠償請求
このページでは、損害賠償請求を専門とする弁護士が、
後遺障害14級の症状や適切な慰謝料のもらい方について解説します。
弁護士法人小杉法律事務所では、損害賠償請求専門弁護士による初回無料の法律相談を実施しております。
損害賠償請求専門弁護士へのお問い合わせはこちらのページから。
後遺障害14級の特徴と慰謝料の基準
後遺障害等級とは、交通事故や労災、学校事故などにより後遺症が残った場合、その程度や影響を評価して定められる等級のことを指します。
等級は1級から14級まであり、数字が小さいほど重い症状を示します。
これは、労働者災害補償保険法の規定に基づいており、自動車損害賠償保障法や、独立行政法人日本スポーツ振興センターに関する省令も、
この規定に準ずる形で等級認定の規定が置かれています。この等級に基づいて、被害者が受け取ることができる慰謝料などの賠償金額が決定されます。
後遺障害14級の特徴
後遺障害14級は、後遺障害等級の中でも最も低い等級であり、「軽い後遺症」が残る場合に該当します。
14級には全部で9つの号(項目)が存在し、その症状としては「局部に神経症状を残すもの」が特に多く認定されます。
この14級9号に含まれる具体的な症状としては、むち打ちによる頚部痛や腰部痛であることが多いです。
後遺障害14級の慰謝料基準
後遺障害14級が認定された際の慰謝料は、自賠責基準で32万円です。
後遺障害等級が認定された場合には、後遺症慰謝料の他に逸失利益という費目についても請求が可能ですが、
自賠責保険金はこの逸失利益を合わせても最大で75万円しか支払がありません。
任意保険会社の慰謝料基準は、この自賠責保険の32万円よりは高いですが、40万円~80万円に収まることが多いです。
一方で、弁護士に依頼した場合に用いられる弁護士基準(裁判基準)は、110万円が1つの目安になります。
このように、弁護士に依頼することで、後遺障害慰謝料14級の金額や逸失利益を増額できる可能性があります。
後遺障害14級の認定を受けた場合には、まずは弁護士の相談を受けてみることをお勧めします。
後遺障害14級の主な症状
むち打ちによる症状
後遺障害14級に認定される症状として最も多いのがむち打ち症による頚部痛や腰部痛といった、「局部の神経症状」です。
むち打ちとは交通事故などにより、首の過屈曲や過伸展が起こり、頚部や腰部に神経痛を抱えてしまうことを言います。
これらの症状が持続し、日常生活に支障をきたす場合、後遺障害14級に認定されることがあります。
むち打ちにより頚部痛や腰部痛を残す場合、手先や足先に痺れを伴うことがあります。
この手先や足先の痺れを伴う場合については、後遺障害14級9号の1つ上位の等級である後遺障害12級13号の認定を得られる可能性があります。
後遺障害等級第12級13号と後遺障害等級第14級9号の分水嶺は、「他覚的所見の有無」です。
他覚的所見とは、痛みや痺れの原因があることが医学的・客観的に証明できる証拠のことを言い、
画像所見や神経学的所見により証明がされます。
逆に言えば後遺障害等級第14級9号は、痛みや痺れの原因があることが医学的・客観的に証明できるような証拠がなくても、
認定の可能性があるということですから、痛みや痺れが残存していることを推認できるような治療・症状経過を辿っている必要があります。
むち打ちによる後遺障害等級第14級9号の認定の主な要件は以下の6つです。
- 常時の痛みや痺れであること
- 事故態様が軽微ではないこと
- 症状の推移に不自然さがないこと
- 所見が無いとは言えないこと
- 通院頻度や通院期間が適切であること
- 通院先の病院の選定を間違っていないこと
むち打ち症の後遺障害等級認定要件についての詳しい解説はこちら。
その他の後遺障害14級の症状
その他後遺障害14級に認定される可能性がある症状は以下のとおりです。
眼の障害
- 第14級1号 一眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの
歯の障害
- 第14級2号 3歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
耳の障害
醜状障害
- 第14級4号 上肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの
- 第14級5号 下肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの
手指の障害
- 第14級6号 1手のおや指以外の手指の指骨の一部を失ったもの
- 第14級7号 1手のおや指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなったもの
足指の障害
- 第14級8号 1足の第3の足指以下の1又は2の足指の用を廃したもの
神経系統の機能または精神の障害
- 第14級9号 局部に神経症状を残すもの
後遺障害14級の慰謝料の基準と相場
自賠責基準
自賠責基準は、後遺障害14級の慰謝料を計算する際の最低額を示しています。
この基準では、後遺障害の14級に該当する場合の慰謝料は32万円とされています。
これは交通事故により最低限の後遺症が残った場合に受け取ることができる基準額です。
任意保険基準
任意保険基準は、自賠責基準よりも高めに設定されていますが、それでも裁判所の基準には及びません。
保険会社によって異なりますが、後遺障害14級の慰謝料は約40万円から80万円の範囲に収まることが多いです。
この基準は各保険会社が独自に設定しており、被害者にとっては必ずしも適正とは言えない場合もあります。
弁護士基準
弁護士基準(裁判基準)は、最も高い慰謝料を受け取るための基準です。
後遺障害14級の慰謝料はこの基準で110万円とされており、最も被害者に有利な額となります。
弁護士に依頼することで、この基準に基づいた慰謝料の請求が可能となります。
また、弁護士を通じて交渉することで、保険会社の提示する金額よりも高い慰謝料を受け取ることができる場合があります。
後遺障害14級で適正な慰謝料をもらうためのポイント
後遺障害等級の獲得
後遺障害14級の慰謝料を適正にもらうためには、まず大前提として後遺障害14級の認定を受けなければなりません。
特に、後遺障害14級に該当するむち打ちやしびれの症状がある場合は、他覚的に症状の残存を証明できるものがありませんから、
その症状が後遺障害として認定されるための証拠をしっかりと揃えることが求められます。
中でも後遺障害診断書の記載内容は極めて重要です。
自賠責保険に請求が合った後遺障害の認定については損害保険料率算出機構の自賠責損害調査事務所により調査をされますが、
この自賠責損害調査事務所における調査は書面によることが多いため、後遺障害の程度や内容を記した後遺障害診断書の記載は極めて大きな影響力を持ちます。
治療中から弁護士によるアドバイスを受けることはもちろんですが、症状固定付近で後遺障害診断書の作成についてのアドバイスを受けることで、
後遺障害14級の認定率は大きく変わります。
後遺障害診断書について弁護士に相談した方が良い4つの理由とは?
弁護士法人小杉法律事務所では、後遺障害診断書の作成に当たり、医師に留意していただきたいポイントをまとめたお手紙を送ったり、
作成していただいた診断書に不備があると思われるときにはその訂正の依頼をしたりといった工夫を行うことで、後遺障害等級の獲得に全力を尽くしています。
弁護士への相談
後遺障害14級の慰謝料を適正に受け取るためには、弁護士に相談することも一つのポイントです。
弁護士は後遺障害等級の認定から慰謝料の計算方法まで専門的な知識を持っているため、適切なアドバイスを受けることができます。
保険会社からの提示金額が裁判基準よりも低い場合、弁護士が介入することで増額交渉が可能となることが多いです。
弁護士法人小杉法律事務所の後遺障害14級の解決事例
弁護士法人小杉法律事務所では、後遺障害診断書の訂正により後遺障害14級を獲得したり、示談交渉により裁判基準満額を獲得したりといった事例が複数ございます。
以下はその一部でございます。
- 【頚椎捻挫】むち打ち兼業主婦について、仕事がしづらくなった損害と家事がしづらくなった損害の双方を認めさせ約370万円で解決した事例
- 【頚椎捻挫・腰椎捻挫】追突むち打ち主婦の事例で、後遺障害等級併合14級だが労働能力喪失率は12級基準の14%で認められた事例
- 【頚椎捻挫】自賠責保険のむち打ち非該当の判断に対し、異議申立てにより事故解析やカルテ等の分析結果を伝え、後遺障害等級14級を獲得した事例(保険会社提示約60万円が6倍の約360万円にアップ)
- 【頚椎捻挫・腰椎捻挫】むち打ち後遺障害等級14級の被害者について、保険会社提示額約160万円から、弁護士介入後1か月で2倍以上に損害賠償金を上げて示談解決(約370万円)
- 【頚椎捻挫・腰椎捻挫】刑事記録から交通事故の衝撃の強さを立証し、カルテから治療や症状の推移を説明することにより、異議申立により後遺障害等級併合14級獲得(損害賠償金300万円以上で示談解決)
- 【むち打ち】【治療費打ち切り阻止】保険会社提案80万円→裁判により4倍以上の360万円で解決
- 【外傷性頚部症候群・腰部挫傷】弁護士介入により後遺障害等級併合14級を獲得し、交通事故前年所得の約8倍の年収を認定させて示談解決した事例
- 【むち打ち】自賠責保険・熊本地方裁判所と非該当判断であった夫婦につき、福岡高等裁判所にて後遺障害等級14級が認められた事例
- 【頚椎捻挫・腰椎捻挫・右肩関節捻挫】後遺障害等級14級が3つ認定されたことを理由に、逸失利益10%10年が認められ、720万円の示談解決
- 【頚椎捻挫】10代女性のむち打ち症で、異議申立てにより後遺障害等級14級9号を獲得した事例
後遺障害14級の慰謝料については弁護士に相談しましょう
慰謝料の受け取りにおいて、保険会社との交渉が重要となります。
特に後遺障害14級認定の慰謝料については、保険会社の初期提示金額が低いことが一般的です。
交渉の際には、収集した証拠や医師の診断書を基に根拠を示しつつ、相手方と冷静に対話を進めることが求められます。
弁護士に交渉を依頼すると、専門的な知識と経験を活かして、より有利な条件での合意を目指すことができます。
弁護士法人小杉法律事務所では、損害賠償請求を専門とする弁護士が、
後遺障害等級の獲得から適切な示談解決まで全力でサポートいたします。
弁護士法人小杉法律事務所では損害賠償請求を専門とする弁護士が、初回無料の法律相談を実施しております。