交通事故コラム

後遺障害 慰謝料 逸失利益

交通事故の後遺障害(後遺症)の慰謝料はいくら?等級別の相場や増額のポイントを解説

2025.01.20

後遺症慰謝料 後遺障害慰謝料 後遺障害診断書

 

交通事故で後遺症が残った場合、保険会社から提示される慰謝料の金額が適正かどうか、判断が難しいと感じている方も多いのではないでしょうか。

このページでは、交通事故被害者側の損害賠償請求を専門とする弁護士が、

  • 後遺障害(後遺症)慰謝料の算定基準と等級別の相場
  • 適切な慰謝料を受け取るためのポイント
  • 慰謝料交渉を有利に進める方法
  • 弁護士に依頼するメリット

などについて解説します。

交通事故に強い弁護士法人小杉法律事務所では、交通事故被害者側の損害賠償請求を専門とする弁護士による賠償金無料査定サービスを行っております。

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目次
  1. 交通事故での後遺障害(後遺症)の慰謝料の算定基準
    1. 自賠責保険基準
  2. 【等級別】交通事故での後遺障害(後遺症)の慰謝料の金額相場
    1. むちうちや神経系統の後遺障害のケース
    2. 高次脳機能障害などの重度な後遺症のケース
  3. 交通事故での後遺障害(後遺症)の基本知識
    1. 後遺症とは
    2. 後遺障害との違い
    3. 症状固定とは
    4. 後遺障害の分類と認定基準
  4. 適正な慰謝料を算出するための基礎知識
    1. 慰謝料とは
    2. 後遺障害等級とは
    3. 逸失利益の計算方法
  5. 後遺障害認定を受けるための基礎知識
    1. 認定に必要な書類
    2. 医師に記載してもらう診断書のポイント
    3. 申請手続の流れ
    4. 認定後にすべきこと
  6. 交通事故での後遺障害(後遺症)の慰謝料を適切に受け取るポイント
    1. 定期的に治療を受ける
    2. 早期に弁護士へ相談する
    3. 適切な後遺障害診断書を作成してもらう
    4. 納得できない場合は異議申立てする
  7. 交通事故での後遺障害(後遺症)の慰謝料が増額・減額されるケース
    1. 増額されるケース
    2. 減額されるケース
  8. 後遺障害慰謝料以外の交通事故の損害賠償
    1. 積極損害
    2. 消極損害
  9. 交通事故での後遺障害(後遺症)の慰謝料を受け取るまでの流れ
  10. 交通事故での後遺障害(後遺症)の慰謝料請求を弁護士に任せるメリット
    1. 弁護士基準(裁判基準)での慰謝料請求が可能になる
    2. 後遺障害等級の認定サポートを受けられる
    3. 異議申立てを適切に行える
    4. 精神的負担を軽減できる
  11. 交通事故での後遺障害(後遺症)の慰謝料交渉を有利に進める方法
    1. 弁護士に相談する
    2. 後遺障害等級が適切か慎重に確認する
    3. 被害者の状況に応じて解決方法を決める
    4. 慰謝料増額のための証拠収集をしておく
  12. 交通事故での後遺障害(後遺症)の慰謝料に関するよくある質問
    1. 後遺障害14級の相場はいくらですか?
    2. 10対0事故でむちうち3か月の示談金はいくらですか?
    3. 慰謝料請求の時効はいつまでですか?

交通事故での後遺障害(後遺症)の慰謝料の算定基準

後遺障害慰謝料の金額は、どの算定基準を用いるかによって大きく異なります。

主には、

  • 自賠責基準
  • 任意保険基準
  • 裁判(弁護士基準)

の3つがありますが、

保険会社が任意で提示する金額は、最も適正な弁護士基準より大幅に低いことが多いため、注意が必要です。

自賠責保険基準

自賠責基準とは、自賠責保険における支払基準である、

自動車損害賠償責任保険の保険金等及び自動車損害賠償責任共済の共済金等の支払基準」のことです。

 

この自賠責基準は金額が明確である一方、3つの基準としては最も低額な基準になります。

 

なぜかというと、自賠責保険という保険自体が、

最低限度の補償を担保することにより被害者保護を図るセーフティーネットとして設けられているものだからです。

 

自動車損害賠償保障法第1条この法律は、自動車の運行によつて人の生命又は身体が害された場合における損害賠償を保障する制度を確立するとともに、これを補完する措置を講ずることにより、被害者の保護を図り、あわせて自動車運送の健全な発達に資することを目的とする。

被害者への迅速かつ平等な支払を実現するために設けられた最低限の基準ですから、金額としては3つの基準の中で最も低くなっています。

任意保険基準

自賠責基準が被害者にとって適切な慰謝料算定基準でないことは容易に予想がつくかもしれません。

なぜなら自賠責により支払われる保険金だけで被害者が適切な慰謝料を受け取ることができるのであれば加害者側が任意保険に加入する意味がなくなるからです。

 

上でもみたように任意保険は自賠責保険に上乗せするために各運転手が加入して保険料を別途支払っている保険ですから、

任意保険基準は自賠責基準より高いか少なくとも同じでなければなりません。

 

ここで任意保険会社担当者の気持ちになって考えてみましょう。

任意保険会社の利益を極めて簡単に理解しようとすれば、

利益=被保険者から支払われた保険料総額-被害者等に支払った保険金総額

ということになります。

 

任意保険会社とすれば被害者等に支払う保険金総額が少なければ少ないほど自社の利益が大きくなるという関係にあります。

任意保険会社は一括対応を行う場合、被害者に対して支払った保険金のうち自賠責保険が本来支払うべき部分に関しては、

自賠責保険に求償をかけることで回収することができ、自社の手出しを少なくすることができます。

 

したがって任意保険会社は、自賠責基準を参考に、同じか少し超える程度の金額で、かつ説明がつく限りで最も低い金額を基準としたいということになります。

これが任意保険基準であり、被害者にとっては到底適切な基準でないことがお分かりいただけると思います。

弁護士基準

被害者にとって最も適切な基準が、この裁判基準(弁護士基準)です。

 

この裁判基準とは、過去の裁判例などを基に公益財団法人日弁連交通事故相談センターが策定した基準であり、

損害賠償請求実務で必須といえる「赤い本」と呼ばれる『民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準上巻(基準編)』という形でまとめられている基準です。

 

3つの基準の中で最も高額かつ、事故類型や被害者個人に特有の事情などを考慮して柔軟に慰謝料額を決定することができる基準です。

被害者が適切な慰謝料を獲得するためにはこの裁判基準(弁護士基準)を用いた計算がほぼ必須といえ、そのためには専門弁護士への依頼が極めて重要です。

 

それぞれをまとめたのが以下の表になります。

自賠責基準 損害保険料率算出機構が定める基準 最低限度額
任意保険基準 任意保険会社が独自に定める基準 自賠責基準と同じかやや高い
裁判基準(弁護士基準) 裁判所・弁護士が用いる最も公正な基準最も高く、被害者にとって最も適切

弁護士が交渉に介入することで、この弁護士基準に基づいた慰謝料の請求が可能となり、受け取れる金額が大幅に増える可能性があります。

【等級別】交通事故での後遺障害(後遺症)の慰謝料の金額相場

後遺障害等級

後遺障害等級は第1級から第14級まであり、等級が重いほど慰謝料の金額も高くなります。以下は、自賠責保険基準と弁護士基準(裁判基準)それぞれによる後遺障害慰謝料の目安です。

第1級 自賠責保険基準 別表第一:1650万円 別表第二:1150万円 弁護士基準(裁判基準):2800万円(+1150万~1650万円
第2級 自賠責保険基準 別表第一:1203万円 別表第二:998万円 弁護士基準(裁判基準):2370万円(+1167万~1372万円
第3級 自賠責保険基準:861万円 弁護士基準(裁判基準):1990万円(+1129万円
第4級 自賠責保険基準:737万円 弁護士基準(裁判基準):1670万円(+933万円
第5級 自賠責保険基準:618万円 弁護士基準(裁判基準):1400万円(+782万円
第6級 自賠責保険基準:512万円 弁護士基準(裁判基準):1180万円(+668万円
第7級 自賠責保険基準:419万円 弁護士基準(裁判基準):1000万円(+581万円
第8級 自賠責保険基準:331万円 弁護士基準(裁判基準):830万円(+499万円
第9級 自賠責保険基準:249万円 弁護士基準(裁判基準):690万円(+441万円
第10級 自賠責保険基準:190万円 弁護士基準(裁判基準):550万円(+360万円
第11級 自賠責保険基準:136万円 弁護士基準(裁判基準):420万円(+284万円
第12級 自賠責保険基準:94万円 弁護士基準(裁判基準):290万円(+196万円
第13級 自賠責保険基準:57万円 弁護士基準(裁判基準):180万円(+123万円
第14級 自賠責保険基準:32万円 弁護士基準(裁判基準):110万円(+78万円

※上記は後遺障害慰謝料(後遺症慰謝料)のみの目安です。入通院慰謝料・逸失利益等は別途請求できます。

このように、自賠責基準と弁護士基準の間には大きな差があります。

弁護士に依頼し、弁護士基準(裁判基準)での請求を行うことで、大幅な増額が期待できるケースがあります。

【事例】交通事故での後遺障害(後遺症)の慰謝料の金額相場

むちうちや神経系統の後遺障害のケース

むちうちは交通事故の被害者に最も多く見られる後遺症の一つで、主に頚椎捻挫や神経系統の不調として現れます。

症状としては首の痛みや運動制限、頭痛、めまいなどが挙げられ、自覚症状が中心の場合は後遺障害等級14級9号に該当することが多いです。

診断結果として、画像検査(MRIやレントゲン)で異常所見が見つかる場合には12級13号の認定を受ける可能性もあります。

 

 

むちうち症に関する慰謝料の金額は、等級とその算出基準により異なります。

例えば、被害者が第14級に該当する場合、自賠責保険基準では32万円前後、一方で弁護士基準では110万円程度の慰謝料が期待できます。

第12級に該当する場合には、自賠責基準で94万円、弁護士基準では290万円の慰謝料が目安となります。

 

神経症状が後遺障害として認定されるには、症状固定後に適切な診断書を作成してもらい、認定手続を踏むことが重要です。

 

高次脳機能障害などの重度な後遺症のケース

交通事故で頭部に重大な影響が及ぶと、高次脳機能障害と呼ばれる後遺症が発生することがあります。

この障害は記憶力低下、認知障害、感情の制御ができないなど、生活全般に重大な影響を及ぼします。

等級としては第1級から第12級まで幅広く、重篤な障害が残る場合には労働能力喪失率が大幅に高まるため、逸失利益の請求額も大きくなります。

 

 

慰謝料の例として、第1級の高次脳機能障害では、弁護士基準で2800万円前後の慰謝料が目安となります。

この種の後遺症が認定されるためには、精密な神経心理学的検査や医師の詳細な診断が必須です。

また、後遺障害認定において書類の記載内容が非常に重要になるため、交通事故後は専門の弁護士などの支援を受けることを強くお勧めします。

交通事故での後遺障害(後遺症)の基本知識

後遺症とは

後遺症とは、交通事故などで負ったけがの治療後にも、身体や精神に残る障害や症状のことを指します。

これは治療が終了した後も完全に回復せず、日常生活や仕事に影響を及ぼす状態を示します。

 

後遺障害との違い

後遺症と後遺障害という言葉は似ていますが、意味は異なります。

後遺症は治療後も残る症状全般を指すのに対し、後遺障害はその後遺症が法律的かつ医学的に「労働能力に影響を与える」と認定された状態を指します。

交通事故における後遺障害と評価されるには、基本的には自賠責保険での等級認定が必要であり、交通事故における慰謝料や損害賠償を請求する際の大きな要素となります。

 

症状固定とは

症状固定とは、交通事故での治療を続けてもこれ以上大きな改善が見込めない状態を指します。

この時点が「治療の終わり」とされ、後遺症が残る場合には、以降の損害賠償の請求において後遺障害等級認定の基準となります。

 

症状固定の判断は医師が行い、固定後には後遺障害診断書を作成してもらう必要があります。この診断書が慰謝料の金額や逸失利益の計算に重大な影響を与えます。

 

後遺障害の分類と認定基準

後遺障害は、その程度や影響度合いによって第1級から第14級まで分類されています(自動車損害賠償保障法施行令別表第一及び別表第二

1級が最も重度で、14級は比較的軽度の障害を指します。

 

また、後遺障害は医学的・法律的に認定を受ける必要があり、認定は主に書類審査によって行われます。

例えば、むちうちの場合は画像診断や神経学的検査をもとに、14級または12級に該当するかが判断されます。

 

適切に認定を受けるには医師の診断書の記載内容が重要であり、場合によっては弁護士を通じてサポートを受けることも検討すべきです。

 

適正な慰謝料を算出するための基礎知識

自賠責保険による高次脳機能障害の審査

慰謝料とは

慰謝料とは、交通事故によって被害者が受けた精神的苦痛に対する賠償金のことを指します。

交通事故における慰謝料は大きく2種類に分けられます。

  • 入通院慰謝料(傷害慰謝料):受傷日から症状固定日までの入院・通院期間に対応する慰謝料
  • 後遺障害慰謝料(後遺症慰謝料):症状固定後に後遺障害等級が認定された場合に別途請求できる慰謝料

 

特に後遺障害等級が認定された場合には後遺症慰謝料を別途請求できるため、適切な等級認定を受けることが賠償金全体の金額に大きく影響します。

後遺障害等級とは

後遺障害等級とは、交通事故による怪我や後遺症がどの程度労働能力や日常生活に影響を及ぼすかを数値化した基準です。

等級は第1級から第14級まであり、第1級が最も重い障害、14級が最も軽い障害を表します。

後遺障害等級が認定されると、被害者は自賠責保険や加害者の任意保険から後遺症慰謝料や逸失利益を請求できます。

 

例えば、むちうち症の場合、症状が軽度の場合は第14級9号、画像等による明確な証拠がある場合は第12級13号が適用されることがあります。

また、後遺障害等級の認定においては診断書や客観的な医学的証拠が重要です。適切な等級認定を受けるためには、医師との相談や専門家のアドバイスが欠かせません。

 

 

逸失利益の計算方法

逸失利益とは、交通事故による後遺症が原因で被害者が将来的に得られなくなった収入を指します。この金額を算出するには、以下の計算式を使用します。

 

逸失利益 = 基礎収入 × 労働能力喪失率 × 労働能力喪失期間(に対応するライプニッツ係数

 

基礎収入は被害者の事故前の年収を原則とし、労働能力喪失率は後遺障害等級ごとに定められています。

例えば、14級であれば喪失率は5%、12級であれば14%などの基準があります。

 

労働能力喪失期間は、症状固定時点から67歳までの期間が目安として適用されます。

 

この計算は専門的な知識を要するため、弁護士に相談することで正確な金額を見積もることができます。

また、労働能力喪失率が後遺障害等級と連動して決定されることから、正確な後遺障害等級の認定が、この計算において重要な土台となります。

後遺障害認定を受けるための基礎知識

認定に必要な書類

交通事故による後遺症が残った場合、後遺障害等級認定を受けるためには、いくつかの書類が必要です。

具体的には、

  • 自賠責保険支払請求書兼支払指図書
  • 交通事故証明書
  • 事故発生状況報告書
  • 診断書及び診療報酬明細書
  • 後遺障害診断書
  • レントゲンやMRIなどの画像

が重要な書類とされています。

 

自賠責損害調査事務所における審査は、醜状障害などの一部の場合を除きほとんどの場合で提出書類に基づいて行われるため、提出書類の内容が後遺障害認定を左右します。

書類に不備や記載漏れがあると、適正な認定を受けられない可能性があるため、専門弁護士に相談してしっかりと確認してもらうことが重要です。

 

特に後遺障害診断書は詳しい症状を明確に記載する必要があります。

 

医師に記載してもらう診断書のポイント

後遺障害診断書は、交通事故の被害者が後遺障害認定を受ける際に非常に重要な役割を果たす書類です。

この診断書が正確かつ詳細に記載されていることで、認定の結果が左右されることがあります。

特に注意すべきポイントとして、症状の発生原因、診療経過、症状固定後の詳細な症状(痛み、しびれ、運動制限など)が具体的に記載されていることが挙げられます。

 

また、医師には後遺障害等級の認定基準を理解したうえで、適切な医学的所見を記載してもらうことが重要です。

例えば、神経系の障害であれば、画像検査(MRI、レントゲンなど)の結果を付加することで客観的なデータが裏付けとなります。

このように、医師との連携をしっかり行うことで、正確かつ詳細な診断書が作成され、慰謝料の金額にも影響します。

 

弁護士法人小杉法律事務所では、後遺障害診断書の作成にあたって主治医に、

自賠責損害調査事務所における調査のポイントを抑えた診断書を作成いただけるようお手紙をお送りしております。

 

調査の観点から見ると記載が不足していると判断されるような場合には訂正を依頼することもあります。

 

後遺障害診断書の出来が後遺障害等級認定を大きく左右するからこそ、後遺障害診断書の作成は注意して行う必要があります。

 

 

申請手続の流れ

後遺障害認定の申請手続きは以下の流れで進みます。

① 症状固定後に後遺障害診断書を作成してもらう

主治医に依頼し、後遺障害診断書を作成してもらいます。

後遺障害診断書の記載は極めて重要になりますから、弁護士法人小杉法律事務所では、後遺障害診断書のご作成の依頼に当たり、

実施していただきたい検査や重要になる点などをまとめたお手紙を主治医にお渡しいただくようにしております。

② 申請方法の選択(被害者請求 or 事前認定)

自賠責保険会社への後遺障害等級認定の申請(後遺障害部分の保険金の請求)には、

被害者請求」と「事前認定」2つの方法があります。

  • 被害者請求:被害者自ら必要書類を揃えて自賠責保険会社に直接申請する方法。提出書類を自分でコントロールできるため、弁護士のサポートのもとで行うことで有利に進めやすい方法です。
  • 事前認定:加害者側の任意保険会社が手続きを代行する方法。手間は省けますが、書類の内容を被害者側でコントロールしにくい面があります。

 

加害者側の任意保険会社は、後遺障害等級が認定されるとそれに応じた保険金をお支払しなければいけない立場ですから、

適切な後遺障害等級が認定されることはできれば避けたいのが本音です。

 

ですから、後遺障害等級認定の申請は、必ず被害者請求の方法で行いましょう。

 

③ 損害保険料率算出機構による審査

提出書類に基づいて等級認定の審査が行われます。審査は基本的に書面のみで実施されるため、提出書類の内容が結果を決定します。

④ 認定結果の通知

審査が完了すると、後遺障害等級の認定結果が通知されます。

認定後にすべきこと

後遺障害等級の認定が終わった後は、慰謝料や損害賠償を請求するための動きを進める段階に入ります。

まず、認定された後遺障害等級を基に、慰謝料や逸失利益の計算が進められます。

 

また、認定結果に不服がある場合には、異議申し立てを行い再審査を求めることも選択肢の一つです。

 

このとき、弁護士に依頼し、医学的証拠の追加提出や診断書の内容を精査して再申請を行うことが推奨されます。

最終的には、示談交渉や裁判を通じて適正な慰謝料を取得するために、専門家のサポートを受けることが重要です。

 

弁護士法人小杉法律事務所でも異議申立てを弁護士がサポートすることで適切な後遺障害等級認定を得た事例が数多くございます。

以下はその一例です。

 

 

交通事故での後遺障害(後遺症)の慰謝料を適切に受け取るポイント

すぐに病院を受診する

事故後は速やかに医療機関を受診することが重要です。

大前提として事故に遭ったわけですから、身体に異常がないかを確認してもらうことは重要です。

事故直後は大したことないと感じていたとしても、時間が経って痛みが出てくることもあります。

また、損害賠償請求を考えるうえでは、

受診が遅れると、保険会社から、交通事故と症状との因果関係を否定される可能性があります。

後遺障害等級の認定が難しくなることはもちろん、治療費なども払ってもらえなくなる可能性がありますから、

病院の受診は早期に行いましょう。

定期的に治療を受ける

症状固定まで、医師の指示に従って適切な頻度で通院・治療を継続することが重要です。

通院が途切れると

  • 症状が軽快している
  • 治療の必要性がない

と判断されてしまうリスクがあります。

後遺症は、将来にわたって残り続けるものですから、

早期から症状が軽快していると思われる症状については、後遺症とは認められにくいです。

怪我の部位や程度にもよりますが、週2~3回・概ね6か月の通院を行うことが、

後遺障害等級の認定を得るための一つの目安となっています。

保険会社から、6か月に満たない段階で治療費の支払いを打ち切るといわれたときには、

  • 弁護士に相談して延長の交渉をしてもらう
  • 健康保険を利用して通院を行う

などの方法で、6か月間は通院することを検討すべきです(後遺症が残らないと判断される場合にはそこで通院を止めても問題ございません。)。

 

早期に弁護士へ相談する

交通事故後できるだけ早い段階で弁護士に相談することで、

治療中から後遺障害等級の認定を見据えたアドバイスを受けることができます。

  • 人身事故に切り替えるべきか?
  • 実施すべき検査は?
  • 通院の頻度は?
  • 治療費の支払いを打ち切られたら?
  • タクシーは利用してよいのか?
  • 通院中の休業は払われるのか?

など、治療中は様々な疑問や不安が起こるものです。

これらについてもアドバイスを受けられるため、不安なく療養に専念することができます。

適切な後遺障害診断書を作成してもらう

後遺障害診断書の内容は、等級認定の結果を大きく左右します。

症状の具体的な記載・客観的な医学的根拠の添付・認定基準に沿った記載内容であるかどうかを確認することが重要です。

弁護士に依頼することで、主治医への診断書作成依頼のサポートや、記載内容の確認・訂正依頼まで対応してもらうことができます。

納得できない場合は異議申立てする

後遺障害等級の認定結果に納得できない場合は、異議申立てをすることができます。

異議申立てにあたっては、新たな医学的証拠(医師の意見書・追加の画像検査等)を添付することが重要です。

弁護士法人小杉法律事務所では、弁護士が異議申立てをサポートすることで適切な等級認定を得た事例が多数あります。

ここまで見てきたように、後遺障害等級の認定は、後遺症慰謝料などの金額に大きく影響します。

初回の認定が適切でなかったとしても諦めず、弁護士に相談しましょう。

交通事故での後遺障害(後遺症)の慰謝料が増額・減額されるケース

増額されるケース

以下のような事情がある場合、弁護士基準の目安を上回る慰謝料が認められることがあります。

加害者の悪質性が高い場合

飲酒運転・無免許運転・著しい速度超過・ひき逃げ(救護義務違反)など、加害者の行為に特に高い悪質性が認められるときには、

慰謝料が増額されることがあります。

 

加害者の対応が不誠実な場合

現場から逃走した・被害者への謝罪を拒否した・虚偽の事実を主張したなど、態度が著しく不誠実なときには、

慰謝料が増額されることがあります。

 

重篤な後遺障害が残り、家族の生活にも深刻な影響が及ぶ場合

被害者に重度の後遺障害が残ってしまった場合には、

介護などを行うことになり、生活に影響が出てしまう近親者の方にも慰謝料の請求が認められることがあります。

 

減額されるケース

以下のような事情がある場合、慰謝料が減額されることがあります。

被害者にも過失がある場合(過失相殺)

仮に後遺障害等級第14級9号の認定を受け、慰謝料の金額が110万円と認められたとしても、

被害者の過失が10%ある場合には、相手に請求できるのは、

110万円×(100%-10%)=99万円になります。

 

素因減額

被害者が事故前から持っていた疾患などが後遺症の発生・拡大に寄与していると判断された場合、その割合に応じて減額されることがあります。

 

後遺障害慰謝料以外の交通事故の損害賠償

交通事故被害に遭った場合に被害者に発生する損害は大きく

  • 積極損害
  • 消極損害
  • 慰謝料

の3種類に分けられます。

 

慰謝料以外にも以下のような損害を請求することが可能です。

 

積極損害

積極損害とは、事故によって実際に出費が生じた財産的損害です。

  • 治療費:病院での診察・手術・入院などに要した費用
  • 通院交通費:通院のために要したバス・タクシー代など
  • 入院雑費:入院中の日用品費など(1日あたり1,500円が目安)
  • 付添看護費:入院中に付添が必要な場合の費用
  • 将来の治療費:症状固定後も継続して必要な治療費
  • 後遺障害に伴う将来の介護費:重度後遺障害によって必要になる介護費用

 

消極損害

消極損害とは、事故がなければ将来得られたはずなのに得られなくなった収入や利益です。

  • 休業損害:事故による怪我で仕事を休まざるを得なかった期間の収入減少
  • 後遺症逸失利益:後遺障害が残ったことで将来的な労働能力が低下・喪失することで得られなくなる収入(基礎収入×労働能力喪失率×就労可能年数に対応するライプニッツ係数)

 

交通事故での後遺障害(後遺症)の慰謝料を受け取るまでの流れ

交通事故被害に遭ってから、後遺障害慰謝料を受け取るまでの大まかな流れは以下のとおりです。

① 事故直後の対応・通院開始

警察への届出・救急受診・整形外科等への受診を行います。

事故直後から適切な頻度で通院を続けます。

症状の一貫性が重要になるため、症状は正確に主治医に伝えましょう。

② 弁護士への早期相談

できる限り早い段階で交通事故被害専門の弁護士に相談しましょう。

治療期間中に生じる疑問や不安を解決しつつ、

後遺障害等級の認定を見据えたアドバイスを受けることができます。

③ 症状固定・後遺障害診断書の作成

症状固定はあくまで主治医が判断することですが、概ね治療開始から6か月経過した頃とされるのが一般的です。

後遺障害診断書の内容は重要になりますから、診断書作成の前には弁護士に相談してアドバイスを受けましょう。

④ 後遺障害等級の申請

必要書類を揃えて自賠責保険に申請します。

弁護士のサポートのもと、被害者請求を選択することで提出書類を有利に整えることが可能です。

⑤ 審査・等級認定

損害保険料率算出機構の自賠責損害調査事務所において書面審査が行われ、後遺障害等級の認定結果が通知されます。

2~3か月程度を要します。

⑥ 認定結果への対応(必要に応じて異議申立て)

認定結果に不服がある場合は、弁護士のサポートのもとで医師の意見書等の新たな証拠を添付して異議申立てを行います。

新たな医学的証拠の取り付けは非常に重要です。

カルテなどを読み解いたうえで、医師と面談し、意見書を取り付けてくれる弁護士に依頼しましょう。

⑦ 示談交渉または訴訟

認定された等級をもとに、加害者側保険会社と示談交渉を行います。

弁護士基準での賠償金を請求し、合意が得られなければ訴訟提起も視野に入れます。

⑧ 賠償金の受領・解決

示談成立または判決確定後、賠償金が指定口座に振り込まれます。

交通事故での後遺障害(後遺症)の慰謝料請求を弁護士に任せるメリット

交通事故による後遺症が残った場合に弁護士に依頼することには、以下のようなメリットがあります。

弁護士基準(裁判基準)での慰謝料請求が可能になる

保険会社が提示してくる慰謝料の金額が、被害者側にとって適切であることはほとんどありません。

弁護士基準(裁判基準)での請求を行うことで、被害者側にとって適切な金額を受け取れる可能性が大きく高まります。

 

後遺障害等級の認定サポートを受けられる

後遺障害診断書の作成依頼・提出書類の整備・認定基準に照らした確認を弁護士が行うことで、適切な等級認定を受けられる可能性が高まります。

 

異議申立てを適切に行える

一度認定された等級に不服がある場合、新たな医学的証拠を揃えた異議申立てを弁護士がサポートします。

異議申立ては適切な医学的証拠を揃えられるかどうかが勝負の分かれ目です。

 

保険会社との交渉を任せられる

保険会社の担当者と直接交渉することは心理的負担が大きく、専門知識のない状態では不利になりやすいです。

弁護士が代理することで適切かつ冷静な交渉が可能になります。

 

請求漏れを防げる

後遺症が残ってしまった場合には、慰謝料以外にも逸失利益など様々な費目について請求が可能です。

知識がなければ請求が漏れてしまったり、不適切な基準で計算をしてしまったりする可能性がありますが、

弁護士に任せれば安心です。

 

精神的負担を軽減できる

交通事故に遭い、怪我をしたということ自体が苦痛である中で、

通院を余儀なくされたり、休業が必要になって生活費に不安を抱えたりと、被害者は大きな精神的負担を抱えることになります。

 

さらに保険会社との間では煩雑なやり取りや書類の準備をしなければならず、大きな負担となります。

そのなかで、弁護士に依頼することで、面倒なやり取りを代理で行ってもらうことができ、治療と日常生活の回復に専念できます。

交通事故での後遺障害(後遺症)の慰謝料交渉を有利に進める方法

弁護士に相談する

交通事故による後遺症が残った場合、被害者が適正な慰謝料を請求するためには弁護士のサポートを受けることが非常に有効です。

まず、弁護士は交通事故に関する法律や判例に精通しているため、後遺障害等級や慰謝料の金額に不当性がある場合、適切に主張できます。

 

また、被害者自ら保険会社と交渉することは心理的負担が大きいですが、弁護士に依頼することで適切で冷静な交渉が可能になります。

 

特に弁護士基準(裁判所基準)に基づいた算出を主張することにより、保険会社基準よりも高い慰謝料を得られる可能性があります。

さらに、後遺障害認定に関する申請書類の作成や診断書の適切な記載内容について助言を受けられることも大きなメリットです。

 

後遺障害等級が適切か慎重に確認する

後遺障害等級は、後遺症慰謝料の金額に直結します。

後遺症は残らないことが一番ですが、残ってしまった後遺症が不当に低く評価されるということは避けなければなりません。

 

交通事故被害を専門としている弁護士は、後遺障害等級の認定基準を熟知していますから、

弁護士に相談することで、自身の後遺症に見合う後遺障害等級が本当に認定されているのかを確認することができます。

 

被害者の状況に応じて解決方法を決める

慰謝料の解決方法として、示談交渉と裁判の2つがあります。

示談交渉は紛争を迅速に解決できる方法ですが、保険会社が提示する金額が必ずしも適正とは限らないため、慎重に進める必要があります。

 

一方、裁判では裁判官が交通事故損害に関する適正な基準に基づいて判断を下すため、結果的に慰謝料が増額される可能性が高くなります。

ただし、裁判には時間と費用がかかるため、被害者の状況に応じて最適な方法を選ぶことが重要です。

交渉や裁判での対応が苦手な場合は、専門的な知識を持った弁護士に任せることで、不安を軽減しつつ有利な結果を目指せます。

 

慰謝料増額のための証拠収集をしておく

慰謝料を増額するためには、後遺障害の程度や事故の影響を適切に示す証拠を確保することが重要です。

主な証拠としては、医師が診断書や後遺障害診断書に記載した後遺症の具体的な症状、治療経過、事故による影響などが挙げられます。

また、レントゲンやMRI画像といった医学的証拠は、後遺障害等級認定に大きく影響します。

さらに、交通事故証明書や事故状況を説明する書類も重要な要素です。

 

書類が揃っているだけでなく、それらが適切な内容であるかどうかを弁護士に確認してもらうことで、認定への信頼性が高まります。

重篤な後遺障害の場合には、被害者が日常生活での支障を記録した日記や家族の証言なども、後遺症の影響を証明するための有力な補足資料となります。

 

弁護士法人小杉法律事務所でも、被害者の事故による頭部受傷後の性格変化や、介護の必要性の変化などを、

実際にご自宅を訪問して丁寧に立証したことで適切な慰謝料を獲得した事例も多くございます。

 

 

交通事故被害に遭い、後遺症が残り慰謝料請求を行う場合には、専門とする弁護士のサポートを受けることで金額が大きく変わります。

交通事故に強い弁護士法人小杉法律事務所では、交通事故被害者側の損害賠償請求を専門とする弁護士によるサポートを行っておりますので、

お困りの方はぜひ一度弁護士法人小杉法律事務所にお問い合わせください。

 

交通事故被害者側損害賠償請求専門弁護士との初回無料の法律相談の流れについてはこちら。

 

交通事故での後遺障害(後遺症)の慰謝料に関するよくある質問

後遺障害14級の相場はいくらですか?

後遺障害第14級の後遺障害慰謝料の相場は、算定基準によって異なります。

  • 自賠責保険基準:32万円
  • 弁護士基準(裁判基準):110万円

これに加えて、逸失利益(労働能力喪失率5%で算定)や入通院慰謝料も別途請求できます。

むちうちで第14級9号が認定された場合、慰謝料・逸失利益・入通院慰謝料等を合わせた総賠償額は、症状や就労状況によって変わりますが、300万円以上になることもあります。

保険会社の提示額が弁護士基準を大幅に下回っている場合は、弁護士への相談をお勧めします。

10対0事故でむちうち3か月の示談金はいくらですか?

加害者の過失が100%(被害者の過失なし)のむちうちで3か月通院した場合の慰謝料の目安は、通院日数や通院頻度によって異なりますが、

弁護士基準(別表II)ではおおむね53万円〜67万円程度が一つの目安となります。

ただし、3か月で治療を終了する場合には、後遺障害等級の認定を得ることは難しいです。

症状が残っていないのに後遺障害等級の認定を得るために治療をいたずらに引き伸ばすことはいけませんが、

症状が残っているのに治療費の支払いを打ち切られてしまいそうな場合には、交渉して治療期間を伸ばすよう努めるべきです。

慰謝料請求の時効はいつまでですか?

交通事故の慰謝料を含む損害賠償請求権には消滅時効があり、

原則として損害および加害者を知った時から5年(民法724条の2)で権利が消滅します。

第七百二十四条 不法行為による損害賠償の請求権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。
一 被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないとき。
二 不法行為の時から二十年間行使しないとき。
(人の生命又は身体を害する不法行為による損害賠償請求権の消滅時効)
第七百二十四条の二 人の生命又は身体を害する不法行為による損害賠償請求権の消滅時効についての前条第一号の規定の適用については、同号中「三年間」とあるのは、「五年間」とする。

実際には事故日の翌日から5年が時効の起算点となることが多いです。

ただし、後遺障害に関する損害については症状固定後に損害が確定するため、症状固定時を起算点とする考え方もあります。

いずれにしても、時効が完成してしまうと請求権を失うため、早めに弁護士に相談して時効の管理を任せることがおすすめです。

この記事の監修者弁護士

小杉 晴洋 弁護士
小杉 晴洋

被害者側の損害賠償請求分野に特化。
死亡事故(刑事裁判の被害者参加含む。)や後遺障害等級の獲得を得意とする。
交通事故・学校事故・労災・介護事故などの損害賠償請求解決件数約1500件。

経歴
弁護士法人小杉法律事務所代表弁護士。
横浜市出身。明治大学法学部卒。中央大学法科大学院法務博士修了。

所属
横浜弁護士会(現「神奈川県弁護士会」)損害賠償研究会、福岡県弁護士会交通事故被害者サポート委員会に所属後、第一東京弁護士会に登録換え。日本弁護士連合会業務改革委員会監事、(公財)日弁連交通事故相談センター研究研修委員会青本編集部会。